2017年01月
2017年01月30日
2017 3歳戦備忘録(6)
1/29 東京9R セントポーリア賞(芝1800m)
1着 ダイワキャグニー(母トリプレックスのBLP=11↓:(4,3↓,4))
・RRP:131=128+3
2着 エトルディーニュ(ノーザンダンサー4×4)
・RRP:125
3着 ジュンヴァリアス(同系配合でヘイルトゥリーズン4×4)
・RRP:125
レースは上位人気3頭がみな馬券圏外に去るという結末。人気サイドの馬の1頭ぐらいは馬券になるだろうな〜程度に思っていましたので、馬券は買わずに正解でした(苦笑)。
レース展開としてはニシノアップルパイが逃げて千m通過は61秒2のスローに落とし込んだ中で失速、2、3番手を進んだ上記の連対馬2頭が結局入線という内容。
Nアップルパイに関しては母のBLP=7しかなく、このまま芝路線に固執し続けてもおそらく芽は出ずにズルズルと低迷したまま推移するだけでしょう。ダート転向で先行脚質が活きるのではないかと。
5代アウトブリードの配合自体は良いとしても、母方の血統において芝で昇級していくための「迂回血」が少なすぎます。馬自身のためを思えば、ダート路線を使ってみるのも決して無駄ではないと思いますけれどもね・・・(芝なら1400m以下で)。
それはさておき、勝ったDキャグニーの走破時計は1分47秒7で、同日最終12Rの古馬1千万下で勝ったスモークフリーの1分48秒3をコンマ6秒も上回る秀逸な内容。
まあレース上がり自体が33秒7と速く、勝ち馬から8着までの馬が全て上がり33秒台を叩き出していましたので、そういう馬場だったと言えばそれまででしょうが、それでも1頭だけ47秒台は今後につながりそうな気配濃厚でしょうね。
Dキャグニーについては次走の重賞でおそらく人気サイドになるでしょうが、やはりそこで再度注目することになると思います・・・。
もうハービンジャー産駒に関しては母方の血統背景がどうあれ、いちいち論評するだけムダ、という印象はここでもまた再燃(笑)。ホント、アテにならん種牡馬ですわ。(京都の梅花賞ではワンツーしていたにしても、人気の低いほうが先着)。
ブエナビスタの娘コロナシオンですが、やはりこの時期になってまで牡馬相手の競馬をさせるというのは、いくら女傑の娘と言えども厳しいのではないかと。
牝馬なんですからこの先はもう、牝馬同士のレースで使ってもらいたいものですね・・・。
1着 ダイワキャグニー(母トリプレックスのBLP=11↓:(4,3↓,4))
・RRP:131=128+3
2着 エトルディーニュ(ノーザンダンサー4×4)
・RRP:125
3着 ジュンヴァリアス(同系配合でヘイルトゥリーズン4×4)
・RRP:125
レースは上位人気3頭がみな馬券圏外に去るという結末。人気サイドの馬の1頭ぐらいは馬券になるだろうな〜程度に思っていましたので、馬券は買わずに正解でした(苦笑)。
レース展開としてはニシノアップルパイが逃げて千m通過は61秒2のスローに落とし込んだ中で失速、2、3番手を進んだ上記の連対馬2頭が結局入線という内容。
Nアップルパイに関しては母のBLP=7しかなく、このまま芝路線に固執し続けてもおそらく芽は出ずにズルズルと低迷したまま推移するだけでしょう。ダート転向で先行脚質が活きるのではないかと。
5代アウトブリードの配合自体は良いとしても、母方の血統において芝で昇級していくための「迂回血」が少なすぎます。馬自身のためを思えば、ダート路線を使ってみるのも決して無駄ではないと思いますけれどもね・・・(芝なら1400m以下で)。
それはさておき、勝ったDキャグニーの走破時計は1分47秒7で、同日最終12Rの古馬1千万下で勝ったスモークフリーの1分48秒3をコンマ6秒も上回る秀逸な内容。
まあレース上がり自体が33秒7と速く、勝ち馬から8着までの馬が全て上がり33秒台を叩き出していましたので、そういう馬場だったと言えばそれまででしょうが、それでも1頭だけ47秒台は今後につながりそうな気配濃厚でしょうね。
