2013年09月

2013年09月30日

'13 2歳戦 備忘録(32)

9/22  阪神5R 2歳新馬(芝1600m)

1着 ヴィンテージローズ(母ロゼカラーのBBLP=6:(2,2,2))

・RRP:126


2着 パドルウィール(母レストレスハートのBBLP=9(4,3,2))


3着 クリーブラット(母自身がノーザンダンサー4×3の近親クロスを持つ)


 こちらも同日中山と同様、事前考察をパスしたレース。中山は牝馬でのワンツーでしたが、こちらも勝ったのは牝馬。まあ相手が薔薇一族ならば、負けた牡馬の連中に文句は言いづらいか、なんてね・・・。

 ただ、タイム差なしのクビ差で負けたパドルウィールは4コーナーの位置取りが12番手で、勝ったヴィンテージローズは4コーナーでは3番手。

 直線だけでどれだけ猛追されたのかは、上がり3F最速の33秒6をマークしたパドルウィールの「豪脚」に示されている、と言えます。

 確かにレース内容はマイル戦にしてはスローで、2歳戦としてはありきたりな平凡さと言えますが、阪神外回りでこれだけの末脚を発揮出来るのであれば、次走でも確勝級でしょう。

 まあ問題なのは、クロフネ産駒の「牡馬」という部分でしょうけど(苦笑)。これで将来的に重賞で勝ち負けになるような器なら、クロフネをフィリーサイアーなどと揶揄する声も封じ込めるのかも・・・ね。

 ただ、母の迂回血ライン継承度からして、距離適性はおそらく1800mぐらいまでと推察します。ベストと思われるのは今回の距離である、マイル路線だろうという印象ですね・・・。


 さて、勝ち馬は薔薇一族の牝系ですので、兄姉には名の知れた面々が居るのは確か。長女はローズバド、長男はローゼンクロイツなどが挙げられますが、個人的にはそろそろ、この牝系の勢いは徐々に下降線を辿っているように感じられます。

 実際、21世紀最強種牡馬のディープインパクトと配合されて誕生した2頭、ローザアルラヴィスにローゼンカルテンは、陣営の期待を大きく裏切る内容に終始。

 おそらく、リファール(4×3)の近親クロスが生じてしまう部分で、プラスに奏功しにくい何かが作用してしまっているとしか思えませんね。

 まあリファールのクロス要素そのものは、プラスに作用すること自体が稀、と個人的には受け止めていますけれども。(リファール自身が全兄弟クロスの4×4を持つことがその主な理由)

 そういう意味では、リファール(4×4)で成功しているジェンティルドンナの存在は奇跡にも近いケース、だと考えていますが・・・。

 父がZロブロイに替わるヴィンテージRの場合、そうしたリファールクロスからは開放される配合となるものの、別のマイナス要素としてはBBLPの値の低さ、が今後とも気掛かりですね・・・。

 今回も勝ったとは言え、猛然と追い込まれて薄氷を踏むような勝利だった、とも受け取れますし。


 1番人気で敗れた、

9着 オリエンタルポピー(ヌレイエフ4×4)

 まあ、いくら「良血」という評価をしてもすんなり事が運ばない、という典型例でしょうね。母であるトールポピー自身、ノーザンダンサー(4×4)の近親クロスを持つタイプなので、二重の意味でBBLPでの考察が不向きとなるタイプと言えるのがオリエンタルポピーです。

 単純にヌレイエフを通じての、ノーザンダンサーの影響力があまりに濃すぎる配合なので、当然マイナス方向に作用するとしても何ら驚けないでしょう。

 「父と母父」だとか、「良血の母」だとかの視点のみでは語りようがないタイプ、とも言えるんでしょうね・・・。

blood_max at 23:25|PermalinkComments(0) 2歳馬 考察 

2013年09月29日

'13 2歳戦 備忘録(31)

 回顧の順序が前後してしまいますが、芙蓉Sの結果から先に。

9/28  中山9R 芙蓉S(芝1600m)

1着 マーブルカテドラル(ノーザンダンサー4×4)

・RRP:126


2着 イオラニ(母オークルームのBBLP=8:(5,2,1))


3着 パシフィックギャル(ミスプロ4×4)


