2012年12月

2012年12月24日

直近の2歳戦 回顧

 有馬記念はルルーシュに期待してみましたが、やはりG1級の馬たちとの初対戦、大外枠、中山よりは東京向き、といった懸念材料の数々を払しょくするまでのものはなかった、ということでしょうかね(苦笑)。

 ルーラーシップが型通りに?出遅れ癖を披露した瞬間は内心、「しめしめ、これでルルーシュの好走確率が上がったかな?」などとほくそ笑んでみたものの、どうしてどうしてルーラーシップもやはり、強いですな。ハイペース(去年よりは、という意味で)の展開がかなり味方したにしても・・・。

 まあ、有馬記念というレースの基本的性格からして、今さら出走各馬たちの血統背景をどうのこうのというのはこのブログ本来の主旨とは相容れないものとして、考察記事は見送ることにしたのですが、やはり競馬ファン各人が日ごろの考察手法&スタイルがどうあれ、狙いたい馬を心の赴くままに狙うというスタンスでいいのだろうと思います。

 馬券は外れましたが予想そのものに全く悔いはないですし、やはりゴールドシップがその強さを如何なく発揮するレースとなって良かったな、という心境ですね。来年以降も更なる飛躍を期待します。


 さて、このブログの主要テーマである若駒主体の血統考察も、年が明ければ3歳馬たちの考察中心、となっていきます。この時期の2歳戦はどうしても、超スローなショボい展開になりがちで、良馬場以外の場合も含めてかなりの割合で回顧を端折ってきましたが、注目に値すべき馬はいずれ必ず、考察対象である「マイル以上の芝レース」に再度登場してくるはずですので、明け3歳以降のレース考察に集中していきたいと思います・・・。


12/22  阪神11R ラジオNIKKEI杯2歳S (芝2000m)

1着 エピファネイア(同系配合馬)

・RRP:143=128+5+10

2着 バッドボーイ(母自身が同系配合馬)

・RRP:134=125+9

3着 キズナ(母キャットクイルのBBLP=7:(4,2,1))

・RRP:131=128+3


 まあ、このレースのレベルをどう受け止めるか、それぞれの印象の持ち方で全く異なってくるでしょう。雨の降り方そのものはさほどひどいものでなく、やや重馬場の発表でしたが想定されたよりはマシな馬場でした。

 ですが逃げたバッドボーイの千m通過時は66秒ジャストという超弩級なまでの遅さで、それを交わしたエピファネイアの走破時計も2分5秒4という程度。

 勝ち馬自身の上がり3Fの末脚は34秒4という、水準以上のものを披露しているわけですので、やはり馬場が悪いから走破タイムが遅い、というのではなく、馬場を勘案したとしても超スローな展開の前残り、というしかないですね。

 事前考察で述べたとおり、勝ったにしろエピファネイアへの評価はまだ「保留」状態のままとします。

 これも視点の持っていき方次第ですが、東スポ杯2歳Sで5着程度のバッドボーイが2着に来れたから、「東スポ杯のレベルが非常に高い」、と受け取るのか、その逆で単に「ラジオNIKKEI杯のレベルが低いだけだ」、と受け止めるのか・・・。


 キズナ、そして惨敗のカタチのラウンドワールドについてですが、ほぼ事前考察の印象通り、と言う感じですね。キズナは今後、坂のあるコースで圧勝するような高いパフォーマンスを披露してみせない限り、個人的には典型的な人気先行型のままで終わると推察します。

 またラウンドワールドに関しては、いくら休み明けと言えども、「やはりこんなもんか」という印象。札幌2歳Sを勝ったコディーノでさえ、しっかりと準備し東スポ杯に臨み結果を出した上での朝日杯FS参戦でしたが、2着馬にすぎないラウンドワールドが何を余裕ぶっこいているのか、ラジオNIKKEI杯でいきなり上位を窺う器だとは私には到底思えなかったので、今回の惨敗は当然の帰結と考えますね。

 おそらく、陣営には相当なまでの過信があろうかと思います。「ドリームパスポートの下だから楽にイケるんちゃうかな」、などという安易なまでの・・・。

 もう少し、しっかりとしたローテーションを設定すべきだったでしょう。まあ、天下の名門厩舎に対して、素人ブロガーが何を言うかっ!ってなもんなんでしょうけどね(苦笑)。

