2012年09月
2012年09月29日
芙蓉S 考察
スプリントG1戦の3連覇が期待されるカレンチャンですが、血統背景においては本質的に中距離への対応が可能で、もし厩舎の方針がスプリント路線に向いていなければ、おそらくマイル〜2000mあたりの芝重賞においても常時、連対出来るだけのポテンシャルを備えていたものと推察しています。
・カレンチャン(母スプリングチケットのBBLP=10:(3,5,2))
まあこの馬については既にスプリンターとして確固たる地位を築いている故、今更もう中距離の芝レースに出走させたとしても当のカレンチャン自身が戸惑う可能性のほうが大でしょうけども・・・。
2歳下のカレンシェリーメイ(父ディープインパクト)も同じ安田厩舎の管理馬なので、芝の中距離馬となっていくことへの期待はあまり出来そうにないのかも(苦笑)。
そこで3歳下の半妹、現2歳でデビューを控えているプランタンビジューの「芝中距離重賞級」となることへの期待をかけたいところはヤマヤマなのですが、管理厩舎が替わっても今度は父がダイワメジャーとあっては、2000mを超える芝重賞が実績として役不足な父となり・・・。個人的には血統考察の上で痛し痒しな感じですね(>_<;)。
さて、本題の2歳戦考察は恒例の?芙蓉Sとなります。
個人的には新馬戦を5番人気で勝利したスマートルピナスを、当該レース前日の考察記事で注目馬としていた経緯から、ここでも再度の注目馬としておきたいと思います・・・。
1.ユキノユウダン(母クリスタルティアズのBBLP=5:(4,1,0))
今や絶好調なステイゴールドの産駒たちですが、果たしてこの2歳馬もその勢いに乗れますかどうか・・・。2戦目の福島芝1800m戦で勝ち上がっているものの、負かしたメンバーのその後を見る限りにおいては、すこぶる低調な相手関係だったと見るのが妥当。
さらに前走新潟2歳Sでは15番人気ながら8着と健闘した部類のように見えても、前付けした先行馬たちがほぼ壊滅状態だったレース展開において、ほぼ最後方(道中17番手あたり)を進んでの「タメ」が結果的に奏功しただけで、展開利を得てのなだれ込み的な内容でしかなかったものと思われます・・・。
まあ、今回は似たようなレベルのメンバーが多いですし、中山マイルでは内枠有利なのを活かせば、それなりの走りを披露することは可能かもしれないですが。
2.プリフォンティン(サンデーサイレンス3×3)
勝ち上がった新潟での芝マイル戦は、逃げた馬の千m通過時が67秒2という、およそ今後に直結しにくい超〜極遅すぎる展開で、2番手追走だったこの馬にとっては「実にラクなペース」を前付けしてのもの。
まあ、上記の3代内クロスというものが今後において奏功していくようなら、サラブレッドとしての配合セオリーにおける1つの勲章として刻まれるでしょうが、個人的にはこのようなクロスを持つことで強くなっていくのだとしても、特に感心するに足るということにはならないですね・・・。
3.アポロカーネル(母トランクイリティーのBBLP=7:(3,1,3)だが、セン馬なので・・・)
母自身の血統背景をどうこうと言う以前の問題として、個人的にはそもそも父のアポロキングダム自身の血統背景において、マイル以上の距離体系における芝重賞級産駒を出す確率はかなり低そう、と推察します。
アポロキングダム自身はミスプロ直系の種牡馬ですが、ノーザンダンサーの5代内クロスをトリプルラインで継承(5×4・5)しているというまでのコテコテぶり。
おそらく、そうした父の持つ特性が気性面において著しく災いして、既に去勢されセン馬となってしまったのではないかと。
まあ以前の記事でもタメ息混じりに言及したとおり(苦笑)、セン馬になってしまうと体調面で何かしら不具合な部分が残ったり、気性面で思ったような改善が見られないまま推移するというようなケースも散見されてしまうので、もうこれ以上言及してもしょうがないかな、という感じですね・・・。
海外ではセン馬の活躍事例が非常に多いですが、日本の競馬界においてはセン馬を取り扱うノウハウというか、セン馬を慎重にケアして管理&調教する為の知識・経験が、それぞれの厩舎に不足しているように思います・・・。
4.クラウンアトラス(ヌレイエフ3×4)
前走の新潟2歳Sでは他に期待してみたい馬がほとんど見当たらず、仕方なくというかヨシトミ騎手が騎乗したという経緯にも騙されて?の◎でしたが、ものの見事に17着と敗退(苦笑)。
まあ、新馬戦での勝利はありきたりな超スローの展開を利してのもので、2戦目となる重賞では一変するはずの流れを前付け(道中5番手あたり)しての失速なので、情状酌量の余地はいくらか有りそうには思いましたが。
新馬戦で記録したメンバー最速の上がり3F・33秒9の内容が重賞には全く直結しなかったとは言え、初戦で素質の片鱗は見せていたとすれば、ここで巻き返す可能性もゼロではないだろうと個人的には思います。
ただ、ヌレイエフの黄金配合クロスそのものについては、期待半分・不安半分というのが正直なところ(笑)。あくまでもこの近親クロスが奏功してこそ、出世が可能になっていくものだとしか・・・。
5.スマートルピナス(母シクレノンソシエテのBBLP=10:(6,3,1))
記事冒頭で述べたとおり、今回はこの馬に注目してみようと思います。この馬が新馬戦に登場する前日の事前考察記事でも述べておきましたが、半兄や半姉が全く活躍出来ていない中で、父がハーツクライに替わることで状況が変わるかも?という期待をかけました。
結果は5番人気での1着。まあ牡馬が相手でしたし、馬券になれば御の字というのが事前考察における正直な印象でしたが、勝ってしまったからには今後とも継続的に注視する存在となりましたね。
前日段階ではオッズ人気がどうなるか見当もつきませんが、おそらく上位人気になるのはプロヴィナージュの半弟エデンロック、そしてシルクプリマドンナの息子フラムドグロワールあたりではないかと推察します。
まあこれらの人気馬(しかも牡馬)たちを相手に、牝馬のスマートルピナスがどれだけやれるのか?というところですが、さすがに現段階でホエールキャプチャ並みの期待は出来そうにないとしても、今後の牝馬同士でのレースを見据えての好結果を期待したいと思います・・・。
6.ジェイケイホーム(同系配合馬でミスプロ3×3)
まあ、特に言及したくなる要素はありません。現状、スプリント路線を維持するのが本馬にとって最も懸命な措置ではないかと推察していますが。
7.サンプルエミューズ(母自身が同系配合馬)
この馬も、上位人気の一角を形成するかもしれませんね。ダイワメジャー産駒の多くは、母自身が持つノーザンダンサー経由のラインの影響度が色濃いほうが、活躍につなげています。
まあSエミューズもそういったDメジャー産駒の典型例、という感じですね。個人的には、今後活躍していくとしてもそんな典型例の1頭としてみなすだけのことですが・・・。
8.ニーマルジョイ(母自身が同系配合馬)
こちらもほぼ典型的な母の特徴を持つDメジャー産駒。ただしこちらの母デヴェロッペはナスルーラ直系の両親を持つ同系配合馬でありつつ、ノーザンダンサー(4×4)の近親クロスをも持つという部分で、Sエミューズの母とはかなり血統背景が異なっていますが・・・。見解としては似たようなもんですね。
9.エデンロック(母ボーンスターのBBLP=7:(4.0.3))
全姉プロヴィナージュの下には、半姉カシマヴィーナス、半兄サトノディライト、半姉ナチュラルライツという存在がいるものの、いずれもプロヴィナージュほどには出世することが出来ておらず・・・。
父がフレンチデピュティの場合のみ、この母との相性が良いのだとすれば何らかの特徴を見出さねばなりませんが、ボールドルーラー(4×5)の5代内クロスが生じるという程度のものですね。
もしエデンロックも全姉同様に芝重賞でも連対可能なレベルにいずれ出世していくのだとすれば、通常の(4×5)のクロス形態以上に、ボールドルーラーの存在感は強めなのかもしれませんが。
いずれにせよ、札幌2歳Sで3着のこの馬が今回のメンバー相手に圧勝するぐらいでないと、札幌2歳S自体のレースレベルそのものが問われかねませんので、その辺りの内容に注目しませんとね・・・。
個人的に、今年の札幌2歳Sで上位に来た3頭は、過去数年の札幌2歳S上位馬と同様のレベルにはなさそう、という見解ではあるのですが。
まあその見解の是非は全て、この馬の走りの内容次第ということで。
10.フラムドグロワール(同系配合馬)
オークス馬の母シルクプリマドンナを持つという部分では、いわゆる良血という視線を向けるのが一般的なのでしょうが、そのシルクプリマドンナ自身はオークスの勝利以降、全10戦して一度も3着以内の成績が残せないまま、引退へと至っています。
そういう事実がある場合、はたして「母はオークス馬だし」、という通り一遍な評価が好成績への指標となるかどうか、やや懸念されるところではありますけどもね・・・。
元々、ダイワメジャー産駒の多くは「マイル以下」においては尋常ならざる好結果につなげるものとなっていますが、こと「芝の重賞」となると、一気に距離適性のカベを露呈し、2000mを超える距離の芝重賞で好結果は出にくい印象が強いですね。
フラムドクロワールの場合も、同系配合という要素が加わると距離短縮への好結果は期待出来ても、距離延長への期待はややしにくいものが少々あるんですが、マイル戦なのでまあギリギリの範囲内かな?という印象も。
11.ニシノレゾネ(母自身がノーザンダンサー4×4の近親クロスを持つ)
父のグランデラについては競走馬としての輝かしい実績とは裏腹に、日本での産駒は短距離路線での穴要素が強いという感じで、中距離の芝重賞級を出せていないというのが正直なところ。
こうしたタイプを、個人的には「自己完結型の種牡馬」と定義づけしていますが、要するに種牡馬としては自分自身の競走馬としての特性が利点として伝達されにくく、むしろ先祖の特徴のほうが強めに出てしまうことにより、自分自身の競走イメージとは異質な産駒ばかりになるのだろう、という見解ですね。
そうした自己完結型種牡馬の多くに見られる傾向が、「ネアルコ経由のライン継承過多もしくは血量で10%超え」という事実ですね。ネアルコ直系の子孫でありながら、血統背景において必要以上にネアルコ経由のライン継承に依存してしまうと、競走馬としては大成出来ても、種牡馬(又は繁殖牝馬においても)としては実績と相反する様相を呈してしまう、というような・・・。
そのタイプはグランデラなどの、日本に輸入されたノーザンダンサー系種牡馬にやたらと多いのですが、サンデーサイレンス系種牡馬においては、リンカーンがその解釈にほぼ該当しています。まあ、リンカーンは既に死亡してしまったので、あまり多くを語っても考察の機会が減っていくばかりではありますが・・・。