 勝ったのはまたも牝馬で、これでホエールキャプチャがこのレースを勝って以降、4年連続ということになりますね。

 事前考察で取り上げた馬では、イオラニのみがそれなりの走りを披露したものの、結局は近親クロスを持つようなタイプの中ににかろうじて食い込めた格好。

 昨年の勝ち馬サンブルエミューズもやはりダイワメジャー産駒でしたが、その母自身がノーザンダンサー系の両親を持つ同系配合馬という部分では少々異なります。

 まあ、どちらにしろDメジャー産駒が活躍馬となるケースの典型的な配合パターンと言っていいでしょう。

 同じ(4×4)でもクロスされる「縦の位置」が様々なケースがありますが、例えば京王杯スプリングCを勝っているダイワマッジョーレなども、やはりノーザンダンサー(4×4)のクロスを持つタイプです。

 しかしMカテドラルの場合は「母父」自身がノーザンダンサー系ですので、Dマッジョーレの持つクロス位置よりもストレートに影響力がより強まると思われますね。

 このブログではこれまで、そうしたクロス位置の「縦の部分」には言及せず、単に(4×4)でひとくくりに簡略化していましたが、当然、「母父」のライン上にあるのか、「母の母父」のライン上にあるのか、「母の母の母父」のライン上にあるのか・・・、

 チト面倒くさい文章になるのが難点ですが、要するに「縦の位置」でも3種類に分けられるので、同じ(4×4)でも3通りの「影響度の濃さの違い」は当然ある、とすべきでしょう。

 本来であれば、そこまでの差異を把握した上で(4×4)を語るべきでしょうが、なかなか難しい問題でしょうね、しっかり区別するとなると・・・。

 (4×4)のAタイプ、(4×4)のBタイプ、(4×4)のCタイプ、などのように表現するとか、単純なアイデアとしてはその程度でしょうか(笑)。

 然るにMカテドラルはAタイプで、DマッジョーレはCタイプ、のクロス内包馬となります。同じ(4×4)の持ち主ではあっても。

 そこまで考察したところで何が変わるのか?と訊かれれば、自己満足の度合いがより深くなる・・・というだけなのかもしれませんが。(>_<;)

 単にマニアックなだけ、と言うのであれば、最初からこのブログの内容などすこぶるマニアックでしょうし(苦笑)。 

 個人的には、こういった「4代内クロス」を持たずに、「芝重賞級」にまで強くなっていけるようなDメジャー産駒が早く見てみたいですね・・・。

blood_max at 23:55|PermalinkComments(0) 2歳馬 考察 

2013年09月28日

'13 2歳新馬戦 注目馬(19)

 世の中、スプリンターズSの話題でもちきりでしょうが、馬券の妙味としてはあまり期待出来そうにないような・・・。

 個人的には同系配合馬のサクラゴスペルに、せめて3着に食い込んでくれればいいなという程度でしょうか。おそらく今年は昨年ほどの高速馬場ではなさそうなので、速い時計の実績に乏しいSゴスペルにとっては好都合、になると良いのですが・・・。


9/29  中山4R 2歳新馬(芝1600m)

4.レッドルシアン(母アルウェンのBBLP=8:(3,3,2))

 全姉にギンザボナンザなどの居る血統背景。その姉もどうにかオープンクラスへの昇級を果たしたものの、やはり「芝重賞級」となるにはほど遠い内容に終始しました。

 この妹は直近の調教内容もまずまずの及第点と思われ、おそらく3番人気以内には支持されるものと思われます。

 9月以降、2歳新馬戦&未勝利戦においてはそろそろ牝馬が勝ち切るシーンが減っていくはず、と言った端から、先週あたりも牝馬がビシバシと勝ち上がっていましたね(苦笑)。

 同斤量のこの時期に、牝馬に負けるような牡馬の将来性はすこぶる怪しいと思われるので、そういう経緯を持つ牡馬の面々には、今後ともあまり期待をかけないほうがよろしいかと。

 さて上記のレッドルシアンも牝馬ですな。この馬にちゃんと勝てそうな牡馬は、居るのかな〜?


7.ミュゼタイフーン(母自身がノーザンダンサー3×4の近親クロスを持つ)

 こちらは牡馬で、調教内容はやはり及第点。まあハーツクライ産駒の傾向としては、上記のような強力なクロスを持つ母でないと出世がおぼつかないようなケースが目立つので、この母ならそれなりに出世可能でしょうし、戸崎騎手の手綱も心強い・・・となるはずですが、どうなりますか。


 以下の馬は調教内容からは推挙しづらいものの、

2.ボンジュールショウ(母スズプロポーションのBBLP=16:(9,4,3)だが・・・)

