2013年04月

2013年04月29日

青葉賞ほか 回顧

 春・天のゴールドシップについてですが、個人的に敗因を推察しますとやはり「淀の3200m」という長丁場のG1戦で、いつもの大味な後方からのマクリで勝てるほど甘くない、という印象ですね。

 出遅れ気味なのは修正のしようがないとしても、1800m通過地点あたりからマクって2500mを乗り切るのと、2200〜2400mあたりを過ぎてマクって3200mをこなすのとでは、いくらGシップがタフな心肺機能の持ち主であっても消耗度が違い過ぎます。

 体調面または精神面で本調子でなかった可能性も考えられますが、完調だったにせよ、入念に芝が刈り込まれて(笑)スピードの出やすい馬場は道中の負荷が軽めなので、好位から中団に位置する馬でもそう簡単にはバテず、やはり序盤からある程度中団につける位置取りでないと何度やっても同じような敗因になろうかと思いますね・・・。

 まあ馬券としてはGシップ&フェノーメノの2頭軸でGシップの取りこぼしはある程度想定したのですが、レッドカドーのほうを2,3着固定でトーセンラーを3着固定に決め打ちしてしまったのが大チョンボでした(苦笑)。

 一応、応援馬券としてのレッドデイヴィスの単勝も少し、ダメ元で買ってあげてもいましたが。やはり母方の血統ポテンシャルがどうあれ、父Aタキオンでは土台無理な距離でしたかね・・・。


 さて、土曜の青葉賞に日曜の天皇賞・春と、蛯名騎手が連勝。よく観ると何かこう、岩田騎手と見間違うようなケツの上下動が顕著な騎乗スタイルを、いつのまにか実践しているんですね。

 今後とも、岩田騎手と蛯名騎手が一騎打ちでゴール前の追い比べをやり合うシーンがあったら、かなり盛り上がると思います。ケツの上げ下げが同じでどっちがどっちか分から〜ん!、なんてね(笑)・・・。


4/27  東京11R 青葉賞(芝2400m)

1着 ヒラボクディープ(母キャットクイルのBBLP=6:(4,0,2))

・RRP:136=126+10


2着 アポロソニック(同系配合馬)

・RRP:133=121(ダート勝ちの為減算)+3+9 (暫定措置)


3着: ラストインパクト(母父自身がSwaps 4×3の近親クロスを持つ)

・RRP:133=130+3(レース前と変わらず)


 某TV局の競馬番組では予想界の重鎮、柏木集保氏が出演しておられ、青葉賞の結果を回顧していらっしゃいました。「例年のレベルより、ちょっと下かな・・・」と、苦笑いを浮かべつつの見解。

 勝ち馬と2着以下の差がほとんどないことに触れられ、「こんなにダービー馬候補が居たら、おかしいでしょ?」と司会の長岡アナウンサーにも同意を求めるような仕草。

 走破タイム・超スローな展開(重賞としては、という意味での)・勝ち馬の2着馬以下との着差、いずれを見ても、氏のおっしゃる通り、近年の青葉賞よりもかなりレベルは低いものと思われます。

 また、当日の第6R、3歳500万下(芝1800m)でも、1枠1番のマイネルイルミナルが柴田大騎手の好騎乗もあって逃げ粘り、7番人気ながら2着に好走。(ワイド1−4の中穴馬券をゲット(^o^)v)

 芝レース全体で馬場状態の良さも相まって、完全に内が伸びて前が止まらない馬場でした。

 それを考えれば、山吹賞で逃げ切り勝ちしていたアポロソニックが前走同様の逃げ粘りを披露したことも一応、得心はいきます。まあ事前考察でノーマークにしてしまいましたが(苦笑)。

 このアポロソニックが馬券に絡まなければ、またしてもディープ産駒のワンツースリーとなってしまうところでしたが、仮にそうだったとしても、もういちいち感動しては居られませんな・・・。(>_<;)

 アポロソニック自身の千m通過は61秒9で、山吹賞逃げ切り時の同64秒ジャストの計時よりは速かったものの、やはり馬場の恩恵は最大限に活かしきったという印象。

 ダートで勝ち上がっていることも勘案しての、上記のレース実績ポイントとしていますが、正直言ってこの馬が馬券に絡めるようなレベルというのは、芝重賞としてはかなり低いものがあろうかと。

 芝適性があったにしても、ただでさえレース全体のレベルが低い京成杯で7着にすぎなかったアポロソニックですからねー。

 ただ、同系配合馬なのでこういった逃げ先行脚質への転換は奏功しやすいのかな?という印象は確かにありますね。今後とも、馬場が渋った場合などにまた穴をあけてくるのかも。

