2014年08月

2014年08月30日

第34回新潟2歳S 考察

 昨年のこのレースではハープスター&イスラボニータが連対し、その後の飛躍へとつなげていきました。当時の段階ではイスラボニータに対し、さほどの評価が出来ていなかったのが個人的には反省点なのですが、あの当時の段階でイスラボニータがいずれダービーを勝ち負けするレベルの馬だと、声高に言ってのけるようなプロ予想家が存在していなかったことも、また確かだろうと思います。

 それだけ、2歳夏の時期の段階でその馬の強さを正確に推し量るというのは難しいということでもあり、3戦目、4戦目という段階まで見続けないと困難だということでもありますね。とは言え、みんながその馬の強さを分かる段階になったら、血統考察の意義も薄れるワケですが(苦笑)。

 フジキセキ産駒にとっては「異系アシスト」として影響を受けやすい「マンノウォー経由のライン継承の強化」という重要なポイントがあり、イスラボニータ自身はマンノウォー直系種牡馬インリアリティの異系クロス(4×5)を有することによって得ていたと推察しますが、いずれにせよ昨年の段階では、あそこまで強力なアシストになるとは考えていませんでした。

 過去の新潟2歳Sはフジキセキ産駒が馬券に絡む傾向の強いレースでしたが、今年からは父フジキセキとなる産駒はもう居なくなります。となると「母父フジキセキ」が今度は影響力を強めるのか?というのが通常の血統理論の視点なんでしょうが、今後どうなっていきますかね・・・。


8/31 新潟11R 新潟2歳S(芝1600m)

1.ブリクスト(母プロミストスパークのBLP=12:(6,4,2))

 早速、この馬が「母父フジキセキ」ということになりますな。まあ個人的にはその部分も含め、母自身の迂回血ライン継承度(BLP)が10以上あること、も重要な考察のポイントとなりますが。

 中京の芝レースを勝ち上がっている、という部分では昨年の勝ち馬ハープスター、3着馬のピークトラムが該当しますね。改装後の中京競馬場の芝コースは他場に比較して時計の出にくいコース形態となっており、時計的に派手さはないものの、起伏の多さや芝の刈込み度合を控える設定も相まって、ある程度のパワーを要求するものとなっています。

 そこで勝ち上がることにより、逆に平坦で負荷の少ない新潟や福島の芝コースを経験した馬よりも若干のアドバンテージを見込んでおくのが妥当、というところなのかもしれませんね。

 ブリクスト自身は1400m戦での勝ち上がりで、今回に関しては勝ち切るまでのパフォーマンスは発揮しそうにない印象ですが、3着程度は充分にありそうな気配。まあ今回の結果如何にかかわらず、しばらくの間は経過観察していきたい馬ですね。


3.カシノハリウッド(母自身にヘイルトゥリーズン4×4の近親クロス有り)

 前日段階の単勝オッズでは二桁台の不人気ですが、この馬も一応は前走で中京の芝マイル戦を勝ち上がっていますので、走破タイムの良し悪しはともかく人気以上の走りは披露可能かもしれないですね。

 今回は戸崎騎手の騎乗ですし、その馬のポテンシャルを150%とかまで引き出してしまうようなところもある騎手ですから、無碍に軽視は禁物かも。


4.ミュゼスルタン(母アスクデピュティのBLP=10:(3,4,3))

 キンカメの産駒で「母父ノーザンダンサー直系」となるタイプは、なかなか芝の重賞級として出世するケースが極めて少ないということを、過去記事で特集を組んで何度か取り上げてきました。

 実際、牡馬ではロードカナロア、牝馬ではアパパネが「母父ノーザンダンサー直系」となるタイプのキンカメ産駒ではあるものの、それ以外に芝の重賞を勝ったキンカメ産駒の活躍馬たちを探すと、そのタイプは一切見つからないのです。

 つまり、よほどのことが無い限り、「母父ノーザンダンサー直系」となるタイプのキンカメ産駒は出世していけないんですね。芝の重賞クラスの馬としては。

 頭数としてのデータを以下に示しますと、これだけの数で存在しているのに、牡馬は1頭、牝馬も1頭・・・、だけなんですね。これまでのところ。

・現8歳のキンカメ初年度産駒:54頭
・現7歳のキンカメ2年目産駒:41頭
・現6歳のキンカメ3年目産駒:34頭
・現5歳のキンカメ4年目産駒:27頭
・現4歳のキンカメ5年目産駒:15頭
・現3歳のキンカメ6年目産駒:37頭
・現2歳のキンカメ7年目産駒:27頭