Dキャグニーについては次走の重賞でおそらく人気サイドになるでしょうが、やはりそこで再度注目することになると思います・・・。
もうハービンジャー産駒に関しては母方の血統背景がどうあれ、いちいち論評するだけムダ、という印象はここでもまた再燃(笑)。ホント、アテにならん種牡馬ですわ。(京都の梅花賞ではワンツーしていたにしても、人気の低いほうが先着)。
ブエナビスタの娘コロナシオンですが、やはりこの時期になってまで牡馬相手の競馬をさせるというのは、いくら女傑の娘と言えども厳しいのではないかと。
牝馬なんですからこの先はもう、牝馬同士のレースで使ってもらいたいものですね・・・。
2017年01月28日
2017 3歳戦備忘録(5)
毎年のことなんですが、京成杯からきらさぎ賞までが「中2週」となってしまうこの時期は、若駒の血統考察を主体に展開する当ブログとしては記事更新が滞りがちになるのが常でして。
降雪などの影響で馬場が重くなるような場合も、重賞以外はOP特別戦であろうと回顧をやらない方針であるだけに、なおさら記事ネタに困ってしまうのが痛いところ。
明日も3歳戦ではセントポーリア賞があるものの、人気サイドの良血馬たちで決まってしまいそうな気配濃厚で事前考察は見送り、後日の回顧のみとさせて頂きます・・・。
というワケで先週の良馬場施行の3歳戦からピックアップを。
1/22 京都6R 2歳新馬(芝1800m)
1着 ファンディーナ(母ドリームオブジェニーのBLP=17:(9,5,3)だが・・・)
・RRP:128
2着 ブルークランズ(母自身にノーザンダンサー4×4の近親クロス有り)
3着 モンテヴェルデ(母モンタニュードールのBLP=15:(7,3,5↓)だが・・・)
走破タイム的にはありがちな超スローで、しかも先行した牝馬2頭でのワンツー。特に牡馬の面々はかなり不甲斐ないという印象で、この先も変わり身を見せる牡馬は3着馬以外にはいないような感じも少々。
ただ勝ったファンディーナは2着以下を9馬身も引き離しての逃げ切りで、2戦目の内容次第では桜花賞に間に合うような感じもなくはなさそうですが。
一応、母自身の迂回血ライン継承度を上記のように算出し提示しておりますが、ファンディーナ自身にはヘイロー(3×5)の5代内クロスがあり、この要素が迂回血の要素を少々邪魔すると言うかボカしてしまうと言うべきか(苦笑)。
それは3着のモンテヴェルデもやはりヘイロー(3×5)の持ち主なので同じことが言えそうで、次走以降の内容がどのようになっていくのか、少し距離感を保った視点で推移を見守ろうかなと。
レース回顧はその程度で済ませるとして、今回はファンディーナの母父となるPivotalについて言及しておこうと思います。
・Nureyev(3)→Poler Falcon(5)→Pivotal(9)
上記のようにヌレイエフの孫にあたる後継種牡馬ピヴォータルですが、祖父の持つBLP=3から、父ポーラーファルコンのBLP=5を経て、更に母方から4つの迂回血を補強しBLP=9となります。
ピヴォータル自身が競走馬としてどのような成績だったのか?については、当方は全く存じ上げませんが、そのような事はネット上で検索して調べればあとから幾らでも分かる事です。
当ブログで最も重要な視点としては、代々のサイアーラインにおいて、母方から順次BLPを1つでも多く補強していくのが系統存続につながりやすい、という部分ですね。
仮にピヴォータル直系の父系としてはいずれ途絶えるとしても、母父としてならばそれなりに時代を超えて存在感を示すことは可能ですから、母父もしくは「母の母父」などとして単体考察していく場合でも、子々孫々にとってはとても重要な存在として位置付けられることになります。
たまたまではありますが、1/17に順延されての施行となった日経新春杯の勝ち馬ミッキーロケットの母父もやはりピヴォータルでした。