 本番のダービーもスローになるケースは確かにありますが、その場合は馬場状態にもよりますがラスト4Fの凌ぎあいがハンパないレベルで加速するラップ傾向ですから、今回のように生粋の軽い馬場のラスト4Fの計時では、まだまだ物足りないものがあるでしょうね・・・。

 まあどのみち、期待したトウシンモンステラにダービーフィズはあまりに後ろ過ぎる位置取りで、ハナから上位争いに参加出来ないという体たらくな競馬。4コーナー10番手以下で上位に進出できたのはディープ産駒のサトノノブレスのみでしたが、さもありなんと言うしかない展開ですね。残念ですが。

 事前に手厳しく揶揄したレッドレイヴンに関してのみ、着順予想は的中かなと(苦笑)。まあどう考えても上位に来ることは「血統背景的にも」無理な距離延長でした。

 今回の展開で道中8番手あたりというのは上位争いしておかしくない好位で、それでいて勝ち馬の上がり3F・34秒ジャストに全く及ばない34秒5で伸びを欠く内容ですから、今後体調が本来のものに戻っても距離の上限はせいぜい2000mあたりではないかなと推察します。

 個人的には、NHKマイルCであればエーシントップあたりとも遜色ない競馬が可能と推察していましたが、もうその路線は望めませんしね・・・。(それだけ、エーシントップには有利になったワケで)。

 レッドレイヴンが一矢報いるとすれば、6月末のラジオNIKKEI賞あたりになるのかな、と。距離短縮にもなりますしね・・・。


4/28  東京11R スイートピーS(芝1800m)

1着 リラコサージュ(ヘイルトゥリーズン3×4)

・RRP:126=121(ダート勝ちの為減算)+5 (暫定)


2着 フロアクラフト(母リッチダンサーのBBLP=7:(3,2,2))

・RRP:125(レース前と変わらず)


3着 ダイワストリーム(同系配合馬)

・RRP:123(レース前と変わらず)


 土曜・日曜ともに東京では、松山コーヘイ騎手がやたらと好騎乗を見せる活躍。上記のフロアクラフトも6番人気でしたが、晩春Sのザッハトルテ(3番人気1着)、ミヤジマッキー(2番人気2着)、サンライズブレット(2番人気1着)、陣馬特別のスーサングレート(7番人気3着)など、キッチリとした仕事ぶり。

 昨年に既にブレイクしているとも言えますが、若手騎手の中では川須騎手などと共に今後の成長株、といったところでしょうか。

 まあレース内容そのものは、走破時計こそまずまずと言えるものの、やはり1勝馬同士なのでオープン特別戦であっても実質500万条件戦レベルという程度でしょう。

 前日土曜の同条件、第6Rの3歳500万下(芝1800m)での勝ち馬インプロヴァイズが計時した走破タイムが1分47秒4で、リラコサージュの走破タイムが1分47秒1ですので、やはり距離延長などを勘案しても特にオークスでどうこう、というレベルにはないと思われます。

 ただ連対した2頭は、オークス当日の馬場が重〜不良のような事態になった場合には、2頭ともにそうした馬場をこなせそうな雰囲気はあるので、ある程度注視が必要になってくるかもしれません・・・。


 11着に大敗してしまった1番人気のディープサウスですが、「母ストレイトフロムテキサスのBBLP=11だが・・・」という、懸念材料付きの血統評価を過去記事でもやっていた通り、母自身の父系がファラリス直系ではなく、完全異系のインリアリティ直系である部分が危惧されたのですが、危惧したとおりなのかな?と。

 母のBBLPが10以上でも、母自身の父系がファラリス直系では無い場合、やはり今後ともかなり割り引いた考察を余儀なくされるのかもしれません。こうしたケースのサンプルが増えていけば、よりはっきりとした見解を出せていけると思います・・・。

blood_max at 16:10|PermalinkComments(0) 3歳馬 考察 

2013年04月26日

青葉賞 注目馬

 驚きましたねー。東スポ杯以来の、超〜間隔を空けて臨むレッドレイヴンが前日段階で1番人気とは・・・。しかも、単勝オッズは2倍を切る1.7倍というもので、どうやらレッドレイヴン以外の出走馬たちはどうにも太刀打ち出来ないほど低レベルだと断定されているようなものですね(苦笑)。

