2016年05月

2016年05月30日

2016 3歳戦備忘録(14)

 今年の2歳戦がスタートするにあたり、重賞以外の3歳戦については、あと数回の記事更新で締めくくることにしたいと思います。

 とりあえず5月14日まで少々遡ります・・・。

5/14 京都4R 3歳未勝利(芝1800m)

1着 ピッツィカート(母ディクシージャズのBLP=15:(3,6,6))

・RRP:125


1着同着 スズカウルトラ(同系配合でヘイロー4×4)

・RRP:125


3着 ヴォージュ(同系配合、且つサンデーサイレンス3×4)


 勝ち馬の母ディクシージャズについては、半兄レッドデイヴィス(父アグネスタキオン)を考察していた2010年当時から検証してきています。

 ただレッドデイヴィスの場合はデビュー前から去勢措置をとられセン馬になっていました。シンザン記念、毎日杯を勝ったあたりまでは普通に考察対象だったのですが、他のセン馬たちの事例も重ねて検証するにつれて、やはりセン馬については血統考察の対象とするのは相応しくないと判断するに至り、現在はセン馬については一切、考察しない方針に転換しています。

 まあ、セン馬をどう扱うかについて、最初にこのブログへの指針を与えてくれた存在がレッドデイヴィスだった、という言い方も出来るでしょうかね・・・。

 それはさておき、この母の産んだ仔は他にもいますがほとんど活躍らしい活躍は出来ていません。父ダイワメジャーのヒカルエリントンはノーザンダンサー(4×4)のクロス持ちなのでそもそも対象外ですが、父スペシャルウィークのレッドラヴィータ(5歳牝)が500万下で低迷中。そう遠からず登録抹消の日も来てしまうでしょう。

 そんな感じの「きょうだい」たちですが、やっとマトモに考察していけそうな感じなのが今回取り上げたピッツィカート、ということになりますかね。

 ゼンノロブロイ産駒で5代アウトブリード、という部分ではレッドエルディストとも同じで、ひと足先に重賞2着と出世したRエルディストにピッツィカートがどこまで追いつけるか、今後とも注目していきたいと思います・・・。

blood_max at 23:13|PermalinkComments(0) 3歳馬 考察 

2016年05月29日

東京優駿(日本ダービー) 回顧

5/29 東京10R 第83回東京優駿(芝2400m)

1着 マカヒキ(ヘイロー3×5、母自身は考察外)

・RRP:165=128+5+10+(9)+(10+3)


2着 サトノダイヤモンド(ヘイロー3×5・4)

・RRP:154=130+3+9+(3)+(9)


3着 ディーマジェスティ(同系配合でヘイルトゥリーズン4×4)

・RRP:152=127+9+(10+3)+(3)


 結局、皐月賞で馬券になった面々が着順を入れ替えての入線。こうなってしまっては少しでも穴目を狙う当方としてはグゥの音も出ず、となる決着でした。

 皐月賞に続き、ディープインパクト産駒たちのワンツースリーなのは同じであり、時代の転換点となる日本ダービーと言っても過言ではないように思います。

 期待したエアスピネルにリオンディーズはそれぞれ現時点の能力を出し切っての敗戦。今年の場合はキンカメ産駒でなく、ディープ産駒たちの成長力が更に上回った、ということになるんでしょう。お疲れ様でした。

 配合面において、こういった決着(クロス要素が優位と判定される馬による上位独占)は、別に何ら驚くこともなく、むしろ生産者たちにとっては益々、「こういう配合を目指さねば」という流れになろうかと思われます。

 けれども、みんながみんなその方向を目指すだけなら、必ず将来にどこからか綻びが生じ、似たような配合の馬ばかりで溢れかえってしまって結局、新風を吹き込む「新たな血脈」の導入をいつの日か余儀なくされるでしょう。

 再度、ダービー馬のオーナーとなった金子氏におかれましては、常に独占的に、同じ繁殖牝馬の仔たちを何世代にもわたって買い求め、資金回収に勤しむような方策が目立ちますが、今回得た賞金で、また同じような方策につぎ込む事を繰り返すのではなく、是非とも海外の「強い血統」にも目を向けて頂き、自ら海外へ赴いて最新トレンドを確かめ、今後日本に「導入すべき新たな血統」というものを、その豊富な資金力でもって購入して頂きたいと願うばかりです。

