2012年03月
2012年03月26日
毎日杯&高松宮記念 回顧
毎日杯の上位はディープインパクト産駒3頭で決まる結末。まあ、こういう事は今後、もう驚くほどのことではなくなっていくのでしょうが、少なくとも芝1800m〜2400mの範疇に収まるレース体系では、他の種牡馬にとってはかなり厳しい時代になりつつあることの前兆現象・・・なんでしょうね。
アドマイヤブルーは今回初めて3着より下の着順になってしまったものの、それまでの3戦はいずれも2000mでの競馬ですので、個人的には2000m以上のレースであれば再度、期待の目で見守っていきたいと思います。できれば青葉賞〜ダービーへの展望、ですね・・・。
事前考察でも述べたように、もしも毎日杯連対組が皐月賞で連対するというケースになった場合、その馬はTMオペラオー以来となり、ポテンシャル的に「TMオペラオー級」となる?可能性も出てきます。
個人的には、この2頭はNHKマイルC路線に目を向けたほうがその後の両馬のためにも最も良い選択だと思うのですが、所有する馬主が「さつきだ皐月だ〜!」と盲目的に号令を発するのであれば、それはそれで穴党としても「確実に切る、という馬への選択の余地」が増すので、それもいいですけどね(笑)。
さて、高松宮記念は事前考察せず、考察を期待した読者がいらしたのであれば誠に申し訳なく思っているのですが、個人的にはカレンチャンが本命で、馬券の的中は叶っております(まあ堅い配当なので、何の自慢にもならない決着ですが)。
カレンチャンに関しては、かなりの頻度で、過去記事において不定期に「単体考察」しています。ただ、このブログの主旨が1600m以上の芝レースを中心に考察する、という確固たるポリシーがあるために、タイムリーな形での登場がなかったことも確かです。
1着 カレンチャン(母スプリングチケットのBBLP=10:(3,5,2))
2着 サンカルロ(母ディーバのBBLP=7:(1,5,1))
3着 ロードカナロア(母レディブラッサムのBBLP=7:(3,2,2))
ご承知のとおり、新装なった中京競馬場の芝コースは、芝丈をかなり長めに設定された影響もあって、良馬場であっても非常に時計が掛かる馬場で、ゴール前の直線に坂が新設されたことも相まってパワーを要求する度合いが高まり、以前の中京のイメージは刷新されました。
さらに降雨の影響が毎週のように重なり、新装コースでありながら馬場の痛みも進んでしまったことも周知のとおりだったので、1200m戦であっても単なるスピード要素のみの競馬にはならないかも、と察知していました。
通常のスプリント戦であれば、「迂回血ライン継承度=BBLP」の要素はほとんど無視しても良いのですが、今回の決着が示すとおり、「母馬自身が持つ、底力先祖の継承度」が確実に問われたと言っていいでしょう。
「事前考察でそう言ってくれよ」、と言う読者がおられる場合、その方はこのブログの過去記事を、おそらくタイムリーに読んでおられない方々だと推察します(苦笑)。
カレンチャンは、「本来であればマイル〜2000mでもこなせるはずのポテンシャルを、母馬から引き継いでいる」と過去記事で言及してきました。今回、あえて事前考察をしなかったのは、その過去記事を読んでいて、記憶にしっかりと残しておられる読者がいてくれるはず、と考えたからでした。
実はもう、今後の私の興味は、カレンチャンよりも3つ下の妹であるプランタンビジュー(父ダイワメジャー)のほうへと向いています・・・。
<a href="http://horserace.blogmura.com/keiba_pedigree/">にほんブログ村 血統理論</a>
アドマイヤブルーは今回初めて3着より下の着順になってしまったものの、それまでの3戦はいずれも2000mでの競馬ですので、個人的には2000m以上のレースであれば再度、期待の目で見守っていきたいと思います。できれば青葉賞〜ダービーへの展望、ですね・・・。
事前考察でも述べたように、もしも毎日杯連対組が皐月賞で連対するというケースになった場合、その馬はTMオペラオー以来となり、ポテンシャル的に「TMオペラオー級」となる?可能性も出てきます。
個人的には、この2頭はNHKマイルC路線に目を向けたほうがその後の両馬のためにも最も良い選択だと思うのですが、所有する馬主が「さつきだ皐月だ〜!」と盲目的に号令を発するのであれば、それはそれで穴党としても「確実に切る、という馬への選択の余地」が増すので、それもいいですけどね(笑)。
さて、高松宮記念は事前考察せず、考察を期待した読者がいらしたのであれば誠に申し訳なく思っているのですが、個人的にはカレンチャンが本命で、馬券の的中は叶っております(まあ堅い配当なので、何の自慢にもならない決着ですが)。
カレンチャンに関しては、かなりの頻度で、過去記事において不定期に「単体考察」しています。ただ、このブログの主旨が1600m以上の芝レースを中心に考察する、という確固たるポリシーがあるために、タイムリーな形での登場がなかったことも確かです。
1着 カレンチャン(母スプリングチケットのBBLP=10:(3,5,2))
2着 サンカルロ(母ディーバのBBLP=7:(1,5,1))
3着 ロードカナロア(母レディブラッサムのBBLP=7:(3,2,2))
ご承知のとおり、新装なった中京競馬場の芝コースは、芝丈をかなり長めに設定された影響もあって、良馬場であっても非常に時計が掛かる馬場で、ゴール前の直線に坂が新設されたことも相まってパワーを要求する度合いが高まり、以前の中京のイメージは刷新されました。
さらに降雨の影響が毎週のように重なり、新装コースでありながら馬場の痛みも進んでしまったことも周知のとおりだったので、1200m戦であっても単なるスピード要素のみの競馬にはならないかも、と察知していました。
通常のスプリント戦であれば、「迂回血ライン継承度=BBLP」の要素はほとんど無視しても良いのですが、今回の決着が示すとおり、「母馬自身が持つ、底力先祖の継承度」が確実に問われたと言っていいでしょう。
「事前考察でそう言ってくれよ」、と言う読者がおられる場合、その方はこのブログの過去記事を、おそらくタイムリーに読んでおられない方々だと推察します(苦笑)。
カレンチャンは、「本来であればマイル〜2000mでもこなせるはずのポテンシャルを、母馬から引き継いでいる」と過去記事で言及してきました。今回、あえて事前考察をしなかったのは、その過去記事を読んでいて、記憶にしっかりと残しておられる読者がいてくれるはず、と考えたからでした。
実はもう、今後の私の興味は、カレンチャンよりも3つ下の妹であるプランタンビジュー(父ダイワメジャー)のほうへと向いています・・・。
