2013年03月

2013年03月25日

'13 3歳戦 備忘録(16)

3/23  阪神9R 君子蘭賞(芝1800m)

1着 ティアーモ(母自身がヘイルトゥリーズン3×4の近親クロスを持つ)

2着 ディープサウス(母ストレイトフロムテキサスのBBLP=11:(3,5,3)だが・・・)

3着 オーキッドレイ(母シェルズレイはBBLPでの考察外)


 個人的には、ここは磐石とみたディープサウスを◎にしました。以前から参加している競馬SNS、ウマニティの事前予想登録ではティアーモとの馬単(ウラオモテ)の買い目で的中。1−3番人気の馬券にしては2940円の配当となり、これは想定した以上にホックホクな払い戻しでした。(^_^)v

 たださすがに穴党としては、1番人気の単勝を買う気にはなれませんでしたが(苦笑)。でも正直、ディープサウスには密かにオークスでの◎候補にしていた素材だけに、ここでの惜敗はチト痛いですな・・・。

 母であるストレイトフロムテキサスは一応、BBLP(迂回血ライン継承度)で考察しておきたいタイプではあるのですが、その父系はファラリスの直系ではなく、完全異系となるマンノウォー直系インリアリティを経由しているのが考察の上での難点ですね。

 元々の、このブログにおける「迂回血(うかいち)」という表現は、「ファラリスの直系子孫たちにとっての」という意味においてのみ成立する概念であって、ファラリス直系以外の異系が「母の父」として介在してくる場合の考察は、正直言ってまだ確固たる検証に至っていない・・・のいうのが実情です。

 これは、同じディープ産駒のノーブルコロネット(母父のモンズンは非ファラリス直系)などにも当てはまる部分で、どうも掴みどころが無いと言うか、ポテンシャルの出方への確証を得にくいというか(苦笑)。

 まあ今回、キャリア1戦のみの相手にまんまと逃げ切られてしまったあたり、展開のアヤと言っておきたいのもヤマヤマですが(笑)、オークスでもそんなことを敗因に挙げていては野暮というもの。

 それでも、もしディープサウスが何とかオークス出走の運びとなった場合には、それなりの期待を込めたいところですね・・・。


 3着のオーキッドレイについては、過去記事にて既に辛口で論評済みなのでここではあえて口を閉ざします(笑)。今回、馬券にも絡めないのではないかと危惧しましたが、かろうじて3着死守。やはりアブない血統ですな〜。

 これで全7戦のうち、オッズ人気よりも着順が良かったのがたったの2戦のみで、あとの5戦はいずれも人気より着順を下げてしまう恰好となっております・・・。


3/23  阪神11R 毎日杯(芝1800m)

1着 キズナ(母キャットクイルのBBLP=7:(4,1,2))

RRP:140=128+3+9


2着 ガイヤースヴェルト(ノーザンダンサー4×4)

RRP:136(暫定)=128+8


3着 バッドボーイ(母自身が同系配合馬)

RRP:134=125+9(レース前と変わらず)


 個人的にはバッドボーイを◎にしました。今回の事前考察では取り上げていませんでしたが、マンハッタンカフェ産駒たちについては常々、期待をもって見守りたい旨を過去記事にても散々述べておりましたので。

 まあ、千m通過時58秒6の流れを番手で追走というのは決してラクではなかったと思いますが、やはり連対は死守してもらいたかったところ。(>_<;)

 ダート実績のみだったガイヤースヴェルトに理想的な競馬をされて先着を許しているようでは、やはりこの先も重賞で連絡みするシーンはなかなか期待しづらいのかな、と。

 この先も、二桁人気のオッズでズバっと馬券に絡んでしまうような、いかにもという感じのMカフェ産駒としてオトナに成っていくのかもしれませんが(苦笑)、穴馬券の演出、今後とも期待させていただきましょうかね・・・。


 さて、勝たれても何とも思わない(笑)キズナ君ですが、やはりさすがに陣営も勝手知ったる何とやらで、皐月賞に固執することなく京都新聞杯経由での、日本ダービー出走が既定路線と相成りましたようですね。

 かつてインティライミの辿った経緯を、佐々木師としては踏襲したいというワケですな・・・。

 ただ、今年は中距離血統(のはずの)馬たちが不作気味で、本質的にマイル〜1800mあたりが向くはずの馬たちが逆に質・量共に豊作となり、それらがこぞって皐月賞に向かうぶん、実はNHKマイルC路線に向かう面々が相対的に低レベル化する・・・と個人的には見ています。