 仮にレッドレイヴンが勝つとして、こんなにも間隔を空けて青葉賞に臨み結果を出したケースは過去の例でもほとんどないように思われます。そりゃ、凄いことですわな。

 過去の類例では、2004年にアドマイヤビッグ(父サンデーS)という馬が新馬戦勝利〜東スポ杯1着〜青葉賞へと臨み、5着になっているというケースがありますが。(その後のダービーでは14着)

 はっきり言って上位に来ることすら想定し難いほどの「長期休養明け」で、しかも1番人気というのはどう考えても異常事態というしかないでしょう。管理するのがいかに超一流の藤沢和師だとしても、ですね・・・。

 穴党としては、素直に1着というような想定は到底不可能。万が一にも1着になられた場合、「ギャフン」のひと言で済ませるしかないですな(笑)。


4.トウシンモンステラ(母ピンクパピヨンのBBLP=13:(4,3,6))

 全兄にカフナ(2歳上)がおり、先日のメトロポリタンSで地力を発揮して勝利したのは記憶に新しいところでしょう。まあこのカフナについても2歳当時から注目していたのですが、3歳時の主だった活躍としては若葉Sでの2着があった程度で、クラシックでどうこうというまでには至らなかったのが少々残念でした。

 迂回血ラインが豊富(=おおむね10以上)な繁殖牝馬から生まれた産駒の場合、3歳クラシックの時期に活躍出来ないケースでは、やはり成長が遅めという部分が大きなネックとなるという印象が否めないのも確かです。

 ただそうしたズブめな馬でも、5歳あたりでようやく本格化するケースが結構あります。トウシンモンステラも兄同様にそうなる可能性は無きにしもあらずですが、まあ大目に見てやって下さいな・・・。

 ちなみに1歳上のプレレフア、及び4歳上のマナクーラといった半兄たちの場合、父がシンボリクリスエスなので「同系配合馬」という扱いになり、母ピンクパピヨン自身のBBLPを優先考察出来ないタイプになります。

 プレレフアやマナクーラの戦績は、トウシンモンステラの「今後」の指標にはならない、ということです・・・。

 トウシンモンステラ自身については、ゆきやなぎ賞の勝利時に「備忘録」のシリーズ記事で取り上げています。そちらをご参照のほどを。 


5.ヒラボクディープ(母キャットアリのBBLP=6:(4,0,2))

 母父がストームキャットとなるディープインパクト産駒たちについては、過去記事で特集を組み集中的に考察しています。

 「え、読んでない?」・・・それは残念です(苦笑)。興味がおありでしたらご面倒でも、過去記事を検索してみて下さいませ・・・。


7.ラストインパクト(母父自身がSwaps 4×3の近親クロスを持つ)

 母のスペリオルパールは、ナリタブライアンの半妹ということですね。まあ、その事自体は考察の上での最重要項目ではないと判断しますが。

 その事実よりも、個人的に注目する事実は、父ティンバーカントリーがミスプロ直系種牡馬であり、その娘であるスペリオルパールの母方の血統背景に、異系種牡馬ダマスカスの血がある、という事のほうを重視します。

 これは過去記事でも何度となく述べてきた事例で、ミスプロ系とは即ち「シックルの直系子孫」と言い換えることが出来て、更にダマスカスという種牡馬は「ファラモンド=シックルの全兄弟クロス(4×3)」という“奇跡の血量”の形態で継承していることが、そもそもの好相性の根源である、と。

 ナリタブライアンの母パシフィカスにとっての「母の父」が、当のダマスカスである、ということです。まあ、ティンバーカントリー自身が上記の近親クロスを持つ為に、あくまでも副次的な考察要因なんですが(苦笑)。



8.カフェリュウジン(母父自身がネイティヴダンサー4×4の近親クロスを持つ)

 マンハッタンカフェ産駒については、全般的に応援したいという衝動にいつも駆られてしまうのですが、この馬はどうでしょうね・・・。一気の距離延長はちょっと微妙〜、かも。

 母父のストラヴィンスキー自身が持つ上記の近親クロスは正確には(4×5・4)という形態ですが、考察対象の範疇としてはあくまでも「4代以内で成立する」ことを前提としているので、あしからずです。

 ただ、やはりネイティヴダンサーのトリプルラインを母父自身が持つというのは、スピード要素の凝縮&強化こそ見込まれるものの、相反する要素のスタミナにはやはり欠けてしまうような印象。

 というわけで、Mカフェ産駒にしてはマイル前後がベストのように思え、微妙〜と評価せざるをえない次第。

 ただ、もし3着あたりに来れれば、拍手喝采といきたいのは確かです・・・。



10.サトノノブレス(母自身が同系配合馬)