 コディーノ自身についての評価においても、この程度の馬(=ラウンドワールド)を負かしただけだったのか?ということにもなりかねませんね。ラウンドワールドが来年以降、どこかで圧勝するようなパフォーマンスを見せつけない限りは・・・。


12/23  中山7R ホープフルS(芝2000m)

1着 サトノネプチューン(母自身がノーザンダンサー4×4の近親クロスを持つ)

2着 マイネルストラーノ(同系配合馬)

3着 カミノタサハラ(母自身が同系配合馬)


 参加している競馬SNS、ウマニティへの予想登録ではサトノネプチューンを◎にし、単・複・ワイドの的中を披露することが出来ました。

 まあ正直なところ、「母のBBLP」で狙えるタイプが皆無だったので、土曜の騎乗が好調だったムーア騎手の騎乗馬が7番人気なら、かなり狙い目だなということでの「騎手買い」の策に出たのが奏功しただけなんですが(苦笑)。

 ただ、Sネプチューンの好走はフロックではないと推察します。そもそも初戦で素質馬のダービーフィズを負かしている、という事実も当然考察の上で重視しましたし、「母の母」であるフサイチミニヨンはあのフサイチコンコルド&アンライバルドときょうだいとなる間柄。

 中山の2000mならば平均以上のパフォーマンスを披露してもおかしくない、との推察もあっての◎、でした。また、1番人気のケンブリッジサンがサンデーS(3×3)のドぎついクロスを持つタイプで過信禁物、というのは前日のラジオNIKKEI杯で全くいいところのなかったアドマイヤドバイ(サンデーSの3×2)の印象とダブってのものでしたので、これもまあ推察どおりでした。

 また、ボレアス&マウントシャスタの全弟となるカミノタサハラについても、特に今後で兄以上の活躍があるようには思えず、いわゆる善戦タイプとしての位置づけが妥当で、人気先行で妙味の薄いタイプでしょう。


 *年末まであと僅かとなってきました。大晦日までのあいだ、ディープインパクト産駒たちに絞った考察記事をまとめてみようかなと思います・・・。

blood_max at 20:36|PermalinkComments(0) 2歳馬 考察 

2012年12月22日

今週の2歳重賞は・・・。

 今年の10月以降は、このブログで注目馬と定めたテイエムイナズマ(デイリー杯2歳S)、エイシンフラッシュ(天皇賞・秋)、サダムパテック(マイルCS)、ローブティサージュ(阪神JF)の単勝を仕留めることが出来、個人的にはまずまずの流れでした。

 まあ、重賞で3連系馬券を毎週のようにズバっと的中させるのはさすがに厳しいものがありますが(苦笑)、1番人気ではない馬の単勝を当てた時の爽快感は、何度味わっても格別なものがありますね(^_^)。

 そして今年の有馬記念はオルフェーヴルの回避が残念、という声が大勢を占めるでしょうが、ジャパンC回顧の記事でも述べておいたとおり、来年を見据えて有馬は回避したほうがオルフェーヴルのためにもいいはず、との見解だったので、私としてはむしろ想定された状況という感じで受け止めています・・・。


 さて、意気込んで考察するつもり?で待ち望んでいたラジオNIKKEI杯2歳Sなんですが、なんと木曜段階で7頭の登録のみということで、はっきり言って興醒めもいいところであり、考察意欲はかなり削がれました(笑)。

 出走頭数が10頭を割り込むラジオNIKKEI杯2歳Sなんて、近年では記憶にございませんな・・・。ロジユニヴァース、リーチザクラウンで決着した2008年の同レースが11頭立てというのがありますが、たった7頭しか出走しないというのはおそらく、ラジオたんぱ杯2歳S時代も含めても滅多にないほどの「少なさ」なんじゃないでしょうか?

 はっきり申し上げて、重賞でありながら7頭しか出ないというのはどの馬が勝つにせよ、「強さの指標」を判定するには相応しくないレースだろうと思います。そのことを「大前提」とした上で、渋々ながら各馬への血統評価を述べておきたいと思います・・・。


1.ラウンドワールド(母グレースランドのBBLP=6:(3,0,3))

 先週、圧倒的な1番人気ながら勝てなかったコディーノに、札幌2歳Sでは0.3秒差で敗れているのがこの馬です。札幌2歳Sの回顧記事では、1〜3着馬たちの「母のBBLP」がいずれも8以下(3着馬エデンロックの母のBBLP=7)だったこともあり、「今年の上位メンバーは例年よりもかなり小粒」と判定しました。