 マンハッタンカフェの娘である上記の母は未出走馬。当然、どのようなポテンシャルを産駒に伝達させるかは未知と言うほかないでしょうね。

 ただ、1つ前の記事で血統考察の「心構え」を述べたように、こういう母だからこそ、迂回血ライン継承度(=BBLP)の有効性に着目しておきたいタイプなのです。

 けれども母の評価に(・・・だが)を付記しているのは、母自身が問題というよりも配合相手のスウェプトオーヴァーボード自身に懸念される側面があるからですね。

 ここではその内容を詳細に述べないでおきますが、スウェプトOB自身が産駒の「活力を削ぐ」要素を抱え込んでいることが大まかな理由です。

 まあ、最初からダート戦での活躍を望むのなら、そうした懸念は一切無用なんですが、「芝」での活躍を期待するとなると、この種牡馬はマイナス面を抱えています。

 一応、母のBBLPでは注目したいものの、父の欠点が出ないかどうか?だけが不安ですね・・・。


9/29  中山5R 2歳新馬(芝1800m)

2.ディールフロー(母コーレイのBBLP=12:(4,3,5))

 こちらの新馬戦は、坂路調教の内容で推挙可能なのはこの馬だけですね・・・。

 母のコーレイがこれまでに産んだ4頭は全て牝馬ばかりで、いずれも活躍にはほど遠い戦績に終始。5番目の仔となるディールフローが初の牡馬ということになります。

 母の父はKnow Heights(BBLP=4)という種牡馬ですが、全くの無名でしょう。シャーリーハイツの直仔種牡馬としては、日本に輸入されたシェイディハイツが居ましたが。

 まあ、このブログでは「母父」の知名度が著しく低くてパッとしなくとも、それ以外の要素にもちゃんと「光」を当てるので心配ご無用ですけどもね(笑)。

 どうしてこういう種牡馬の娘を輸入するに至ったのか不明ではありますが、スペシャルウィークとの配合でこの産駒がそれなりの出世をしていけるようなら、この母を輸入した甲斐があったというもの。

 今回の対戦相手には2頭の牝馬が出走してますが、出来れば牝馬の後塵を拝するような結末にはならないようにね、と言っておきたいところ・・・。 

blood_max at 22:32|PermalinkComments(0) 2歳馬 考察 

2013年09月27日

芙蓉S 思い出の先にあるものとは・・・。

 通常、2歳馬のオープン特別戦なんて、大して注目されませんよね。まあ大抵の競馬ファンが「今の時期の2歳馬って、どれが強そうか?なんて訊かれてもまだ分かんないよ」と・・・。

 確かに今年の芙蓉Sに出走する面々も、強くなっていきそうかどうかはまだよく分からんですね(苦笑)。

 しかしながら、3年前の芙蓉Sはどうだったでしょう?

 「ま〜た、その話を持ち出すつもりかい?」

 そう言ってくださるような読者の方は、その頃(3年前)からこのブログをお読みいただいているということなので、非常にありがたい存在でございますね、私にとりましては・・・。m(_ _)m


 今この記事をお読みの方々のほとんどは、このブログで3年前に事前考察した「芙蓉S」の記事の内容をご存知ないのではないでしょうか?

 現在、日本の競馬ファンのみならず、世界の競馬ファンも少なからずその名を記憶することとなった現役最強馬、オルフェーヴルが3年前に出走した(そして負けた)あのレースです。

 全兄にG1ホースのドリームジャーニーが居たことにより、2歳当時の若駒オルフェーヴルに対しても、それはそれはヤンヤの拍手喝采、鳴り物入りで新馬戦を勝利してのち、「ここも通過点でしかない」とばかりに出走したのが2戦目となる芙蓉S、でした。

 オルフェーヴルの単勝オッズは2.1倍となり、断然の雰囲気で出走。道中5・6番手あたりをキープし、4コーナーで満を持して追い出しにかかると先行する馬たちを一網打尽に・・・。

 と思いきや、スルスルと逃げの手を打って、オルフェーヴルの猛追をかろうじて封じつつ勝ってしまった5番人気の牝馬がいました。

 言わずもがな、のホエールキャプチャですね。

 3年前、この芙蓉Sの前日に当ブログで事前考察した際、注目馬として取り上げたのはたったの1頭のみ、他でもないそのホエールキャプチャだけだったわけです。

 ダントツ人気のオルフェーヴルが出走してくることを百も承知の上で。

 誰もが、この牝馬のことを「強い」などとは全く思っていないような段階で、私はホエールキャプチャのみに注目しました。「この馬は、出世していっておかしくないはずのものを持っている」と、記事の中で明言しながら。