もちろん、短距離レースなどで思わぬ好結果を産むことが、種牡馬としての再評価につながるのであれば、それはそれでグランデラなどの存在意義があるということなんでしょうけれどもね。
12.マイネルパントル(ノーザンダンサー4×4)
この馬の半兄にマイネルギブソンが居て、その兄が2歳時の時には母マイネメリアンのBBLP=12:(4,3,5)として考察していた時期があったのですが、どうもその考察が上手く当てはまらないなあ、と思っていたらやはり、母父パントレセレブルの持つ4代内クロス(ネイティヴダンサー4×4)が影響していたのかなと(苦笑)。
更に言えば、パントレセレブル自身にとってはネアルコの血量がネイティヴダンサーの12.5%に次ぐ存在となる10.94%で、最上位ではないものの10%の大台を超えているという、ネアルコ直系種牡馬としての懸念材料を抱えていることも、兄ギブソンのムラな成績に作用していたものと推察します。
ただし、弟であるマイネルパントルの場合、自身が上記の4代内クロスを持ちますので、往々にして母父自身の特徴(ないし懸念材料)は闇に隠れてしまうのかも。
兄ほどはムラな成績にならず、ソコソコ安定した成績が今後とも残せていけるのなら、母父自身の懸念材料を打ち消すほどに偉大なる祖先ノーザンダンサー自身の「血の威光」のほうが奏功している、となるんでしょうね・・・。
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・カレンチャン(母スプリングチケットのBBLP=10:(3,5,2))
まあこの馬については既にスプリンターとして確固たる地位を築いている故、今更もう中距離の芝レースに出走させたとしても当のカレンチャン自身が戸惑う可能性のほうが大でしょうけども・・・。
2歳下のカレンシェリーメイ(父ディープインパクト)も同じ安田厩舎の管理馬なので、芝の中距離馬となっていくことへの期待はあまり出来そうにないのかも(苦笑)。
そこで3歳下の半妹、現2歳でデビューを控えているプランタンビジューの「芝中距離重賞級」となることへの期待をかけたいところはヤマヤマなのですが、管理厩舎が替わっても今度は父がダイワメジャーとあっては、2000mを超える芝重賞が実績として役不足な父となり・・・。個人的には血統考察の上で痛し痒しな感じですね(>_<;)。
さて、本題の2歳戦考察は恒例の?芙蓉Sとなります。
個人的には新馬戦を5番人気で勝利したスマートルピナスを、当該レース前日の考察記事で注目馬としていた経緯から、ここでも再度の注目馬としておきたいと思います・・・。
1.ユキノユウダン(母クリスタルティアズのBBLP=5:(4,1,0))
今や絶好調なステイゴールドの産駒たちですが、果たしてこの2歳馬もその勢いに乗れますかどうか・・・。2戦目の福島芝1800m戦で勝ち上がっているものの、負かしたメンバーのその後を見る限りにおいては、すこぶる低調な相手関係だったと見るのが妥当。
さらに前走新潟2歳Sでは15番人気ながら8着と健闘した部類のように見えても、前付けした先行馬たちがほぼ壊滅状態だったレース展開において、ほぼ最後方(道中17番手あたり)を進んでの「タメ」が結果的に奏功しただけで、展開利を得てのなだれ込み的な内容でしかなかったものと思われます・・・。
まあ、今回は似たようなレベルのメンバーが多いですし、中山マイルでは内枠有利なのを活かせば、それなりの走りを披露することは可能かもしれないですが。
2.プリフォンティン(サンデーサイレンス3×3)
勝ち上がった新潟での芝マイル戦は、逃げた馬の千m通過時が67秒2という、およそ今後に直結しにくい超〜極遅すぎる展開で、2番手追走だったこの馬にとっては「実にラクなペース」を前付けしてのもの。
まあ、上記の3代内クロスというものが今後において奏功していくようなら、サラブレッドとしての配合セオリーにおける1つの勲章として刻まれるでしょうが、個人的にはこのようなクロスを持つことで強くなっていくのだとしても、特に感心するに足るということにはならないですね・・・。
3.アポロカーネル(母トランクイリティーのBBLP=7:(3,1,3)だが、セン馬なので・・・)
母自身の血統背景をどうこうと言う以前の問題として、個人的にはそもそも父のアポロキングダム自身の血統背景において、マイル以上の距離体系における芝重賞級産駒を出す確率はかなり低そう、と推察します。
アポロキングダム自身はミスプロ直系の種牡馬ですが、ノーザンダンサーの5代内クロスをトリプルラインで継承(5×4・5)しているというまでのコテコテぶり。
おそらく、そうした父の持つ特性が気性面において著しく災いして、既に去勢されセン馬となってしまったのではないかと。
まあ以前の記事でもタメ息混じりに言及したとおり(苦笑)、セン馬になってしまうと体調面で何かしら不具合な部分が残ったり、気性面で思ったような改善が見られないまま推移するというようなケースも散見されてしまうので、もうこれ以上言及してもしょうがないかな、という感じですね・・・。
海外ではセン馬の活躍事例が非常に多いですが、日本の競馬界においてはセン馬を取り扱うノウハウというか、セン馬を慎重にケアして管理&調教する為の知識・経験が、それぞれの厩舎に不足しているように思います・・・。
4.クラウンアトラス(ヌレイエフ3×4)
前走の新潟2歳Sでは他に期待してみたい馬がほとんど見当たらず、仕方なくというかヨシトミ騎手が騎乗したという経緯にも騙されて?の◎でしたが、ものの見事に17着と敗退(苦笑)。
まあ、新馬戦での勝利はありきたりな超スローの展開を利してのもので、2戦目となる重賞では一変するはずの流れを前付け(道中5番手あたり)しての失速なので、情状酌量の余地はいくらか有りそうには思いましたが。
新馬戦で記録したメンバー最速の上がり3F・33秒9の内容が重賞には全く直結しなかったとは言え、初戦で素質の片鱗は見せていたとすれば、ここで巻き返す可能性もゼロではないだろうと個人的には思います。
ただ、ヌレイエフの黄金配合クロスそのものについては、期待半分・不安半分というのが正直なところ(笑)。あくまでもこの近親クロスが奏功してこそ、出世が可能になっていくものだとしか・・・。
5.スマートルピナス(母シクレノンソシエテのBBLP=10:(6,3,1))
記事冒頭で述べたとおり、今回はこの馬に注目してみようと思います。この馬が新馬戦に登場する前日の事前考察記事でも述べておきましたが、半兄や半姉が全く活躍出来ていない中で、父がハーツクライに替わることで状況が変わるかも?という期待をかけました。
結果は5番人気での1着。まあ牡馬が相手でしたし、馬券になれば御の字というのが事前考察における正直な印象でしたが、勝ってしまったからには今後とも継続的に注視する存在となりましたね。
前日段階ではオッズ人気がどうなるか見当もつきませんが、おそらく上位人気になるのはプロヴィナージュの半弟エデンロック、そしてシルクプリマドンナの息子フラムドグロワールあたりではないかと推察します。
まあこれらの人気馬(しかも牡馬)たちを相手に、牝馬のスマートルピナスがどれだけやれるのか?というところですが、さすがに現段階でホエールキャプチャ並みの期待は出来そうにないとしても、今後の牝馬同士でのレースを見据えての好結果を期待したいと思います・・・。
6.ジェイケイホーム(同系配合馬でミスプロ3×3)
まあ、特に言及したくなる要素はありません。現状、スプリント路線を維持するのが本馬にとって最も懸命な措置ではないかと推察していますが。
7.サンプルエミューズ(母自身が同系配合馬)
この馬も、上位人気の一角を形成するかもしれませんね。ダイワメジャー産駒の多くは、母自身が持つノーザンダンサー経由のラインの影響度が色濃いほうが、活躍につなげています。
まあSエミューズもそういったDメジャー産駒の典型例、という感じですね。個人的には、今後活躍していくとしてもそんな典型例の1頭としてみなすだけのことですが・・・。
8.ニーマルジョイ(母自身が同系配合馬)
こちらもほぼ典型的な母の特徴を持つDメジャー産駒。ただしこちらの母デヴェロッペはナスルーラ直系の両親を持つ同系配合馬でありつつ、ノーザンダンサー(4×4)の近親クロスをも持つという部分で、Sエミューズの母とはかなり血統背景が異なっていますが・・・。見解としては似たようなもんですね。
9.エデンロック(母ボーンスターのBBLP=7:(4.0.3))
全姉プロヴィナージュの下には、半姉カシマヴィーナス、半兄サトノディライト、半姉ナチュラルライツという存在がいるものの、いずれもプロヴィナージュほどには出世することが出来ておらず・・・。
父がフレンチデピュティの場合のみ、この母との相性が良いのだとすれば何らかの特徴を見出さねばなりませんが、ボールドルーラー(4×5)の5代内クロスが生じるという程度のものですね。
もしエデンロックも全姉同様に芝重賞でも連対可能なレベルにいずれ出世していくのだとすれば、通常の(4×5)のクロス形態以上に、ボールドルーラーの存在感は強めなのかもしれませんが。
いずれにせよ、札幌2歳Sで3着のこの馬が今回のメンバー相手に圧勝するぐらいでないと、札幌2歳S自体のレースレベルそのものが問われかねませんので、その辺りの内容に注目しませんとね・・・。
個人的に、今年の札幌2歳Sで上位に来た3頭は、過去数年の札幌2歳S上位馬と同様のレベルにはなさそう、という見解ではあるのですが。
まあその見解の是非は全て、この馬の走りの内容次第ということで。
10.フラムドグロワール(同系配合馬)
オークス馬の母シルクプリマドンナを持つという部分では、いわゆる良血という視線を向けるのが一般的なのでしょうが、そのシルクプリマドンナ自身はオークスの勝利以降、全10戦して一度も3着以内の成績が残せないまま、引退へと至っています。
そういう事実がある場合、はたして「母はオークス馬だし」、という通り一遍な評価が好成績への指標となるかどうか、やや懸念されるところではありますけどもね・・・。
元々、ダイワメジャー産駒の多くは「マイル以下」においては尋常ならざる好結果につなげるものとなっていますが、こと「芝の重賞」となると、一気に距離適性のカベを露呈し、2000mを超える距離の芝重賞で好結果は出にくい印象が強いですね。
フラムドクロワールの場合も、同系配合という要素が加わると距離短縮への好結果は期待出来ても、距離延長への期待はややしにくいものが少々あるんですが、マイル戦なのでまあギリギリの範囲内かな?という印象も。
11.ニシノレゾネ(母自身がノーザンダンサー4×4の近親クロスを持つ)
父のグランデラについては競走馬としての輝かしい実績とは裏腹に、日本での産駒は短距離路線での穴要素が強いという感じで、中距離の芝重賞級を出せていないというのが正直なところ。