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2012年03月23日
毎日杯 考察
過去20年ほどの皐月賞連対馬を見ても、毎日杯を経由しての連対はテイエムオペラオーただ一頭のみ、ということは調べれば分かることなのですが、やはり中2週しか間隔が空かないことが理由の一つなんでしょうね。
それと、毎日杯に出走するような馬たちは大抵、賞金が足りていないからここで何とか、というボーダーラインの面々がほとんどであり、有り体に言えばそこに至るまでに重賞をきっちり勝てていない面々で、もともと主役級にはちょっと劣るということでもあるのが2つ目の理由でしょう。
また、キンカメやディープスカイのようにあえて皐月賞を無視し、NHKマイルCを経てダービーに挑む、という選択も少なからずあり、毎日杯の連対馬がそもそも皐月賞に向かわない、というケースが三つ目の理由ですね。
今年の連対馬2頭の陣営がどういう路線選択をするのか、今の段階では何とも推察のしようもないですが、マイル戦で勝ち上がっているようなタイプは皐月賞をパスし、2000mでの連対経験のある馬はローテ的にキツいことを百も承知で皐月賞に挑むのかも、という感じでしょうか。
けれども今年の場合、ディープインパクト産駒の躍進が著しいので、ひょっとすると過去20年のデータ傾向を打ち破って、毎日杯連対から皐月賞連対という、まさにTMオペラオー級のタイプが出てくるかも?しれませんね・・・。
1.フジマサエンペラー(同系配合馬)
東スポ杯2歳Sの不良馬場で2着なので、毎日杯も不良馬場になるのであれば他馬が苦にする分で有利になると思いますが、東スポ杯ではディープブリランテに3馬身も差をつけられていますし、一線級にはちょっと足りない印象。初の関西遠征も不安材料にしかならず、3着があれば御の字のような気がします。
2.クロスカップリング(同系配合馬)
この馬は「母の母父」がファビュラスダンサーとなっています。その部分はおそらく確実にプラス要素となっているでしょう。ただ、この馬はノーザンダンサー(4×4)の近親クロスを持つので、サンデーS系の素軽さというものは若干スポイルされ、やはり重めでパワーの要る馬場のほうが得意な印象。
前走は不良馬場でイマイチの4着でしたが、馬場というよりは距離の2200mが微妙に影響したと思われます。この馬も初の関西遠征が不安材料になりそうなものの、1800mならば大崩れはないのではないかと。
3.アドマイヤブルー(母ジェイズミラクルのBBLP=12:(6,2,4))
初戦からこの馬に注目してきましたが、京成杯3着の内容はかなり期待ハズレ(苦笑)。次走がこの毎日杯までズレ込んだのも、今後へ向けては暗雲になりかねないローテーションですね・・・。
若葉Sに出走していれば、ワールドAには勝てないにしてもメイショウカドマツあたりとなら互角以上にやれたと思われるのですが・・・。
今回、もう一度期待してみますが、連対出来たとしても皐月賞に向かうのは無謀でしょう。アドマイヤメインのように青葉賞からダービーへ、という手もあるので、まずはここでキッチリいくか?というところです。
4.スピルバーグ(リファール4×4)
まあ素質馬には違いないんでしょうし、陣営の意気込みもさぞや、というところでしょうが、前走で底が割れたというか、あの程度なんかなー、という印象。馬場のせいにする時点で脱落でしょうね、一線級からは。
共同通信杯ではディープブリランテにタイム差なしの3着ですし、良馬場ならやれる、というのも分かりますが馬場に左右される時点でそもそも、クラシックで連対する云々を言う資格がなくなってしまいますので。今回、馬場が悪くても連対するゾ、ぐらいの内容でないと・・・。
5.テイエムハエンカゼ(ノーザンダンサー4×4)
馬主サンにとっては、かつての栄光を思い出させるレースなんでしょうが、このTMオペラオー産駒に夢の続きを託すというのは少々、ここまでの勝ち上がりの経緯からしてもかなり無謀な感じがします・・・。
6.ヒストリカル(母ブリリアントベリーのBBLP=6:(3,1,2))
カンパニーの半弟ということではありますが、カンパニー自身にはノーザンダンサー(4×3)の黄金配合クロスがあり、その影響度が大でした。
この弟にはそうしたクロスはなく、父が違うことももちろんですがかなり特徴の異なる別馬と捉えるほうがいいと思います。ただ、預かる側の陣営としては当然、「カンパニーの半弟」ということを意識せざるをえないでしょうし、「G1馬の弟を預かった以上、弟が無様な成績のままでは厩舎の恥」・・・だというぐらいに考えているでしょうね。
これが、無名の繁殖牝馬が母の場合に果たして、同じような姿勢で強い馬に「仕立て上げる」ことが出来るのかどうか・・・(苦笑)。
きさらぎ賞の内容は確かに出色のものはあるものの、「京都巧者=平坦巧者」でしかない可能性も、現時点では拭いきれないものがあります。かなり、馬体重が軽い部類に入るタイプですし、重めの馬場はおそらく相当に苦手のはずで、パワーで押し切るタイプではなさそうですね。
将来的には、前走があまりにも「斬れ過ぎ」の印象なのでマイラーになっていく可能性が大かな、と感じます。今回もし連対するとして、NHKマイルCへ向かうなら再度注目馬となりそうですが、皐月賞では要らない・・・という感じです、個人的には。
7.エロイカ(母ゲーリックチューンのBBLP=10:(4,3,3)だが・・・)
パッと見では、異系要素に富む血統背景の母かな?と思わせておいて、実はネアルコの血量が最上位で13.28%と、かなり数値も高めとなっていますね・・・。
迂回血ライン継承度が10あるにしても、その要素をスポイルしかねないのがネアルコ経由のラインが「過多」となってしまうことです。過去にも似たようなケースの母馬を取り上げた事例はかなりあり、懸念材料にしかなっていない場合がほとんどでした。
まあ、ディープインパクトの「ネアルコ継承ライン=計3」しかないですから、この母の欠点を少なからず低減・緩和する可能性もあり、そうであれば正にそれこそが「ディープインパクトの凄さ」にもつながるとは思うのですが。
そういう意味でも2戦目がいきなり重賞となるエロイカの走りの内容には注目したいところですね。個人的には3着付け程度での様子見が妥当かな?という感じですけども・・・。
8.ダローネガ(母カメリアローズのBBLP=12:(11,1,0))
このブログの過去記事を1年以上、つぶさに読んで頂いている読者の方々であれば、この馬の動向には細心の注意を払って見続けているはず・・・ですよね?