 3歳時の牝馬3冠こそ勝ち切れませんでしたが、4歳時のヴィクトリアマイルにて待望のG1戦勝利を挙げ、そのポテンシャルの高さを証明してくれた時は、猛烈に感動する自分がそこに居ましたね〜。

 このブログでこれからも見つけ出したい馬とは、正にホエールキャプチャのようなタイプの競走馬なのです。「近親クロスに頼らないアウトブリードの配合」で、「母馬自身が活躍馬ではない」とか、「兄や姉にもさしたる活躍馬が居ない」・・・などというようなケースにおいての。

 そういうケースにおいてこそ、「血統の奥に潜む、真の潜在能力」を探し当てる究極の楽しみ方があるからなんですね。

 オルフェーヴルは強い馬です。全兄の存在からしても、それは誰もが事前に想像出来ました。実際、彼は強くなっていき続け、たま〜に「ポカ」があってもそこはご愛嬌(笑)、もはや強いことを疑う余地はありません。

 しかしそういう、極めて分かり易い立場の競走馬に対して、「この血統はネ、ココがこんなに凄いんデス」などとカビラ慈英的グーポーズを決めニンマリと語ったところで、そこに意味はあるでしょうか?

 血統考察とは、「どうしてこんなに強く成れるんだ?」と、むしろ疑問に思われてしまうようなタイプを誰よりも先にいち早く見つけ出すことにこそ、最大の意義があると考えます・・・。

  
 んでもって今年の芙蓉S出走馬たちは・・・。どうも、Hキャプチャのようにあとあとまで注目すべき存在は見当たらない感じ、ですね・・・。

 一応、Hキャプチャの母グローバルピース(BBLP=11:(4,4,3))のように、迂回血ライン継承度で考察可能なタイプはというと・・・、

4.ファソン(母テツユックンのBBLP=10:(4,1,5)だが・・・)

 この馬は1200m以下しか経験していないんですが、当のHキャプチャもデビューから2戦は1200m戦で、芙蓉Sが初のマイル経験となるケースだったこと、母のBBLPが10以上あること、などを勘案すれば距離延長そのものはこなせてもおかしくない、という感じも少々。

 また父は凱旋門賞馬のバゴなので、もちろん短距離専用血統というはずもないでしょう。ただ懸念されるのが、ファソン自身の持つヘイロー(4×5)の微妙〜な影響度合い、でしょうか(苦笑)。

 4代以内で成立するクロス要素ではないにしても、ファソン自身が距離延長に今後とも全く対応出来ないような場合には、このクロスが「悪さ」をしている可能性も浮上します。

 いきなりマイルに対応すれば良し、惨敗するようであれば前向き過ぎる気性が災い、となるのかも。


5.ポーラメソッド(母タイキポーラのBBLP=10:(5,2,3)だが・・・)

 こちらの母は、ネアルコ経由のライン継承が合計で10存在するのがかなり懸念されるところ。功罪併せ持つ配合というところでしょうか・・・。

 実際、これまでに産んだ兄・姉たちでマトモな活躍馬は皆無という状況。そして配合相手のチチカステナンゴ自身、実質の血量最上位の存在はネアルコと見なせる(11.52%)ので、そこが更なる懸念に・・・。

 ただ、前走で2着馬を5馬身も引き離して勝利している内容もあり、中山コースとの相性は抜群の可能性も無視出来ず、前走内容がレベルとしてどうだったのか、ここは試金石なのかも。


11.イオラニ(母オークルームのBBLP=8:(5,2,1))

 この馬が将来的に「芝の重賞」を連対するような出世をしていく場合、「母父ノーザンダンサー系」となるタイプのキンカメ産駒の牡馬としては、ロードカナロアに続く「稀有な事例としての快挙」ということになりますが、もし中距離以上(1800m以上)の芝重賞を勝てるような器ならば・・・。

 「母父ノーザンダンサー系」としてはそれこそ過去に前例のない事態となります。果たしてどうなっていきますかね・・・。

 直近の調教内容は良さそうなので、今回馬券になっても特に驚きはないですが、興味の向く先は「芝の重賞で勝てる器かどうか?」のみに絞られますね、個人的には。

blood_max at 23:56|PermalinkComments(0) 2歳馬 考察 

2013年09月26日

'13 2歳戦 備忘録(30)

9/21  中山2R 2歳未勝利(芝1600m)