 ということは、キズナ君がもしNHKマイルCに直行すれば圧勝もあるのではないかと、外野のヤジを飛ばしておきたかったのですが(笑)。

 あらま、地味〜に京都新聞杯から、だったのね。いずれにしろ、日本ダービーの結末に至るまでの陣営の手腕をとくと拝見、というところでしょうかね・・・。

blood_max at 23:57|PermalinkComments(0) 3歳馬 考察 

2013年03月23日

毎日杯 考察

 毎日杯というレースでの連対が、皐月賞での連対にはほとんど直結しないという非情なまでのデータが存在することは、誰が調べても白日の事実であり、厳格なまでの史実でもあります。

 指摘するまでもなく、テイエムオペラオー以外の毎日杯連対馬たちで、そのまま皐月賞に出走して連対に至った馬は皆無(過去20年ほどにおいて)。

 当然、毎日杯より以前のトライアルレースにおいて、確固たる資質の顕現に至った有力馬たちが皐月賞に向かうほうがローテ的にも余裕があり、より優位な立場になれることもあるからでしょう。

 むしろ、皐月賞出走へのこだわりを捨てて、NHKマイルC経由でダービーという路線選択をしたほうが遥かに有意義な結果を産むことは、クロフネ、キングカメハメハ、ディープスカイの成績を見ても明々白々。

 今年の場合、キズナが連対候補の有力な1頭であることに全く異論はないのですが、さてさて首尾よく連対したとして、陣営の路線選択としては、あくまでも皐月賞出走にこだわるのか、それとも過去の名馬たちが選択した経緯に倣うのか、注目されるところですね・・・。

  
1.テイエムイナズマ(母クラスターのBBLP=8:(4,3,1)だが・・・)

・RRP:131=123+8

 デイリー杯2歳Sではダメ元でこの馬を◎にしたのですが、さしたる期待もしていなかっただけに(苦笑)、あれよあれよと逃げ切った内容には少々驚きました。

 その時負かしたクラウンレガーロが先週の若葉Sで見事に2着となったことからしても、陣営の手腕と意気込み次第ではこのTMイナズマにもそのぐらいの芸当は可能だろうと推察します。

 ただし、過去記事でも指摘しておいたとおり、母であるクラスター自身の血統背景において、「ネアルコの血量が最上位(10.94%)」となる部分が、今後とも「根本的な懸念材料」となっていく可能性も否定できませんね。

 2歳時の段階ではなんとかなったが、資質の高い馬たちが出揃う3歳前半の時期ともなると、父のポテンシャル(BBLP=12)だけでなんとかなる・・・というシーンはもう、期待しにくくなってしまうのかも。



2.サトノキングリー(ノーザンダンサー4×4)

・RRP:128

 全兄のダイワマッジョーレがOP馬に出世していますので、この配合そのものは基本的に「上手くいくはず」という見方でいいのだろう・・・とは思います。

 ただ、「ハイアーゲームの下」という事実に関しては、今後の方向性においてそのイメージをリンクさせるのはあまり得策ではないように思えますね。

 半兄のハイアーゲーム自身は青葉賞1着、日本ダービー3着など、根幹となる距離のレースでまずまずの成績を残せましたが、父がダイワメジャーに替わる部分で、今後ともマイル路線が主戦場となっていくだろうと推察します。

 全兄同様に2000mもギリギリこなせるでしょうが、出世していけるとすればやはりマイル路線中心かなと。


4.ガイヤースヴェルト(母自身が同系配合馬)

 ダート実績のみなので何とも評価しづらい部分がありますが、Dメジャー産駒にしてこうまでダートですんなりイケるのはやはり、母方の「デピュティミニスター系」の影響が大きいからでしょうね。一般論としてもそうなんでしょうけど(苦笑)。

 まあ、芝適性はあっても不思議ないのですが、まだ芝で結果を残していない段階でありながら芝重賞でいきなり上位人気、というのは個人的には少々疑念が残ります。ノーザンダンサー血脈がコテコテ過ぎるというのもありますし。