 生産界の現場の方々の認識がどの程度なのか知る由もありませんが、一部の生産者の方々は、キンカメにノーザンダンサー系の繁殖牝馬を配合しても、活躍馬にはなりにくいと感じていらっしゃる方がおられるはずです。

 まあ、もし1人も居ないのだとすれば、かなり無頓着だなと感じざるを得ませんが(笑)。

 現3歳のキンカメ産駒で、母父フレンチデピュティとなるのはプロクリスという牝馬(その母ライラプス)が居て現在芝で2勝していますが、いずれ芝重賞級となりそうかは微妙な現状。

 ライラプスといえばクイーンCを勝つなどしていますし、その母フサイチエアデールも芝の重賞3勝、G1戦2着2回などの名門牝系ですが、キンカメとの配合では答えが出ていない印象です。

 兎に角、今回人気サイドのミュゼスルタンも、今後どれだけの活躍が可能か、個人的には興味深々ですね・・・。
 

5.ラミーロ(ヘイロー4・5×4、ミスプロ4×4)

 前走の大敗ぶりを見る限り、狙いは立たないでしょう。併存する上記2種類のコテコテな近親クロスが、尚更印象を悪くするものでしかないですしね・・・。


6.ギンパリ(ミスプロ4×3)

 前走の新潟芝1800m戦で勝ち上がったもののスローの上がりだけの競馬。確かに、上がり3Fメンバー最の33秒9はそれなりに評価すべきでしょうが、今回馬券になるようなパフォーマンスを確認するまでは、なかなか食指が動きにくい印象も。


7.アヴニールマルシェ(母自身が同系配合でノーザンダンサー4×4の近親クロス有り)

 母自身がコッテコテなノーザンダンサー血脈で固められているという部分では、昨年の勝ち馬ハープスターとも共通しますし、増してや父はディープインパクト。母の母はキョウエイマーチ・・・。

 まあ1番人気確実でしょうし、穴党の当方といたしましては勝たれたらしゃあない、というスタンスで臨むほかありませんな。

 特に、血統背景で言及すべき部分はないです。良血〜、と言っておけば皆さん満足なんでしょうかね(笑)。


8.ヒルノマレット(同系配合でミスプロ3×4)

 こちらはミスプロ系の両親を持つ同系配合馬の扱い。あまり人気はないようですが、直近の坂路調教の内容はまずまずで優秀なのではないかと思います。

 いずれ出世するキンカメ産駒というなら、かえってミュゼスルタンのような「懸念」の縛りの少ない、こちらの方ではないでしょうか?

 まあ、このヒルノマレットも芝ではなく、いずれダートで出世していく馬かもしれませんけどね(苦笑)。


9.ディアコンチェルト(母サイレントベッドのBLP=14:(8,3,3))

 この馬は2歳戦の回顧記事にて既に取り上げております。回顧記事でも述べたように、新潟2歳Sでも好走可能なようなら継続的に観察していきたい、としていました。

 勝ち上がった前走、新潟芝マイル戦の走破タイムは1分34秒7と、2歳戦にしては非常に秀逸なものですが、開幕週特有の高速馬場の恩恵だけ、という印象が世間一般の評価のようですね。

 前日段階の単勝オッズでも、さほどの人気とはならずに8番人気あたりの評価。まあ父のサムライハートがこれまでほとんど活躍馬を出せていないという現状も、この産駒の不人気に影響していると思います。

 回顧記事で述べておいたのは、母自身が好結果を残しやすい配合要素である「ミスプロ系×テディ系ダマスカス」のニックスを血統背景に持っているから、ということでした。

 パターン的には母の父系がダマスカスの直系で、母方にミスプロ経由のラインを持つ、という逆のパターンにはなるものの、迂回血ライン継承度(BLP)の豊富さとも相まって、期待してみたいものがありますね。