 かつて、吉田善哉氏が果たしてきた日本競馬界の活性化を追い求める役割は、今はもう、金子氏にゆだねられていると思います。

 日本競馬を支える、「大オーナー」であればこそ、その役割を自覚して頂きたいと存じます。僭越なもの言いで甚だ恐縮ではございますが。

 
 さて、個人的に秋以降も要注目となるのは、やはりレッドエルディストになるでしょうか。今回、青葉賞勝ち馬のヴァンキッシュランには先着してリベンジをしっかり果たしていますし、Zロブロイ産駒で「5代アウトブリード」となる馬としても、是非とも秋以降の活躍を見せてもらいたいですね。菊花賞に出走可能な状況となれば本望でしょう。

 秋以降、更なる飛躍を目指してもらいたいと思います・・・。

blood_max at 16:41|PermalinkComments(0) 3歳G1戦 考察 

2016年05月28日

第83回東京優駿 考察

 日本ダービーという、晴れの大舞台に出走するに至った馬たちに、今さら血統考察なんぞしてしても失礼千万じゃないか?なんてことも少々考えたりします。

 ただ基本的には、4歳以降の活躍度を見据える上での、方向性の見極めとして血統考察していく必要性はやはりあるでしょう。

 3歳時点ではまだモタモタしている感じの馬でも、古馬になってから資質が開花するケースというのはいくらでもありますし。

 当ブログでは、インブリード(近親クロス)の要素に極力頼ることのない配合を持つような馬たちが、コテコテなインブリードで武装する馬たちに挑み、時には凌駕する姿を追求し続けてきました。

 「迂回血ライン」とは、インブリードの配合ばかりがサラブレッドの未来を決めるものではではないことを検証し、実証していくための血統考察の根幹をなす要素です。

 馬券術として実践向きかどうか?も重要ですが(苦笑)、時には「血統が語る真実」というものが垣間見える競馬ブログでありたい、そう思いつつ記事更新を続けています・・・。


5/29 東京10R 第83回東京優駿(日本ダービー)(芝2400m)

1.ディーマジェスティ(同系配合でヘイルトゥリーズン4×4)

・RRP:149=127+9+(10+3)

 この馬のオーナー、嶋田氏はホエールキャプチャのオーナーでもありましたね。そういう意味では、ディーマジェスティの2冠達成を応援したい気持ちはかなりあります。

 絶好の1枠1番を引きましたし、鞍上蛯名騎手にとっても悲願の成就に向けて気合満々でしょう。この馬番で馬券圏外に去るシーンは考えにくいのですが、出遅れだけは避けたいところかと。

 配合的にはヘイロー系とロベルト系という、両親の良い部分が上手いこと融合してしまった印象ですが、基本的には同系配合馬に多い特徴の、持続的に脚力が衰えないパワー型。

 あとは究極のキレ勝負となった場合でも、先頭に躍り出るだけのものがあるかどうか?ですかね・・・。


2.マイネルハニー(同系配合馬。両親はターントゥ直系)

・RRP:137=126+3+8

 この馬も父サンデー系(ヘイロー系)に母父ロベルト系ですから、基本的にはターントゥ〜ヘイルトゥリーズンの直系となる両親を持つという意味で、同系配合の扱いとなります。

 ただHtoリーズンのクロス要素は(4×5)に後退し、グロースターク(5×5)という異系クロスを持つことになるマイネルハニーなので、配合上の味付けというかスパイス的な部分では当然Dマジェスティとはかなり異なりますが。

 それでも、逃げて持ち味を発揮するという部分では、いかにも「同系配合馬」的だな、という印象。レースを盛り上げるためにも、果敢な離し逃げ(千m通過59秒前後)で行って、自身どれだけ粘れるか・・・。

 青葉賞のようなスロー(61秒3)の逃げでは、同じように馬群に飲み込まれるだけでしょうし。


3.マカヒキ(ヘイロー3×5、母自身は考察外)

・RRP:152=128+5+10+(9)

 母のウィキウィキ自身はノーザンダンサー経由のトリプルラインがあり、当ブログではそういう配合上の特徴を持つ牝馬については迂回血の算出対象から除外する規定を、当初から設けています。

 まあマカヒキ自身上記のヘイロークロスを持ちますし、4代以内で成立のクロス要素ではないにしても、特定血脈の多重クロスに依存している配合という判定になり、個人的には興味の向かないタイプ。

 そうは言っても世代上位の屈指の決め手を持ちますし、馬券で無視するというワケにも行かんでしょう(苦笑)。スローな流れが望みでしょうが、それだとスマートオーディンなどにも向く展開となり、同型との争いになるかと。