まあ、そういうコアな?読者はごく少数なのかもしれませんが(苦笑)。
母父のホワイトマズルがBBLP=11となるのは、このブログの開始当初から再三再四引き合いに出してきたほどなので、あえて今ヨイショする必要性を感じませんが、少なくとも、同じくBBLP=11のキングカメハメハやマンハッタンカフェが種牡馬として台頭してくるまでの間は、かなり優位な立場にありました。
今でこそ、周囲にはBBLP=12のジャングルポケットやディープインパクトが居る故に、種牡馬としてはかなり影が薄くなってしまいましたが・・・。
まあそれはさておき、ダローネガの母カメリアローズが継承する「底力ポテンシャル」のほとんどは、そのホワイトマズルからのみ、というのが問題なんですね。この偏りが、今後とも勝ったり惨敗したりの不安定な成績を助長するのではないかと。
この不安定さを少しでも軽減・抑制させるには、このままマイル路線に固定させるのが得策だろうと個人的には思います。1800mでの勝ち鞍はあるのですが、相手関係がラクな場合ならOK,という感じですので・・・。
9.エアソミュール(母エアラグーンのBBLP=9:(4,3,2))
ジャンポケ産駒には珍しく、ノーザンダンサーの4代以内クロスが生じない配合です。そうなると母のBBLPの重要度が増すのですが、9の場合は少々微妙〜ですかね・・・。
ゆくゆくはG1級、というところまでは行きそうにないと感じます。オープンクラスのレベルには十分到達可能でしょうけれども。重めの馬場は無難にこなせると思われますので、馬場が渋ったケースではチャンスが出てくるのかな、と。
10.ピタゴラスコンマ(ノーザンダンサー4×3)
こちらのジャンポケ産駒は、黄金配合による近親クロスがどんだけ奏功すんのか?というタイプ。ただ4戦連続で不良馬場を走らされており、またこんな馬場なの?という感じで嫌気を起こさないか気掛かりですね(苦笑)。
まあ、基本的なポテンシャルは十分にオープンクラスだろうと思われますので、あとは気性面で安定しさえすれば、今後とも堅実な走りを見せてくれそうな馬だと思います・・・。
11.マウントシャスタ(母自身が同系配合馬)
個人的には、こういう「コテコテのノーザンダンサークロス」を持つ繁殖牝馬とディープインパクトを配合するケースは、あまり見たくないというか、どうでもいいというか(苦笑)。
昨年の考察でもそういうスタンスでしたが、一例としてリアルインパクトの母は、一切ノーザンダンサー経由のラインがありません。また、今年の場合でも、ジョワドヴィーヴルやワールドエースの母はノーザンダンサーのクロスを持つようなタイプではなく、プリンスキロやハイペリオンといった「異系種牡馬の血量が最上位」という特徴を持ちます。
まあ、マウントシャスタもこれから強くなっていくのかもしれませんが、これからの時代は、「ノーザンダンサーの血をコテコテにクロスさせなくても強い」ということこそが血統的に大いなる価値を持つはずなので、その意味において個人的には興味の対象にはならない、ということですね。こういう馬は・・・。
12.マイネルカーミン(同系配合馬)
一応、オレハマッテルゼ産駒は意外性に富むと思われるのでマークしたいところですが、その意外性というのは、オレハMの母であるカーリーエンジェル自身が「ヴィクトリアパークの(3×4)」という、黄金配合による近親クロスを持つことが影響しているのではないかと思います。
まあ、あくまでも推察ですので、絶対そうだ!などとは言えませんが、大駆けされてもおかしくないだけの要因がオレハMの血統背景にはありそうだな、ということですね。成績は不安定に推移するでしょうけども(苦笑)。
13.ショウナンラムジ(母自身が同系配合馬)
この馬の場合、父自身が問題かなと。表面上はそれほど気性難には見えなくても、「いついつ出やーる?」ってな感じですしね・・・(苦笑)。
ダローネガ同様、母父はホワイトマズルなんですが、母自身がノーザンダンサー系の両親を持つ同系配合馬となるので、この場合は母父がどうこう、という意味合いはかなり薄れます。
単純な「父と母父」の見た目のイメージだけなら、どんだけ長距離得意なんだい?という感じの配合でも、全然そんな風にはならないところが配合の妙、というしかないですね・・・。
*BBLP=Bypass Blood Line Point の略記。(詳細はカテゴリ記事「ブログ主旨説明・他」にて)
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それと、毎日杯に出走するような馬たちは大抵、賞金が足りていないからここで何とか、というボーダーラインの面々がほとんどであり、有り体に言えばそこに至るまでに重賞をきっちり勝てていない面々で、もともと主役級にはちょっと劣るということでもあるのが2つ目の理由でしょう。
また、キンカメやディープスカイのようにあえて皐月賞を無視し、NHKマイルCを経てダービーに挑む、という選択も少なからずあり、毎日杯の連対馬がそもそも皐月賞に向かわない、というケースが三つ目の理由ですね。
今年の連対馬2頭の陣営がどういう路線選択をするのか、今の段階では何とも推察のしようもないですが、マイル戦で勝ち上がっているようなタイプは皐月賞をパスし、2000mでの連対経験のある馬はローテ的にキツいことを百も承知で皐月賞に挑むのかも、という感じでしょうか。