こうしたタイプを、個人的には「自己完結型の種牡馬」と定義づけしていますが、要するに種牡馬としては自分自身の競走馬としての特性が利点として伝達されにくく、むしろ先祖の特徴のほうが強めに出てしまうことにより、自分自身の競走イメージとは異質な産駒ばかりになるのだろう、という見解ですね。
そうした自己完結型種牡馬の多くに見られる傾向が、「ネアルコ経由のライン継承過多もしくは血量で10%超え」という事実ですね。ネアルコ直系の子孫でありながら、血統背景において必要以上にネアルコ経由のライン継承に依存してしまうと、競走馬としては大成出来ても、種牡馬(又は繁殖牝馬においても)としては実績と相反する様相を呈してしまう、というような・・・。
そのタイプはグランデラなどの、日本に輸入されたノーザンダンサー系種牡馬にやたらと多いのですが、サンデーサイレンス系種牡馬においては、リンカーンがその解釈にほぼ該当しています。まあ、リンカーンは既に死亡してしまったので、あまり多くを語っても考察の機会が減っていくばかりではありますが・・・。
もちろん、短距離レースなどで思わぬ好結果を産むことが、種牡馬としての再評価につながるのであれば、それはそれでグランデラなどの存在意義があるということなんでしょうけれどもね。
12.マイネルパントル(ノーザンダンサー4×4)
この馬の半兄にマイネルギブソンが居て、その兄が2歳時の時には母マイネメリアンのBBLP=12:(4,3,5)として考察していた時期があったのですが、どうもその考察が上手く当てはまらないなあ、と思っていたらやはり、母父パントレセレブルの持つ4代内クロス(ネイティヴダンサー4×4)が影響していたのかなと(苦笑)。
更に言えば、パントレセレブル自身にとってはネアルコの血量がネイティヴダンサーの12.5%に次ぐ存在となる10.94%で、最上位ではないものの10%の大台を超えているという、ネアルコ直系種牡馬としての懸念材料を抱えていることも、兄ギブソンのムラな成績に作用していたものと推察します。
ただし、弟であるマイネルパントルの場合、自身が上記の4代内クロスを持ちますので、往々にして母父自身の特徴(ないし懸念材料)は闇に隠れてしまうのかも。
兄ほどはムラな成績にならず、ソコソコ安定した成績が今後とも残せていけるのなら、母父自身の懸念材料を打ち消すほどに偉大なる祖先ノーザンダンサー自身の「血の威光」のほうが奏功している、となるんでしょうね・・・。
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2012年09月28日
芙蓉S 注目馬・・・と言えば。
このブログを2年以上継続してお読みいただいている方々であれば、「おい〜、またその話かよ」と辟易とされてしまう恐れ大ですが(苦笑)、今を去ることほぼ2年前、2010年10月2日の記事では、「芙蓉S 注目馬」と題して、その当時はまだほとんど注目されていなかったホエールキャプチャをただ1頭のみ、前日段階の血統考察において注目馬として指名し、考察をおこないました。
「全兄にドリームセーリングがいて、出世に手間取っている事実はあるが、ホエールキャプチャの母グローバルピースのBBLP=11なので、前走からの距離延長となる今回は能力判定において試金石となる。いずれ、1800m、2000mなどでも結果を出せる血統背景。出世していっておかしくないはずの馬だ・・・」
という感じで記事にしたことが思い出されます。
2年前のそのレースでダントツの1番人気だったのは、今をときめく日本最強馬のオルフェーヴル。誰が見てもドリームジャーニーの全弟がメンバーの中で1番強く、これを負かせる馬などいないだろう・・・、というのが当時のレース前における多くのプロ予想家たちの全体意見だったろうと思います。
しかし、私自身の注目馬はホエールキャプチャのみでした。まあ牝馬ながら牡馬を相手にする不安もなくはなく、前走まで1400m以下でしか使われていなかったことも確かに懸念材料の1つではありましたが。
結果は5番人気でホエールキャプチャの1着。まあ、テンから好スタートを決め、まんまとスローの逃げに徹しオルフェーヴルの猛追をかろうじてクビ差でしのいだという、薄氷を踏むような勝利ではありましたが(笑)、個人的には会心の◎的中となったのでした・・・。
当時の出走メンバーたち全てを、着順と共に振り返ります。
2010年10月3日 中山9R 芙蓉S(芝1600m)
1着 ホエールキャプチャ(母グローバルピースのBBLP=11:(4,4,3))
2着 オルフェーヴル(ノーザンテースト4×3、ただし母オリエンタルアートのBBLP=8:(3Tt、3、2T)で異系トウルビヨンのアシストも有り)
3着 ニシノクエーサー(同系配合馬でノーザンダンサー3×4)
4着 レッドエレンシア(母マイハートのBBLP=5:(1,1,3))
5着 カトルズリップス(母自身がノーザンダンサー3×4の近親クロスを持つ)
6着 トーシンイーグル(旧解釈では母エリモアメジストのBBLP=5:(2,2,1)で、新解釈では母父自身がナスルーラ4×4の近親クロスを持つ、に変更)
7着 フレンドサンポウ(旧解釈では母ファンシーディナーのBBLP=6:(6,0,0)で、新解釈では母自身は同系配合馬)
8着 ワイルドジュニア(父系はリボー直系であり、ファラリス直系ではないのでBBLPでの考察外)
上記のメンバーで、連対馬2頭以外に芝オープンクラスにまで出世できたのはカトルズリップスのみですね。まあOP馬に成って以降の成績は冴えませんが・・・。
そもそも競走馬において、自分自身、或いは母自身、母父自身などが4代以内に同一先祖の近親クロスを持つようなタイプがいずれOP級の馬に出世していくとしても、それこそサラブレッドの配合セオリーとも言うべき現象なので、特段の注目すべき部分はないんですね。
迂回血ラインの概念に基づく血統考察での最大のポイントとは、そういった近親クロスに頼ることなく、アウトクロス(アウトブリード)でも強くなっていける馬とはどういう血統背景の馬なのか?を、「2歳時の、能力の顕現がまだ未知の段階から推察していく」、ということにあります。
ホエールキャプチャに関してはズバリ、芙蓉S出走前の段階から見抜くことが出来た、と自負しています。
けれども、いつまでも過去の栄光?にすがっているだけでは読者の皆様のご支持は続かないでしょうから(苦笑)、毎年毎年、第2・第3のホエールキャプチャ発掘なるか?にチャレンジしているというわけなんですが。
世間一般の目線が古馬G1スプリンターズSばかりに集まってしまう中で、地味〜に2歳馬たちの血統の良し悪しを推察し、今後の注目馬と成りうる馬を今のうちに探し出そうという作業も、私の中では古馬G1戦以上の楽しみとして重要なものになっています・・・。
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「全兄にドリームセーリングがいて、出世に手間取っている事実はあるが、ホエールキャプチャの母グローバルピースのBBLP=11なので、前走からの距離延長となる今回は能力判定において試金石となる。いずれ、1800m、2000mなどでも結果を出せる血統背景。出世していっておかしくないはずの馬だ・・・」
という感じで記事にしたことが思い出されます。
2年前のそのレースでダントツの1番人気だったのは、今をときめく日本最強馬のオルフェーヴル。誰が見てもドリームジャーニーの全弟がメンバーの中で1番強く、これを負かせる馬などいないだろう・・・、というのが当時のレース前における多くのプロ予想家たちの全体意見だったろうと思います。
しかし、私自身の注目馬はホエールキャプチャのみでした。まあ牝馬ながら牡馬を相手にする不安もなくはなく、前走まで1400m以下でしか使われていなかったことも確かに懸念材料の1つではありましたが。
結果は5番人気でホエールキャプチャの1着。まあ、テンから好スタートを決め、まんまとスローの逃げに徹しオルフェーヴルの猛追をかろうじてクビ差でしのいだという、薄氷を踏むような勝利ではありましたが(笑)、個人的には会心の◎的中となったのでした・・・。
当時の出走メンバーたち全てを、着順と共に振り返ります。
2010年10月3日 中山9R 芙蓉S(芝1600m)
1着 ホエールキャプチャ(母グローバルピースのBBLP=11:(4,4,3))
2着 オルフェーヴル(ノーザンテースト4×3、ただし母オリエンタルアートのBBLP=8:(3Tt、3、2T)で異系トウルビヨンのアシストも有り)
3着 ニシノクエーサー(同系配合馬でノーザンダンサー3×4)
4着 レッドエレンシア(母マイハートのBBLP=5:(1,1,3))
5着 カトルズリップス(母自身がノーザンダンサー3×4の近親クロスを持つ)
6着 トーシンイーグル(旧解釈では母エリモアメジストのBBLP=5:(2,2,1)で、新解釈では母父自身がナスルーラ4×4の近親クロスを持つ、に変更)
7着 フレンドサンポウ(旧解釈では母ファンシーディナーのBBLP=6:(6,0,0)で、新解釈では母自身は同系配合馬)
8着 ワイルドジュニア(父系はリボー直系であり、ファラリス直系ではないのでBBLPでの考察外)
上記のメンバーで、連対馬2頭以外に芝オープンクラスにまで出世できたのはカトルズリップスのみですね。まあOP馬に成って以降の成績は冴えませんが・・・。
そもそも競走馬において、自分自身、或いは母自身、母父自身などが4代以内に同一先祖の近親クロスを持つようなタイプがいずれOP級の馬に出世していくとしても、それこそサラブレッドの配合セオリーとも言うべき現象なので、特段の注目すべき部分はないんですね。
迂回血ラインの概念に基づく血統考察での最大のポイントとは、そういった近親クロスに頼ることなく、アウトクロス(アウトブリード)でも強くなっていける馬とはどういう血統背景の馬なのか?を、「2歳時の、能力の顕現がまだ未知の段階から推察していく」、ということにあります。
ホエールキャプチャに関してはズバリ、芙蓉S出走前の段階から見抜くことが出来た、と自負しています。
けれども、いつまでも過去の栄光?にすがっているだけでは読者の皆様のご支持は続かないでしょうから(苦笑)、毎年毎年、第2・第3のホエールキャプチャ発掘なるか?にチャレンジしているというわけなんですが。
世間一般の目線が古馬G1スプリンターズSばかりに集まってしまう中で、地味〜に2歳馬たちの血統の良し悪しを推察し、今後の注目馬と成りうる馬を今のうちに探し出そうという作業も、私の中では古馬G1戦以上の楽しみとして重要なものになっています・・・。
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2012年09月24日
父ステイゴールドの勢いと相反する傾向とは。