 もしコディーノが世代屈指のポテンシャルの持ち主であるならば、先週の朝日杯FSで圧巻の勝利をもって周囲を納得させるはず、と注視していましたが、やはり迂回血ライン継承度の示すポテンシャルのほうが真実により近いのではないか?と個人的には推察します。

 ラウンドワールドの母、グレースランドはステイゴールドの半妹にして、初仔にドリームパスポートを産んでいる実績を持ち、世間一般の目線からすれば「活躍馬を出せて当然の、良血な繁殖牝馬」という位置付けとなるのは必定でしょう。

 しかしながらディープインパクトとの配合で産まれたラウンドワールドの全姉、ザグレースは1勝も出来いないままに登録抹消。「そんな姉貴とは、オレは全然違うのだよ〜」、と言わんばかりに3戦して底を見せていないラウンドワールドが、ロゴタイプも真っ青となるほどの成長力を示せるのか、この一戦で問われることとなります。

 コディーノがこの世代で圧倒的に強い馬ではなかった、という事実が判明した以上、ラウンドワールドへの評価も現時点においては、「あれ、意外とそれほどでもないのかも?」という目線を持っておいたほうがいいと思われます。

 ただ明日土曜は馬場が渋りそうですので、重馬場適性を発揮する場合にはいとも簡単に勝ってしまうかもしれません(苦笑)。それがまた、「コディーノもこの馬もやっぱり強いよ」という流れに落ち着きそうで、血統評価の上では厄介なんですが(笑)。

 まあよしんば今回勝ったとしても、コディーノ同様に弥生賞、スプリングSあたりまで真のポテンシャル発露があるかどうかの判定を持ち越すのが妥当だろうと思います・・・。


2.リアルマイスター(母自身がノーザンダンサー4×4の近親クロスを持つ)

 7頭立てなのでチャンスが皆無というわけでもなさそうですが、重馬場適性がすべてという印象も。まあ実績からしても重賞で?という感じは否めず、自己条件で勝つのが先決事項かなと。


3.アクションスター(同系配合馬)

 アグネスタキオン産駒には皆頑張って欲しいところですが、ここまで目を惹く感じの馬は出てきてませんね・・・。この馬も現状ではまだ重賞級という気配はしてきませんが、何せ7頭立てなので、3着あたりになる可能性は通常よりもかなり高い確率かと(苦笑)。


4.バッドボーイ(母自身が同系配合馬)

 前走の東スポ杯2歳Sは13番人気の低評価ながら掲示板に載る5着で、2着レッドレイヴンからは0.3秒差ですので充分に健闘している部類でしょう。

 やはり重馬場適性が今回はカギという感じも。馬券で狙うというより、単に適性の見極めの場として、走りの内容は今後の参考になろうかと思います・・・。


5.アドマイヤドバイ(サンデーサイレンス3×2)

 偉大なるスーパーなサンデーSの血を(3×2)という超絶クロスにて継承することの是非を、これからも体現していくことになるであろうこの馬。

 仮にこの馬が成功していくとしても、それに続けとばかりにこの配合を試すのは勇気のいることでしょうね。サンデーサイレンス自身は持ち前の「気性の荒さ」をレースで大いにプラスに昇華させた馬。

 その息子たちも続々と種牡馬になって系統の勢いはとめどなく続いていますが、サンデーサイレンス自身のどぎついクロスが重賞級として奏功する確率までも高いとは思えないですね。

 まあサンプルとしての、今後どういう感じの経緯を辿っていくかへの興味は少しばかり、あることは確かですが。


6.キズナ(母キャットクイルのBBLP=7:(4,2,1))

 前走で負かしたトーセンパワフル(ロジユニヴァース全弟)がイマイチな内容なので、黄菊賞のレベルもそんなに評価すべきものではないように感じますし、今回馬券になったとしてもまだ、評価しづらい(苦笑)。

 先日、「父ディープインパクト×母父ストームキャット」の成功理由についてザックリと述べておきましたが、要するにストームキャットの母Terlingua自身が持つ重要なニックス要素「プリンスキロとファラモンド」の配合パターンを、ディープの母父アルザオも持っているから、というのが個人的な見解です。

 元々、サンデーS系種牡馬と「母父ストームキャット」はそれなりに成功率が高いですが、それはヘイロー自身が母方にファラモンドの血を持つことに起因する面もあるでしょう。 