ただミッキーロケットの場合は自身が持つヌレイエフ(4×4)の近親クロス要素がかなり奏功しての活躍につながっていると思われますので、この場合は母父の存在感自体は若干薄れるものとなるでしょうが。
勿論、キングマンボの母父がヌレイエフである以上、キングマンボ直仔のキングカメハメハにヌレイエフ直系のピヴォータルが母父となる配合上の相性の良さは、生産者の思惑どおりになる確率は至極高かったと言えそうでしょうけれどもね・・・。
いずれにせよ、4代内クロスが生じるような配合のケースでは迂回血の優先考察度を下げざるを得ないものの、ピヴォータル自身について上記のように受け止めておくことで、ピヴォータル経由の血を持つ他の馬たちの配合事例にも対応させていくことは可能となっていきますので、今後の参考にして頂ければ、と。
降雪などの影響で馬場が重くなるような場合も、重賞以外はOP特別戦であろうと回顧をやらない方針であるだけに、なおさら記事ネタに困ってしまうのが痛いところ。
明日も3歳戦ではセントポーリア賞があるものの、人気サイドの良血馬たちで決まってしまいそうな気配濃厚で事前考察は見送り、後日の回顧のみとさせて頂きます・・・。
というワケで先週の良馬場施行の3歳戦からピックアップを。
1/22 京都6R 2歳新馬(芝1800m)
1着 ファンディーナ(母ドリームオブジェニーのBLP=17:(9,5,3)だが・・・)
・RRP:128
2着 ブルークランズ(母自身にノーザンダンサー4×4の近親クロス有り)
3着 モンテヴェルデ(母モンタニュードールのBLP=15:(7,3,5↓)だが・・・)
走破タイム的にはありがちな超スローで、しかも先行した牝馬2頭でのワンツー。特に牡馬の面々はかなり不甲斐ないという印象で、この先も変わり身を見せる牡馬は3着馬以外にはいないような感じも少々。
ただ勝ったファンディーナは2着以下を9馬身も引き離しての逃げ切りで、2戦目の内容次第では桜花賞に間に合うような感じもなくはなさそうですが。
一応、母自身の迂回血ライン継承度を上記のように算出し提示しておりますが、ファンディーナ自身にはヘイロー(3×5)の5代内クロスがあり、この要素が迂回血の要素を少々邪魔すると言うかボカしてしまうと言うべきか(苦笑)。
それは3着のモンテヴェルデもやはりヘイロー(3×5)の持ち主なので同じことが言えそうで、次走以降の内容がどのようになっていくのか、少し距離感を保った視点で推移を見守ろうかなと。
レース回顧はその程度で済ませるとして、今回はファンディーナの母父となるPivotalについて言及しておこうと思います。
・Nureyev(3)→Poler Falcon(5)→Pivotal(9)
上記のようにヌレイエフの孫にあたる後継種牡馬ピヴォータルですが、祖父の持つBLP=3から、父ポーラーファルコンのBLP=5を経て、更に母方から4つの迂回血を補強しBLP=9となります。
ピヴォータル自身が競走馬としてどのような成績だったのか?については、当方は全く存じ上げませんが、そのような事はネット上で検索して調べればあとから幾らでも分かる事です。
当ブログで最も重要な視点としては、代々のサイアーラインにおいて、母方から順次BLPを1つでも多く補強していくのが系統存続につながりやすい、という部分ですね。
仮にピヴォータル直系の父系としてはいずれ途絶えるとしても、母父としてならばそれなりに時代を超えて存在感を示すことは可能ですから、母父もしくは「母の母父」などとして単体考察していく場合でも、子々孫々にとってはとても重要な存在として位置付けられることになります。
たまたまではありますが、1/17に順延されての施行となった日経新春杯の勝ち馬ミッキーロケットの母父もやはりピヴォータルでした。
ただミッキーロケットの場合は自身が持つヌレイエフ(4×4)の近親クロス要素がかなり奏功しての活躍につながっていると思われますので、この場合は母父の存在感自体は若干薄れるものとなるでしょうが。