 ただ追い込み馬は基本、展開頼みで決めきれない危険を併せ持つので、あまりに後ろから悠長に構えて、差せるものも差せず、となってくれるのが個人的な「願望」ですが。


4.レインボーライン(母自身が同系配合、母の両親はノーザンダンサー直系)

・RRP:139=125+3+8+(3)

 NHKマイルCでは3着付けに少々、としておきましたが12番人気だったのはあまりにも不当な評価で、本来なら4、5番人気辺りで何らおかしくない立場でした。

 相手なりに堅実に走れるタイプで、重賞で崩れているのは2歳時の東スポ杯のみであり、年明け以降の重賞では皆コンマ4秒差以内での競馬。

 問題は馬体の維持がどうか?に尽きるでしょう。距離に関しては、スローな展開であればさほど関係ない印象なので、今回も人気薄必至でしょうが個人的には3着付けで再度少々。


5.エアスピネル(母エアメサイアのBLP=10↓:(4,2↓,4↓)で現状減算)

・141=126+8+(7)

 例年の牡馬レベルなら、もう少しレース実績ポイント(RRP)は加算出来ていたでしょうが、これも運命と言うには厳しい現実。

 もっともスマートオーディンのように、強豪のひしめく重賞を「逐一避けて」いれば、同様に重賞3勝ぐらいはしていたでしょう。

 リオンディーズがホープフルSに向かっていれば、この馬が2歳G1馬となるのが確実だったワケですし。まあタラレバ論を述べても栓なき事なので、あとはこの舞台での巻き返しを期待するのみ、ですね。

 リオンディーズもそうですが、あの超ハイペースの皐月賞を前付けして粘っていたのはやはり単なるマイラーの域にとどまらない証しでしょう。

 海外で好結果を残し充実一途の武豊騎手の、冴えわたった手綱捌きに全てを託して。


6.アグネスフォルテ(同系配合馬。両親はノーザンダンサー直系)

・RRP:136=127+9

 ハービンジャー産駒がダンスインダダーク産駒同様に京都コースが得意な傾向にあるのは、ひとえに下り坂から直線平坦、というコース形態が合う部分が、はっきり似ているからでしょうね。

 つまり、そういうコース形態の恩恵がないとダメなほど、ズブいタイプの産駒たちが多いということでもあります。スマートオーディンの取捨を考える上で、格好の「モノサシ馬」でしょうね・・・、


7.ロードクエスト(母自身にノーザンダンサー4×4の近親クロス有り)

・RRP:150=126+8+9+(7)

 前走の余力が残っているとしても、既に皐月賞でマイラー以上のものは示せなかったのは確か。例年ならともかく、今年の場合は中距離馬たちの「敷居」が高すぎるでしょう。乗り替わりも最悪で。


8.サトノダイヤモンド(ヘイロー3×5・4)

・RRP:145=130+3+9+(3)

 いよいよ資質開花の時、なんでしょうかね。エリート2世調教師の、最大の手腕の見せどころかと。まあ配合上は見てのとおり、ヘイロークロスでコッテコテ。

 これで強くならんで、どないすんねん?、と思わず関西弁っぽくなってしまいますわな。

 個人的には、渋々馬券を買うという扱いでしかなく。


9.マウントロブソン(母父自身に2種の4代内クロス有り)

・RRP:139=127+3+9

 母父のMr.Greely自身が持つ、ネイティヴダンサー(4×4)にボールドルーラー(4×3)の「2種クロス」があることで、少々掴みどころのないディープ産駒、という様相になっているのかも。

 どちらのクロス要素も、基本的にはスピードの資質強調には違いなく、皐月賞あたりが穴をあけても不思議ない舞台に映ったのですが。

 まあ母ミスパスカリがクロフネの半妹となるのも、2400mで云々とはなりにくい印象大なんですが、そこは父ディープの和合性の高さで何とかしてしまうのが大種牡馬たる所以、だったりして。

 一応懲りずに3着付けで。


10.スマートオーディン(母レディアップステージのBLP=9:(6,0,3)だが・・・)

RRP:156=128+9+9+10

 レース実績Pだけで言えば皐月賞馬をも下に見るという世代トップの値ですが、その重賞3勝はいずれも、今年の「4強」を負かしてのものではなく、逆に共同通信杯でDマジェスティに「完敗」のオマケ付き。