今日の記事はいつものレース考察&回顧から離れて、種牡馬としてディープインパクトと互角(場合によっては互角以上)の存在感を見せつけるステイゴールドの怒涛の勢いと、ステイゴールドを産んだ母、ゴールデンサッシュの近年の仔馬たちの「勢いの無さ」の、あまりにも対照的な差異について述べておきたいと思います。
言うまでもなく、ステイゴールド産駒たちの近年の勢いはここへ来てディープ産駒たちの「お株」を奪うほどのものであり、恥ずかしながら個人的にもここまでのレベルになるとは想像出来ていませんでした。
迂回血ラインの概念に基づく血統評価手法においては、全ての「ファラリス直系子孫」たちが、迂回血を持つ先祖(即ちハイペリオンなどの主要5頭)に遡るラインを「近親クロスに頼らない形で多数継承すること」により、系統が繁栄していくための礎とすることが出来る、との仮説を根拠にしています。
その根拠を元にBBLPと略称して、血統表をつぶさに探索して得られた値を提示してきましたが、
・ディープインパクトのBBLP=12:(ハイペリオン×5+シックル×2+ファラモンド×2+プリンスキロ×2+ボズワース×1という内訳)
となるのに対し、
・ステイゴールドのBBLP=7:(ハイペリオン×4+シックル×1+ファラモンド×1+ボズワース×1という内訳)
となりますが、これを言い換えると、サンデーサイレンスのBBLP=4:(ハイペリオン×2+ファラモンド×1+ボズワース×1)が共通事項ですので、両者の違い(迂回血ライン継承度の差=5)は、当然のことながら「母の違い」でもあると言えます。このことを、
・ウインドインハーヘアのBBLP=8:(6,0,2)=(ハイペリオン×4+シックル×2+プリンスキロ×2)
・ゴールデンサッシュのBBLP=3:(0,3,0)=(ハイペリオン×2+シックル×1)
という差異として提示することが出来ます。
しかし、現実問題としてステイゴールドがディープと互角以上の大物を出せるのは、BBLPとは一切関係のない、異系トウルビヨンのアシストが大いに関係しているからではないか?というのがBBLPでの検証から導き出せる考え方なんですね。
もちろん、フェノーメノやナカヤマフェスタ、ナカヤマナイトなどは他の理由が主となるタイプですが、リボーの近親クロスとか、ノーザンダンサーのコテコテな影響などというものは、何もステイゴールドだけの特権ではなく、他の多くの種牡馬が共通して得られる底力要素なので、ここではそのことは別問題となります。
さて、ゴールデンサッシュの仔(即ちステイゴールドの弟や妹)たちをTARGET frontier JVにおいて検索してみると、驚くべき事実が浮かび上がります。
検索可能な範囲での、産んだ仔の年齢の高い順に並べますと(既に死亡しているかもしれない仔も含めます)、
・ホイッスル(牝19歳)、ステイゴールド(牡18歳)、ローズサッシュ(牝17歳)、レイサッシュ(牝16歳)、サンシャインレイ(牡15歳)、グレースランド(牝14歳)、スターアミュレット(牝13歳)、キャッチザゴールド(牝12歳)、レクレドール(牝11歳)、プリンセスゴールド(牝10歳)・・・。
ふう〜、ここまで記述するだけでも、かなりバテますね(苦笑)。ここから下は成績(=着度数)も併記してみますと、
・ギュリル(牡9歳、0−0−1−1)、キューティゴールド(牝8歳、0−1−1−3)、オーログランデ(牡7歳、1−0−1−13)、ペッシュドール(牝6歳、0−0−0−5)、メルヴェイユドール(牝5歳、3−2−5−21)、ザルグーン(牡4歳、1−0−1−11)、ケントリューズ(牡3歳、0−0−0−6)・・・。
まずもって驚異的なのは、上はホイッスルから下はケントリューズに至るまで、ただの1度も空胎期間を設けることなく毎年、仔を産み続けてきた(産まされ続けた?)ということ。
まあそのタフさ加減もさることながら、よくも休ませずにこっぴどく働かせ続けてきたもんだな、という印象も(笑)。動物愛護団体から抗議の電話が1度もなかったんでしょうか?・・・なんてね。
その冗談は置いといても、これほどまでに毎年産み続けてきた繁殖牝馬というのも、ゴールデンサッシュくらいなもんでしょう、ホント。
それだけ、「第2、第3のステイゴールドをよろしく頼む」という生産牧場の絶大なる期待が毎年あった、ということなんでしょうけどね・・・。
近年の仔では、メルヴェイユドールのみが計3勝で孤軍奮闘?しているかのように見えますが、今年は牝馬限定重賞で軽い斤量を利しての3着があったものの、身分としては未だに準オープンを勝てないままで推移。先日のWIN5対象レース、阪神10RムーンライトHでも3番人気に支持されながら、8着に敗れてしまっています。
昨今のステイゴールド産駒たちの大活躍と、その母であるゴールデンサッシュが産んだ近年の仔たちの成績の不振ぶりとを比較すれば、何でこういうことになるの?というぐらいに明確な違いがあります。
どうしてメルヴェイユドールはあんなに人気になるんでしょうか?
当然、「ステイゴールドの妹だから」という理由がほとんどでしょうね。けれども、やはりゴールデンサッシュにはもう、既に芝重賞連対クラスの仔を産ませるのはあまりにも酷な状況下だろう、と私は思います。
時代は既に大きく移り変わってきており、「近親クロスを持たず、且つBBLP=3程度の繁殖牝馬」が芝重賞クラスとなる仔を産めるような状況下には既にない、と判断するのが迂回血ラインの概念であり、事実、それを裏付ける傾向としてゴールデンサッシュの仔らに明確な着度数として表れてきているのです。
種牡馬ステイゴールドの怒涛の勢いと、それに全くもって相反する、彼の妹や弟の成績不振。
この明確な差異というものは、血統に対するものの見方、考え方が本当はどうあるべきかを、大いに指し示しているように私は思います。
迂回血ラインの概念はあくまでも仮説に過ぎないままですが、何らかの意味のある情報を含んでいるものとして捉えることが出来ているはず、と自負しています。
馬券の当て外れはともかくとして(苦笑)、血統の深遠なるロマンを大いに感じつつ、独自の観点から今後もどういう血統背景の馬たちが活躍をしていくのか、このブログで検証を続けてまいりたいと思います・・・m(_ _)m。
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言うまでもなく、ステイゴールド産駒たちの近年の勢いはここへ来てディープ産駒たちの「お株」を奪うほどのものであり、恥ずかしながら個人的にもここまでのレベルになるとは想像出来ていませんでした。
迂回血ラインの概念に基づく血統評価手法においては、全ての「ファラリス直系子孫」たちが、迂回血を持つ先祖(即ちハイペリオンなどの主要5頭)に遡るラインを「近親クロスに頼らない形で多数継承すること」により、系統が繁栄していくための礎とすることが出来る、との仮説を根拠にしています。
その根拠を元にBBLPと略称して、血統表をつぶさに探索して得られた値を提示してきましたが、
・ディープインパクトのBBLP=12:(ハイペリオン×5+シックル×2+ファラモンド×2+プリンスキロ×2+ボズワース×1という内訳)
となるのに対し、
・ステイゴールドのBBLP=7:(ハイペリオン×4+シックル×1+ファラモンド×1+ボズワース×1という内訳)
となりますが、これを言い換えると、サンデーサイレンスのBBLP=4:(ハイペリオン×2+ファラモンド×1+ボズワース×1)が共通事項ですので、両者の違い(迂回血ライン継承度の差=5)は、当然のことながら「母の違い」でもあると言えます。このことを、
・ウインドインハーヘアのBBLP=8:(6,0,2)=(ハイペリオン×4+シックル×2+プリンスキロ×2)
・ゴールデンサッシュのBBLP=3:(0,3,0)=(ハイペリオン×2+シックル×1)
という差異として提示することが出来ます。
しかし、現実問題としてステイゴールドがディープと互角以上の大物を出せるのは、BBLPとは一切関係のない、異系トウルビヨンのアシストが大いに関係しているからではないか?というのがBBLPでの検証から導き出せる考え方なんですね。
もちろん、フェノーメノやナカヤマフェスタ、ナカヤマナイトなどは他の理由が主となるタイプですが、リボーの近親クロスとか、ノーザンダンサーのコテコテな影響などというものは、何もステイゴールドだけの特権ではなく、他の多くの種牡馬が共通して得られる底力要素なので、ここではそのことは別問題となります。
さて、ゴールデンサッシュの仔(即ちステイゴールドの弟や妹)たちをTARGET frontier JVにおいて検索してみると、驚くべき事実が浮かび上がります。
検索可能な範囲での、産んだ仔の年齢の高い順に並べますと(既に死亡しているかもしれない仔も含めます)、
・ホイッスル(牝19歳)、ステイゴールド(牡18歳)、ローズサッシュ(牝17歳)、レイサッシュ(牝16歳)、サンシャインレイ(牡15歳)、グレースランド(牝14歳)、スターアミュレット(牝13歳)、キャッチザゴールド(牝12歳)、レクレドール(牝11歳)、プリンセスゴールド(牝10歳)・・・。
ふう〜、ここまで記述するだけでも、かなりバテますね(苦笑)。ここから下は成績(=着度数)も併記してみますと、
・ギュリル(牡9歳、0−0−1−1)、キューティゴールド(牝8歳、0−1−1−3)、オーログランデ(牡7歳、1−0−1−13)、ペッシュドール(牝6歳、0−0−0−5)、メルヴェイユドール(牝5歳、3−2−5−21)、ザルグーン(牡4歳、1−0−1−11)、ケントリューズ(牡3歳、0−0−0−6)・・・。
まずもって驚異的なのは、上はホイッスルから下はケントリューズに至るまで、ただの1度も空胎期間を設けることなく毎年、仔を産み続けてきた(産まされ続けた?)ということ。
まあそのタフさ加減もさることながら、よくも休ませずにこっぴどく働かせ続けてきたもんだな、という印象も(笑)。動物愛護団体から抗議の電話が1度もなかったんでしょうか?・・・なんてね。
その冗談は置いといても、これほどまでに毎年産み続けてきた繁殖牝馬というのも、ゴールデンサッシュくらいなもんでしょう、ホント。
それだけ、「第2、第3のステイゴールドをよろしく頼む」という生産牧場の絶大なる期待が毎年あった、ということなんでしょうけどね・・・。
近年の仔では、メルヴェイユドールのみが計3勝で孤軍奮闘?しているかのように見えますが、今年は牝馬限定重賞で軽い斤量を利しての3着があったものの、身分としては未だに準オープンを勝てないままで推移。先日のWIN5対象レース、阪神10RムーンライトHでも3番人気に支持されながら、8着に敗れてしまっています。
昨今のステイゴールド産駒たちの大活躍と、その母であるゴールデンサッシュが産んだ近年の仔たちの成績の不振ぶりとを比較すれば、何でこういうことになるの?というぐらいに明確な違いがあります。
どうしてメルヴェイユドールはあんなに人気になるんでしょうか?