勿論、キングマンボの母父がヌレイエフである以上、キングマンボ直仔のキングカメハメハにヌレイエフ直系のピヴォータルが母父となる配合上の相性の良さは、生産者の思惑どおりになる確率は至極高かったと言えそうでしょうけれどもね・・・。
いずれにせよ、4代内クロスが生じるような配合のケースでは迂回血の優先考察度を下げざるを得ないものの、ピヴォータル自身について上記のように受け止めておくことで、ピヴォータル経由の血を持つ他の馬たちの配合事例にも対応させていくことは可能となっていきますので、今後の参考にして頂ければ、と。
2017年01月23日
2017 3歳戦備忘録(4)
AJCCに出走も転倒、予後不良となってしまったシングウィズジョイは可哀想でした。競走馬にとっては何時どの馬にも起きかねない事態とはいえ、無事ならば繁殖牝馬としての道があっただけに、いたたまれない思いにかられてしまいますね・・・。
さてそのレース自体はリアルタイムで見ていたのではなく、夕方帰宅後に結果を確認したのですが、長期休養明けのタンタアレグリアはちょっと買えず。
2,3,4着馬で決まっていれば事前に買っておいた馬券は当たってましたが・・・。
まあ常に当たり外れは紙一重と言いますか、予想の難しさとはそういう部分にこそあるワケで、血統の要素のみで決まるはずもないからこそ、逆に血統考察のみで的中した時の喜びもまた格別、と思いたいところでして。
では直近の3歳戦をサラっと。
1/21 中山9R 若竹賞(芝1800m)
1着 ウインブライト(ノーザンテースト4×4)
・RRP:128=125+3
2着 マイネルズイーガー(母マイネカンナのBLP=9↓:(7,2↓,0↓)だが・・・)
・RRP:125
3着 ムーンザムーン(ヘイロー4×3)
・RRP:125
勝ち馬の走破時計1分48秒3は、先週の準OP、初富士Sで勝ったフェルメッツァの勝ち時計をコンマ1秒上回っており、この時期のパワー要求度の高めな馬場で3歳馬が出したタイムとしては秀逸と見ていいのかなと。
ただ、そのウインブライトにしても次走の重賞挑戦でのレース内容を見てみないと、まだまだこの世代の中でどのあたりのレベルなのか、ちょっと見えづらいですね。
全姉のウインファビラスが長めの距離をやや不得手としていたので、牡馬としては姉のようなことはなさそうなのか、もう少し見極めが必要かなと。
2017年01月16日
2017 3歳戦備忘録(3)
1/8 中山6R 3歳新馬(芝2000m)
1着 ルヴォワール(母父自身にノーザンダンサー3×4の近親クロス有り)
・RRP:130
2着 サトノルーラー(母コンテスティッドのBLP=22:(10,7,5))
3着 クラークキー(母トウカイメガミのBLP=7↓:(4,2,1↓))
勝ったのはハーツクライ産駒の牝馬で、1キロ減で出走可能な石川騎手の騎乗で斤量53キロでの勝利。牡馬は56キロですから3キロ減となる斤量の優位性は明白でした。
石川騎手はそろそろ100勝突破も目前の段階ですし、京成杯の考察記事でも少し触れたように若手騎手の中では好騎乗のレースを既に数多く披露している有望株でもあり、これはもう牡馬の陣営にとっては厄介でしかないレースだったかと。
そんなワケで、個人的にメモっておきたい対象は勝った牝馬ではなく、斤量差の不利もあって2着に甘んじたディープ産駒サトノルーラーのほうが今後とも検証対象ですね。
まあディープ産駒というのは母自身の血統背景がどうあれ、何だかんだと人気サイドになってしまいがちなので誰でも注目可能と言うか、嫌でも注目するしかないと言うべきでしょうが・・・。
当然、次走の未勝利戦では1番人気に支持されるのがほぼ確定的な状況でしょうしね。今回の2着の内容からしても。
それはそれでいいとして、やはり今のうちに言及しておかねばならんのは母父となるゴーストザッパーという種牡馬についてかなと。