 キズナがもし、今後芝重賞をいくつも勝つような馬になっていった場合、母自身の迂回血ライン継承度よりも、父と母が共通して持つ上記の「ニックス要素」の奏功が前面に出てのものだろうと推察します・・・。


7.エピファネイア(同系配合馬)

 さてさて、良血なのは分かるんですが(苦笑)、額面どおりにこのまま出世していけるんですかね・・・。少なくとも、前走京都2歳Sの走破時計は未勝利戦レベルと同程度、と回顧したとおり、まだ真の実力というものが発揮されているとは言い難い状況。

 今回ラウンドワールドを負かすとしても、あちらは札幌2歳S以来の実戦ですし、重馬場適性で今回は負かしただけ、という見方をしてもいいわけで、やはり今回の結果はいずれにせよ、「評価保留」となるでしょう(苦笑)。

 まあ、明け3歳以降、こちらがギャフンと言うしかないレースレベル&相手関係での勝利をもって、「やはりあなたは良血でしたっ!」とひれ伏すような状況が来るのを待ちましょう・・・。    

blood_max at 00:05|PermalinkComments(0) 2歳馬 考察 

2012年12月16日

朝日杯FS 回顧

今回の上位3頭が得たRRP(レース実績ポイント)をまずは提示します。

1着 ロゴタイプ(ヘイロー4×3)

・RRP:136=122+3+(8+3)


2着 コディーノ(母ハッピーパスのBBLP=8:(4,1,3))

・RRP:153=128+9+9+(7)


3着 ゴッドフリート(ヘイロー4×3)

・RRP:134=128+3+(3)


 個人的には「ルメールマジック」にほのかな期待を寄せ、結局のところラブリーデイをダメ元で◎にする決断に至ったのですが、炸裂したのは「デムーロマジック」となってしまいましたか(苦笑)。

 事前考察で述べていた、同じ「見た目配合」のゴッドフリートと枠順が入れ替わっていれば、ホネのある面々と対戦しているのはロゴタイプのほうなので・・・としていた通り、外枠でさえなければ、という評価をしていたのですが、デムーロの豪腕をもってすれば、さしたる懸念材料にはなりませんでしたかね・・・。

 正直、コディーノのオッズ人気(単勝1.3倍)はいくらなんでも高すぎ、と感じていましたが案の定、何馬身もちぎって勝つどころか、7番人気の、しかも中山マイルでは明らかに不利な外枠発走の馬に敗れてしまうという結末。

 TV局の取材に対し「なあんも心配ない。ないないない」と連発していた横ノリ騎手ですが、デムーロの腕だけは心配しておくべきでしたかね・・・。

 やはり、現状のコディーノに対して「クラシック級の超大物」、という扱いをしてしまうのは早計だろうと個人的には思います。レース実績としては確かに抜きん出ているにしても。

 実際、着差はさほどでないにせよ確勝級との評価を受けながら負けたわけですし、そもそも今回勝っていたとしても、近年の朝日杯FS連対馬たちの「その後」においてはローズキングダムを除けば、そのほとんどが3歳クラシック路線と直結しない傾向になっています。

 しばらく休養に入るはずですが、明け3歳以降、弥生賞かスプリングSあたりで「完勝」するぐらいのパフォーマンスを披露出来てこそ、ようやく「クラシック級当確」じゃないでしょうかね・・・。

 コディーノを挟み込むようにして馬券になった「父ローエングリン×母父サンデーS」の2頭にしても、おそらく今後クラシック云々という感じの血統背景ではなく、やはり共にNHKマイルC路線に向くタイプだろうと推察します。

 札幌2歳Sでコディーノが勝ったあと、「今年上位に来たメンバーは例年よりも小粒な印象」という回顧をしていましたが、次週のラジオNIKKEI杯2歳Sに登場するラウンドワールドに対する印象も当然、同じままですね。

 ローテ的には昨年、札幌2歳S・2着〜ラジオN杯2歳S・2着という経緯だったゴールドシップと同等のパフォーマンスをラウンドワールドが披露するようであれば、とりあえずコディーノとの再戦においては逆転可能な立場に成りうるとは思いますが。

 特に今年の2歳牡馬の場合、ホープフルSの勝ち馬などであっても、そのパフォーマンスの出方次第では来年のクラシック候補に成りうる状況だろうと考えられます。

 当然、シーザリオの仔エピファネイアを筆頭に、ディープ産駒のキズナ、トーセンワープ、ヘルデンテノール、インパラトールなど多士済々が控えており、これらの台頭次第では今のコディーノの立場でさえも何ら安泰と言えるものではないでしょう、クラシックの舞台においては・・・。