 青葉賞はトニービンの血がキーワード、との分析がプロの方々の基本見解のようですが、サトノノブレスの前走内容は物足りないものに映ります。クラウンレガーロに負けているようではね・・・。

 母のクライウィズジョイ自身は、ナスルーラ直系の両親を持つので上記の扱いとなります。のみならず、ナスルーラ血脈は計6ラインの継承する母なので、やはりスピード要素主体の配合であり、いくら配合相手のディープがスタミナ豊富な種牡馬でも、かなり相殺されそうな印象。

 個人的にこの馬は2000mあたりがベストというか上限で、若葉Sの結果はその証左かと。


13.アウォーディー(ノーザンダンサー4×4)

 マル外馬でありますが、実質的にはポピュラーな配合。特筆すべき要素はないでしょう(笑)。まあ、好走してもおかしくない感じではありますが。


15.レッドレイヴン(母Wonder Again のBBLP=6:(1,3,2))

 レッドレイヴンが東スポ杯2歳Sでコディーノに競り負けた事実には、個人的に得心がいきます。コディーノの母のBBLP=8だから、ですね(笑)。

 なんて、個人的にはそもそもレッドレイヴンが2400m向きだとは、到底思えないんですけども。しかも前代未聞の、長期休養後に青葉賞参戦という経緯。とても買えませんな、私には・・・。

 補足しておきますと、母のワンダーアゲイン自身を「単体考察」した場合、そのBBLP=8:(1,4,3)となります。しかしながら、配合相手のスマートストライクがミスプロ系(=シックル直系子孫)であるが故に、ワンダーアゲインの血統背景に存在するシックル経由のラインは「迂回血」とは見なせなくなるので減算処理している、ということです。(ただしシックルの全弟、ファラモンドに関しては迂回血とみなす)


17.ダービーフィズ(母マンハッタンフィズのBBLP=11:(4,6,1))

 まあアプリコットフィズの全弟であることは周知のこととして、ほぼ同じようなポテンシャルが見込まれるのは間違いないところ。ただジャンポケ産駒の「牡馬」ともなると、気性面にはやや不安なものが(苦笑)。

 ポテンシャルが高くても、気性面の不安定さがネックとなってしまうジャンポケ産駒の牡馬は少なくないだけに、あまり過大な期待はかけないでおきましょうか・・・。頑張ってもらいたいのは確かでも。


18.アドマイヤスピカ(母エルダンジュのBBLP=8:(4,3,1))

 この馬も、ゆきやなぎ賞2着時に回顧記事を載せております。特に距離延長が良いとは思えないキンカメ産駒ですね・・・。


 *残念ながらヒカルエリントンは出走せず、ということで、考察はまたの機会に。m(_ _)m   

blood_max at 23:59|PermalinkComments(0) 3歳馬 考察 

2013年04月25日

今年の天皇賞・春は。

 永らく、古馬最強の称号をかけて競われてきたJRA最高峰の芝G1戦である天皇賞・春。当然、そこに集う面々には前年や前々年の皐月賞馬、ダービー馬、菊花賞馬たちが居てこそ、本来の風格を伴ったレースとしての存在意義がありました。

 ただ、マイネルキッツが勝った2009年の天皇賞・春あたりは、ちょっとそういう感じとは程遠いなという印象が非常に強かったですね。

 実際、その前年の皐月賞馬キャプテントゥーレ、ダービー馬ディープスカイ、菊花賞馬オウケンブルースリが2009年の天皇賞・春で揃って不在という、例年にないような状況でした。

 まあマイネルキッツという馬が、ジャパンカップや有馬記念などでもビシバシ連対するような文句なしのG1馬であったなら、こんな風に揶揄することもないわけですが(笑)、特異な状況&特殊な条件下でしか来れないタイプであることは間違いないでしょう。

 その傾向は残念ながら2010年の春・天でも続いてしまいます。(>_<;)

 2009年の皐月賞馬アンライバルド、ダービー馬ロジユニヴァース、菊花賞馬スリーロールスが、それぞれの諸事情により翌年の春・天に出走するまでには至らなかったのでした・・・。

 そうなれば「アタックちゃーんす!」とばかりに、またしてもマイネルキッツが躍動(笑)。特殊事情がこの馬を再度連に絡ませるという事態となったわけですね。

 そういう「名ばかり天皇賞・春」も、たまにはあってもいいかなとは思いますが、やはり本当に強いG1馬が、「格」の違いを見せつけるレースをしてこそ、天皇賞・春の春たる所以だろうと個人的には感じる次第。