ネットで調べるまでその素性については全く知りませんでしたが、オーサムアゲインの直仔にして、2004年のブリーダーズカップ・クラシックで優勝しているのがこのゴーストザッパーだそうで。
父も1998年のBC・クラシックを勝っていますから、父子制覇ということになりますな。
GザッパーがそのBC・Cで2着に負かしたのがロージズインメイでしたから、日本の生産者が遅かれ早かれGザッパーという種牡馬に注目するのも当然の流れなんでしょうね。
オーサムアゲインと言えば、Mカフェ産駒ルージュバックの母ジンジャーパンチの迂回血ライン継承度(=BLP)を考察した際に、その父として登場しましたが、
・ルージュバックの母、ジンジャーパンチのBLP=14:(7,4,3)
で説明し直すと、母自身のBLPを3分割表示した数値の「7」の部分がオーサムアゲイン自身の持つBLPということになります(「4」は母の母父の値、「3」は3代母の値)。
一方、後継種牡馬としてのBLPの継承は、
・オーサムアゲイン(7)→ゴーストザッパー(10)
となり、Gザッパー自身は父の持つ7に、母方から更にファラモンド×1+ハイペリオン×2で計3つ上乗せする形となり、上記のようにBLP=10を持つ種牡馬、ということになります。
1つのサイアーラインが代を経るごとに、「母方から新たにBLPを補強する」ことこそが、その系統を存続させていく上で非常に重要なポイントとなるのですが、単に「母父」としての血を残していく場合においても、当然その繁殖牝馬にとっての「底力要素」の補強となるので、母父としては後継のGザッパーのほうがオーサムアゲインよりも重要な存在として位置付けられることになる、とも言えますね。
ただ、代を経てBLPをある程度補強しても、それを上回るような「ネアルコ経由のライン」が母方から継承され過ぎてしまうと、それはそれで痛くマイナス要因なので、単に父よりも息子のBLPが多ければそれでよい、というものでもありません。
その点、Gザッパー自身の母方は異系要素に富み、Gザッパーの血統背景におけるネアルコ経由のライン継承は極めて僅か(父経由×3+母経由×1=4)でしかなく、この少なさは大いに利点となり得ます。
長くなってしまいましたが、こういった「母方からの視点」でディープインパクト産駒の特徴を掴み、どのような成績を残していけるのか?を見守っていくことも、血統考察の大いなる楽しみ方であるということを読者の皆様にも感じ取って頂きたいと思います・・・。
1着 ルヴォワール(母父自身にノーザンダンサー3×4の近親クロス有り)
・RRP:130
2着 サトノルーラー(母コンテスティッドのBLP=22:(10,7,5))
3着 クラークキー(母トウカイメガミのBLP=7↓:(4,2,1↓))
勝ったのはハーツクライ産駒の牝馬で、1キロ減で出走可能な石川騎手の騎乗で斤量53キロでの勝利。牡馬は56キロですから3キロ減となる斤量の優位性は明白でした。
石川騎手はそろそろ100勝突破も目前の段階ですし、京成杯の考察記事でも少し触れたように若手騎手の中では好騎乗のレースを既に数多く披露している有望株でもあり、これはもう牡馬の陣営にとっては厄介でしかないレースだったかと。
そんなワケで、個人的にメモっておきたい対象は勝った牝馬ではなく、斤量差の不利もあって2着に甘んじたディープ産駒サトノルーラーのほうが今後とも検証対象ですね。
まあディープ産駒というのは母自身の血統背景がどうあれ、何だかんだと人気サイドになってしまいがちなので誰でも注目可能と言うか、嫌でも注目するしかないと言うべきでしょうが・・・。
当然、次走の未勝利戦では1番人気に支持されるのがほぼ確定的な状況でしょうしね。今回の2着の内容からしても。
それはそれでいいとして、やはり今のうちに言及しておかねばならんのは母父となるゴーストザッパーという種牡馬についてかなと。
ネットで調べるまでその素性については全く知りませんでしたが、オーサムアゲインの直仔にして、2004年のブリーダーズカップ・クラシックで優勝しているのがこのゴーストザッパーだそうで。