 話を朝日杯FSの「負け組」たちに移しますが、フラムドグロワールはまずまずの内容。個人的にはこの馬のほうがコディーノなどよりもよほど「皐月賞向き」なのではないかな?と。

 また◎にしたラブリーデイを始め、6〜9着馬の面々は3着ゴッドフリートとは0.1〜0.2秒差以内ですから、実質的に1馬身半程度しか離されておらず、何ら評価を下げるにはあたらないと考えます。

 まだまだ大混戦の様相ですので、来年以降の3歳重賞路線も興味深く見つめていきたいと思います・・・。  

blood_max at 22:06|PermalinkComments(0) 2歳G1戦 考察 

2012年12月15日

朝日杯FS 血統考察

 先週、阪神JFの事前考察においては、今年の2歳牝馬は総じて例年ほどのハイレベルではなさそう、という見解を述べましたが、結果として1〜3番人気の馬たちが馬券対象にならず、その点でもほぼ的を射た考察になったと自負しています。

 まあ、せっかく単勝はゲットしたのにクロフネサプライズを3着固定としか出来なかったのが大いに悔やまれますが(苦笑)。

 そして今年の2歳牡馬たちの面々も、やはり例年よりもかなり小粒だな、という印象は強いですね。現状において日本ダービーで上位に来そうなイメージを持てる馬が見当たりませんので。

 今回ダントツ人気になりそうなコディーノにしても、見た目の基本配合はローズキングダムと同じとは言うものの、やはり本質的にはマイラー色のほうが濃く、今後NHKマイルCでは好走するイメージはあってもダービーを勝ち負けするまではどうかな?というところ。

 管理する藤沢師は母方のマイラー血統を意識し、ここへの参戦ということですが、個人的にはやはりラジオNIKKEI杯2歳Sのほうに矛先を向けて欲しかったですね。コディーノでダービー制覇を目論むのというのであれば・・・。僚馬レッドレイヴンにしても、やはり基本的にマイラーでしょうし。


1.ザラストロ(母自身がノーザンダンサー4×4の近親クロスを持つ)

 いくら間隔の空いた前走だったとは言え、さすがに負け過ぎの感が強いでしょう。マイルに戻るのはいいでしょうが、母父のダンスインザダークからしっかりと「ムラ駆け要素」を継承しているようにも思えます。

 中山マイルでは内枠有利なものの、そもそも溜めて切れるタイプにして平坦巧者の様相で、展開も向きそうな感じはしてこないですね。上手く内を捌いてようやく掲示板近くかな、と。


2.ネオウィズダム(母自身が同系配合&ノーザンダンサー4×4)

 母のゴレラ自身は上記のクロスだけでなく、サーゲイロード(4×4)のクロスも併せ持ちます。そしてプリンスキロのラインも3つあるので、この辺りが単なる同系配合の域を越えたポテンシャル要因には成り得るかな、と感じます。

 萩Sの内容こそ良くなかったものの、先行力を活かせば前走や3走前のように好タイムで粘り込めるだけの持続力ラップを経験済みで、中山のマイル戦であれば穴には一考しておきたいところ。


3.ゴッドフリート(ヘイロー3×4)

 きんもくせい特別にて僅差で負かしたマイネルホウオウを「ものさし馬」とすると、東スポ杯で8着の内容からはゴッドフリートもさほど上位レベルではないように思えるのですが、ノーザンF生産馬でスミヨン騎手を配してきたあたり、前日段階で3番人気という評価をどう受け取るか・・・。

 まあ、昨年の覇者アルフレードと同様のローテーションで無敗というのもあるんでしょうが、やや過剰評価気味なところもありそうに思います。個人的には3着付け固定で(人気馬なので連対されたとしても悔い無し)。


4.テイエムイナズマ(母クラスターのBBLP=8:(4,3,1))

 前走の京王杯2歳Sは出遅れ気味で万事休すという感じでしたが、そもそも距離短縮が不向きだったこともあるのでそう悲観する内容ではないと思います。

 デイリー杯2歳Sでの逃げ切り勝ちは展開利もあったかと思われるにせよ、この馬の場合は2戦目でヘミングウェイ、インパラトールといった素質の高い面々を相手に、ひとマクリで負かした内容(上がり3F最速タイの33秒7)こそが、マイラーとしての資質を強調できるものと感じますね。