 昨年は、14番人気ながら4着という惜しい結果を残したウインフェニックスを本命にして地団太を踏みましたが、今年はこのディアコンチェルトを本命馬に据えて、またしても地団太を踏む事態になってしまうのかどうか、乞うご期待ということで(苦笑)。


10.コメート(母ジューンブライドのBLP=12:(6,5,1))

 この馬も先々、少しは出世していけそうか興味を向けたいところですが、身が入ってくるのはもう少しあとのような気がします。やや、ズブさのほうが優勢で、スピード不足気味の印象ですね・・・。今後、小倉や福島・新潟の小回りコースの1800m〜2000mあたりでソコソコな走りをしていけそうではありますが。


11.トーホウハニー(母トーホウメドゥーサのBLP=7:(3,2,2))

 なかなか、活躍度を予見しにくい血統背景の印象ですが、母の父メドウレイクというのはプリンスキロの直系となる種牡馬で、いわゆる異系要素由来の活力のようなものは、多少なりとも期待してみて良さそうな気も。

 メドウレイク自身、ブルーラークスパー(4×5)というクロス要素を持っていますが、これはサンデーサイレンスの父ヘイローが持つ、ブルーラークスパー(4×4)のクロス要素と、それなりに呼応する可能性もあり、活躍の芽が薄いとも言いにくい感じですね。

 とは言いつつも、今回は狙いにくい印象が先にくるのが本音、でしょうか(笑)。


13.ゴッドバローズ(母自身にセクレタリアト3×4の近親クロス有り)

 こちらもステイゴールド産駒ですが、母の持つ上記のクロス要素がさしたるプラス面をもたらすとも思えず、これまでのステイG産駒の出世パターンには合致しないという印象。

 まあステイゴールド自身、産駒の活躍度に関しては極端で、ごく少数の大物を出す一方でダメな産駒はダメなまま推移、という傾向が顕著なのが実際のところ。この産駒はどうなりますかね・・・。


14、コスモピーコック(ノーザンダンサー4×4)

 こちらは中京芝のマイル新馬戦を勝ち上がっているものの、やや重の馬場とはいいながら1分40秒ジャストというダート戦並の走破時計の遅さで、逆にそれでもダリア賞3着となれてしまうところにダリア賞のレースレベルが推して知るべし的な内容に感じるのも事実。

 もしこの馬が上位に好走するような場合、今年の新潟2歳Sのレースレベルは、昨年とは程遠いものとして受け止めることにもなりかねませんな・・・。


15.ワキノヒビキ(リファール4×4)

・RRP:124=121+3

 こちらはダリア賞の勝ち馬ですね。ただ、近年のダリア賞上位好走馬はほとんど、新潟2歳Sの好走には直結しない傾向が強まっているので、この傾向を打破できるのかどうか、やや微妙なところも。

 母のワキノバクシン自身はネヴァービート(4×3)に加え、ノーザンダンサー(4×4)の近親クロスも併せ持つという欲張りぶりで、ワキノヒビキ自身のリファールクロスとの絡みで何がなんだか(笑)。

 個人的には将来にわたって1400m以下でこそ、のタイプにしか映りませんね。おそらく気性面でも難がありそうな感じですし。


16.テイケイラビッド(母ラプーマのBLP=5:(1,3,1))

 前走の中京2歳Sで3着になり、マイルもこなせるかのような印象を残しているものの、そのレースレベルは低く、当日の中京1R・2歳未勝利(芝1600m)で勝ったシングウィズジョイの勝ち時計1分39秒0よりもかなり劣る内容でした。

 そもそも、中京2歳Sを勝ったケツァルテナンゴの走破時計は1分40秒5という体たらくで、これは上記1Rのレベルでは7着程度にしかならないというヒドいもの。

 いくら前半のペース次第で走破内容が左右されるとは言え、同日の未勝利戦の内容に遠く及ばないオープン特別戦というのは、あってはならない事と断罪するしかありません。

 テイケイラビッドの血統背景の印象は、やはり1400m以下でこそ、でしかないものですね・・・。


17.ナヴィオン(母自身が同系配合でノーザンダンサー3×4の近親クロス有り)