 2013年の今年は幸いにして、前年の皐月賞馬且つ菊花賞馬であるゴールドシップが順当に冬を越して万全の状態で参戦。

 前年のダービー馬こそ不在であるものの、そのダービーでゴールドシップに先着し2着となったフェノーメノが、再度最強馬の称号をかけてここに臨んできます。

 まあ馬券的には当然、この人気2頭中心で決まれば自ずと堅い配当にならざるをえないでしょうが、本来の「天皇賞・春」として格式あるレースの姿・形を見せてくれるのであれば、穴党の立場は一時的に返上してもいいかなと思いますね・・・。

 さて、そうは言ってもやはり3着に来そうな馬にはある程度、穴っぽいヤツの台頭を望みたいところ。

 個人的には「迂回血ライン」で期待馬をピックアップさせるしか能がありませんので(苦笑)、以下に取り上げておきます。


・レッドデイヴィス(母ディクシージャズのBBLP=15:(3,6,6)だが・・・)

 この馬が、デビューする以前の段階で既に去勢されてしまったという経緯は、やはり血統考察の上でも通常とはかなり異質な視点を要求されるものだったのかな、と思っています。

 男子の男子たる所以は、「黄金の玉」を2コ有するからこそであって(笑)、その貴重なタマタマを潰されてしまっては、単なる「オネエ系の、ニューハーフ的競走馬」になってしまうのではないか・・・。

 まあそれは半分冗談だとしても、海外では確かに、種牡馬になる道をあえて最初から閉ざしてでも、競走馬として持てるポテンシャルを発揮できるならそれでもよい、という割り切ったスタンスも多く見かけます。香港馬や、南半球の競走馬などがそんな感じですかね。

 当のレッドデイヴィスも2年前の鳴尾記念を勝って以降、長きに渡って不振に陥ってしまい、せっかくのポテンシャル(=母のBBLP)をこのまま埋もれてさせてしまうのか・・・と遠目に眺めるしかありませんでした。

 2013年も馬券に絡めないまま過ぎてしまうのか懸念されましたが、ようやく前走の大阪―ハンブルグCで久々に勝利し、まだまだやれるところを見せてくれたのは嬉しい限りです。

 前走が大阪―ハンブルグCで、続く天皇賞・春も制したのは2005年のスズカマンボ&ビッグゴールドのコンビが居ますが、「稀有な事例」として歴史に名を刻んでいますな・・・。

 その年は、前年(即ち2004年)の皐月賞馬ダイワメジャー、ダービー馬キングカメハメハ、菊花賞馬デルタブルースが揃って不在という、やはり置かれた状況としては特殊で、マイネルキッツ的な?感じでしたか(苦笑)。


 ところで、ダービートライアルの青葉賞には、レッドデイヴィスの半弟ヒカルエリントンが出走予定ですね。この弟は、自身の4代内にノーザンダンサーのクロス(4×4)が生じてしまう配合なので、母ディクシージャズ自身のBBLPを優先させる考察が出来ませんが、一応は注目しておきたい馬です。

 母のディクシージャズ自身が持つ「豊富な底力要素」については、青葉賞の事前考察記事で述べたいと思います・・・。

 

blood_max at 22:41|PermalinkComments(0) 競馬 血統 予想 回顧 

2013年04月21日

フローラS 回顧

 穴党にとっては顔をしかめざるをえない、またしても1・2番人気且つディープ産駒2頭によるワンツー決着。人気を二分する馬を、ライバル心の火花を散らすウチパク&トサキの2人が騎乗してしのぎを削っての直線の追い比べで、それなりに見応えがあったのは確かですけども(苦笑)。

 桜花賞のレベルが今ひとつ例年ほどのものを感じさせない中で、別路線組からのオークスの上位好走も充分考えられる状況。とはいえ、もしオークスでもディープ産駒のワンツースリー(フォーまで?)とかになってしまうと、さすがに予想する楽しみ・ワクワク感は半減してしまうような印象ですね。

 まあこれも時代の流れと言ってしまえばそれまでなんでしょうが・・・。


4/22  東京11R フローラS(芝2000m)

1着 デニムアンドルビー(母自身がヌレイエフ4×2の近親クロスを持つ)

・RRP:137=127+10


2着 エバーブロッサム(母自身&母父自身がコテコテな近親クロスを持つ)

・RRP:144=127+8+9


3着 ブリュネット(母自身がノーザンダンサー4×4の近親クロスを持つ)

・RRP:125(レース前と変わらず)


 個人的には、事前考察で取り上げた中から重めの馬場も考慮して10番人気のナンヨーユナを◎にしました。9番人気のブリュネットが3着に来ているわけで、特に無謀な穴狙いではなかったと思います。