けれども今年の場合、ディープインパクト産駒の躍進が著しいので、ひょっとすると過去20年のデータ傾向を打ち破って、毎日杯連対から皐月賞連対という、まさにTMオペラオー級のタイプが出てくるかも?しれませんね・・・。
1.フジマサエンペラー(同系配合馬)
東スポ杯2歳Sの不良馬場で2着なので、毎日杯も不良馬場になるのであれば他馬が苦にする分で有利になると思いますが、東スポ杯ではディープブリランテに3馬身も差をつけられていますし、一線級にはちょっと足りない印象。初の関西遠征も不安材料にしかならず、3着があれば御の字のような気がします。
2.クロスカップリング(同系配合馬)
この馬は「母の母父」がファビュラスダンサーとなっています。その部分はおそらく確実にプラス要素となっているでしょう。ただ、この馬はノーザンダンサー(4×4)の近親クロスを持つので、サンデーS系の素軽さというものは若干スポイルされ、やはり重めでパワーの要る馬場のほうが得意な印象。
前走は不良馬場でイマイチの4着でしたが、馬場というよりは距離の2200mが微妙に影響したと思われます。この馬も初の関西遠征が不安材料になりそうなものの、1800mならば大崩れはないのではないかと。
3.アドマイヤブルー(母ジェイズミラクルのBBLP=12:(6,2,4))
初戦からこの馬に注目してきましたが、京成杯3着の内容はかなり期待ハズレ(苦笑)。次走がこの毎日杯までズレ込んだのも、今後へ向けては暗雲になりかねないローテーションですね・・・。
若葉Sに出走していれば、ワールドAには勝てないにしてもメイショウカドマツあたりとなら互角以上にやれたと思われるのですが・・・。
今回、もう一度期待してみますが、連対出来たとしても皐月賞に向かうのは無謀でしょう。アドマイヤメインのように青葉賞からダービーへ、という手もあるので、まずはここでキッチリいくか?というところです。
4.スピルバーグ(リファール4×4)
まあ素質馬には違いないんでしょうし、陣営の意気込みもさぞや、というところでしょうが、前走で底が割れたというか、あの程度なんかなー、という印象。馬場のせいにする時点で脱落でしょうね、一線級からは。
共同通信杯ではディープブリランテにタイム差なしの3着ですし、良馬場ならやれる、というのも分かりますが馬場に左右される時点でそもそも、クラシックで連対する云々を言う資格がなくなってしまいますので。今回、馬場が悪くても連対するゾ、ぐらいの内容でないと・・・。
5.テイエムハエンカゼ(ノーザンダンサー4×4)
馬主サンにとっては、かつての栄光を思い出させるレースなんでしょうが、このTMオペラオー産駒に夢の続きを託すというのは少々、ここまでの勝ち上がりの経緯からしてもかなり無謀な感じがします・・・。
6.ヒストリカル(母ブリリアントベリーのBBLP=6:(3,1,2))
カンパニーの半弟ということではありますが、カンパニー自身にはノーザンダンサー(4×3)の黄金配合クロスがあり、その影響度が大でした。
この弟にはそうしたクロスはなく、父が違うことももちろんですがかなり特徴の異なる別馬と捉えるほうがいいと思います。ただ、預かる側の陣営としては当然、「カンパニーの半弟」ということを意識せざるをえないでしょうし、「G1馬の弟を預かった以上、弟が無様な成績のままでは厩舎の恥」・・・だというぐらいに考えているでしょうね。
これが、無名の繁殖牝馬が母の場合に果たして、同じような姿勢で強い馬に「仕立て上げる」ことが出来るのかどうか・・・(苦笑)。
きさらぎ賞の内容は確かに出色のものはあるものの、「京都巧者=平坦巧者」でしかない可能性も、現時点では拭いきれないものがあります。かなり、馬体重が軽い部類に入るタイプですし、重めの馬場はおそらく相当に苦手のはずで、パワーで押し切るタイプではなさそうですね。
将来的には、前走があまりにも「斬れ過ぎ」の印象なのでマイラーになっていく可能性が大かな、と感じます。今回もし連対するとして、NHKマイルCへ向かうなら再度注目馬となりそうですが、皐月賞では要らない・・・という感じです、個人的には。
7.エロイカ(母ゲーリックチューンのBBLP=10:(4,3,3)だが・・・)
パッと見では、異系要素に富む血統背景の母かな?と思わせておいて、実はネアルコの血量が最上位で13.28%と、かなり数値も高めとなっていますね・・・。
迂回血ライン継承度が10あるにしても、その要素をスポイルしかねないのがネアルコ経由のラインが「過多」となってしまうことです。過去にも似たようなケースの母馬を取り上げた事例はかなりあり、懸念材料にしかなっていない場合がほとんどでした。
まあ、ディープインパクトの「ネアルコ継承ライン=計3」しかないですから、この母の欠点を少なからず低減・緩和する可能性もあり、そうであれば正にそれこそが「ディープインパクトの凄さ」にもつながるとは思うのですが。
そういう意味でも2戦目がいきなり重賞となるエロイカの走りの内容には注目したいところですね。個人的には3着付け程度での様子見が妥当かな?という感じですけども・・・。
8.ダローネガ(母カメリアローズのBBLP=12:(11,1,0))
このブログの過去記事を1年以上、つぶさに読んで頂いている読者の方々であれば、この馬の動向には細心の注意を払って見続けているはず・・・ですよね?