 いわゆる別路線で格下を相手にして勝てていただけで、しかもどのレースも実質「スロー」でしかない競馬。東スポ杯2歳Sで接戦を演じたプロディガルサンのみ、格下とは言えない良血馬ですが、レースレベル自体は前日の未勝利戦にも劣る内容でした。

 京都新聞杯も、2200mという距離はかなりマヤカシに近く、下り坂を利して直線も平坦で大して負荷もかからない舞台であり、負かした相手のレベル&着差を考えれば辛勝にも近いものが。

 故に、Dマジェスティが加わった世代4強が揃うこの大舞台で、Sオーディンを高評価なままに位置付けるという考え方自体、個人的にはすこぶる違和感を覚えますね。

 もっとも、今回逃げるはずのマイネルハニーが青葉賞同様にスローに落とし込んでしまうような場合、マカヒキ同様に追い込み馬としては恩恵を受けるのも確かですから、展開次第での上位進出は当然あっても不思議ないですが。

 その場合でも、マカヒキ以上の豪脚を繰り出すというシーンは思い浮かばない以上、3連単で3着付けするのが妥当だろうと判断。本当は思い切って消す!ぐらいの勇気を持てない自分が情けないですが(苦笑)。


11.アジュールローズ(母ヴィアンローズのBLP=12:(6,0,6)だが・・・)

RRP:131=123+3+5(減算解除)

 プリンシパルSの回顧記事でも述べていたとおり、この馬はダートで勝ち上がったため減算扱いでしたが、その後芝に転じてオープン勝ちも決めたので、初期値の減算措置を解除しています。

 前走のレース自体は結構速い流れを道中前付けしての勝利で、かなり価値は高いと思われます。まあ今回のメンバーの中に入ってしまうと、さすがに格下感は否めませんが。

 父がダノンシャンティやヴィクトワールピサなどの、「直父系クロスを4代以内に持つ」ようなタイプの種牡馬は、かねてから申し上げているとおり母のBLPがどうあれ、それをウヤムヤにしかねないという事での、母の評価文には「だが・・・」の文言を付記。

 馬場が悪化するようなケースでなら、一発かます可能性もあったと思いますが、良馬場では無理かなと。


12.リオンディーズ(母シーザリオのBLP=15:(10,3,2))

・RRP:150=130+(8+3)+9

 これまでの、たった3戦の連対だけで、既にレース実績Pで150をマークしているということ自体、この馬の資質が如実に顕現していると言っても過言ではないですね。前走で危うい精神面を露呈したとしても。

 皐月賞でのあれだけのハイペースを、前掛かりになってしまってはさすがに失速もしかねないところが、多少ヨレて斜行につながったとは言え、折り合っていたらおそらく皐月賞の連対馬2頭を完封していた可能性も。

 エアスピネル同様、評価を下げる必要は全くないと思いますし、むしろ人気を下げてしまうほうが好都合でもありますね。

 まあ誰が見ても超〜良血で、配合的にはあーだこーだ言う必要は全く無い馬ですが、兎に角、本領を発揮することが出来るよう期待します。

 どの馬が勝つにしても、この馬が本領を発揮した上での決着なら、素晴らしい名勝負になることでしょう。


13.レッドエルディスト(母ショウダウンのBLP=9:(2,6,0))

・RRP:139=127+3+9

 Zロブロイ産駒にしては珍しく、5代アウトブリードの配合となる馬で、ダービーという舞台においてはその希少な特徴の持ち主というだけで、無条件に応援してあげたくなるタイプですね、個人的には。

 この馬の長所は、やはり母ショウダウンの血統背景に「アルザオ」の血が存在している、ということが大きなポイントでしょう。その意味では母父がアルザオとなる配合のSオーディンも、やはりあの豪脚の源泉がアルザオであると見るのが「通常の目線」でしょうけども。

 ただSオーディンの場合は、結果の出し方が気に食わないだけで(笑)。

 レッドエルディストがあわよくば3着に食い込むようなことにでもなれば、個人的には万々歳ですね。どうせダメ元で買うことになるタイプですし。


14.ヴァンキッシュラン(ノーザンダンサークロスでコッテコテ)

・RRP:140=127+3+10

 例年であっても、青葉賞からの連戦ではローテ的にキツく、ダービーでは勝てないというのが相場。今年は青葉賞を勝ち切るためにかなりの激走を果たした上に、今回は近代稀に見るハイレベルな面々が相手。どうにも買いにくいですね。思い切って切るしかないでしょう。