 将来的に中距離以上の重賞レベルではやや底力負けするシーンも多くなりそうに思えるものの、マイル〜1800mの距離体系での重賞に限れば、今後とも善戦を続けていけるのではないかと推察します。


5.コディーノ(母ハッピーパスのBBLP=8:(4,1,3))

 母自身の持つ迂回血ライン継承度(=8)は、現代においてはさほど強調出来る値ではありませんが、それでも血量最上位がハイペリオンとなっている部分に関しては好材料だと言えます。

 また、ハッピーパスはノーザンダンサー経由のラインを一切、持っていないのも大きな特徴。今どきの繁殖牝馬の多くがコテコテなノーザンダンサー血脈を誇示するタイプばかりの中で、コディーノがこのまま強さを発揮し続けていけるのであれば非常に価値の高い存在となりますね。

 この馬が順当に勝ってしまう場合、馬券妙味としては当然ほとんど期待できなくなりますが、まあ陣営の仕上げの手腕も含め、その走りの内容をとくと拝見、というしかないですね。穴党の立場としては・・・。


6.ラブリーデイ(母ポップコーンジャズのBBLP=:17:(9,3,5))

 ザラストロの項でも少し触れましたが、ダンスインザダークがもう少し安定感のある種牡馬だったら(苦笑)、個人的には迷うことなくこのラブリーデイを◎に決定しているところ。

 母父に立場は替わっても、ダンスの血脈の中に潜む「ムラ賭け要素=不安定感」が払拭されるとは言い難く、ここは思案のしどころですね・・・(>_<;)。

 まだ底を見せていないので一応、重めの印を打つつもりでいますが、あっさりと着外の結果になったとしても何ら驚くことのないよう、覚悟を決めつつの買い目にするつもりです・・・。


7.ティーハーフ(ノーザンダンサー4×4)

 まあ、ノーザンダンサーの近親クロスを持つ部分が考察の中心ではありますが、正直、血統背景を観察すればするほど、ゴチャゴチャしている血統だなあ、という印象のみ(笑)。

 父のストーミングホーム自身が、ミスプロ(2×3=その父レイズアネイティヴ3×4)という超絶的な形態でのクロスを有しているので、その影響度合いも大きいでしょうね。

 現3歳産駒でいえば全兄のサドンストームが出世頭となりますが、やはりスピード色の濃い種牡馬の血の強調によりスプリント路線での台頭が妥当なイメージ、でしょうか・・・。

 平地G1レース完全制覇を目論む武豊騎手がこの馬で勝てれば、その偉業達成となりますが、さすがにマイルG1戦では少々役不足な血統背景ではないのかな〜、と。 
 
 
8.クラウンレガーロ(母自身がノーザンダンサー4×4の近親クロスを持つ)

 グラスワンダー産駒といえばセイウンワンダーがこのレースを制していますが、あの馬は同系配合馬の扱いで、且つロベルト(3×4)のクロスを持っていましたので、血統背景の印象としては全く別モノという感じも。

 ただ、個人的には穴っぽいところを◎とする上で、この馬に最も魅力を感じます。マイネルエテルネルが生粋のスプリンターだとすれば、この馬はもう少し距離の融通性がありそうなのは確かで、デイリー杯2歳Sで先着したのはその証左でしょう。

 デイリー杯そのものが大したレベルではない可能性もありますし、中規模牧場の生産馬ではノーザンF生産馬たちに拮抗出来るかどうか心許ない感じもしますが、スカイディグニティの活躍で意気盛んとなっていることもあるのでここは何とか頑張ってほしいところ。


9.エーシントップ(ノーザンダンサー4×4)

 3連勝中なのはコディーノと同じものの、1800m戦オンリーなのと1400m戦オンリーのこちらとでは、走りの中身が全く違ってくるのは否めないですね。

 単純に、この差がお互い未経験のマイル戦でどう出るか?というのは確かに興味深いですね。ただこのレースにおいては京王杯2歳S経由組の優位性も光りますので、先行して粘り切る場合の強みはエーシントップのほうに若干の分がありそうに思います。

 先週、G1戦の1番人気を背負ってのプレッシャーに屈した感のある浜中騎手ですが、おそらく心中期するものは相当あるでしょう。立場がややラクになった分だけ、本来の思い切った騎乗に期待したいですね。