まあ、そういうコアな?読者はごく少数なのかもしれませんが(苦笑)。
母父のホワイトマズルがBBLP=11となるのは、このブログの開始当初から再三再四引き合いに出してきたほどなので、あえて今ヨイショする必要性を感じませんが、少なくとも、同じくBBLP=11のキングカメハメハやマンハッタンカフェが種牡馬として台頭してくるまでの間は、かなり優位な立場にありました。
今でこそ、周囲にはBBLP=12のジャングルポケットやディープインパクトが居る故に、種牡馬としてはかなり影が薄くなってしまいましたが・・・。
まあそれはさておき、ダローネガの母カメリアローズが継承する「底力ポテンシャル」のほとんどは、そのホワイトマズルからのみ、というのが問題なんですね。この偏りが、今後とも勝ったり惨敗したりの不安定な成績を助長するのではないかと。
この不安定さを少しでも軽減・抑制させるには、このままマイル路線に固定させるのが得策だろうと個人的には思います。1800mでの勝ち鞍はあるのですが、相手関係がラクな場合ならOK,という感じですので・・・。
9.エアソミュール(母エアラグーンのBBLP=9:(4,3,2))
ジャンポケ産駒には珍しく、ノーザンダンサーの4代以内クロスが生じない配合です。そうなると母のBBLPの重要度が増すのですが、9の場合は少々微妙〜ですかね・・・。
ゆくゆくはG1級、というところまでは行きそうにないと感じます。オープンクラスのレベルには十分到達可能でしょうけれども。重めの馬場は無難にこなせると思われますので、馬場が渋ったケースではチャンスが出てくるのかな、と。
10.ピタゴラスコンマ(ノーザンダンサー4×3)
こちらのジャンポケ産駒は、黄金配合による近親クロスがどんだけ奏功すんのか?というタイプ。ただ4戦連続で不良馬場を走らされており、またこんな馬場なの?という感じで嫌気を起こさないか気掛かりですね(苦笑)。
まあ、基本的なポテンシャルは十分にオープンクラスだろうと思われますので、あとは気性面で安定しさえすれば、今後とも堅実な走りを見せてくれそうな馬だと思います・・・。
11.マウントシャスタ(母自身が同系配合馬)
個人的には、こういう「コテコテのノーザンダンサークロス」を持つ繁殖牝馬とディープインパクトを配合するケースは、あまり見たくないというか、どうでもいいというか(苦笑)。
昨年の考察でもそういうスタンスでしたが、一例としてリアルインパクトの母は、一切ノーザンダンサー経由のラインがありません。また、今年の場合でも、ジョワドヴィーヴルやワールドエースの母はノーザンダンサーのクロスを持つようなタイプではなく、プリンスキロやハイペリオンといった「異系種牡馬の血量が最上位」という特徴を持ちます。
まあ、マウントシャスタもこれから強くなっていくのかもしれませんが、これからの時代は、「ノーザンダンサーの血をコテコテにクロスさせなくても強い」ということこそが血統的に大いなる価値を持つはずなので、その意味において個人的には興味の対象にはならない、ということですね。こういう馬は・・・。
12.マイネルカーミン(同系配合馬)
一応、オレハマッテルゼ産駒は意外性に富むと思われるのでマークしたいところですが、その意外性というのは、オレハMの母であるカーリーエンジェル自身が「ヴィクトリアパークの(3×4)」という、黄金配合による近親クロスを持つことが影響しているのではないかと思います。
まあ、あくまでも推察ですので、絶対そうだ!などとは言えませんが、大駆けされてもおかしくないだけの要因がオレハMの血統背景にはありそうだな、ということですね。成績は不安定に推移するでしょうけども(苦笑)。
13.ショウナンラムジ(母自身が同系配合馬)
この馬の場合、父自身が問題かなと。表面上はそれほど気性難には見えなくても、「いついつ出やーる?」ってな感じですしね・・・(苦笑)。
ダローネガ同様、母父はホワイトマズルなんですが、母自身がノーザンダンサー系の両親を持つ同系配合馬となるので、この場合は母父がどうこう、という意味合いはかなり薄れます。
単純な「父と母父」の見た目のイメージだけなら、どんだけ長距離得意なんだい?という感じの配合でも、全然そんな風にはならないところが配合の妙、というしかないですね・・・。
*BBLP=Bypass Blood Line Point の略記。(詳細はカテゴリ記事「ブログ主旨説明・他」にて)
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2012年03月21日
3歳戦 備忘録(27)
どんなに高いポテンシャルを秘めていようとも、まだデビュー出来ない、又はデビューが遅れる、という状況はサラブレッドにとっては辛い状況で、一つの試練ともいえます。
ただ、元々人間の都合(思惑)だけでこの世に生まれ(させられ)て、無理矢理この競走の世界に身を投じなければいけないわけで、そういった不遇な立場にある馬をいかに脚光を浴びる側にもっていけるかどうか、管理する人間側の責任としても大きいものがあるでしょう。
これまでに未勝利のままの3歳馬も含め、この先の未勝利戦で登場してくる3歳馬の多くは、ごく一部の素質馬を除けばかなりの割合で、「淘汰」という名の荒波を乗り越えることが難しいだろうと思います。
このブログの「主旨説明・他」のカテゴリーに属する記事の中に、母馬の迂回血ライン継承度の3分割表示(母父、母の母父、3代母)において、このいずれかの2箇所で「0か1」が登場する、いわゆるデジタルパターンとなる場合に、「凡走パターン」として定義する旨の解説があります。
どうして、(X,0,1)や(0,0,X)や(1,X,0)などのパターン(Xの値は任意)を持つ母馬の産駒をそのように定義することにしたのかというと、3歳秋以降もずっと未勝利のままで、「淘汰の対象」となってしまう馬たちの母が持つ迂回血ライン継承度に、そういうタイプが多く見つかることが判ったから、でした。