 実際、ブリュネットとの着差は僅かコンマ1秒差のみで、7着という結果ではありますが3着争い自体は大接戦であり、掲示板に載った馬にも匹敵する好走内容だろうと判断します。

 道中のナンヨーユナの位置取りはかなり後ろ。大体14番手あたりでしたが、最後方にいた勝ち馬デニム&ルビーがマクリ気味に進出し、4コーナーに至っては5番手あたりに押し上げたのとは対照的に、ナンヨーユナ自身は4コーナーまで終始モタつき気味で、完全に仕掛けのタイミングが遅れていました。

 それでもTV中継のレースリプレイ画面で確認したナンヨーユナの直線に向いてからの動きは秀逸で、直感的にこの馬が「上がり3F最速では?」という印象でした。

 その印象は間違っておらず、TARGETのレース結果のデータを確認したところ、ナンヨーユナの上がり3Fが33秒7でメンバー最速。勝ち馬とブリュネットの33秒8を僅かながらも上回っていました。

 まあ、4コーナーあたりでの「モタつき」がなければ、というタラレバ論になってしまいますが、やはりジャンポケ産駒だけあって、距離延長のほうが持ち味が活きそうなタイプですね。オークスに参戦出来れば面白い存在だったのですが・・・(>_<;)。


 勝ち馬2頭に関しては、別にどうこう言うつもりはないです。事前考察の印象が今後とも変わることはないですね。これからどのように強くなっていこうとも・・・。

 また、競馬予想TV!で2名の予想家が本命にしていたグッドレインボーですが、シンガリ負けになってしまいましたね・・・。私も掲示板以上を期待していただだけに、かなり酷い負け方なのが心配です。

 ただ、グッドレインボーの母のネオカラーも、ネアルコの血量が大台超え(10.16%)という欠点がついてまわるだけに、やっぱり「父と母父」のみで語ろうとするのはイカンな〜、と実感した次第にて(苦笑)。  

blood_max at 21:44|PermalinkComments(0) 3歳馬 考察 

2013年04月20日

フローラS 注目馬

 週中に残念なニュース。カミノタサハラ(浅屈腱炎)とフェイムゲーム(骨折)が戦線離脱という事態になりました。まあ、あのような「馬場」ですからね・・・。故障馬が出る確率は通常よりもかな〜り高かったようで。

 3歳馬にとっての、一番大事な時期にこうなってしまうのは馬主及び管理厩舎にとっても最悪の状況ですが、血統考察をしている側にとっても、そのポテンシャルの出方をしっかり確認・検証しておきたい時期でのリタイアは残念でなりません・・・。(JRAって、つくづくおバカさんだと思うのは私だけ?)


 さてG1戦のない今週はオークストライアルのフローラSに注目。本番のオークスに直結する場合も少なからずあるレースですが、明日の関東地方は昼頃まで降雨が続く模様で、おそらく重〜不良馬場になる可能性が高く、本番への直結性がやや薄れる場合も想定しておくべきかなと思います。

 昨年のフローラSを少々振り返ってみますと、

2012年4月22日 東京11R フローラS(芝2000m)

1着 ミッドサマーフェア(母自身がミスプロ2×4の近親クロスを持つ)

2着 アイスフォーリス(母リリウムのBBLP=15:(9Tt,3T,3))

3着 ダイワデッセー(ヘイロー3×4)


 桜花賞上位3頭をさしおいて、ミッドサマーフェアがオークスで1番人気に支持されましたが、結果は13着に大敗。アイスフォーリスのみが本番のオークスでも3着と健闘。

 まあ桜花賞上位組も近親クロスにコテコテに頼るタイプばかりでしたが、その中で「迂回血ライン数(=BBLP)」で考察可能なアイスフォーリスが、何とかワタクシのメンツを保ってくれました(苦笑)。

 ただそのアイスフォーリスも以後は不振続きなまま推移。復調しそうな気配が一向に漂ってきませんが、本日土曜の福島牝馬Sで2着になり、前走の中山牝馬S1着に続いて好走したマイネイサベル(母マイネレジーナのBBLP=10:(4,5,1))のように、体調次第で本来のポテンシャルを発揮するケースもあります。

 古馬になって以降はこのブログでいちいち各馬の追っかけ記事を載せることはありませんが、「母のBBLP=10以上」というタイプにつきましては、低迷する時期を乗り越えて復活し穴をあけるケースが多々ありますので、気が向いた方は(笑)そういうタイプに目をかけてやって下さいまし・・・。


 さて、では今年のフローラSから注目馬を。

2.スイートサルサ(母自身がハビタット3×4の近親クロスを持つ)