 こちらのハーツクライ産駒もまた、活躍度が高めの傾向となるコテコテなノーザンダンサー血脈を有する母を持ちます。

 まあセオリー通りと申しましょうか、今後活躍していくのだとしても、個人的には興味もヘッタクレもない血統背景ですね。

 過去に何度も言っていますが、ハーツクライ君におかれましては、こういったコッテコテなノーザンダンサー血脈を一切持っていないような繁殖牝馬を相手にしても、超大物産駒を出してもらいたいもんだ、というのがこちらの心境にて。


 *今回、出走各馬はワキノヒビキ以外、どれも1勝馬のみだったので、RRP(レース実績ポイント)の表記を割愛しています。(まあワキノヒビキのRRPにしても、現段階で大した意味はないという印象だが、笑)。

blood_max at 16:01|PermalinkComments(0) 2歳馬 考察 

2014年08月26日

2014 2歳戦回顧(6)

 札幌記念では、人気の2強が共に良化途上ながらも他を圧倒するパフォーマンスを見せつけ、順当に連対しましたが、個人的に嬉しかったのはやはりホエールキャプチャが3着になってくれたことでした。

 世間一般的にホエールCは、さもマイラーであるかのような評価で凝り固まっている感じですが、個人的には母の血統背景から2000m程度まで十分こなせる下地を持つはずだと「2歳時」から受け止めてきました。

 まあ実際、マイル重賞実績のほうが顕著となっていたのも確かではあったものの、今回の2強はともかくそれ以外の「G3級」程度の牡馬の面々をものの見事に蹴散らしたわけですから、やはり「母のBLP=10以上が芝の中距離重賞では重要」というこのブログの根底にある仮説に対して、また1つ有力な実績を残してくれたことに感謝したいと思います。

 などと言いつつ、先週はどのレースの馬券も一切買わずに全くの不参加だったんですけどね・・・(>_<;)。


 さて、本題へ。

8/23 新潟1R 2歳未勝利(芝1800m)

1着 マイネルリード(母コスモミールのBLP=12:(6,1,5))

・RRP:125


2着 ギンザヴィクトリア(母タイムフェアレディのBLP=5:(3,1,1))


3着 エッケザックス(母リーチマイハーバーのBLP=7:(6,0,1))


 今回取り上げた2歳未勝利戦では、珍しく、などと言っては失礼でしょうがコンデュイットの産駒マイネルリードが3着を量産するようなこともなくキッチリ3戦目で勝ち上がり。

 調べてみてもらえばお分かりかと存じますが、コンデュイット産駒というの全体的に見て本当に「3着」が多いという印象。何でそんなに3着が好きなの〜?と思わずにはいられないほどですね。

 そんな中で今回は8番人気という低評価だったマイネルリードは、そもそもデビュー戦の芝1400m、そして前走のマイル戦にしても距離不足だったであろうことが推察され、適距離である中距離に延長となったことが今回は奏功したものと推察します。

 まあコンデュイット産駒をマイル以下で使おうと試みる陣営の判断そのものが個人的にはあまり感心しない経緯ですし、このブログで再三再四述べてきている「母のBLP=10以上の産駒は芝中距離(おおむね1800m以上2400m以下)でこそ使うべし」という持論にも、今回は合致しての好走と受け止めます。

 良馬場でのマイネルリードの走破時計は1分47秒8と、この時期の2歳戦にしてはまずまずの内容で、次走以降も引き続きハイレベルなパフォーマンスを披露するようなら、コンデュイット産駒にしてはそれなりに出世するかも?という淡い期待を抱いてみたいところ。

 今回連対した2頭は道中で馬群の中ほどあたりに位置し、ハイペースで前崩れの展開に恵まれた感じであることも否めませんが、やはり次走以降でもどうなのか?という視点で見ていきたいですね。


 1番人気で勝ち切れなかったデュランダル産駒のエッケザックスですが、この馬の母リーチマイハーバーが持つ「デジタルパターンのBLP分布」については、半兄のカリバーン、半姉のブリッジクライムを過去記事でそれぞれ取り上げた際に、このブログにおける「懸念材料」として問題提起してありました。

 迂回血ライン継承度(BLP)の3分割表示において、ゼロか1の値が2か所以上で示される場合、人気サイドに支持されたケースで順当な結果が出にくい、というこのブログ独自の分析をこれまでも随時、提示してきています。