もちろん、こういうパターンの母から産まれた仔が絶対に勝ち上がることはない、などと言いたいわけではなく、非常に少ないケースですが勝ち上がることはあり、しかもオープンクラスにまで出世していくタイプがいることもまた確かです。
ですが、勝ち上がるにしても出世していく上で必ず足踏みをする時期があったり、低迷する時期が長かったりを経て、ようやく出世していくというケースのほうが多く目につくこともまた、確かなのです。
その典型例として挙げるのが、先日の阪神大賞典を制した、
ギュスターヴクライ(母ファビラスラフインのBBLP=3:(3,0,0))
この馬は昨年の弥生賞や青葉賞に出走していましたので、当時の両レースの事前考察記事において検証しております。その後も勝ち切れない低迷期が続き、今年に入ってようやく本格化してきたか、という感じの周囲の評価となったように思います。
私もこの馬の成績を注意深く見守ってきましたが、この馬の低迷期に重なるようにして、昨年当時のサンデー系種牡馬の2歳産駒の中に「母の母父がファビュラスダンサー」となる場合の勝ち上がり度が目立ったことに気付き、そのことも記事にしてきました。
私の場合、母馬自身がG1連対馬だろうと、未出走馬であろうと、そのことに一切関係なく「迂回血ライン」の持つ要素のみで彼女たち(とその産駒)を評価する、という厳然たるポリシーの元に、このブログを綴っています。
ですので、「ファビラスラフインはジャパンCで2着になったような名牝だから、絶対に強い仔を産むはずだ」などという視点で見つめることは一切、ありません。
私の、この姿勢そのものについては、批判的な目線になる読者もあろうかと思います。
けれども逆に、そういう方々に訊きたいのは、「では、未勝利もしくは未出走だった繁殖牝馬からは、強い仔は産まれない」・・・などという風に思っているのか?ということですね。
一般的には、G1を制したような牝馬、重賞を勝ったような牝馬が「強い仔を出すはず」というものの見方はごく自然であり、もちろんそのことに異論を挟むつもりは全くありません。
ですが、「そうした母の仔だから強くて当然だろう」というような狭いものの見方をするだけなのではなく、「未出走や未勝利の母でも、強い仔を出すのはどういう場合か?」ということに焦点を当てることも、意義のあることではないかと私は思いますし、そのために提示しているのがBBLP=迂回血ライン継承度、なのです。
話を戻すと、ファビラスラフインの父であるファビュラスダンサーという種牡馬が、「マームード(4×3)の黄金配合クロス」を持っていることは、ギュスターヴクライにとってかなりの重要度をもっているはず、ということですね。
かなり例外的な存在として扱えるという意味でギュスターヴクライのケースを挙げた、ということです。
3/18 中山5R 3歳未勝利(芝1800m)
1着 ファイナルフォーム(母ファイナルデスティネーションのBBLP=11:(10,0,1))
2着 ダンシングハバナ(母自身がノーザンダンサー3×3の近親クロスを持つ)
3着 ウインサンドロ(母ウインヴィーナスのBBLP=12:(6,3,3)だが・・・)
重馬場での新馬戦、未勝利戦は、本質的な血統ポテンシャルの見極めをするには不向きなので、これまでも回顧をパスするケースが続出しています。(重賞の場合、各馬の資質がほぼ見えているのでその限りでない)
けれども、あえてこのレースの決着を回顧する理由はお察しのとおり、勝ち馬の母が「凡走パターン」を持っているからで、今後この馬の動向を注意深く観察していく必要がある、という意味で取り上げています。
勝ち馬の半兄にはトーセンケイトゥー(父ハーツクライ)がおり、この兄もデビュー戦では勝利しています。しかし、2戦目以降は12戦消化して3着が3度あるだけで、以後は一度も連に絡めずに低迷したままです。
「だから弟もそうなる」・・・かどうかは判りません。今言えることは、母父がどんなに高めのBBLP(この場合は10)であっても、「凡走パターン」となるケースはかなり厄介だな、ということですね。
先日、スプリングSを制したグランデッツァの母父はMarjuで、この種牡馬もBBLP=10となることはお伝えしてありますが、Fフォームの母父O'Reillyと良く似た血統背景です。
マルジューもオレイリーも、共にラストタイクーンを父に持ち、更に、両者の母の父系はラウンドテーブル(プリンスキロの直仔)の直系という部分でも共通しています。
まあその辺は「血統のプロ」の方々のほうが詳しいので、両種牡馬の詳細な解説はそうした「血統プロのブログ」にお任せするとして(苦笑)、私がこのブログで主張することとしては、グランデッツァの母マルバイユの血統背景にはほとんど欠点はなさそうだが、Fフォームの母ファイナルデスティネーションの血統背景には欠点が潜んでいる・・・ということですね。
図らずも、半兄トーセンケイトゥーの場合はそういう母の懸念材料が顕現してしまっている、ということです。
弟がどれだけ今後出世していけるのか、興味をお持ちの方は是非、その経緯を観察されてみてはいかがかと存じます・・・。
いつも当ブログをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。m(_ _)m
<a href="http://horserace.blogmura.com/keiba_pedigree/">にほんブログ村 血統理論</a>
ただ、元々人間の都合(思惑)だけでこの世に生まれ(させられ)て、無理矢理この競走の世界に身を投じなければいけないわけで、そういった不遇な立場にある馬をいかに脚光を浴びる側にもっていけるかどうか、管理する人間側の責任としても大きいものがあるでしょう。
これまでに未勝利のままの3歳馬も含め、この先の未勝利戦で登場してくる3歳馬の多くは、ごく一部の素質馬を除けばかなりの割合で、「淘汰」という名の荒波を乗り越えることが難しいだろうと思います。