 クイーンCでも注目しましたが勝ち馬のウキヨノカゼを捕らえ切れず痛恨のクビ差2着。個人的には桜花賞でこそというタイプに映りましたが、陣営はあえてオークスを目標ということでここに参戦。

 母のスイートハビタットという名前は、上記のクロスに由来する馬名なんでしょうね。このハビタット(父サーゲイロード)を強めにクロスさせることでの効果が最も期待される存在は当然、サーゲイロードの母父であるプリンスキロでしょう。

 某血統評論&予想家サンで、やたら「ナスキロ、ナスキロ〜」と事あるごとに連呼している御仁がおられますが、個人的にはプリンスキロという存在はそもそも「迂回血」を持つので、ナスルーラ系とだけ相性が良かったわけではなく、当然他のネアルコ直系(即ちファラリス直系)全般との相性が良かったはずだと考えております。

 当時の北米における配合のトレンドが、たまたまナスルーラ系種牡馬と「母父プリンスキロ」という配合パターンのみが一大ブームになったので、そのニックスばかりが際立って注目されていただけで。

 実際、ナスルーラとは4分の3同血であるロイヤルチャージャーの直系となる、サーゲイロードにとってもプリンスキロ効果は絶大であって、言わば「ロイキロ、ロイキロ〜」と連呼したくなりますね。(笑)

 そのサーゲイロードの血は、その後ディープインパクトの母父であるアルザオ(BBLP=6)にも継承されて、今日のディープ産駒たちの大活躍を影ながら「下支え」しているということなんですね・・・。

 話をスイートサルサに戻しますと、母スイートハビタットには上記のクロスの利点が見込まれるものの、その利点を打ち消しかねない懸念材料、「ネアルコ血脈のライン継承過多」があるのがネックかなと。

 このブログでは「定番」の考察要件です(笑)。懸念される条件としてはネアルコの血量が10%を超えるか、もしくはネアルコ経由のライン継承が計10以上となってしまうケース、としています。

 スイートハビタットの場合は血量ではなく、ライン継承の多さ(=計12)が問題視されるタイプ。まあ、ハビタットのクロス効果のほうが表に出て頑張ってくれれば、ここも勝てない相手ではないとも思いますが。


3.イリュミナンス(母スキッフルのBBLP=7:(3,3,1))

 母のBBLPそのものではやや不足気味ですが、父マンハッタンカフェのBBLP=11でどうにかカバーしてるのかな?という印象。ただこちらの母スキッフル自身についても、ネアルコの血量が10%超え(=10.16%)なのがここ一番という舞台での懸念材料となりますね。

 前走のクイーンCでは逃げ粘るジーニマジックをズバっと差し切れないあたりに、ここぞという場面でのパンチ不足が露呈した感も(そのおかげでジーニMとスイートSのワイド馬券をゲット出来ましたが)。

 まあMカフェ産駒というのは全般的に人気サイドで買うよりも、人気がすっかり落ちまくったような時に狙ったほうが楽しいというか期待感が大きいというか(苦笑)。 
  

7.ナンヨーユナ(母フサイチケリーのBBLP=9:(4,4,1))

 ジャンポケ産駒はノーザンダンサーの4代内クロスを持つことで強くなっていくケースの方が目立つのですが、フサイチケリーの血統背景にはノーザンダンサー経由のラインが一切ないので、純粋に父のBBLPと母のBBLPで考察可能なタイプということで注目したいケース。

 ジャングルポケットがBBLP=12となる種牡馬であることはこのブログの開設当初からお伝えしていることですが、気性難に悩まされるようなタイプを出す欠点さえ無ければ、同じBBLP=12のディープインパクトに充分対抗可能な種牡馬であることは間違いないところ。

 ナンヨーユナなどのように、近親クロスに頼らずして強くなっていけるような牝馬の産駒がこれからもっと出てくれば、繁殖の場においても有効にジャンポケの良さを残していけることにつながると思います・・・。


8.ラキシス(母自身がノーザンダンサー3×4の近親クロスを持つ)

 先週の皐月賞でも、「母父はストームキャットだが、母自身が同系配合馬なので微妙〜」、と評価したインパラトールが9番人気で10着という結果。

 ラキシスの母マジックストーム自身は同系配合馬ではないものの、上記の「奇跡の血量クロス」を持つというコテコテな配合の持ち主。なのでストームキャット効果そのものはいくらか減退しているように思えます。