 下級条件のレースでは人気どおりに勝てるケース、馬券になるケースは少なからずあるのですが、より上のクラスへ昇級するほど、その「懸念」が発動しやすくなる、という分析です。

 まあこの事については、読者の皆様がたの受け止め方次第でいかようにも解釈可能であり、「フン、そんなもん信用するものか」と思うもよし、「ほう、それならメモっといて次走以降でどうなるかチェックしてやるか」というスタンスをとるもよし、シレ〜っと傍観するもまたよし(笑)。

 ま、一応ご参考までに、ということで。



blood_max at 20:14|PermalinkComments(0) 2歳馬 考察 

2014年08月19日

2014 2歳戦回顧(5)

 ご無沙汰しております・・・。前回の記事UPから、かなり経過してしまいました。元々このブログは2歳戦、3歳戦中心に血統考察するのが主ですが、梅雨開け以降も全国的に晴天が長く続くような天候にはならず、競馬も重め馬場での施行が相次ぐ事態が多くなり、困っております(苦笑)。

 本来、血統ポテンシャルを推察する上で最適なのは、やはり「良馬場でのパフォーマンス」であろうと考えているので、重め馬場での新馬戦や2歳未勝利戦の結果は、積極的に回顧する気にならないというのが正直なところ。

 函館や札幌での2歳戦は、本州や九州よりは天気がマシなほうですが、洋芝100%なので時計が出にくく、輪をかけて超スロー競馬になりがちなので勝ったとしてもこれまた次走以降の内容を見たいというのが本音ですね。

 とはいえ、このままだとネタ切れで日々だけが過ぎて行ってしまうので、渋々取り上げるのが、

8/17  札幌1R 2歳未勝利(芝1800m)

1着 トーセンバジル(母ケアレスウィスパーのBLP=12:(6,3,3))

・RRP=125


2着 サトノラーゼン(同系配合馬)


3着 マイネルプロンプト(母コスモクラッペのBLP=7:(5,2,0))


 ハービンジャー産駒の、中央競馬での勝利数はトーセンバジルを含めてこれで5勝目ということになりますかね。まあいずれも函館か札幌競馬場でのもので、さもありなんという感じではありますが。

 このブログで過去記事にて取り上げておいたのはスワーヴジョージだけですが、他にはフローレスダンサー(母ダンスインザムードのBLP=11)、ジャズファンク(母ピサノグラフのBLP=12)、カービングパス(母ハッピーパスのBLP=8)が勝ち上がっているという状況。

 ダンスインザムードについては殊更言及するまでもないでしょう。ハッピーパスも既にコディーノ(父キンカメ)を産んでいるのでこれもまた良血〜、というくくり。

 ピサノグラフはシンコウラブリイの娘で、ハッピーパスはシンコウラブリイの半妹という立場です。

 要するに早い話が、ジャズファンクとカービングパスは近親の間柄ということになりますね。

 ジャズファンクのデビュー戦勝利は札幌でのもので1分54秒1というかなりショボい内容だったので、回顧で取り上げる気にはなりませんでした。

 まあ次走以降でのパフォーマンスがもう少しマトモなものになってくれたら、また取り上げる機会もあろうかと思います。


 そして今回の勝ち馬トーセンバジルの母もケアレスウィスパーということで、要するにトーセンジョーダンの半姉にあたる立場ということですから、またまたこれも良血〜というくくりで語るしかない母馬です。

 何だかんだ言って、結局ハービンジャーもこういった“超〜有力な”繁殖牝馬との配合でしか、勝ち馬を出せないのかいな?という印象ですね、今のところ。

 このブログでの揶揄気味な評価を、ハービンジャー自身でブチ破ってもらいたいものですね。ぜひ、「無名な」繁殖牝馬との配合でもって、一発大物を出してみ?ってなところですかな・・・。



blood_max at 23:05|PermalinkComments(0) 2歳馬 考察 

2014年08月06日

2014 2歳戦回顧(4)

8/2  新潟2R 2歳未勝利(芝1600m)

1着 ディアコンチェルト(母サイレントベッドのBLP=14:(8,3,3)

RRP:123


2着 タンタアレグリア(ミスプロ4×4)


3着 レオフラッパー(母自身にノーザンダンサー3×4の近親クロス有り)