1着 チュロ(ヘイロー3×4)

・RRP:123


2着 マイネルグリプス(母父自身がナスルーラ4×4の近親クロスを持つ)


3着 サクラエフォート(ヘイロー3×3)


 台風一過のあとは晴天が続き、Cコースに替わる初日、しかも翌日にオールカマーを控えて芝の刈り込み具合も入念だったかと(笑)。

 2歳のマイル戦にしては1分34秒8というまずまずの好時計でしたが、上記のようなお膳立てがあってのものでしょう。

 勝ったチュロは牝馬で、牡馬を負かしているわけですがこの場合、既に過去3戦とも牡馬に混じって2着を3度も続けていたので、「牝馬は牝馬同士で」としている一連の備忘録記事での見解とは別個に扱う必要があります。

 今回、牡馬相手でも勝つ下地は充分にあったわけで、その辺はケースバイケースで考えるべきなので無用なツッコミを入れないで下さいね。(^_^;)

 また、今度の土曜には中山で芙蓉Sが施行予定ですが、過去3年でホエールキャプチャ、サウンドオブハート、サンブルエミューズと牝馬が連続して3勝しているという厳然たる事実があります。

 これも、新馬戦や未勝利戦における解釈とは異なり、既に1勝を挙げている牝馬が出走してくるわけですから、オープン特別戦においては牝馬でも牡馬相手に通用するケースはあって然るべき、と考えます。

 あくまでも、新馬戦で人気先行気味の牝馬や、前走でそれなりの資質を見せていた牡馬が相手となる未勝利戦での牝馬に対し、9月以降では過大な期待をかけないほうが良いということが言えるのであって、芙蓉Sなどで牝馬を軽視しても良いなどとは全く思っておりません・・・。


9/21  阪神2R 2歳未勝利(芝1800m)

1着 ライザン(母ライジングクロスのBBLP=12:(9,2,1))

・RRP:125


2着 ローハイド(母アドアードのBBLP=10:(8,2,0))


3着 ワクワクカンヲ(母ガンバリッコのBBLP=11:(4,5,2)だが・・・)


 こちらもBコース替わりとなって最初の芝レース。コンディションの良さも相まって1分48秒0となかなかの走破時計でした。(ただし展開は千m通過62秒4で、ありがちなスロー競馬)

 勝ったライザンについては9月7日の新馬戦出走時、前日の事前考察記事にて注目馬としてピックアップしていました。まあその際はディープインパクト産駒2頭のワンツーフィニッシュを喰らい、3着に甘んじましたが(苦笑)。

 そして今回もまたディープ産駒のローハイドが1番人気で目の上のタンコブとなるも、これを3馬身もの着差をつけて撃破。上がり3Fでもライザンが最速で33秒5を計時し、次走以降にもつながる気配濃厚ですね。

 このところの備忘録記事では近親クロスを優先考察するタイプばかりの好走が目立ち、いささか辟易としていましたので、このレースの上位3頭については久々に爽快感を伴う回顧です(笑)。

 まあローハイドも近いうちに勝ち上がりそうだとして、ややもどかしさが抜け切れそうにないのはカンパニー産駒のワクワクカンヲでしょうか・・・。

 カンパニー自身、ノーザンダンサー4×3の近親クロスを持つ部分が上手く奏功してG1馬にまで登りつめましたが、このクロス要素が産駒にとってプラスに出やすいどうかは、個人的にはチト懐疑的ですね。

 むしろノーザンダンサー特有の「重さ」とか、パワーに偏りがちな部分が強調され過ぎることで、芝向きの軽快感が損なわれる印象も。

 その辺りが3戦連続して3着、という結果に反映しているように思えます。3着馬を量産中の種牡馬コンデュイットにも相通じるような、とでも言いましょうか(苦笑)。

 とは言え、母ガンバリッコが産んだこれまでの兄・姉たちはいずれも未勝利というケースばかりで、カンパニーだけに「責め」を負わせるのもどうかな?とも思いますが。

 個人的には「母の母父」であるシアトリカル(BBLP=5)の存在が、ややネックとなっているのかな?と考える次第。シアトリカル自身の持つ血量最上位はネアルコで、12.5%という占有度なのが少々・・・。

 今後、ワクワクカンヲ自身がこのまま鳴かず飛ばずの成績を続けるようなら、自ずと考察&回顧の対象からフェードアウトしていってしまうことも考えられます。どうなって行きますかね・・・。

blood_max at 22:52|PermalinkComments(0) 2歳馬 考察