 過去記事で何度も指摘してきたことですが、芝実績が無い(芝での勝ち鞍が無い)ような馬がいきなり芝の重賞でも馬券に絡めるような場合、その馬が芝でも強かったのだと受け止めるよりも、単に芝実績を持つ馬たちが不甲斐ないだけ、として捉えるほうがよほど的を射ているケースが多いと考えております・・・。


5.キズナ(母キャットクイルのBBLP=7:(4,2,1))

・RRP:131=128+3

 ハイレベルな内容だったと見てよい弥生賞で、勝ち馬から僅か0.1秒差だった事実と、「一瞬の判断ミスで進路を誤った」と悔やむコメントを残していた武豊騎手の心境から察するに、今回のメンバーに入ればまず上位争い必至というのは当然の見方。

 また、「父ディープインパクト×母父ストームキャット」となる見た目の基本配合においては、勝ち上がらないほうが不思議、と言われるぐらいに好相性なことも周知の事実。

 とはいえ、個人的にもっとも注目しておきたいレッドカチューシャだけが勝ち上がれず、よもやの大敗を喫してしまうような有様なのが困ってしまうのですが(>_<;)。

 ただ、母に関して言えば似たような迂回血ライン継承度を持つアユサン(母バイザキャットのBBLP=6)に対しての考察でも述べたとおり、いくら相性は良くても、距離適性そのものでは限界があると推察しています。

 キズナの場合も、毎日杯連対〜NHKマイルカップを選択したほうが、今後のことを考えれば皐月賞なんぞを無理矢理狙うよりも遥かにこの馬にとって意義あるものとなるはずだと考えますね。

 そういう路線選択をして、更に日本ダービーへと進んだ場合、この馬の真価が明らかになるでしょう。「ダービーの距離はやっぱり長かった」・・・と。


7.ピュアソルジャー(BBLPでの考察外)

 「母父キングカメハメハ」という特徴について、今後とも考察を重ねていく上ではこの馬の成績もかなり参考になっていくと思われます。

 個人的には、かなり以前の段階から「母父キングカメハメハ」は、成功しにくいだろうと推察してきました。キンカメ自身はネイティヴダンサー直系で、分かりやすく言えばミスプロ系種牡馬として位置づけられますが、その血統背景には何と計11にも及ぶ「ネアルコを経由するライン」が存在します。

 キンカメ自身が種牡馬として、主にネアルコ直系の繁殖牝馬と配合する分には、これまで弊害のようなものはほとんど散見されてきませんでしたが、キンカメ自身が「母父」となる場合、ネアルコ直系種牡馬との配合では上記の特徴がかなりの確率で「懸念材料」になっていくと思われます。

 ピュアソルジャーの成績も伸び悩んでいるから言うわけではないですが、サンプルとしてまだ少ないにせよ、あまり過大な期待を抱かぬほうがいいだろうというのが個人的な見解&スタンスですね。

 とは言え、ピュアソルジャーの直近の調教内容はすこぶる良さげな感じですね(苦笑)。陣営としてもこのところの成績が伸び悩んでいる分、起死回生の一打を目論んでいるのかも。


10.コメットシーカー(母自身がBlue Canoe 4×4の近親クロスを持つ)

・RRP:128

 毎日杯でこうした「1勝馬」が上位人気になってしまうというのも、今年の3歳牡馬たちの「安定した実績の馬が不足気味」な事態を象徴していると思います。

 コメットシーカーの母、ガヴィオラ自身が上記の牝馬クロス(4×4)を持つのでBBLPでの考察は優先出来なくなりますが、正直よく分かりませんね(苦笑)。

 クロス馬となるBlue Canoeの父系はブランドフォード直系で、この牝馬自身はテディ(4×4)の近親クロスを持ちます。この、時空を超えたかのような「4代内クロス」の連鎖が、配合上の「肝」なのかも?

 更に、このBlue Canoeとサーゲイロードを配合して生まれたのがWildwook(コジーンの母の母)で、Blue CanoeとDrone(サーゲイロード直仔種牡馬)を配合して生まれたのがRiver Guide(コメットシーカー自身の4代母)というのもミソかと。

 いわゆる、どこぞの「配合論」でよく使われる「4分の3同血」という関係なのがWildwookとRiver Guide、ですかね。これの(3×3)クロスをガヴィオラ自身が持つという訳で。

 ディープ自身の母方にはサーゲイロード直仔種牡馬、Sir Ivorの血が在り、このSir IvorとDroneが持つ最大の特徴は「プリンスキロとファラモンド、及びマームードの血」を持つことですね。