 ならば何でRエルディストのほうは買うのか?と訊かれれば、それは配合の違いが如実だから、と答えておくことに致しましょう。四位騎手はあくまでも、「次走以降につながる競馬」を試しての、お釣りを残す感じの2着でもありましたし。


15.イモータル(母ショアーのBLP=6:(2,3,1))

・RRP:143=128+7+8

 この馬は体質面でどうも弱い部分があるのか、間隔を空けてしか使えないのが悩みかなと。共同通信杯が好内容だっただけに、前走は裏切られてしまいましたが。

 迂回血というのはある意味、距離適性の「幅」とか「許容範囲」を示すケースも多々あるんですが、この馬の場合はマイルでもイマイチ、2000m以上も不安、なら1800m戦しかないのか?なんて気も。

 今回の結果がどうあれ、4歳以降もちゃんと重賞クラスで活躍していけるか、そこを見続けたいですね・・・。


16.ブレイブスマッシュ(ノーザンテースト4×4)

・RRP:137=123+8+7

 横ノリ騎手が思い切った逃げでマイネルハニーなどをも一気に突き放すような展開にしてくれるなら、レース自体は大いに盛り上がるんじゃないかなと。

 まあ、馬券を買う気には微塵もなれませんけども。



17.プロフェット(母自身が同系配合、母の両親はターントゥ直系)

・RRP:146=128+8+10

 戦績からして、時計勝負のレースではどこにもいないタイプかなと。まあ、もし京都の芝2400mでダービーが施行されるようなら、幾分は浮上の余地もありそうに思いますが。


18.プロディガルサン(母自身にノーザンダンサー4×4の近親クロス有り)

・RRP:139=126+5+8

 リアルスティールの全弟ということで、血統面で語ることは何もないですね。東スポ杯2歳Sで2着になってしまった馬の、「その後」の経緯がみなヤバ過ぎる、という特集記事を以前載せましたが、そのジンクスを打破していけるはずの良血。

 無駄な消耗をしていない、という見方も出来るでしょうし、本来、回避する馬が続出しなければ、今回の出走自体が危ぶまれた状況ながらも参戦可能となった運勢という意味では、この馬が1番でしょう。

 まあ血統的な面で消す要素は皆無なんですが、世代最上位の結果をまだ出せていない状況でもあり、今回はまだライバルたちを凌駕するレベルにはないと割り切って消します。

 もし馬券になられたら、それも仕方ないでしょう。そもそも秋以降の飛躍があって何らおかしくない馬なのですから。


・BLP=Bypass-blood LIne Point (詳細は「ブログ主旨説明・他」のカテゴリ記事にて)

・RRP=Race Results Point(詳細は「用語解説」のカテゴリ記事にて)
 

blood_max at 16:36|PermalinkComments(0) 3歳G1戦 考察 

2016年05月22日

オークス回顧

5/22 東京11R 第77回優駿牝馬(芝2400m)

1着 シンハライト(ヘイロー3×4)

・RRP:157=126+3+8+(7)+(10+3)


2着 チェッキーノ(母ハッピーパスのBLP=8:(4,1,3))

・RRP:147=123+5+10+(9)


3着 ビッシュ(母バランセラのBLP=5:(2,2,1))

・RRP:134=128+3+(3)


 結局、ほぼ順当で堅い決着となり、個人的には3連単を押さえで的中するに至ったもののマイナス収支にしかなりませんでした。

 掲示板に載ったジェラシー、ペプチドサプルの2頭どちらかでも馬券に絡んでくれたら、もう少し取り返せたんですけどね(苦笑)。

 ま、現時点での実力がはっきりと浮き彫りになった結果と言えそうですが、注目したロッテンマイヤーはやはり外枠から好位につけるまでのロスが厳しく、どうせならもう少し出たなりで中団あたりに位置付ける競馬のほうがまだマシな内容になっていたかも。

 ともあれ、どの馬にも言えることですが、夏の休養を挟んでどれだけ成長していけるか、また秋以降のレース内容を楽しみに待ちたいと思います・・・。

 さてさて、次週の日本ダービーのほうが、より多士済々な実力馬たちによる競演となるので、オークスの決着よりはもっと高配当の内容になることを期待したいところ。

 血統考察自体は各馬とも、前走までとほぼ同じようなことを述べる感じになるかとは思いますが、とにかく、近親クロス要素に「過度に」依存するような配合ではないタイプ(=迂回血優先の配合)の馬たちに、より期待をかけるというスタンスは一貫して同じです。