当然、「ステイゴールドの妹だから」という理由がほとんどでしょうね。けれども、やはりゴールデンサッシュにはもう、既に芝重賞連対クラスの仔を産ませるのはあまりにも酷な状況下だろう、と私は思います。
時代は既に大きく移り変わってきており、「近親クロスを持たず、且つBBLP=3程度の繁殖牝馬」が芝重賞クラスとなる仔を産めるような状況下には既にない、と判断するのが迂回血ラインの概念であり、事実、それを裏付ける傾向としてゴールデンサッシュの仔らに明確な着度数として表れてきているのです。
種牡馬ステイゴールドの怒涛の勢いと、それに全くもって相反する、彼の妹や弟の成績不振。
この明確な差異というものは、血統に対するものの見方、考え方が本当はどうあるべきかを、大いに指し示しているように私は思います。
迂回血ラインの概念はあくまでも仮説に過ぎないままですが、何らかの意味のある情報を含んでいるものとして捉えることが出来ているはず、と自負しています。
馬券の当て外れはともかくとして(苦笑)、血統の深遠なるロマンを大いに感じつつ、独自の観点から今後もどういう血統背景の馬たちが活躍をしていくのか、このブログで検証を続けてまいりたいと思います・・・m(_ _)m。
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2歳戦 備忘録(17)+神戸新聞杯回顧も
まずは3歳重賞回顧を。ゴールドシップに関しては完調時の8割くらいの出来じゃないかという印象でしたが、それでも貫禄の勝利。
そして2着は先週のスカイディグニティに引き続き、血統背景を少々揶揄したことが以心伝心したかの如くロードアクレイムが人気薄(8番人気)の立場で見事に激走(苦笑)。いやー、今回こそは事前考察でしっかり予言しておいた甲斐がありましたかね・・・。
しかも、スカイディグニティ同様にロードアクレイムもまだ自己条件を勝っていない立場、という部分でも共通事項でした。
また馬券にはならなかったものの、ユウキソルジャーとエーシングングンもほぼ事前考察どおりの走り。でも注目馬とした肝心のカポーティスターはどうも2走ボケが出ちゃったのかもしれませんが(>_<;)。
ヒストリカル、ミルドリームあたりについても2000mを超える距離が向かない可能性が高い感じでしょうかね・・・。
そもそも今回の出走馬たちにおいては、「近親クロスに頼らない配合で、尚且つ母のBBLP=10以上」という独自の考察基準に合致するタイプが1頭もいなかったので、やむを得ずという感じでカポーティスターにしてみたのですが、セントライト記念も神戸新聞杯も結局、勝ち馬2頭のみレベルが二段階くらい高くて、どのみち2着以下は本番には直結しないような・・・、という印象が強いですね。
そういう意味では自己条件を勝っていないまま権利を得た馬より、自己条件の勝利で菊花賞での好走を目論む馬にもチャンスはあるかも?、という感じですね。22日土曜の中山10R、九十九里特別を勝った、
・フェデラルホール(ノーザンテースト4×3)
ステイゴールド産駒でありつつ、ノーザンテーストの黄金配合による近親クロスを持つという部分ではオルフェーヴルと全くの同一ですね。更に言えば、メジロマックイーンではないにしても母の父はドクターデヴィアスであり、「母父が異系トウルビヨン直系の種牡馬」というくくりにすれば、やはりオルフェーヴルに共通。
このブログで以前から再三再四指摘してきたのが、「ステイGにとっては、別に母父がMマックイーンでなくとも、繁殖牝馬が異系トウルビヨンのラインを色濃く継承していれば好都合のはず」、というものでした。
出世そのものがやや遅れ気味だったのはステイG産駒にはよくある傾向なので、これから更に本格化していくとすればこのフェデラルホールも侮れない存在として、菊花賞で注目する必要はあろうかと思いますね・・・。
そしてノーザンFの抱える繁殖牝馬にも、実はステイゴールドと配合されたケースがあったんだねえ、という小さな発見でもありましたが(笑)。しかも母のオーバーザウォールが既に産んだ4頭の兄・姉は、いずれも3着以内の経験がないまま、寂しく登録を抹消されています。
このことは、この母とステイGとの相性のみが如何にズバ抜けて良いかを示している好例でしょうね。単にノーザンテーストの黄金配合の要素だけでは、この相性の良さは言い尽くせないものだろうと思います・・・。
さて、本題の2歳戦回顧を。
9/22 中山1R 2歳未勝利(芝1800m)
1着 サングブルー(同系配合馬)
2着 サンダーオーシャン(母シュガーミントのBBLP=16:(7,2,7)だが・・・)
3着 ブルーバレット(同系配合馬)
サングブルーが新馬戦で2着だった時の勝ち馬がナンヨーケンゴー(同系配合馬で母父アグネスタキオン)で、今回2着に負かしたのがやはり母父アグネスタキオンとなるサンダーオーシャンでした。
個人的に注目していたのは8番人気のサンダーオーシャンでしたが、ウマニティでの予想登録で◎にしようとしていたのに時間切れで間に合わず、個人記録に残せませんでした。(>_<;)
普段、これまではアグネスタキオンやステイゴールドと配合する繁殖牝馬の父がクロフネの場合、「異系トウルビヨンのアシスト」が顕現しやすい可能性がある、と述べてきましたが、サンダーオーシャンはその逆パターン(父と母父の立場が入れ替わる)であっても、やはりその異系アシストが表出しやすいのではないかと推察しています。
初戦がダートで今回が初芝ということでの8番人気だったのでしょうが、やはりこういうカブキ者はなかなか狙いにくいでしょうね(笑)。
サンダーオーシャンの場合は確かに母のBBLPが高めの値ということでも注目ですが、ネアルコ経由のライン継承もやはり10と多いのが懸念材料なので、どちらかというと異系トウルビヨンのアシストが奏功している可能性のほうを強調しておきたいと思います。
また近年は某大手系列生産馬ばかりに上位を席巻されている状況下において、こうした中小規模の牧場の生産馬が活躍していく場合には、管理する調教師&主戦騎手が発揮する手腕のウエイトがやはり大きいでしょう。そうした陣営の昔ながらの心意気というものも感じながら、そのような立場の馬を応援していくのも楽しみの1つかと思いますね・・・。
9/22 中山5R 2歳新馬(芝1600m)
1着 レオハイタッチ(母自身が同系配合馬)
2着 タカラプリンス(同系配合馬)
3着 ボンジュールココロ(母自身がノーザンダンサー3×4の近親クロスを持つ)
このレースはウマニティの予想登録でレオハイタッチを◎に指名、今度はキッチリと高配当の単勝、および複勝・ワイドの的中を個人記録に残せました。(^_^)v
先日のオータムHで半兄のレオアクティブがレコード勝ちしたばかりだったのに、意外と人気になっていませんでしたね。これはかなり不思議な現象で、穴党としては絶好の狙い目に映りましたが。
さてレオハイタッチの母レオソレイユはノーザンダンサー(3×4)のクロスを持つコテコテ度な同系配合馬で、いかにも現代の母馬のトレンドに合致するタイプですが、配合相手がタニノギムレットになる場合、別の先祖がクロースアップされてきます。
タニノギムレット自身はグロースターク(3×4)の黄金配合クロスを持つことにより、産駒にこの底力先祖のポテンシャル継承が顕著に出る場合には大物になっていきますが、これが確率としては低いのかなと(笑)。
けれどもレオハイタッチの場合、兄のレオアクティブには無い「グロースタークのトリプルライン」の継承が生じる配合となります。母の母父プリンスオブバーズがグロースタークのラインを持つんですね。実際、レオハイタッチ自身の血量最上位はグロースタークの10.94%。
個人的にはこの要素が今後とも奏功していくのであれば、大物になれるかもしれないTギムレット産駒ではないかと考えての◎でした。ですので半兄レオアクティヴの活躍はあまり関係ないと言えばそうなんですけども。
ただし今回は重め馬場でのレース。母父オペラハウスそのものの特長で好走した可能性もあり(苦笑)、2戦目以降の内容が問われることもまた確かですね・・・。
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そして2着は先週のスカイディグニティに引き続き、血統背景を少々揶揄したことが以心伝心したかの如くロードアクレイムが人気薄(8番人気)の立場で見事に激走(苦笑)。いやー、今回こそは事前考察でしっかり予言しておいた甲斐がありましたかね・・・。
しかも、スカイディグニティ同様にロードアクレイムもまだ自己条件を勝っていない立場、という部分でも共通事項でした。
また馬券にはならなかったものの、ユウキソルジャーとエーシングングンもほぼ事前考察どおりの走り。でも注目馬とした肝心のカポーティスターはどうも2走ボケが出ちゃったのかもしれませんが(>_<;)。
ヒストリカル、ミルドリームあたりについても2000mを超える距離が向かない可能性が高い感じでしょうかね・・・。
そもそも今回の出走馬たちにおいては、「近親クロスに頼らない配合で、尚且つ母のBBLP=10以上」という独自の考察基準に合致するタイプが1頭もいなかったので、やむを得ずという感じでカポーティスターにしてみたのですが、セントライト記念も神戸新聞杯も結局、勝ち馬2頭のみレベルが二段階くらい高くて、どのみち2着以下は本番には直結しないような・・・、という印象が強いですね。
そういう意味では自己条件を勝っていないまま権利を得た馬より、自己条件の勝利で菊花賞での好走を目論む馬にもチャンスはあるかも?、という感じですね。22日土曜の中山10R、九十九里特別を勝った、
・フェデラルホール(ノーザンテースト4×3)
ステイゴールド産駒でありつつ、ノーザンテーストの黄金配合による近親クロスを持つという部分ではオルフェーヴルと全くの同一ですね。更に言えば、メジロマックイーンではないにしても母の父はドクターデヴィアスであり、「母父が異系トウルビヨン直系の種牡馬」というくくりにすれば、やはりオルフェーヴルに共通。
このブログで以前から再三再四指摘してきたのが、「ステイGにとっては、別に母父がMマックイーンでなくとも、繁殖牝馬が異系トウルビヨンのラインを色濃く継承していれば好都合のはず」、というものでした。
出世そのものがやや遅れ気味だったのはステイG産駒にはよくある傾向なので、これから更に本格化していくとすればこのフェデラルホールも侮れない存在として、菊花賞で注目する必要はあろうかと思いますね・・・。