 また、キズナのケースでは、ストームキャットの母方に「プリンスキロとファラモンド」のセットがしっかりと存在していることも、過去記事にて指摘しているとおりですが。

 まあこうした配合要素への基本認識を踏まえた上で、「ディープ産駒が活躍する為のベース(下地)」のようなものを頭のどこかに置いておけば、血統への興味も更に増すのではないかと存じます・・・。    

blood_max at 01:11|PermalinkComments(0) 3歳馬 考察 

2013年03月19日

'13 3歳戦 備忘録(15)

3/17  中山11R スプリングS(芝1800m)

1着 ロゴタイプ(ヘイロー4×3)

・RRP:145=122+3+(8+3)+9


2着 タマモベストプレイ(母父自身がハイペリオン4×3の近親クロスを持つ)

・RRP:143=124+2+9+8


3着 マイネルホウオウ(母テンザンローズのBBLP=6:(5,1,0))

・RRP:136=128+3+5(レース前と変わらず)


 レース実績ポイント(RRP)は上記のようになりましたが、連対した2頭は共に1400m以下のレースを初戦に選択しているので、通常の、ていうか例年の「中距離重賞で実績のある馬」よりも、この時点における数値は若干低めです。

 まあ、今年の3歳牡馬の面々は、どうも本質的にマイルあたりで強いはずの血統を持つタイプの天下で、中距離で本来の資質を開花させるべき血統背景の馬たちが「低レベル」ではないのか?という様相。

 無論、ディープインパクト産駒たちに昨年ほどの層の厚さがないことが一番影響しているとも受け取れますが、ステイゴールド産駒やハーツクライ産駒などにも、これといった実績馬が居ないことも大きいでしょう。

 事前考察でも述べたとおり、もしロゴタイプがあっさり勝つようなら本番の皐月賞でかなりの人気を背負ってもらえる・・・という状況になり、むしろ穴党としても伏兵に◎を打ちやすくなったという感じですかね。

 個人的には今の段階で既に、コパノリチャード本命という胸の内はほぼ決定しております。「コパノリチャードこそ、バリバリのマイル実績馬だろ?」というお声もあろうかと存じますが(苦笑)、少なくとも、母の血統背景そのものにおいてはBBLPで考察可能なタイプであり、尚かつ「本質的にはマイル向きではなく、中距離対応可能なはず」という推察が出来るタイプ。

 ほぼ人気にならなそうなところも好都合。おそらく、皐月賞当日は7〜9番人気あたりに落ち着けばいいかなと考えますが、何番人気になろうとコパノリチャード本命視は揺るがないですね・・・。


 さて最後の関門として毎日杯が控えていますが、このレースは毎年指摘しているように、皐月賞までのローテが「中2週」とキツくなり、たとえ毎日杯を連対したところで、まず皐月賞には直結しないのが通例。

 過去20年ほどにおいても、毎日杯1着から皐月賞を制したのはあの、テイエムオペラオーただ1頭のみという確固たるデータが指し示されております・・・。

 個人的には、毎日杯連対組が無謀にも皐月賞へそのまま進み、やや人気サイドになったところでコパノリチャードには先着すら叶わない・・・、てな妄想を既に頭の中で用意。

 などと言っていると、共倒れという事態もあるかもしれませんが(笑)。

 ともあれ、楽しみな皐月賞、というのは例年どおりのことでありまして・・・。

blood_max at 21:05|PermalinkComments(0) 3歳馬 考察 

2013年03月16日

スプリングS 注目馬

 本日土曜中山の10R、韓国馬事会杯では、ウチパク騎手騎乗のホーカーテンペスト(6番人気・単オッズ15倍)を◎にし、競馬SNS・ウマニティでも予想的中を記録。

 中央移籍後も絶好調な戸崎騎手は、この10Rでも勝てれば本日破竹の4連勝となるところでしたが、やはりその連勝に意地でも「待った!」をかけたのが他ならぬウチパク騎手でした。

 つい先日もウチパク&トサキの「火花散る直線の攻防」を記事にしていましたけれども、やはりこれから先もずっと、この両名による意地と意地のぶつかりあいには目が離せそうにないですね。

 当然、穴党としては今後とも、「人気の無いほうのどちらか」に◎を打つ機会が多くなるだろうと思います。まあいずれにしても、中央の騎手たちに足りない「アグレッシブさ」が身上の戸崎騎手の移籍により、中央競馬をより面白いものにしてくれていますね。

