東西3歳重賞 結果2025 1月の3歳戦ほか(2)+京成杯 有力馬

2025年01月16日

過去記事の再掲 2013年元日の記事から

 唐突ですが、このブログの血統考察手法の「根幹」を成す考え方として、今から12年前の元日にUPした主旨説明の記事の一部分を、以下に抜粋・再掲載します。

 干支がちょうど、ひと回り戻る今年と同じ巳年の2013年に綴った記事を、今このブログを読みに来てくださる読者の皆様に「もう1度共有して頂きたい」との思いからです・・・。

 以下、再掲文となります。

 2009年初めにこのブログを開始してから、今年で5年目となります。その間、血統考察においては様々な解釈の上で紆余曲折し、試行錯誤もしてまいりましたが、根本的な考察手法の概念・基本理念におきましては、何ら変わることなく当初の方針を貫いてきました。

疑問その1.「どうして、現代の競走馬たちの父系は、『ファラリス直系子孫』ばかりになったのか?」

疑問その2.「父系としては衰退一途のハイペリオン・プリンスキロなどの存在が、なぜ母方に入ると途端に『底力要素』となって君臨出来るのか?」

 などといった素朴な疑問を持ったことに端を発し、競馬用データベースソフト「TARGET frontier JV」の血統検索機能を活用しながら、個人的に血統研究を開始したのが2006年夏のことでした。

 競走馬の強さを決定していく上での配合上の大きな要因が、300年余りの間繰り返されてきた「近親クロス」にあることは紛れもない事実なのですが、それでは、

疑問その3.「近親クロスに頼らないような血統構成で強くなれる競走馬とは一体、何を拠りどころとして強くなっていくのだろうか?」

 に対する答えのようなものを模索していく中で個人的に実感したのが、最初の2つの疑問の謎が同時に解決することが可能な仮説、「迂回血(うかいち)ライン」の概念だったのです。

 つまり、3番目の疑問である、「近親クロスの要素に、過度に頼ることなく強くなっていける競走馬」とは、

 実は1番目と2番目の疑問を同時に解決する要素(=迂回血ライン)を持つような馬たちだった、というのが検証結果に基づく仮説(=迂回血ライン)の正当性なんですね。

・疑問1に対する仮説1・・・「ファラリスの直系子孫のみが繁栄するのは、実はハイペリオン・プリンスキロなどの存在が「母方に(複数のラインで)あること」が、“際立って大きく”貢献しているからである」

・疑問2及び仮説1に基づき浮上する仮説2.・・・「ハイペリオン・プリンスキロに共通する要素とは、それぞれが母方に持つ重要なライン(=ファラリス直系にとって最も重要かつ有効な遺伝要素、Cyllene − Minoru のライン)を持つことであり、だから父系としては衰退しても、ファラリス系の母方に入れば有効な血、となる」

・仮説1・2に基づく仮説3への移行.・・・近親クロスに頼らずに「芝重賞級」となるような強さを得るのは、ファラリスの直系子孫にとってのみ極めて有効な血のライン(Cyllene − Minoru のライン)を、他馬よりも多く得られているからである」


 上記の仮説1〜仮説3へと至る考察過程が、血統考察として真に的を射ているか否か?を検証するために開始したのがこのブログであり、ファラリスの直系子孫にとって重要な血脈であるCyllene − Minoru のラインが、ハイペリオンやプリンスキロといった異系種牡馬の「母方に迂回して存在」することから、

・Cyllene − Minoru の血脈を「迂回血(うかいち)」と命名

・この迂回血を持つ主要な種牡馬であるシックル・ファラモンド・ハイペリオン3兄弟と、プリンスキロ・ボスワースを「迂回血ライン種牡馬」として設定

・迂回血ライン種牡馬に遡るライン数(のべ数)を、合計でいくつ持つかを示すものとして

・迂回血ライン数(継承度):Bypass-blood Line Point (=BLPと略記)として定義

 するに至った、という次第です。

 過去にも、ブログ主旨としての説明を何度か試みてきましたが、なかなか上記の考察過程について簡潔に述べることは非常に難しく感じていました(苦笑)。

 言っている事の本質は、非常に単純明快なものなのですが・・・。

 そして、過去記事で何度も述べてきたことですが、

・ディープインパクトのBLP=12(父のBLP=4+母のBLP=8)

 で示され、競走馬としても種牡馬としても別格の存在として不動の地位を得ているディープインパクト自身が、4代以内で成立するような「近親クロスに頼らずに強くなった競走馬」であり、「迂回血ライン」が真に意味するところを最も大きく表現し、証明してくれている存在なのです。



 ・・・以上が、2013年の元日に綴った記事の一部抜粋となる文章でした。

 この文章を綴ったあの日からもう、干支が一回りもしてしまうほど年月が過ぎ去ってしまったワケですが、当然のことながら、2013年当時の種牡馬勢力図を取り巻く環境から、現在は大きく様変わりしつつ推移して今に至っております。

 あの当時からこのブログをずっとお読み頂いている読者の皆様方への感謝の念は尽きませんが、ごく最近になってこのブログの存在を知った、という方々におかれましては、なかなか記事の真意が伝わりにくい中で少しでも、このブログの血統考察が目指す方向性・原点というものをきちんと知って頂くため、あえて昔の記事をもう一度ここに再掲してみた次第です。

 このブログを開始してから既に16年が経過しても、開始当初からの「近親クロス要素に頼らない配合でも芝重賞を勝てる理由はどこにあるのか?」の一番素朴な疑問に、「迂回血ラインで優先考察可能な繁殖牝馬たち」が今もなお、その答えを提示し続けてくれています。

 昨年の京成杯を勝ち、皐月賞を無念の発走除外となりつつも日本ダービーを勝ち切ったダノンデサイルの母、トップデサイルが昨年においては最も象徴的な存在でした。

 常に、考察対象馬が上手く出世していけるとは限らないのが競馬の世界の厳しさでもあるのですが、競走馬の血統の世界においては、「人知を超えた厳然たる法則のようなものが、必ず何かしら存在している」そのことを念頭に、これからも上記の「血統考察の原点」となる基本的な概念を踏襲しつつ、新たな配合の可能性を秘めた若駒たちの発掘を、楽しみながら進めていきたいと思います・・・。


blood_max at 19:04│Comments(0) ブログ主旨説明・他 

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
東西3歳重賞 結果2025 1月の3歳戦ほか(2)+京成杯 有力馬