 中山競馬場のスタンド?改修に伴い、スプリンターズSの施行までロングラン開催となる新潟競馬場。新潟生まれ新潟育ちのワタクシと致しましてはなかなか興味深いシリーズとなりますが、最後まで馬場状態がちゃんと維持されるんだか(苦笑)。

 まあ、JRA馬場造園課の皆様がたのウデの見せどころでしょうな。終始、常に野芝100%で施行されるのは新潟競馬場のみですし、近年は馬場硬化防止のための施策を色々と講じているようですから、単純に芝丈の短さだけで超高速馬場とはなりにくい様相も呈しています。

 とはいえ、平坦コースですし野芝は野芝ですから、幾分時計は速めなケースも多いでしょうね。今後とも。

 今回取り上げた2歳戦も、勝ったディアコンチェルトの走破タイムは2歳マイル戦にしては1分34秒7となかなかの好時計でした。

 同日の第10R、五頭連峰特別では、1000万条件戦ながらも勝ったダンスアミーガの走破タイムは1分33秒ジャストと水準以上のものだったので、一応は速い時計の出る開幕週特有の馬場でもあったのは確かでしょうけども。

 勝ち馬の父サムライハートは、エアグルーヴの息子にしては種牡馬としてもどかしい状況ではあるものの、今回の配合相手であるサイレントベッドのように、迂回血ラインの継承が豊富なタイプの繁殖牝馬が産んだ仔が少しでも芝重賞級に近い出世をしていけるようであれば、もう少し可能性が広がるかもしれないのですが。

 勝ち馬の母父ソウルオブザマターは、なかなか考察の機会が滅多にないテディ系ダマスカスを経由する種牡馬で、ファラリス直系ではないのでBLPを当てはめてのポテンシャル判定が少々読みにくいタイプであると言えますが、サイレントベッドの母方にミスプロ経由のラインがあるのがポイントとなっています。

 過去記事において、ミスプロ系種牡馬と配合する牝馬の血統背景にテディ系ダマスカス経由のライン継承があると成功要因になりやすい、という見解を何度も述べてきました。

 今回の場合はパターンが逆で、ダマスカス直系種牡馬のソウルオブザマターに、ミスプロの血を母方に持つ配合として生まれたのがディアコンチェルトの母サイレントベッド、という構図になるにせよ、子孫にとっては好ましい配合パターンとなりそうなのはあながち的外れなものではないと言えると思います。

 新潟2歳Sまで中3週ありますので、ディアコンチェルトがそこでも上位好走可能なようであれば、今後とも注目し続けていきたいと思いますね。今回の走りがフロックでないことを願うばかりですが(笑)。


 1番人気で2着に敗れたタンタアレグリアですが、半姉にパララサルーが居るということで世間一般的にはいわゆるひとつの良血〜、という目線で語られる馬ですね。

 ディープ産駒だった姉のパララサルーの場合、自身に4代以内で成立するクロスは生じないタイプではありましたが、母のタンタスエルテ自身がノーザンダンサー経由のラインを「計4つ継承」という配合の持ち主であったことから、このブログでは「母自身は考察外」としていました。

 2012年の紫苑Sでは、パララサルーが上がり3ハロン最速の33秒5という超絶的な末脚を繰り出して圧勝しましたが、このブログの当時の回顧記事で、「パララサルーはあんな凄い勝ち方をしたけど、大丈夫かな・・・」といったような内容の見解を述べました。

 幾日か経過したあとになって故障〜引退という現実のものとなってしまったわけですが、個人的には「あーやっぱりな」と思うしかありませんでした。

 このブログで「考察外」として扱っている、「ノーザンダンサー経由のライン継承が3つ以上ある母」というのは、やはり何かしらの問題(不具合)を仔や孫の代に伝達させ易いのではないか?という危惧の念がその根底にあります。

 ノーザンダンサーの「血の威光」をこれでもかとコテコテに継承させておけば、「芝の重賞級」を出すことぐらいいくらでも可能だろうぜー、などと安易に考えるような「生産者」の方がもしおられるのだとしたら、個人的にはそういう考え方の人が生産界に居る、ということを残念に思うしかありません。

 パララサルーの故障発生&引退の経緯は、決して偶発的なものではない、と個人的には考えております・・・。



blood_max at 22:02|PermalinkComments(0) 2歳馬 考察