 血統に関しては、京王杯2歳Sで事前考察した折、「同系配合ではないが、父と母が裏返しのような配合」なので注目馬としていました。 

 まず、父のテイルオブザキャット自身が今どき珍しく、プリンスキロ(5×5)のクロスを持つのが好材料なのですが、配合相手となるEcology自身もプリンスキロ(7・6×4)のトリプルラインを持ち血量も最上位の存在。

 つまり、見た目には「ノーザンD×ミスプロ系」の父と、「ミスプロ系×ノーザンD系」の母での「裏返し配合」が基本であるものの、その根底には底力要素の源流プリンスキロの存在が確固として認められる、と言えそうですね。

 まあ、この配合でコディーノに敗れるだけでなく、もし着外になってしまうようであれば、プリンスキロの影響力はこちらの期待ほどには顕現せず、ミスプロの淡白なスピードとノーザンダンサー系のパワーの融合での1400m特化型、というしかないのだろうと思います・・・。


10.ワキノブレイヴ(母ザフェイツのBBLP=7:(1,3,3))

 この馬こそ、まさしく1400m戦特化型、という様相ですが、くるみ賞のような超スローなら対応出来ても、ききょうSのようなオープン戦レベルでは全く歯が立たない印象ですね。

 穴馬としての要素は母父のブライアンズタイムにのみ、託されているという感じですが、揶揄気味に評価するといつも決まって煮え湯を飲まされるので(苦笑)、軽〜く3着付けでも少々買っときますか(^_^;)。


11.アットウィル(ヘイロー4×4)

 何とも評価しづらい戦績。クローバー賞を勝っているにしても、負かした半分は地方所属馬で残りはロゴタイプ以外、芽が出ないまま。G1戦に臨めるレベルにはほど遠いような印象のみで・・・。


12.フラムドグロワール(同系配合馬でノーザンダンサー4×3)

 通常、サンデーS系の父に母父ブライアンズタイムの配合では、ヘイルトゥリーズン(4×4)が主な考察因子となりますが、この馬の場合は上記の「奇跡の血量」を持つ部分がプラスに奏功していると思われるあたりで、やや印象が異なってきます。

 同厩のコディーノばかりに目が行きがちですが、こちらの馬も3戦してまだ底を見せておらず、しかも全て異なる距離のレースをしてのもの。

 しかも今回と同じ中山マイルの芙蓉Sで好内容の2着と、潜在能力はともかくとして経験の質・幅という意味においてはコディーノよりもむしろ好印象なのは私だけ?でしょうかね(苦笑)・・・。

 いちょうSで大敗したピュアソルジャーが、次走の百日草特別でレッドレイヴンの2着に来れているところからしても、いちょうSのと東スポ杯のレベル差がそんなに大きくないようにも思えるのですが。

 まあ、横ノリ騎手がコディーノを絶賛している以上、こちらを選ばないのは至極当然の帰結ですが、それでもウイリアムズ騎手に託した以上、東スポ杯に続き藤沢厩舎の管理馬でのワンツーフィニッシュ、という決着も無くはなさそう、という感じもしてきますね・・・。


13.ディアセルヴィス

 現状、考察の必要性をまったく感じないので・・・。


14.ロゴタイプ(ヘイロー4×3)

 配合の見た目においてはゴッドフリートと同一で、当然、自動的に生じるヘイローの黄金配合の要素も、奏功度合いに程度の違いはあるでしょうが考察の主要な部分ですね。

 この馬に関して「ものさし馬」となりそうなのがエデンロック。札幌2歳S3着、および芙蓉S3着という戦績なのが「ものさし」としては恰好の存在かなと。

 ロゴタイプは札幌2歳Sでエデンロックと僅差の4着ですから、芙蓉Sで2着だったフラムドグロワールともさほど大きな差はなさそう、という解釈も出来なくはない・・・という感じですかね・・・。

 少なくとも、ゴッドフリートよりは骨のある面々との対戦をこなしてきていると言えるはずで、枠順が逆であったなら同じ見た目配合でもこちらをより重視していたところですが、外寄りの今回はやはり割引、なのかも。


15.マイネルエテルネル(母For Evva SilcaのBBLP=7:(3,1,3)だが・・・)

 一応、それなりの考察を前走までに済ませていますが、正直言って良く分からない配合、てな印象(笑)。まあ今後とも、スプリント能力に更なる磨きをかければ充分、そのカテゴリで活躍を続けていけそうに思えるものの、マイル以上の芝重賞路線では少々不安な血統背景でしょう。