 クロスで武装するタイプの馬、もしくは同系配合馬などとの明確な分類を、再度当ブログ記事で確認して頂けたらと存じます・・・。


blood_max at 16:38|PermalinkComments(0) 3歳G1戦 考察 

2016年05月21日

第77回優駿牝馬(オークス) 考察

 21日は東京競馬場に出向き、最終R後に行きつけの府中の居酒屋で競馬仲間と飲む予定なので、前倒しでオークスの考察記事をUPしておきます・・・。

・BLP=Bypass-blood Line Point の略記(詳細は「ブログ主旨説明・他」のカテゴリ記事にて)

・RRP=Race Results Point の略記(詳細は「用語解説」のカテゴリ記事にて)


5/22 東京11R 第77回優駿牝馬(芝2400m)

1.フロムマイハート(母マイネエスポワールのBLP=13:(11,2,0))

・RRP:128=125+3

 デビュー戦のみ、マイルの競馬だったものの、その後は一貫して1800m以上のレースをずっと使ってきたことについては好感が持てます。

 まあハーツクライ産駒なので基本的にそうすべきでしょうが、この馬の場合、これまでの全9戦のうち、牝馬同士でのレースは直近の2走だけで、デビューからの7戦はどれも牡馬との混合戦。

 ホネのある牡馬たちを相手にそれなりの競馬を続けてきたことは確かでも、もう少し牝馬同士でのレースの割合が多かったなら、今頃はもっと賞金加算が出来ていたのではないかな?、という印象も。

 牡馬との対戦経験の豊富さを糧に、今回どれだけやれるのかに注目したいところです・・・。


2.アウェイク(母父自身にボールドルーラー4×4の近親クロス有り)

・RRP:125

 アウェイクの全姉となる2頭、ディアマイベイビー&オールマイベイビーはいずれも成績不振なまま登録抹消。更には全兄のダノンドリームも未勝利を脱出するのがやっと、という有様でした。

 ただアウェイク自身は前走の重賞で3着となったのですから、それだけでも十分な出世と言えますし、父ディープインパクトの底知れぬ恐ろしさを感じさせますね。

 いずれにせよ、「母父自身に、4代以内で成立の近親クロス」が認められるケースでは、そのクロス要素を優先させることになりますので、迂回血ラインの要素は適用しないタイプに位置付けますが。

 まあ四の五の言わずディープ、とするにはさすがに実績不足の印象大ですけれども・・・。


3.シンハライト(ヘイロー3×4)

・RRP:144=126+3+8+(7)

 全兄アダムスピーク、半姉リラヴァティ、半兄アダムスブリッジと名の知れた一族には違いないものの、結局のところサンデーS直仔の種牡馬ならどれであれ、母シンハリーズと配合すれば必然として上記の4代内クロスが生じます。

 ヘイロークロスの場合、牡馬にはどうしても気性難要素の浮上が気掛かりとなりやすいんですが、牝馬の場合には上手い具合に底力や勝負根性といった「プラス要素」のほうに出やすいのかも。

 まあ桜花賞馬がリタイアし、世代最上位の「はず」のメジャーエンブレムも不在となれば、シンハライトが順当にオークス馬となっても何ら不思議ないとは思いますが、個人的にはそれだと面白くなく(笑)、この馬は2、3着に惜敗してくれたほうが・・・。

 
4.アットザシーサイド(レイズアネイティヴ4×4)

・RRP:135=124+2+6+(3)

 この馬は1400mと1600mのレースしか経験しておらず、中距離でのパフォーマンスが不明な部分が悩ましいところ。スローな展開になればあまり距離適性を問われない性格を帯びるのがオークスという舞台だけに、この馬が上位に来るなら他のマイラータイプでも浮上しそうな気もしますし。

 まあ配合的には距離伸びてOKなタイプには思えないので、この馬を3連単のアタマに据える買い方は出来ない感じですね、個人的には。


5.ペプチドサプル(母ペプチドモアーのBLP=14:(6,6,2))

・RRP:125=122+3

 この馬の場合、陣営が近2走でようやく中距離を使い出し、馬自身もそれに戸惑うことなく適応してみせたことでどうにか、母方の秘めたるポテンシャルを表出し始めた段階。

 そもそも、この馬を1200mなんぞでデビューさせること自体が間違っているんですがね・・・。

 幸運にも今回、抽選を突破してくれたからには、迂回血ラインの要素の顕現がオークスという大舞台で発揮できるかどうかに当然注目します。管理する調教師の手腕が確かなものであってくれたら良いのですが。