そしてノーザンFの抱える繁殖牝馬にも、実はステイゴールドと配合されたケースがあったんだねえ、という小さな発見でもありましたが(笑)。しかも母のオーバーザウォールが既に産んだ4頭の兄・姉は、いずれも3着以内の経験がないまま、寂しく登録を抹消されています。
このことは、この母とステイGとの相性のみが如何にズバ抜けて良いかを示している好例でしょうね。単にノーザンテーストの黄金配合の要素だけでは、この相性の良さは言い尽くせないものだろうと思います・・・。
さて、本題の2歳戦回顧を。
9/22 中山1R 2歳未勝利(芝1800m)
1着 サングブルー(同系配合馬)
2着 サンダーオーシャン(母シュガーミントのBBLP=16:(7,2,7)だが・・・)
3着 ブルーバレット(同系配合馬)
サングブルーが新馬戦で2着だった時の勝ち馬がナンヨーケンゴー(同系配合馬で母父アグネスタキオン)で、今回2着に負かしたのがやはり母父アグネスタキオンとなるサンダーオーシャンでした。
個人的に注目していたのは8番人気のサンダーオーシャンでしたが、ウマニティでの予想登録で◎にしようとしていたのに時間切れで間に合わず、個人記録に残せませんでした。(>_<;)
普段、これまではアグネスタキオンやステイゴールドと配合する繁殖牝馬の父がクロフネの場合、「異系トウルビヨンのアシスト」が顕現しやすい可能性がある、と述べてきましたが、サンダーオーシャンはその逆パターン(父と母父の立場が入れ替わる)であっても、やはりその異系アシストが表出しやすいのではないかと推察しています。
初戦がダートで今回が初芝ということでの8番人気だったのでしょうが、やはりこういうカブキ者はなかなか狙いにくいでしょうね(笑)。
サンダーオーシャンの場合は確かに母のBBLPが高めの値ということでも注目ですが、ネアルコ経由のライン継承もやはり10と多いのが懸念材料なので、どちらかというと異系トウルビヨンのアシストが奏功している可能性のほうを強調しておきたいと思います。
また近年は某大手系列生産馬ばかりに上位を席巻されている状況下において、こうした中小規模の牧場の生産馬が活躍していく場合には、管理する調教師&主戦騎手が発揮する手腕のウエイトがやはり大きいでしょう。そうした陣営の昔ながらの心意気というものも感じながら、そのような立場の馬を応援していくのも楽しみの1つかと思いますね・・・。
9/22 中山5R 2歳新馬(芝1600m)
1着 レオハイタッチ(母自身が同系配合馬)
2着 タカラプリンス(同系配合馬)
3着 ボンジュールココロ(母自身がノーザンダンサー3×4の近親クロスを持つ)
このレースはウマニティの予想登録でレオハイタッチを◎に指名、今度はキッチリと高配当の単勝、および複勝・ワイドの的中を個人記録に残せました。(^_^)v
先日のオータムHで半兄のレオアクティブがレコード勝ちしたばかりだったのに、意外と人気になっていませんでしたね。これはかなり不思議な現象で、穴党としては絶好の狙い目に映りましたが。
さてレオハイタッチの母レオソレイユはノーザンダンサー(3×4)のクロスを持つコテコテ度な同系配合馬で、いかにも現代の母馬のトレンドに合致するタイプですが、配合相手がタニノギムレットになる場合、別の先祖がクロースアップされてきます。
タニノギムレット自身はグロースターク(3×4)の黄金配合クロスを持つことにより、産駒にこの底力先祖のポテンシャル継承が顕著に出る場合には大物になっていきますが、これが確率としては低いのかなと(笑)。
けれどもレオハイタッチの場合、兄のレオアクティブには無い「グロースタークのトリプルライン」の継承が生じる配合となります。母の母父プリンスオブバーズがグロースタークのラインを持つんですね。実際、レオハイタッチ自身の血量最上位はグロースタークの10.94%。
個人的にはこの要素が今後とも奏功していくのであれば、大物になれるかもしれないTギムレット産駒ではないかと考えての◎でした。ですので半兄レオアクティヴの活躍はあまり関係ないと言えばそうなんですけども。
ただし今回は重め馬場でのレース。母父オペラハウスそのものの特長で好走した可能性もあり(苦笑)、2戦目以降の内容が問われることもまた確かですね・・・。
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2012年09月22日
神戸新聞杯 考察
先週のセントライト記念決着後における連対馬2頭のRRP:(Race Results Point=レース実績ポイント)を載せていなかったので、先に提示しておきたいと思います。
・フェノーメノのRRP:162=130+3+10+(9)+10
・スカイディグニティのRRP:139=127+3+9
RRP算出の設定方法および概念については過去記事のカテゴリ「用語解説」にて記述してありますが、この設定はあくまでも各々の「主観」に一切左右されずに競走馬たちのポテンシャルを客観評価するためのものです(ただし、芝の中距離適性が3歳クラシック3冠に直結するとの観点から、短距離実績のみではポイントが低くなる設定に敢えてしているが)。
また、ダービーの2着ポイントは通常の「芝2000m以上での重賞2着ポイント=9」と同一の値ですが、これにもう少し付加価値を付けたいという場合、G1戦の2着馬については通常のポイントに更に+2を付与する(G1勝ちの場合は+3の特別ポイントを付与する設定にしてある)などの変更をすれば、フェノーメノに対するRRPの評価はそのように設定可能かと存じます。(仮にそのように変更する場合には164となる)
そのあたりは独自に設定を変えるなり、各人の納得のいくものに変更なさって下さい・・・。
尚、2着スカイディグニティにつきましては母のBBLPを算出していました(旧解釈)が、母父ノーザンテーストが持つレディアンジェラ3×2(=即ち、ハイペリオン4×3の黄金配合でもある)の近親クロスを優先考察するという新解釈を提示すべきであったことを、ここにお詫びして訂正させていただきます・・・m(_ _)m
まあ、お気付きの方もかなり多かったことでしょうが(苦笑)(>_<;)
1.ミルドリーム(同系配合馬でヘイルトゥリーズン4×4)
・RRP:131=125+3+3
母ミルフィオリはフジキセキの全妹にあたり、BBLP=6(4,0,2)として算出できますが、配合相手がシンボリクリスエスとあっては、ミルドリーム自身に上記4代内クロスが生じる同系配合の扱いになり、BBLPはあまり意味を成さなくなるとの判断を致します。
ただ、父も母もノーザンダンサー経由のラインを一切持っていないという部分では、現代におけるノーザンダンサー血脈に頼りまくるコテコテな配合のトレンドとは真逆のものと言え、個人的にはそれなりに好感の持てる配合ではあります。
同系配合特有の要素が距離延長に際して若干、マイナス面に作用する懸念のほうが大きいのですが、2000mあたりまでなら、今後ともしぶとく上位に絡むような走りを披露してもらいたいものですね・・・。
2.ユウキソルジャー(母自身が同系配合馬)
・RRP:133=127+3+3
まあこちらの馬は母自身がトレンドに見合ってのコテコテな配合(ノーザンダンサー4×4)の持ち主。父トーセンダンスがダンスインザダーク全弟ということもあり、それなりに菊花賞に向くんではないかと思わせる血統背景ではありますね。
まずはここで権利を獲らないといけないわけですが・・・。洋芝100%の長めの距離を勝ってのトライアル参戦という経緯は先週のスカイディグニティとも通じるものがあり、尚且つこちらは1000万条件勝ちなので格としてもSディグニティよりは上のはずですけどね・・・。
3.テイエムハエンカゼ
・RRP:設定不可
この馬は芝実績がないので、RRPの算出は出来かねます。芝での勝利実績が1つでもあれば、無理矢理算出することも出来なくはないのですが。
まあ、無理を承知での参戦なんでしょう。おそらくオーナーのゴリ押しによる・・・(苦笑)。
4.カポーティスター(母サビアーレのBBLP=8:(3,3,2)だが・・・)
・RRP:130=127+3
新緑賞の勝利まで4戦して全て馬券に絡んでいたものの、2番人気に支持された青葉賞で痛恨の着外を経験。けれども休養明けの玄海特別ではディープ産駒のヴィクトリースターに小差で敗れてしまったとは言え、復帰戦で2着ならまずまずの内容だろうと思います。
過去記事でこの馬を取り上げた際の特徴としては、母の母父にファビュラスダンサー(マームード4×3の黄金配合を持つ)の血があることが大きく作用し、ポテンシャルのアップに貢献する可能性があるかも?というものでした。即ち母自身の持つBBLP=8はこの場合、あまり気にする必要はなさそう、という・・・。
今回、出来れば乗り慣れている田辺騎手のほうが良かったのですが、先日エピセアロームの激走をアシストして「腐っても鯛(失礼)」的な?意地を見せたあとの武豊騎手であれば、まあ任せてもいいのかなと(苦笑)。
個人的にはこの馬が権利を獲れるかどうかに注目したいと思います・・・。
5.エーシングングン(ノーザンダンサー4×4)
・RRP:133=130+3
京都2歳Sでは勝ち馬トリップに0.1秒差程度での2着ですし、その後の経緯が芳しくないとは言えそれなりにポテンシャルは秘めているものと思われます。まあ迂回血ラインでどうこうと言えるタイプではないですが(苦笑)。
前日段階でのオッズ人気は低い(13番人気あたり)ものの、掲示板あたりの着順はあってもおかしくないだろうと思っています・・・。
6.ロードアクレイム(母自身が同系配合馬)
・RRP:130+3
新馬戦を勝っていながらその後はイマイチの内容が続き、オークス馬の母レディパステル(BBLP=5:(3,2,0))の名が少々傷を負っていますかね・・・。
一応、レディパステル自身については同系配合の要素を優先させての考察ですが、BBLP=5という値の低さはやはり気にならないと言えばウソになります。ただ同系配合であることが多少、今以上に悪い成績に落ちないように引き止めている、という感じでもありますけどね・・・。
まあ、先週はブライアンズタイムについて少々揶揄したところ、産駒が激走しましたので(苦笑)、今週はレディパステルへの揶揄がてれぱしぃとなって母と息子に伝心し、激走につながる・・・のかも。