 今後とも過剰人気になりがちな感じもする戸崎騎手ですが、初心を忘れることなく「人気薄の馬だろうと何だろうと最善を尽くす」という騎乗姿勢を大事にしてもらいたいと思います・・・。


 さて、続くフラワーCでは、事前考察で注目馬とした中からサクラプレジールを◎としましたが、まあ勝ったにせよ、やはりこの程度の走破レベルでは桜花賞に直結するような印象は薄いですね。

 回顧さえもしなかったフィリーズRでも(苦笑)、ダート実績のみのティズトレメンダスが3着に食い込んでいましたが、このフラワーCでもやはり、芝での勝ち鞍がなかったリラコサージュ(6番人気)が3着入線。

 芝馬たちに確固たる実績&レベルの存在が少ないようなケースにおいては、こうした「ダート実績のみの馬」たちが芝重賞でも台頭してしまう、という典型例だろうと考えます。

 思い返せば昨年の新潟2歳Sで、ダートを勝ち上がったノウレッジが10番人気ながら2着に激走していましたが、個人的にはその当時から、「芝馬のレベルが相対的に低ければ、こういう事態は起きがち」であると回顧記事でも述べていました。

 その新潟2歳Sで掲示板を占めた5頭ではザラストロをはじめ、今回敗れたカラフルブラッサムやサウンドリアーナ、メイショウオオゼキが「走るたびに評価を下げていく」という事態になってしまっています・・・。

 新潟県出身の立場としては、あまり見たくない光景なんですが(笑)。


 さて、3歳牝馬たちに劣らぬほど大混戦模様の3歳牡馬クラシック戦線。土曜阪神の若葉Sではメイケイペガスターが1番人気の立場では2度目となる大敗を喫し、レッドルーラー、クラウンレガーロといった人気薄が台頭。更なる混戦模様となる事態。

 確かに賞金加算は足りているMKペガスターですが、負け方があまりにもよろしくない(笑)。まあそもそも1800mあたりが上限の、典型的フジキセキ産駒とみなせるだけに、本番の皐月賞でも買い材料はほとんどないですが。

 かく言うワタクシが本命にしたマズルファイヤーも、何とも中途半端な逃げで恰好の目標にされてしまい、モロくも失速と相成ってしまいましたが、まあ事前考察でも「ダメ元で」としていたとおり、仮にクラシック路線は芳しくない結果であっても、いずれ古馬以降に中距離芝重賞で活躍してもらえれば、と思います・・・。


 ちと前置きが長すぎましたか・・・。(>_<;)

3/17  中山11R スプリングS(芝1800m)

2.タマモベストプレイ(母父自身がハイペリオン4×3の近親クロスを持つ)

・RRP:135=124+2+9

 母父ノーザンテーストが持つ最も強度な近親クロスはレディアンジェラ(3×2)というものですが、結果的にこのクロスはレディアンジェラ自身の父、ハイペリオンの「奇跡の血量クロス」となるワケで、あえて上記のように提示しています。

 まあ、全きょうだいたちの中では最も「距離の融通性」があるかのように思えるこのTBプレイではあるものの、今年の場合は「確固たる主役級の、傑出した中距離血統の馬」が不在であるが故に、きさらぎ賞でも台頭可能だったケースとして捉えたいですね。

 ただTBプレイ自身は、同じフジキセキ産駒でも同系配合の扱いとなるMKペガスターのような「折り合いに難のあるクセ馬」という感じはしないので、今回の調整過程を経ての本番皐月賞でも、ソコソコの上位好走は可能ではないかと推察します。

 本質的には「マイル以下に向くはず」の、このTBプレイが皐月賞でも馬券に絡むような場合、やはり中距離血統馬の「コマ不足」が今年の場合は顕著だからこそ、と受け止めるつもりでいます・・・。


4.マイネルストラーノ(同系配合馬)

・RRP:125

 前日段階では11番人気あたりと、評価がかなり低い感じですが、個人的にはホープフルSで上位に来た面々に対する評価を、あまり下げたくはないですね。

 ホープフルSの勝ち馬サトノネプチューンが弥生賞でイレ込んで惨敗してしまったため、仕方ない面もあろうかと思いますが、ホープフルS3着のカミノタサハラ、同4着のミヤジタイガが弥生賞で連対しているわけですので、基本的にはMストラーノに対してもそんなに評価を下げるのはどうかな、と思われます。