6.アドマイヤリード(母ベルアリュール2のBLP=5:(4,0,1))

・RRP:129=126+3

 この馬の場合、桜花賞5着が示すように決して弱い馬ではないですが、おそらく迂回血ラインの要素どうこうよりも、2代母が継承する異系要素(Tourbillon直仔Djebel経由)のトリプルラインが、父ステイゴールドの内包するトウルビヨンのラインと呼応している可能性があるものと推察します。

 まあ、無碍に軽視すると痛い目に遭いそうなので一応3着付けぐらいにはしようかと。


7.ゲッカコウ(同系配合、且つヘイロー4×4)

・RRP:139=128+3+8

 2歳時に百日草特別で3着という実績があるものの、重め馬場で2分5秒台の決着なので重巧者なだけで、どちらかと言えば中山巧者という印象を前走東京での惨敗からも受けます。

 秋華賞のほうがむしろ、適性としては向いている感じですかね・・・。


8.デンコウアンジュ(同系配合馬。両親はノーザンダンサー直系)

・RRP:133=125+8

 アルテミスSの歴代の勝ち馬はどうも、3歳以降は尻すぼみな成績に収束していく感じになってますね。この馬がその傾向を打破していけるのかどうか、まだ予断を許しませんが。

 配合の字面上は、距離伸びて何ら問題ないタイプにしか見えないのですが、そこは「同系配合」という部分に落とし穴が待ち受けていそうで、父や母父自身の持つイメージをそのまま当てはめるのは禁物のような気も。

 今回、もし掲示板に載る以上の好結果が出せるようなら、そもそもマイルに使う事自体がこの馬にとっては不都合極まりないだけだった、のなるのかもしれませんけどね。


9.ウインファビラス(ノーザンテースト4×4)

・RRP:139=125+7+(7)

 ステイゴールド産駒の「牝馬」にありがちな、2歳時のパフォーマンスが3歳以降徐々に尻すぼみし、そのままフェードアウト・・・の典型例になりそうな気配。

 ノーザンテーストを強調する配合は、つまるところノーザンテースト自身が持つレディアンジェラ(3×2)の超強烈な牝馬クロスの影響が、牝馬にとっては特に大きく左右する面もあろうかと思います。

 もし今回この馬が馬券になるようだとグゥの音も出ませんが、狙いにくいのは確かで。


10.ダンツペンダント(母自身にノーザンダンサー3×5の近親クロス有り)

・RRP:125=122+3(初戦ダート勝ちの為、減算措置)

 せめて芝のオープン特別あたりでの勝利実績があればまだしも、ダート1勝芝1勝という立場では配合ウンヌン以前の問題で考察対象として現状は語る気にもナラズ・・・。


11.エンジェルフェイス(全姉妹クロス4×4)

・RRP:134=125+9

 全姉のレディアルバローザも左回りのコース実績がさほど良くはなかったのですが、この馬もまだ未経験ですね・・・。

 母ワンフォーローズについては、半姉キャトルフィーユの考察でBLPを提示し優先させていましたが、父がキンカメとなる場合の配合では全く扱いが異なってきます。

 キンカメ自身の「3代母」にあたるThe Dancerと、エンジェルフェイスの母父Tejano Run自身にとっての「2代母」にあたるKazadancoaという牝馬2頭が「全姉妹」であり、そのクロスが(4×4)で成立。

 まあどのみち、エンジェルF自身がフラワーCを勝っていますし、全姉であれ半姉であれどちらも重賞勝ち馬なので良血扱いで当然という立場。

 ポテンシャルの高さは間違いないでしょうが、今年のフラワーCのレースレベルが少々?マークなのと、あとは自身初の左回りがどうか、というところ。


12.フロンテアクイーン(母ブルーボックスボウのBLP=5:(4,0,1)だが・・・)

・RRP:135=125+7

 種牡馬自身が「直父系先祖の4代以内クロス」を持っている場合、配合相手の牝馬の血統背景をあまり細かく論じても無駄なのかもしれない・・・、という見解を出さざるを得ない状況が、徐々に増えつつあります。

 それは桜花賞馬ジュエラーの考察でも述べたとおりで、ノーザンダンサー直系の種牡馬にしてノーザンダンサー(3×4)の「直父系クロス」を持つメイショウサムソンの産駒についても、やはりこれまでの考察方針を改め、母のBLPがどうあれ関係ないかも?とするしかなさそうですね、不本意ではあっても。