7.ヒストリカル(母父自身がレディアンジェラ3×2の近親クロスを持つ)
・RRP:147=130+8+9
この馬もダービー出走時点までは旧解釈(母ブリリアントベリーのBBLP=6:(3,1,2)として考察し、ディープインパクトのBBLP=12で大幅にカバーしている配合、としていたかと思います。
半兄カンパニーの場合、カンパニー自身にノーザンダンサー(4×3)の黄金配合クロスが生じますし、そもそも父はトニービン系であって、サンデーS系であるヒストリカルとの特徴を近似的扱いとすべき存在とは言い難いですね。
まあ確実に言えることとしては、今更ながらノーザンテーストのポテンシャル伝達・継承におけるもの凄さを語らないわけにはいかない、ということでしょうか。ひいてはそれが「ハイペリオンの影響力のもの凄さ」でもあるのですが。
ダービーでの、まさかのシンガリ負けでケチがついた恰好ではあるものの、陣営の言い訳?としてはスタート時にゲートの鉄柱にぶつかり、すっかりリズムを崩した上での結果なので決して力負けではない、のだそうな。
であれば、ここでゴールドシップあたりと好勝負を演じて見せないことには、陣営の強気な発言も虚しく響いてしまうというものでしょう。そもそも個人的にはNHKマイルCに参戦すべきと思っていたので、間隔を空け過ぎたダービー出走には疑問に思っていたのですが。
まあ長休明けのトライアルなので無理をしない可能性もありますが、個人的にはA級マイラーの可能性のほうが遥かに高そうに思えるので、今回及び菊花賞というレース選択の経緯はあまり、ヒストリカル本来の適性には合致していないように感じています・・・。
8.メイショウカドマツ(同系配合馬でヘイルトゥリーズン4×4)
・RRP:130=125+3
レース実績ポイントを見ても分かる通り、この馬はやたら活躍しているように見えて、実際にはオープン特別あたりまででしか馬券に絡んでいません。
また、ダイワメジャー産駒は下級条件であれば2400mあたりの距離もこなす馬が出ているものの、重賞となると一気に中距離以上でのパフォーマンスを下げ、2000mあたりが芝重賞では限界の距離のように見受けられます。
更にMカドマツの場合、同系配合馬の扱いとなり上記先祖の4代内クロスが生じるので、尚のこと距離延長が向かないタイプである可能性のほうが高いのです。
個人的には1800mの、器用さを問われる中山やローカルのコース、京都内回りなどで先行力を活かす競馬がベストで、2000mを超える距離及び外回りの瞬発力を問うコースには不向きと推察しています・・・。
9.ベールドインパクト(母ヴァイオレットラブのBBLP=8:(7,1,0))
・RRP:139=125+5+9
半姉にコイウタという血統背景。個人的にはこの母とステイゴールドを配合するほうが、異系アシスト(=トウルビヨン)の顕現が確実視されるのでよっぽど良いと思うのですが、既に系列から手放してしまった種牡馬である以上プライドが邪魔し、意固地になって今更種付け出来ないんでしょうかね(苦笑)。
絶対、ステイゴールドと配合すべきです(しつこく)。ヴァイオレットラブにつきましては。
10.ローゼンケーニッヒ(同系配合馬でヘイルトゥリーズン4×4)
・RRP:125
さすがにノーザンFの関係者の皆さんも、もう既にこの見た目配合「=父シンボリクリスエス×母父サンデーS」の基本要素が、芝重賞級の馬にバンバン成っていくわけではない、ということにお気付きのはずでしょう。
せっかく母のローズバド(BBLP=10:(4,2,4))の持つ要素も、相手がシンボリクリスエスとなると上記4代内クロスの要素に邪魔され(苦笑)、ほとんどその効力を発揮出来なくなります・・・。
そもそもこの馬は500万条件すら勝てていないので、いくらローズキングダムの半弟と言えども同じような目線で見ることは不可能ですね、現状のままでは・・・。
11.マウントシャスタ(母自身が同系配合馬)
・RRP:144=128+3+8+5
まあ、母自身がノーザンダンサー系のラインを複数持ちコテコテな影響力を有するという配合は昨今のトレンドでもあり、パララサルーなんかもそうでしたし、ウインバリアシオンなどもそうでした。
要するに、何かを追い求め過ぎれば「全てを失う」かも、という配合でもあるわけでして・・・。
強いのは確かでしょう、この3歳世代同士においても。でもさすがに菊花賞でもOKというイメージは沸いてきませんけどね。
12.フミノポールスター(ノーザンダンサー4×4)
・RRP:128=125+3
実績からして格下もいいところですが、それでもローゼンケーニッヒよりはマシな状況というのが何とも不思議というか、血統ってよく分かりませんね(笑)。
まあ、父の産駒は往々にして芝適性が当初あっても徐々に本来の姿であるダート向きに収束するというのが大まかな傾向。ゆくゆくはダートの大物になっていければ、それはそれで面目躍如な感じはしてきますが。
13.ナムラビクター(ミスプロ4×4)
・RRP:設定不可
こちらも芝レースでの勝利実績無し。レパードS2着の実績は、神戸新聞杯で誇らしく語るものでもないでしょう。まあこの馬も、オーナーの意向に陣営が仕方なく?従っての参戦、というところなんでしょうね・・・。
14.ゴールドシップ(母ポイントフラッグのBBLP=7(3Tt,3Tw、1)だが異系アシスト有り)
・RRP:172:128+5+8+9+9+(10+3)
ダービーは痛恨の位置取りで5着に敗退したものの、上がり3Fはメンバー最速タイの33秒8はさすがというところ。
まあ今回はまだ仕上がり途上の可能性もあり、余力を残して菊花賞に臨みたいという陣営の心中?を察するに死角がないわけでもないでしょうが。
配合の見た目「父ステイG×母父Mマックイーン」というのは言わずもがなのオルフェーヴルと同一なわけですが、あちらがノーテンテースト(4×3)の黄金配合クロスも持つのに比較すれば、Gシップの母の母父はプルラリズムに替わり、かなり様相が異なってきます。
プルラリズムの母方にはトウルビヨンのラインが2つ継承されており、必然として既にポイントフラッグの配合自体がトウルビヨン直系となるMマックーンの特徴をそれなりに強固なものにしていて、ノーザンテーストのクロスなどがなくても好結果につなげている、という印象です。
とまあこれ以上言ったところで、今までのような「父と母父」に対する型どおりの信奉、というのはこの先もずっと続いていくんでしょうけどね・・・。
15.ブレイズアトレイル(ノーザンダンサー4×4)
・RRP:128=125+3
母の母父がファビュラスダンサーという部分では、上記カポーティスターと同じですし、ダイワメジャー産駒としてはエピセアロームとも同一の特徴となります。
母の母がファビラスラフインということもあり一般的な目線において「良血」扱いとなるんでしょうが、ブレイズアトレイルの場合、自分自身が上記クロスの持ち主、母の父ECパサーがノーザンダンサー(4×3)、そして母のラフィントレイル自身がノーザンダンサー(5・4×3)のクロスを持つことになり、その影響度はコテコテなんて言葉では済まないかも。
そういう意味ではノーザンダンサー血脈の良い部分と悪い部分のどちらかに大きく左右される確率も高まり、裏目に出かねない危うさを持つとも言えるので、カポーティースターに対する注目度と同じような目線にはならないですけどね・・・。
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・フェノーメノのRRP:162=130+3+10+(9)+10
・スカイディグニティのRRP:139=127+3+9
RRP算出の設定方法および概念については過去記事のカテゴリ「用語解説」にて記述してありますが、この設定はあくまでも各々の「主観」に一切左右されずに競走馬たちのポテンシャルを客観評価するためのものです(ただし、芝の中距離適性が3歳クラシック3冠に直結するとの観点から、短距離実績のみではポイントが低くなる設定に敢えてしているが)。
また、ダービーの2着ポイントは通常の「芝2000m以上での重賞2着ポイント=9」と同一の値ですが、これにもう少し付加価値を付けたいという場合、G1戦の2着馬については通常のポイントに更に+2を付与する(G1勝ちの場合は+3の特別ポイントを付与する設定にしてある)などの変更をすれば、フェノーメノに対するRRPの評価はそのように設定可能かと存じます。(仮にそのように変更する場合には164となる)
そのあたりは独自に設定を変えるなり、各人の納得のいくものに変更なさって下さい・・・。
尚、2着スカイディグニティにつきましては母のBBLPを算出していました(旧解釈)が、母父ノーザンテーストが持つレディアンジェラ3×2(=即ち、ハイペリオン4×3の黄金配合でもある)の近親クロスを優先考察するという新解釈を提示すべきであったことを、ここにお詫びして訂正させていただきます・・・m(_ _)m
まあ、お気付きの方もかなり多かったことでしょうが(苦笑)(>_<;)
1.ミルドリーム(同系配合馬でヘイルトゥリーズン4×4)
・RRP:131=125+3+3
母ミルフィオリはフジキセキの全妹にあたり、BBLP=6(4,0,2)として算出できますが、配合相手がシンボリクリスエスとあっては、ミルドリーム自身に上記4代内クロスが生じる同系配合の扱いになり、BBLPはあまり意味を成さなくなるとの判断を致します。
ただ、父も母もノーザンダンサー経由のラインを一切持っていないという部分では、現代におけるノーザンダンサー血脈に頼りまくるコテコテな配合のトレンドとは真逆のものと言え、個人的にはそれなりに好感の持てる配合ではあります。
同系配合特有の要素が距離延長に際して若干、マイナス面に作用する懸念のほうが大きいのですが、2000mあたりまでなら、今後ともしぶとく上位に絡むような走りを披露してもらいたいものですね・・・。
2.ユウキソルジャー(母自身が同系配合馬)
・RRP:133=127+3+3
まあこちらの馬は母自身がトレンドに見合ってのコテコテな配合(ノーザンダンサー4×4)の持ち主。父トーセンダンスがダンスインザダーク全弟ということもあり、それなりに菊花賞に向くんではないかと思わせる血統背景ではありますね。