 どのみち大混戦の様相ですし、マイラーたちのレベルが高めな今年の場合、ちょっと評価しづらい中距離タイプの馬を、ベストの舞台である中距離で見直す方向というのもアリかな。と。

 大穴ですがこの馬を◎にするというのも、今回限りの措置としては面白いのではないかと考えます・・・。


5.ロゴタイプ(ヘイロー4×3)

・RRP:136=122+3+(8+3)

 朝日杯FSを勝っているとはいうものの、レース実績ポイントでは短距離路線から始動しているためにさほどの数値には至っていないという経緯。

 基本的に、ヘイローの「奇跡の血量クロス」そのものは早熟性においても多大に寄与するので、他馬たちよりも当然完成度が高い状況で朝日杯を迎えた、という受け止め方も出来、むしろ3歳以降における「伸びしろ」にはやや欠けてしまうのではないか?という懸念もあることは確か。

 個人的にはコディーノ同様、NHKマイルCに向かう方が遥かに血統的にも好都合で、高いパフォーマンスが期待出来るような印象なんですけどもね・・・。

 今回アッサリ連対を果たしたとして、個人的には皐月賞でも本命視するつもりは全くないですし、むしろそうやって一本被りの人気馬として皐月賞に出走してくれたほうが、穴党としては望むところなのかも。


6.アクションスター(同系配合馬)

・RRP:134=125+9

 ラストクロップとなるアグネスタキオン産駒としても、この馬に期待を込める競馬ファンも多かろうと思います。個人的にも一応そうなんですが、やはり現実は厳しいのかなと。

 昨年、グランデッツァが皐月賞&ダービーで着順を落としていく光景を目にして、「タキオン時代の終わり」を実感しました。ラストクロップの面々にも、この感じでは期待出来そうにないな、という・・・。

 やはり、ディープインパクト(BBLP=12)の産駒が続々と重賞を制覇していく中で、BBLP=7のアグネスタキオンが産駒実績を伸ばせる状況下では既になくなっている、というのが実相だと感じるしかないですね。

 ただまあ、幸いなことに?今年はバリバリの中距離実績を持つディープインパクト産駒たちが「不足気味」という様相でもあり、何とかこのスプリングSでアクションスターが連対を果たせば、本番の皐月賞、そしてダービーにおいても、一矢を報いる最後のチャンスが残っているのではないか?と思いたいところです・・・。


8.サーストンニュース(母自身がネイティヴダンサー4×4の近親クロスを持つ)

・RRP:126=123+3

 今をときめく戸崎騎手へ乗り替わりとなるので、これまでの実績以上に人気になってしまいそうな気配ですね。前日段階では9番人気ですが、日曜の戸崎騎手の勢い次第では、5番人気あたりにまで浮上したりして(苦笑)。

 まあ個人的にはマイラータイプの典型といった風情の典型的Dメジャー産駒と受け止めていますが、やはりマイルまではこなせても、1800m以上となると通常の年であればやはり評価を下げるところ。

 ただ、「通常の年」ではないのが今年の様相なので、実に厄介(笑)。戸崎騎手の「アグレッシブな騎乗」でもって、上位に食い込んでしまう可能性も無くはない・・・、てな印象も。(結局、騎手買いかよ!ってか)


10.シンネン(母自身がノーザンダンサー4×3の近親クロスを持つ)

・126=123+3

 今年の場合、あすなろ賞程度の勝利であっても、例年よりは遥かに重要性を増す「実績」なんじゃないかな?などという感じもしてきます。

 まあマイネルストラーノを◎にしようとこの馬を◎にしようと、大穴の扱いという意味では一緒ですが、どちらにするかでかなり迷うところ(笑)。

 まあ大混戦の様相だからこその連軸、ということでもいいのかな、なんてね・・・。


11.ヘルデンテノール(母ディーバのBBLP=6:(1,4,1))

・RRP:131=128+3

 長兄にサンカルロが居ることは周知のとおりでしょうが、活躍したきょうだいはサンカルロのみという現実で、しかもサンカルロ自身が1400m以下専用、という実績に終始。

 サンカルロ以下の半姉タガノディーバ、半兄ディオルーチェ、半姉ベルシエロのいずれも、「父のBBLPは9未満」という配合の経緯にあって、BBLP=12の父ディープインパクトに替わることで、かくも「母の実績」が中距離寄りに豹変するのであれば、何故ディープインパクトの種牡馬成績が凄まじいのかが実感されるというものですね。