 まあ東京コースで大崩れしない印象のあるフロンテアQですが、勝ち味の遅さも否めずアタマで買う気にはなれそうもないかなと。


13.チェッキーノ(母ハッピーパスのBLP=8:(4,1,3))

・RRP:138=123+5+10

 キンカメもノーザンダンサー(4×4・6)というクロス要素を持ちますが、キンカメ自身はノーザンダンサーの直系ではないので、この場合には異なる扱いとなります。

 ともあれ全兄コディーノの活躍は記憶に新しいところで、同時にコディーノの不運(予後不良)も、藤沢和師にとって辛い出来事であればこそ、全妹のチェッキーノに託す思いというものもいかばかりかと。

 コディーノを考察していた当時、このブログでは一貫して「中距離よりはマイル向き」という見解でしたが、図らずも2013年の天皇賞・秋で5着に敗れた後に鞍上のリスポリ騎手が「この馬はマイラー」と師に進言したことで、以後の2戦は師もマイル重賞を使ったという経緯がありました。

 牡馬だと気性的に前向き過ぎる面が出る、と配合の印象を師も語っておられましたが、チェッキーノは牝馬なので兄たちのような気性の難しさはない、とも。

 チェッキーノに関しても、このブログではコディーノ同様、基本的にはマイル向きであろうという見解となりますが、同世代との対決においては、得てしてそういった距離適性の本質部分は見えにくいことをコディーノ自身が示していました。

 なのでチェッキーノがオークスという舞台で上位に好走するとしても別に不思議はないですし、馬券としては3連単のアタマでも買おうと思います・・・。


14.ビッシュ(母バランセラのBLP=5:(2,2,1))

・RRP:131=128+3

 フローラSで1番人気に支持されたものの5着に敗れ、圧勝したのがチェッキーノのほうで立場的には一気に逆転。まあ出遅れが致命的ではありましたが。

 結局、過剰人気になりがちなのがディープ産駒たちの「常」なので、むしろ若干人気を下げるような今回のケースのほうが「四の五の言わずディープ買え!」となるのかも。

 ただ、3連単のアタマで買うのは3頭までとしたいので、この馬は2,3着の扱いまで、と決め打ちますが。


15.レッドアヴァンセ(リファール4×3)

・RRP:128=123+5

 この馬は一貫してマイル戦のみで使われてきましたが、道中は置かれ気味でどうしても後手に回りやすく、終いは確実に伸びてくる良さを活かせない競馬がほとんど。

 むしろ、今回のような2000m以上の距離で本領を発揮する可能性があります。左回りが未経験なのは少々不安ではありますが・・・。

 個人的には3連単のアタマで買う3頭のうちの1頭にしようかなと。


16.ジェラシー(母グローリアスデイズのBLP=11:(4,3,4)だが・・・)

・RRP:128=123+5

 ハービンジャーの産駒に関しては、今後ともあまり好印象は持てないままでしょうね。配合の特徴がどうであっても。まあこの馬の場合は、母の血統に敬意を表して3着付けの扱いにはしておきますが。


17.ロッテンマイヤー(母アーデルハイトのBLP=15:(7,5,3))

・RRP:133=128+5

 ビワハイジの孫にして、女傑ブエナビスタの姪にあたる超良血馬。要するに誰でも注目可能な血統背景であるワケですが、当ブログとしてはあくまでも「母自身の持つ迂回血ライン継承度(=BLP)」の要素が優先考察可能であれば、その要素主体で注目馬として位置付けるのみ、ですね。

 17番という外目の枠に入ってしまったことが懸念されますが、枠順の不利ごときを感じさせない走破内容を示してもらいたいものです。

 「アルプスの少女ハイジ」に登場する、かなりカタブツの女執事ロッテンマイヤーさんはネズミが大嫌いでしたが、この馬のほうはネズミなんぞ蹴散らすぐらいの気丈さで出世していくのではないか、なんてね・・・。


18.ダイワドレッサー(母リバティプリントのBLP=16↓:(9↓,3,4↓))

・RRP:132=125+7

 今回、実績的に買える要素はほとんどないんですが、個人的には応援馬券を少々買います。フェアリーSでは激走を見抜くことが出来ましたし。

 まあ、2度3度とお世話になるケースは滅多にないんですけどね(苦笑)。


blood_max at 01:13|PermalinkComments(0) 3歳G1戦 考察