このブログの「主旨説明・他」のカテゴリーに属する記事の中に、母馬の迂回血ライン継承度の3分割表示(母父、母の母父、3代母)において、このいずれかの2箇所で「0か1」が登場する、いわゆるデジタルパターンとなる場合に、「凡走パターン」として定義する旨の解説があります。
どうして、(X,0,1)や(0,0,X)や(1,X,0)などのパターン(Xの値は任意)を持つ母馬の産駒をそのように定義することにしたのかというと、3歳秋以降もずっと未勝利のままで、「淘汰の対象」となってしまう馬たちの母が持つ迂回血ライン継承度に、そういうタイプが多く見つかることが判ったから、でした。
もちろん、こういうパターンの母から産まれた仔が絶対に勝ち上がることはない、などと言いたいわけではなく、非常に少ないケースですが勝ち上がることはあり、しかもオープンクラスにまで出世していくタイプがいることもまた確かです。
ですが、勝ち上がるにしても出世していく上で必ず足踏みをする時期があったり、低迷する時期が長かったりを経て、ようやく出世していくというケースのほうが多く目につくこともまた、確かなのです。
その典型例として挙げるのが、先日の阪神大賞典を制した、
ギュスターヴクライ(母ファビラスラフインのBBLP=3:(3,0,0))
この馬は昨年の弥生賞や青葉賞に出走していましたので、当時の両レースの事前考察記事において検証しております。その後も勝ち切れない低迷期が続き、今年に入ってようやく本格化してきたか、という感じの周囲の評価となったように思います。
私もこの馬の成績を注意深く見守ってきましたが、この馬の低迷期に重なるようにして、昨年当時のサンデー系種牡馬の2歳産駒の中に「母の母父がファビュラスダンサー」となる場合の勝ち上がり度が目立ったことに気付き、そのことも記事にしてきました。
私の場合、母馬自身がG1連対馬だろうと、未出走馬であろうと、そのことに一切関係なく「迂回血ライン」の持つ要素のみで彼女たち(とその産駒)を評価する、という厳然たるポリシーの元に、このブログを綴っています。
ですので、「ファビラスラフインはジャパンCで2着になったような名牝だから、絶対に強い仔を産むはずだ」などという視点で見つめることは一切、ありません。
私の、この姿勢そのものについては、批判的な目線になる読者もあろうかと思います。
けれども逆に、そういう方々に訊きたいのは、「では、未勝利もしくは未出走だった繁殖牝馬からは、強い仔は産まれない」・・・などという風に思っているのか?ということですね。
一般的には、G1を制したような牝馬、重賞を勝ったような牝馬が「強い仔を出すはず」というものの見方はごく自然であり、もちろんそのことに異論を挟むつもりは全くありません。
ですが、「そうした母の仔だから強くて当然だろう」というような狭いものの見方をするだけなのではなく、「未出走や未勝利の母でも、強い仔を出すのはどういう場合か?」ということに焦点を当てることも、意義のあることではないかと私は思いますし、そのために提示しているのがBBLP=迂回血ライン継承度、なのです。
話を戻すと、ファビラスラフインの父であるファビュラスダンサーという種牡馬が、「マームード(4×3)の黄金配合クロス」を持っていることは、ギュスターヴクライにとってかなりの重要度をもっているはず、ということですね。
かなり例外的な存在として扱えるという意味でギュスターヴクライのケースを挙げた、ということです。
3/18 中山5R 3歳未勝利(芝1800m)
1着 ファイナルフォーム(母ファイナルデスティネーションのBBLP=11:(10,0,1))
2着 ダンシングハバナ(母自身がノーザンダンサー3×3の近親クロスを持つ)
3着 ウインサンドロ(母ウインヴィーナスのBBLP=12:(6,3,3)だが・・・)
重馬場での新馬戦、未勝利戦は、本質的な血統ポテンシャルの見極めをするには不向きなので、これまでも回顧をパスするケースが続出しています。(重賞の場合、各馬の資質がほぼ見えているのでその限りでない)
けれども、あえてこのレースの決着を回顧する理由はお察しのとおり、勝ち馬の母が「凡走パターン」を持っているからで、今後この馬の動向を注意深く観察していく必要がある、という意味で取り上げています。
勝ち馬の半兄にはトーセンケイトゥー(父ハーツクライ)がおり、この兄もデビュー戦では勝利しています。しかし、2戦目以降は12戦消化して3着が3度あるだけで、以後は一度も連に絡めずに低迷したままです。
「だから弟もそうなる」・・・かどうかは判りません。今言えることは、母父がどんなに高めのBBLP(この場合は10)であっても、「凡走パターン」となるケースはかなり厄介だな、ということですね。
先日、スプリングSを制したグランデッツァの母父はMarjuで、この種牡馬もBBLP=10となることはお伝えしてありますが、Fフォームの母父O'Reillyと良く似た血統背景です。
マルジューもオレイリーも、共にラストタイクーンを父に持ち、更に、両者の母の父系はラウンドテーブル(プリンスキロの直仔)の直系という部分でも共通しています。
まあその辺は「血統のプロ」の方々のほうが詳しいので、両種牡馬の詳細な解説はそうした「血統プロのブログ」にお任せするとして(苦笑)、私がこのブログで主張することとしては、グランデッツァの母マルバイユの血統背景にはほとんど欠点はなさそうだが、Fフォームの母ファイナルデスティネーションの血統背景には欠点が潜んでいる・・・ということですね。
図らずも、半兄トーセンケイトゥーの場合はそういう母の懸念材料が顕現してしまっている、ということです。
弟がどれだけ今後出世していけるのか、興味をお持ちの方は是非、その経緯を観察されてみてはいかがかと存じます・・・。