 ただ個人的には、母ディーバ自身の母方には豊富な「トウルビヨン血脈」が存在するので、やはりこの母と配合すべきはディープではなく、ステイゴールドがベストだろうなと(ま〜たその話かよ、と思われるでしょうが・笑)。


13.アドマイヤオウジャ(同系配合馬)

・RRP:131=128+3

 同系配合の扱いが出来るディープ産駒といえば、現4歳のニューダイナスティあたりがソコソコのレベルとして挙げられるのかなと。

 何となく、ディープ自身の持つ良さというか特長が、同系配合の要素で半減するような印象もあるのですが、そもそもAオウジャの母であるシーズオールエルティッシュ自身が、ターントゥの血量が最上位となる(10.94%で計4ラインの継承)部分が、今後プラスに作用するのかどうか、見定めておきたいところ。


16.マンボネフュー(ヌレイエフ3×3)

・RRP:129=126+3

 何故か、前日段階で2番人気にまで支持されているのが個人的には少々腑に落ちない面も。少なくとも、2勝目の寒竹賞はレースレベルとしてもかなり疑問ですし、共同通信杯のレベルが評価されるのなら、マイネルストラーノの評価は相対的に見てもこの馬より低すぎ、の印象。

 まあ、管理する厩舎が関東においては只今絶好調の位置付けですし、ただでさえ過剰人気になりがちなK子ホールディングスが所有する馬だというのも、理由の主たるものなんでしょうが。

 個人的にはすこぶる妙味に欠けるという印象しかなく、3着固定程度の扱いがむしろ妥当のように感じるのですが、もし連対された場合には比較的堅めの配当に落ち着くでしょうから、そういう馬券に固執することもなかろう、というスタンスで割り切ります・・・。

blood_max at 19:55|PermalinkComments(0) 3歳馬 考察 

2013年03月15日

フラワーC 注目馬

 今年の3歳馬たちは牝馬、牡馬ともに傑出した実力馬が不在(中距離のレースにおいて)のような印象を、ここまでのところ感じています。

 有り体に言えば大混戦の様相、という一言で済むわけですが、予想ファクターのほぼ99.9999・・・%を「血統考察のみで何とかしよう」というスタンスを重視するこのブログと致しましては、まことに艱難辛苦的な事態(笑)。

 というのも、血統的に中距離でズバリという面々に傑出した存在が居ない場合、当然血統的にはほとんどマイラーであっても、ショボいレベルの中距離血統馬が相手であればどうにか負かしてしまう・・・というケースも少なからず出てくるワケで。

 どうも今年は、そんな年になってしまうのではないかな〜という感じなんですね・・・(当然、今年は牡・牝ともに3冠馬は出ないと予想していますが)。


 さてそういう心境を引きずりつつ、フラワーCから。

3/16  中山11R フラワーC(芝1800m)

1.ダイワポライト(ノーザンダンサー4×4他)

 配合的には、よくある上記の4代内クロスを持つ典型的なDメジャー産駒の1頭。唯この馬の場合、ヘイローの母であるコスマーのクロス(4×4)も併せ持つのが特徴ですね。

 結果的に、ダイワポライト自身はコスマーの母であるアルマームードのクロスを(5・6×6・5)という形態で持つことになり、異系要素満載のこの牝馬クロスが底力要素となるか、気性的にムラで大味な要素となるか、非常に読みづらい印象。

 結局、何もかもツボに嵌まった場合にのみ好走し、少しでも嫌気がさすと全く走らないムラ駆けタイプの典型、という感じがしてきます。まあ実際、戦績もそうなってますが(苦笑)。



4.サクラプレジール(同系配合馬)

 父であるサクラプレジデントは、サンデーS系種牡馬たちの中ではすっかり「カゲの薄い存在」と化して久しいですが、自身が中山巧者だった部分では、産駒にも強めに継承されるような印象。

 また、先々週のオーシャンSで快勝したSプレジデント産駒のサクラゴスペルも、やはり母父はヘイルトゥリーズン系で同系配合馬の扱いとなるので、この父の産駒が成功するカギは「同系」がポイントなのかも。

