ブログ内容Q&A

2015年12月29日

ブログ内容 質疑応答(1)

 先頃2名の読者からのご質問を頂きましたので、コメント欄の中での回答でなく、記事として取り上げておくことに致します。

 それに伴い、記事カテゴリ「ブログ内容Q&A」を新設することにしました。

 まず始めにmattoさんへの回答として。

 ディープインパクトと、ドイツ血統の繁殖牝馬との相性についてはどう考えるのか?ということですが、基本的に「ファラリスの直系子孫」とはならないタイプの繁殖牝馬は、それがドイツ血統であれ、インリアリティ系(ゴドルフィンアラビアン直系)などの異系であれ、サンプル的にまだ検証事例が数少ないこともあって、はっきりと相性の良し悪しを決めつけるのは難しいと感じます。

 欧州で活躍を続けているドイツ血統は当然、世界的に見れば主流の系統とは異質(非ファラリス系という意味での)であり、かつ貴重な存在です。

 単純に、異系としての活力が「底力要素」として顕現してくれば、何もディープインパクトでなくとも、ハーツクライなどでも配合の妙で活躍馬は出てくると思います。

 ただ、異系牝馬が配合相手となる場合、一応はBLPの算出をしていても、通常のケースより産駒の活躍度についてはかなりアテにしづらい、という認識はありますね。

 今のところ、その相性は世間一般で思われているほど良くはないのではないか?ということにしておきたいと思いますが・・・。


 次にNOBIYOさんへの回答として。

 クロフネ産駒については、やはり牝馬の活躍ばかりが目立ち、牡馬の重賞級が出にくい現状の傾向を嘆いていらっしゃるようですね。

 そういう傾向にある中で、今年はクラリティスカイの活躍が目を見張るものとなった訳ですが、母のBLP=20程度ないと絶対ダメなのかどうかは、まだサンプル数的にもはっきりと言及しにくいところがあります。m(_ _)m

 まず、繁殖牝馬の持つ迂回血ライン継承度(=BLP)は、「10以上が必須」ということではなくて、あくまでも「10以上が望ましい」というスタンスなのが現状の基本的立場です。

 今後は、タイキクラリティのようなBLP=20前後の値を持つ繁殖牝馬が、おそらくどんどん増えていくことになるのではないか?と感じています。

 そういう状況が今よりも一層顕著になっていった場合、単に母自身ないし母父自身がBLP=10程度あってもアドバンテージにはなりにくい時代が来るかもしれませんね。

 現状は「母自身で10以上が望ましい」としていますが、あと2,3年も経てば、それでは不十分な時代になっていく可能性というものを予め認識しておく必要がある、と感じているのは確かです。

 また、カレンチャンの全弟についてですが、個人的には姉のような短距離路線ではなく、あくまでも中距離路線での活躍度を継続的に見てみたいですね。

 その全弟が1800m前後の芝重賞で連対(3歳以降に)するようであれば、別に母のBLP=10程度で良いんだな、という検証結果として受け止めるのみ、となります。

 クラリティスカイが種牡馬になった場合についてですが、ハービンジャーがBLP=20以上として算出可能でも、産駒の活躍度が周囲の期待どおりとはいかない状況となっているように、クラリティスカイについてもBLPの値だけで大物を出せるかどうかの判断は難しいですね。

 おそらく、ディープインパクトの全盛時代がまだまだ続くでしょうし、その時の周囲の状況との兼ね合いで色々と勢力図も変わってくるでしょう。

 個人的には、「クロフネ系」という系統がきちんと確立して今後ともずっと存続していけるかどうか?は、かなり怪しいものがあると睨んでいますが・・・。

 最後に、母父がディープインパクトとなるクロフネ産駒のファントムグレイについてですが、まだ2戦しか経験していませんし、前走の2歳未勝利戦(12/13・中山3R)では4着でしたが勝ち馬から0.1秒差しか離されていないですし、まだ見限るのは早いかと。

 母自身のネアルコ依存度は低めですし、マイル戦よりも長めの中距離で厩舎が使ってみるまでは、当方としては評価を保留させます。

 厩舎がもし短距離路線にシフトしてしまった場合には、残念ながら考察対象外となってしまいますが・・・。


blood_max at 02:18|PermalinkComments(0)