まずはここで権利を獲らないといけないわけですが・・・。洋芝100%の長めの距離を勝ってのトライアル参戦という経緯は先週のスカイディグニティとも通じるものがあり、尚且つこちらは1000万条件勝ちなので格としてもSディグニティよりは上のはずですけどね・・・。
3.テイエムハエンカゼ
・RRP:設定不可
この馬は芝実績がないので、RRPの算出は出来かねます。芝での勝利実績が1つでもあれば、無理矢理算出することも出来なくはないのですが。
まあ、無理を承知での参戦なんでしょう。おそらくオーナーのゴリ押しによる・・・(苦笑)。
4.カポーティスター(母サビアーレのBBLP=8:(3,3,2)だが・・・)
・RRP:130=127+3
新緑賞の勝利まで4戦して全て馬券に絡んでいたものの、2番人気に支持された青葉賞で痛恨の着外を経験。けれども休養明けの玄海特別ではディープ産駒のヴィクトリースターに小差で敗れてしまったとは言え、復帰戦で2着ならまずまずの内容だろうと思います。
過去記事でこの馬を取り上げた際の特徴としては、母の母父にファビュラスダンサー(マームード4×3の黄金配合を持つ)の血があることが大きく作用し、ポテンシャルのアップに貢献する可能性があるかも?というものでした。即ち母自身の持つBBLP=8はこの場合、あまり気にする必要はなさそう、という・・・。
今回、出来れば乗り慣れている田辺騎手のほうが良かったのですが、先日エピセアロームの激走をアシストして「腐っても鯛(失礼)」的な?意地を見せたあとの武豊騎手であれば、まあ任せてもいいのかなと(苦笑)。
個人的にはこの馬が権利を獲れるかどうかに注目したいと思います・・・。
5.エーシングングン(ノーザンダンサー4×4)
・RRP:133=130+3
京都2歳Sでは勝ち馬トリップに0.1秒差程度での2着ですし、その後の経緯が芳しくないとは言えそれなりにポテンシャルは秘めているものと思われます。まあ迂回血ラインでどうこうと言えるタイプではないですが(苦笑)。
前日段階でのオッズ人気は低い(13番人気あたり)ものの、掲示板あたりの着順はあってもおかしくないだろうと思っています・・・。
6.ロードアクレイム(母自身が同系配合馬)
・RRP:130+3
新馬戦を勝っていながらその後はイマイチの内容が続き、オークス馬の母レディパステル(BBLP=5:(3,2,0))の名が少々傷を負っていますかね・・・。
一応、レディパステル自身については同系配合の要素を優先させての考察ですが、BBLP=5という値の低さはやはり気にならないと言えばウソになります。ただ同系配合であることが多少、今以上に悪い成績に落ちないように引き止めている、という感じでもありますけどね・・・。
まあ、先週はブライアンズタイムについて少々揶揄したところ、産駒が激走しましたので(苦笑)、今週はレディパステルへの揶揄がてれぱしぃとなって母と息子に伝心し、激走につながる・・・のかも。
7.ヒストリカル(母父自身がレディアンジェラ3×2の近親クロスを持つ)
・RRP:147=130+8+9
この馬もダービー出走時点までは旧解釈(母ブリリアントベリーのBBLP=6:(3,1,2)として考察し、ディープインパクトのBBLP=12で大幅にカバーしている配合、としていたかと思います。
半兄カンパニーの場合、カンパニー自身にノーザンダンサー(4×3)の黄金配合クロスが生じますし、そもそも父はトニービン系であって、サンデーS系であるヒストリカルとの特徴を近似的扱いとすべき存在とは言い難いですね。
まあ確実に言えることとしては、今更ながらノーザンテーストのポテンシャル伝達・継承におけるもの凄さを語らないわけにはいかない、ということでしょうか。ひいてはそれが「ハイペリオンの影響力のもの凄さ」でもあるのですが。
ダービーでの、まさかのシンガリ負けでケチがついた恰好ではあるものの、陣営の言い訳?としてはスタート時にゲートの鉄柱にぶつかり、すっかりリズムを崩した上での結果なので決して力負けではない、のだそうな。
であれば、ここでゴールドシップあたりと好勝負を演じて見せないことには、陣営の強気な発言も虚しく響いてしまうというものでしょう。そもそも個人的にはNHKマイルCに参戦すべきと思っていたので、間隔を空け過ぎたダービー出走には疑問に思っていたのですが。
まあ長休明けのトライアルなので無理をしない可能性もありますが、個人的にはA級マイラーの可能性のほうが遥かに高そうに思えるので、今回及び菊花賞というレース選択の経緯はあまり、ヒストリカル本来の適性には合致していないように感じています・・・。
8.メイショウカドマツ(同系配合馬でヘイルトゥリーズン4×4)
・RRP:130=125+3
レース実績ポイントを見ても分かる通り、この馬はやたら活躍しているように見えて、実際にはオープン特別あたりまででしか馬券に絡んでいません。
また、ダイワメジャー産駒は下級条件であれば2400mあたりの距離もこなす馬が出ているものの、重賞となると一気に中距離以上でのパフォーマンスを下げ、2000mあたりが芝重賞では限界の距離のように見受けられます。
更にMカドマツの場合、同系配合馬の扱いとなり上記先祖の4代内クロスが生じるので、尚のこと距離延長が向かないタイプである可能性のほうが高いのです。
個人的には1800mの、器用さを問われる中山やローカルのコース、京都内回りなどで先行力を活かす競馬がベストで、2000mを超える距離及び外回りの瞬発力を問うコースには不向きと推察しています・・・。
9.ベールドインパクト(母ヴァイオレットラブのBBLP=8:(7,1,0))
・RRP:139=125+5+9
半姉にコイウタという血統背景。個人的にはこの母とステイゴールドを配合するほうが、異系アシスト(=トウルビヨン)の顕現が確実視されるのでよっぽど良いと思うのですが、既に系列から手放してしまった種牡馬である以上プライドが邪魔し、意固地になって今更種付け出来ないんでしょうかね(苦笑)。
絶対、ステイゴールドと配合すべきです(しつこく)。ヴァイオレットラブにつきましては。
10.ローゼンケーニッヒ(同系配合馬でヘイルトゥリーズン4×4)
・RRP:125
さすがにノーザンFの関係者の皆さんも、もう既にこの見た目配合「=父シンボリクリスエス×母父サンデーS」の基本要素が、芝重賞級の馬にバンバン成っていくわけではない、ということにお気付きのはずでしょう。
せっかく母のローズバド(BBLP=10:(4,2,4))の持つ要素も、相手がシンボリクリスエスとなると上記4代内クロスの要素に邪魔され(苦笑)、ほとんどその効力を発揮出来なくなります・・・。
そもそもこの馬は500万条件すら勝てていないので、いくらローズキングダムの半弟と言えども同じような目線で見ることは不可能ですね、現状のままでは・・・。
11.マウントシャスタ(母自身が同系配合馬)
・RRP:144=128+3+8+5
まあ、母自身がノーザンダンサー系のラインを複数持ちコテコテな影響力を有するという配合は昨今のトレンドでもあり、パララサルーなんかもそうでしたし、ウインバリアシオンなどもそうでした。
要するに、何かを追い求め過ぎれば「全てを失う」かも、という配合でもあるわけでして・・・。
強いのは確かでしょう、この3歳世代同士においても。でもさすがに菊花賞でもOKというイメージは沸いてきませんけどね。
12.フミノポールスター(ノーザンダンサー4×4)
・RRP:128=125+3
実績からして格下もいいところですが、それでもローゼンケーニッヒよりはマシな状況というのが何とも不思議というか、血統ってよく分かりませんね(笑)。
まあ、父の産駒は往々にして芝適性が当初あっても徐々に本来の姿であるダート向きに収束するというのが大まかな傾向。ゆくゆくはダートの大物になっていければ、それはそれで面目躍如な感じはしてきますが。
13.ナムラビクター(ミスプロ4×4)
・RRP:設定不可
こちらも芝レースでの勝利実績無し。レパードS2着の実績は、神戸新聞杯で誇らしく語るものでもないでしょう。まあこの馬も、オーナーの意向に陣営が仕方なく?従っての参戦、というところなんでしょうね・・・。
14.ゴールドシップ(母ポイントフラッグのBBLP=7(3Tt,3Tw、1)だが異系アシスト有り)
・RRP:172:128+5+8+9+9+(10+3)
ダービーは痛恨の位置取りで5着に敗退したものの、上がり3Fはメンバー最速タイの33秒8はさすがというところ。
まあ今回はまだ仕上がり途上の可能性もあり、余力を残して菊花賞に臨みたいという陣営の心中?を察するに死角がないわけでもないでしょうが。
配合の見た目「父ステイG×母父Mマックイーン」というのは言わずもがなのオルフェーヴルと同一なわけですが、あちらがノーテンテースト(4×3)の黄金配合クロスも持つのに比較すれば、Gシップの母の母父はプルラリズムに替わり、かなり様相が異なってきます。
プルラリズムの母方にはトウルビヨンのラインが2つ継承されており、必然として既にポイントフラッグの配合自体がトウルビヨン直系となるMマックーンの特徴をそれなりに強固なものにしていて、ノーザンテーストのクロスなどがなくても好結果につなげている、という印象です。
とまあこれ以上言ったところで、今までのような「父と母父」に対する型どおりの信奉、というのはこの先もずっと続いていくんでしょうけどね・・・。
15.ブレイズアトレイル(ノーザンダンサー4×4)
・RRP:128=125+3
母の母父がファビュラスダンサーという部分では、上記カポーティスターと同じですし、ダイワメジャー産駒としてはエピセアロームとも同一の特徴となります。
母の母がファビラスラフインということもあり一般的な目線において「良血」扱いとなるんでしょうが、ブレイズアトレイルの場合、自分自身が上記クロスの持ち主、母の父ECパサーがノーザンダンサー(4×3)、そして母のラフィントレイル自身がノーザンダンサー(5・4×3)のクロスを持つことになり、その影響度はコテコテなんて言葉では済まないかも。
そういう意味ではノーザンダンサー血脈の良い部分と悪い部分のどちらかに大きく左右される確率も高まり、裏目に出かねない危うさを持つとも言えるので、カポーティースターに対する注目度と同じような目線にはならないですけどね・・・。
<a href="http://horserace.blogmura.com/keiba_pedigree/">にほんブログ村 血統理論</a>