 直近の調教内容では、すこぶる良さげな数値(終い11秒台のラップ)を連発。まあ、1勝馬たちばかりの中でのレースなので、こうした勝負気配は重要かも(血統とは関係ないですが・笑)。


11.エバーブロッサム(母自身がノーザンダンサー3×4の近親クロスを持つ)

 まあ、出走各馬が皆1勝馬ばかり(ダート2勝馬は居るが・・・)とあっては、いかにもディープ産駒があっさり台頭するというシーンを想定せざるを得ないのかなと。

 半姉にエイジアンウインズ(ヴィクトリアマイル優勝)のいる血統背景ではあるものの、基本的には「デインヒル牝馬」とサンデーS系種牡馬との配合で成功するのは万に一つぐらいの確率、というぐらい相性は悪いと感じるのが個人的な持論です。

 母父のデインヒル自身があまりにもコテコテなクロス(ナタルマ3×3)を持つ為に、ナタルマの母であるアルマームード(ヘイローの母の母でもある)の「マイナス面=主に気性面のモロさ・危うさ」が強調されやすいから、ですね。

 エイジアンウインズが成功したのは、父のフジキセキがノーザンダンサー経由のラインを持たないからこそであって、ディープインパクトも母方にノーザンダンサー経由のラインがある以上、あまり良い方向性は期待できない配合なのではないかと思います。

 とは言え、相手も1勝馬たちばっかりなので、最強種牡馬ディープのポテンシャルで全てカバー、という結果になるような気も・・・。


12.カラフルブラッサム(母トロピカルブラッサムのBBLP=7:(4,2,1))

 阪神JF以外の出走レースは皆牡馬相手のレースで、それでも大崩れなく全て掲示板に載っていることからしても、安定感という意味での実績は同じ1勝馬たちの中に入ればピカ一、という位置付け。

 ただ個人的な印象ではやはり、この母の血統背景全体における底力継承度ではやや不足していると感じます。

 仮に今回、フツーに人気どおり連対を果たしたとしても、こんなメンバーばかりが相手なのではとてもまだ「芝重賞級」と認めるわけにはいきませんね・・・。

 まさに、「名ばかり重賞」という感じでしょう。今年のフラワーCに限っては・・・。


 一応、ついでにという感じですが若葉Sも少々。

 ただ、今回の出走馬たちは、「母のBBLP(=迂回血ライン継承度)」で考察可能なタイプが皆無で、正直どれでもいいや、ってな感じなんですが(苦笑)。

 個人的にはきさらぎ賞で◎にしたマズルファイヤーを再度、本命視する予定。

 きさらぎ賞の事前考察で評したとおり、この馬はサンデーサイレンス経由の血を全く持たないタイプでありながらも、母の父Saint Balladoが同じヘイロー系で「擬似サンデーS的な」種牡馬、と見なせるので注目しておきたい馬なんですね。(ただしサンデーSのBBLP=4で、St.BalladoのBBLP=3ですが)

 元々、父ホワイトマズル自身がBBLP=11として評価できる種牡馬です。現代の種牡馬勢力図においては、BBLP=11となるのはキングカメハメハ、マンハッタンカフェ、ゼンノロブロイなどが居並ぶわけですが、ノーザンダンサー系種牡馬の中では、ジャイアンツコーズウェイのBBLP=12に次ぐものとなります。

 サイアー成績としてはサンデーS系種牡馬全体の層の厚さに押されてばかりで、ホワイトマズル自身の産駒実績はかつてほどではない状況ですが、あともう1頭ぐらいは牡馬の大物を出してもらいたいところ。

 まあ今回がダメでも、いずれ2500m前後の芝重賞などで実績を残して欲しいですね、マズルファイヤー君には。


*BBLP:Bypass Blood Line Point の略記。ファラリスの直系子孫にとって「迂回血」となるルーツを母方に持つ種牡馬(ハイペリオン・シックル・ファラモンド・プリンスキロ・ボズワース)の主要5頭に遡るラインを、血統背景全体でどれだけ持つか、(のべ数)であらわす。

*産駒の母のBBLPの合計値:(母父、母の母父、3代母)の3分割で表示(迂回血ライン分布)する。種牡馬の場合は合計値のみで表示。

*詳細は「ブログ主旨説明・他」のカテゴリ記事にて。

blood_max at 23:57|PermalinkComments(0) 3歳馬 考察