 個人的には、こういう配合で仮にこれから強くなっていくとしても全く興味が湧かないので(苦笑)、この馬への言及の機会は今後もうそんなにないのかな、と。


9.エバーブロッサム(母自身、母父自身もコテコテ〜。笑)

 まあ、ラキシス以上にコテコテでしょうかね・・・。母のサクラサク2自身がノーザンダンサー(3×4)のクロスを持ち、母父のデインヒルがナタルマ(3×3)及びネイティヴダンサー(4×4)を持つという・・・。

 過去記事で何度となく述べている通り、個人的にはサンデーS系種牡馬全般と「母父デインヒル」との相性は、世間一般で考えられているほど「好相性」ではないという基本的な見解を持ちます。

 ヘイローの母コスマーとノーザンダンサーの母ナタルマの、双方の母であるのがアルマームード。つまりナタルマを(3×3)で強烈にクロスさせるということは、その母アルマームードを強調する側面も大きいというワケで、類い稀な底力&勝負根性を伝達させる反面、表裏一体の要素である強烈な気性難も出やすいという、まさに「諸刃の剣」的な配合。

 まあ、常に良い方に出るならば誰も配合で苦労などしないのであって、デインヒルというのはそういう「クセ者」であるという認識でいるのがよろしかろうと。(あくまで、サンデーS系種牡馬にとっての、という意味です。欧州における大種牡馬の地位をどうこう言うものではありません・・・)


12.デニムアンドルビー(母自身がヌレイエフ4×2の近親クロスを持つ)

 母父キングカメハメハ、という考察対象については、今後とも加速度的に増加していくものと思われますが、キンカメ自身はノーザンダンサー(4×4)の近親クロスを持ちますので、当然BBLPでの考察はしないタイプとして扱うことになります。

 ま、「父と母父」の見た目だけの観点からすれば、リーディングサイアートップの座を競い合うディープインパクトとキンカメがタッグを組むワケで、「これで強くならなくてどうする?」てな強迫観念にも通じるおぞましささえも感じてしまいますね(苦笑)。

 正直言わせてもらえばエバーブロッサムについての印象と同様、こういう配合でどんなに強くなろうとも、血統考察の上では何ら興味深い要素など無いんですよね。言及するまでもないというか・・・。

 今後ともこういう配合の馬ばかりになって、いよいよブログ閉鎖に追い込まれるのかも。(>_<;)


13.グッドレインボー(母自身がIcecapade4×4の近親クロスを持つ)

 母父クロフネとか、母父ファルブラヴという存在への考察でも、まず始めに「懸念される材料」が先にある、ということがこのブログでの基本スタンスとなります。

 クロフネとファルブラヴに共通する懸念材料とは、過去記事でも既に言及済みの「ネアルコの血量が最上位」という部分であり、この懸念材料こそが最大の欠点として、「牡馬のG1級産駒(=後継種牡馬)を出せない」という致命的なものとなって現実に影響しています。

 それが母父になると今度は、配合相手の種牡馬の「足を引っ張る」ような存在になる、ということでもあります。

 でもそれはあくまでも「基本スタンス」としての考察。ステイゴールドの場合は、母父がクロフネ?と聞いて大喜びするんですね(笑)。

 何故ならばクロフネ君には、「異系トウルビヨン経由のライン継承が3つもある」からです。昨年で言えば、アイスフォーリスが同じ要素の「父と母父」として結果を出したワケで(その後は不振ですが・・・)。

 グッドレインボーの場合は母自身に4代内クロスがあるので、厳密にはアイスフォーリスと区別して考察するタイプではあるんですが、まあ「父と母父」で語る分には同じ扱いでいいんでしょ?ってなことで。


18.テンシンランマン(母父自身がナスルーラ3×4の近親クロスを持つ)

 ハーツクライの産駒は全般的に完成が比較的遅め(もちろん例外もあろうが)で、ズブい面がありがちという印象。そういう意味では早熟傾向になりやすいナスルーラの特徴を色濃く持つ繁殖牝馬との配合はその欠点を補完するものなのかも。

 テンシンランマンの母ハナランマンはナスルーラ直系の両親を持つ同系配合馬で、尚且つ母父のサクラユタカオー自身もその両親はナスルーラ直系。

 父娘の2代続けて、ナスルーラ血脈同士を配合したコテコテな親子なんですなー。このハナランマンを迂回血ラインで考察した場合はBBLP=4:(1,2,1)という値の低さになってしまい、とてもとても注目すべき血統背景とは言えないものなのですが、そこは2世代連続の同系配合の「妙」がそれを凌駕?してる・・・ようでして。(笑)  

blood_max at 23:03|PermalinkComments(0) 3歳馬 考察