父も1998年のBC・クラシックを勝っていますから、父子制覇ということになりますな。
GザッパーがそのBC・Cで2着に負かしたのがロージズインメイでしたから、日本の生産者が遅かれ早かれGザッパーという種牡馬に注目するのも当然の流れなんでしょうね。
オーサムアゲインと言えば、Mカフェ産駒ルージュバックの母ジンジャーパンチの迂回血ライン継承度(=BLP)を考察した際に、その父として登場しましたが、
・ルージュバックの母、ジンジャーパンチのBLP=14:(7,4,3)
で説明し直すと、母自身のBLPを3分割表示した数値の「7」の部分がオーサムアゲイン自身の持つBLPということになります(「4」は母の母父の値、「3」は3代母の値)。
一方、後継種牡馬としてのBLPの継承は、
・オーサムアゲイン(7)→ゴーストザッパー(10)
となり、Gザッパー自身は父の持つ7に、母方から更にファラモンド×1+ハイペリオン×2で計3つ上乗せする形となり、上記のようにBLP=10を持つ種牡馬、ということになります。
1つのサイアーラインが代を経るごとに、「母方から新たにBLPを補強する」ことこそが、その系統を存続させていく上で非常に重要なポイントとなるのですが、単に「母父」としての血を残していく場合においても、当然その繁殖牝馬にとっての「底力要素」の補強となるので、母父としては後継のGザッパーのほうがオーサムアゲインよりも重要な存在として位置付けられることになる、とも言えますね。
ただ、代を経てBLPをある程度補強しても、それを上回るような「ネアルコ経由のライン」が母方から継承され過ぎてしまうと、それはそれで痛くマイナス要因なので、単に父よりも息子のBLPが多ければそれでよい、というものでもありません。
その点、Gザッパー自身の母方は異系要素に富み、Gザッパーの血統背景におけるネアルコ経由のライン継承は極めて僅か(父経由×3+母経由×1=4)でしかなく、この少なさは大いに利点となり得ます。
長くなってしまいましたが、こういった「母方からの視点」でディープインパクト産駒の特徴を掴み、どのような成績を残していけるのか?を見守っていくことも、血統考察の大いなる楽しみ方であるということを読者の皆様にも感じ取って頂きたいと思います・・・。
2017年01月15日
2017 3歳戦備忘録(2)
1/8 中山5R 3歳未勝利(芝2200m)
1着 ウインイクシード(母イクスキューズのBLP=10:(6,3,1))
・RRP:127
2着 スターライトブルー(母自身にノーザンダンサー4×4の近親クロス有り)
3着 サンデームーティエ(ヘイルトゥリーズン4×4)
勝ち馬の母イクスキューズはボストンハーバー産駒らしくマイル中心の重賞で実績を残しましたが、ゴール前に坂のある中山&阪神コースは苦手(2着以上の実績は皆無)としていました。
端的に言えば平坦コース向きだったワケですが、マンハッタンカフェとの配合において誕生したウインイクシードはそんな母の欠点など微塵も見せず、中山芝2千mで3着のあとに上記の距離延長となるレースで勝利。
母父がサクラバクシンオーとなるキタサンブラックが中長距離のレースで強い内容を見せ続けたように、父としては短距離実績がほとんどとなっているような種牡馬であっても、「母父」に立場を変えた途端に、そういった距離適性などへの制約というか縛りのようなものは、産駒に伝達しなくなる事例がここでも見られますね。
かつて、私自身が血統というものにほとんど無頓着なまま競馬を楽しんでいた頃、血統に言及する記事などでよく目にしていたのが、「母父がリアルシャダイだから長距離OK」だとか、「母父は短距離実績のみだから距離延長は無理だろう」・・・的な、そういう論調のほうが大勢を占めていたように記憶しています。
以前はそういう傾向があったのかもしれませんが、キタサンブラックなどの活躍を契機として、そういう古い固定観念・既成概念に縛られるのは無益な時代になっているのかもしれません。