 ダート路線に転じれば、もっと活躍していけそうな印象も受けます。結局は早熟なだけ、というのでないことを祈るばかりですが・・・。


16.ノウレッジ(同系配合馬でミスプロ4×4)

 緒戦のダート戦での勝利から初芝となった新潟2歳Sで2着に来れた時は、かなり驚かされましたが今にして思えば、やはりレースレベル的にも大したメンバー構成ではなかったからこそ、という印象。

 ミスプロ系の両親を持つことで、距離の融通性については少々懸念されるものがありますし、今後とも主戦場は1400m以下が適しているのではないでしょうか。

 ただ今回、大外枠でなく内枠になっていたら、3着付けくらいには出来たかなと思いますが、今回はさすがにこの不利を克服出来るだけの展開の利は、ほとんど無さそうに思われます・・・。


*BBLP:Bypass Blood Line Point の略記。詳細はカテゴリ記事「ブログ主旨説明・他」にて。

blood_max at 16:49|PermalinkComments(0) 2歳G1戦 考察 

2012年12月09日

まさにサプライズぅ〜な、阪神JF 回顧

 いや〜、ホントに驚きました。単勝についてはローブティサージュを軸に、と事前考察で述べていたとおりに◎で獲れたまでは良かったのですが、クロフネサプライズ(15番人気)が穴要素アリ、としながらも2着に来れてしまうことまではさすがに想定を超え、連対馬券は組み込めませんでした(>_<;;;;)。

 「迂回血ライン、炸裂〜っ!」と声を大にして叫びたいところではあるものの、連対馬券を買ってあげられない自分が実に、実に情けない…(苦笑)。

 正直マイル経験がないというのは、いくら血統背景に妙味アリとは言えども、マイル経験のある有力馬との差はそう簡単には埋まらないだろうというのが考察の上では精一杯、でした。

 「血統背景に秘められたポテンシャルが、実績を凌駕する」

 クロフネサプライズの2着激走は、正にそのことを私に教えてくれたのだと思います。ノーザンF生産馬の2頭に割って入っての2着というのも、本当に価値がありますね。Kサプライズの生産者各位の皆様、おめでとうございます・・・。

 来年を見据え、今回の決着で上位馬3頭が得たレース実績ポイント(RRP)を併記しておきます。

1着 ローブティサージュ(ミスプロ3×4)

・RRP:145=128+6+(8+3)


2着 クロフネサプライズ(母アイアンブリッジのBBLP=:11:(3,3,5))

・RRP:128=119+2+(7)


3着 レッドセシリア(異系牝馬クロス4×3)

・RRP:129=126+(3)

 *レース実績ポイント(RRP)の算出方法については、「用語解説」のカテゴリ記事をご参照願います・・・。



 さて、3着馬のレッドセシリアについても、事前考察においては「異系牝馬クロスの奏功がどうか?に興味が向く」、としていた通り、しっかりと3着づけにはしていました。

 「マイビューパーズの(4×3)ですけど、何か?」、では読み切れないものがあると言ってしまいましたが(苦笑)、さすがは「奇跡の血量」「黄金配合クロス」にござりまする・・・m(_ _)m。


 まあそれにしても今回、「母のBBLP」で穴馬扱いが可能なタイプは、全出走馬中でクロフネサプライズのみでした。その馬がマイル経験もロクに無いまま、G1戦の舞台でマイル重賞経験馬たちを蹴散らしてしまうのですから、我ながら不覚にも驚愕の光景を見せつけられてしまったというか(苦笑)、「血統考察の重要性」、そして「迂回血ライン」に秘められた「血統ポテンシャルの優位性」というものをしみじみと噛みしめている次第・・・。

 単勝をゲット出来た嬉しさも半減してしまいましたが(笑)、これを機に、益々このブログで述べる「血統考察」の主義・主張を、読者の皆様方とこれからも共有していくことが出来れば、と願う所存にて候。


 *にほんブログ村のランキング参加からは撤退しましたが(苦笑)、おかげさまでこの週末は参加していた当時とほとんど変わらないだけの読者閲覧数を得られております。このブログに興味をお持ち頂いた皆様、どうもありがとうございます・・・m(_ _)m。

blood_max at 17:11|PermalinkComments(0) 的中記事コレクション | 2歳G1戦 考察