元々、このブログを開始した主たる動機は、血統にまつわるこういったような古い固定観念・既成概念があまりにも蔓延&支配的になり過ぎている、と実感していたこともあったからですね。
「父&母父」の表面的な要素だけで安易に血統の特徴を決めつけ、それがまったく違和感なく受け入れられていた時代背景もあったと思いますが、当ブログの第1回目となる記事(2008年12月31日付)において、そういう安易な血統論から距離を置いて、「父&母父」のみで語らないブログにする、と最初に宣言してから、その気持ちは不変のままに現在に至っています。
上記のウインイクシードは5代アウトブリード、父Mカフェも、母イクスキューズもまた5代アウトブリードです。
どこの誰が何と言おうと、いかに現代が近親クロス要素に凝り固まった馬たちの全盛時代だろうと、私自身はウインイクシードのような馬が活躍していってくれることを切に望み、応援します。
馬券の当て外れだけが、競馬のすべてではありません。
このブログを継続的にお読み頂いている読者の皆様とは、血統背景の為せる業の深さ・重みや不可思議さを、共に探求&検証していければと願っております・・・。
1着 ウインイクシード(母イクスキューズのBLP=10:(6,3,1))
・RRP:127
2着 スターライトブルー(母自身にノーザンダンサー4×4の近親クロス有り)
3着 サンデームーティエ(ヘイルトゥリーズン4×4)
勝ち馬の母イクスキューズはボストンハーバー産駒らしくマイル中心の重賞で実績を残しましたが、ゴール前に坂のある中山&阪神コースは苦手(2着以上の実績は皆無)としていました。
端的に言えば平坦コース向きだったワケですが、マンハッタンカフェとの配合において誕生したウインイクシードはそんな母の欠点など微塵も見せず、中山芝2千mで3着のあとに上記の距離延長となるレースで勝利。
母父がサクラバクシンオーとなるキタサンブラックが中長距離のレースで強い内容を見せ続けたように、父としては短距離実績がほとんどとなっているような種牡馬であっても、「母父」に立場を変えた途端に、そういった距離適性などへの制約というか縛りのようなものは、産駒に伝達しなくなる事例がここでも見られますね。
かつて、私自身が血統というものにほとんど無頓着なまま競馬を楽しんでいた頃、血統に言及する記事などでよく目にしていたのが、「母父がリアルシャダイだから長距離OK」だとか、「母父は短距離実績のみだから距離延長は無理だろう」・・・的な、そういう論調のほうが大勢を占めていたように記憶しています。
以前はそういう傾向があったのかもしれませんが、キタサンブラックなどの活躍を契機として、そういう古い固定観念・既成概念に縛られるのは無益な時代になっているのかもしれません。
元々、このブログを開始した主たる動機は、血統にまつわるこういったような古い固定観念・既成概念があまりにも蔓延&支配的になり過ぎている、と実感していたこともあったからですね。
「父&母父」の表面的な要素だけで安易に血統の特徴を決めつけ、それがまったく違和感なく受け入れられていた時代背景もあったと思いますが、当ブログの第1回目となる記事(2008年12月31日付)において、そういう安易な血統論から距離を置いて、「父&母父」のみで語らないブログにする、と最初に宣言してから、その気持ちは不変のままに現在に至っています。
上記のウインイクシードは5代アウトブリード、父Mカフェも、母イクスキューズもまた5代アウトブリードです。
どこの誰が何と言おうと、いかに現代が近親クロス要素に凝り固まった馬たちの全盛時代だろうと、私自身はウインイクシードのような馬が活躍していってくれることを切に望み、応援します。
馬券の当て外れだけが、競馬のすべてではありません。
このブログを継続的にお読み頂いている読者の皆様とは、血統背景の為せる業の深さ・重みや不可思議さを、共に探求&検証していければと願っております・・・。