いつも当ブログをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。m(_ _)m
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2012年03月18日
スプリングS 回顧
阪神大賞典の訳わからん結末で気分が悪くなりつつ迎えたスプリングS。事前考察では人気馬の人気馬たる所以を私なりに示させてもらいましたが、その2頭でのワンツー。まあ、この2頭は人気サイドなので・・・。
ただし個人的には、ダメ元で◎にロジメジャーを抜擢。単勝の狙いこそさすがに無理があったでしょうが(苦笑)、参加している競馬SNS、ウマニティで3連単を的中させることが出来ました・・・。(ハンドルネームはBlood☆Pi〜ttで参加)
リアル馬券ではワイド2点に3連複も的中でき、久々に溜飲が下がりました。なかなか、このブログで3歳重賞の的中をご報告できていなかったもので(笑)。
1着 グランデッツァ・▲(母マルバイユのBBLP=19:(10,2,7))
2着 ディープブリランテ・○(母ラヴアンドバブルズのBBLP=11:(5,1,5))
3着 ロジメジャー・◎(母自身がトムロルフ4×4の近親クロスを持つ)
連対馬2頭に関してはまあ、本来あるはずの順当なポテンシャル発揮だと思われます。馬券の狙い目としては当然、重めの馬場への対応力を最優先しての、「3番目の馬」をどれに選ぶか?が今回のカギでした。
非常に扱いづらい印象だったのが何を隠そうアルフレード。まず配合以前の問題として、マイル経験しかないことが1つ目のマイナス要因、重馬場経験も全くないのが2番目のマイナス要因。3番目が休み明けで、何らいいことなし。
そして何よりも明白な、「今回は別に勝つ必要はない」と割り切る生産系列サイドの徹底的な方針(苦笑)。
にしても、アルフレードは負け過ぎでは?という印象が強いですね。皐月賞にはこだわらず、名より実ということでおそらく、今後はNHKマイルC路線に転じ、ダービーはダメ元で、という選択なんじゃないかなと。同じ生産馬の進路を多岐に使い分けるという方針からしても。
さて、◎にしたロジメジャーは、ほかのダイワメジャー産駒にはない特徴としての、トムロルフ(4×4)のクロスがありました。大抵のDメジャー産駒が重めの馬場をこなす印象はありますが、何より先行力があって、且つ簡単にはバテねえゾ、というレースを前走で披露していましたし、京成杯の大敗は経験不足によるものと判断。
まあ、今後はやや人気気味になっていくと思われるので、馬券の旨味としては今回のみかなと。権利を得たにしろ2000mは長い印象。ロジメジャーもNHKマイルC路線を目指すのであれば、上位でやれるだけのものはありそうに思えますが・・・。
*本番の皐月賞に関しては、「ものさし馬」であるマイネルロブストを指標にすると、朝日杯FS上位組のレベルが例年よりもかなり劣る、という印象が深まりつつありますね。今回馬場が悪かったのは確かでしょうが、クラシックで連対を目指そうという馬が、馬場のせいにしたり、距離のせいにしたりする段階でアウト、でしょう。
こうなるとスプリングSの連対馬2頭と、ワールドエースとの「三つ巴」の様相が色濃い感じですが、ワールドAにはこれまで長距離輸送を経験させていないことが本番でどうなるか・・・。「温室育ち」でも皐月賞を勝つのか、陣営の手腕やいかに・・・。
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ただし個人的には、ダメ元で◎にロジメジャーを抜擢。単勝の狙いこそさすがに無理があったでしょうが(苦笑)、参加している競馬SNS、ウマニティで3連単を的中させることが出来ました・・・。(ハンドルネームはBlood☆Pi〜ttで参加)
リアル馬券ではワイド2点に3連複も的中でき、久々に溜飲が下がりました。なかなか、このブログで3歳重賞の的中をご報告できていなかったもので(笑)。
1着 グランデッツァ・▲(母マルバイユのBBLP=19:(10,2,7))
2着 ディープブリランテ・○(母ラヴアンドバブルズのBBLP=11:(5,1,5))
3着 ロジメジャー・◎(母自身がトムロルフ4×4の近親クロスを持つ)
連対馬2頭に関してはまあ、本来あるはずの順当なポテンシャル発揮だと思われます。馬券の狙い目としては当然、重めの馬場への対応力を最優先しての、「3番目の馬」をどれに選ぶか?が今回のカギでした。
非常に扱いづらい印象だったのが何を隠そうアルフレード。まず配合以前の問題として、マイル経験しかないことが1つ目のマイナス要因、重馬場経験も全くないのが2番目のマイナス要因。3番目が休み明けで、何らいいことなし。
そして何よりも明白な、「今回は別に勝つ必要はない」と割り切る生産系列サイドの徹底的な方針(苦笑)。
にしても、アルフレードは負け過ぎでは?という印象が強いですね。皐月賞にはこだわらず、名より実ということでおそらく、今後はNHKマイルC路線に転じ、ダービーはダメ元で、という選択なんじゃないかなと。同じ生産馬の進路を多岐に使い分けるという方針からしても。
さて、◎にしたロジメジャーは、ほかのダイワメジャー産駒にはない特徴としての、トムロルフ(4×4)のクロスがありました。大抵のDメジャー産駒が重めの馬場をこなす印象はありますが、何より先行力があって、且つ簡単にはバテねえゾ、というレースを前走で披露していましたし、京成杯の大敗は経験不足によるものと判断。
まあ、今後はやや人気気味になっていくと思われるので、馬券の旨味としては今回のみかなと。権利を得たにしろ2000mは長い印象。ロジメジャーもNHKマイルC路線を目指すのであれば、上位でやれるだけのものはありそうに思えますが・・・。
*本番の皐月賞に関しては、「ものさし馬」であるマイネルロブストを指標にすると、朝日杯FS上位組のレベルが例年よりもかなり劣る、という印象が深まりつつありますね。今回馬場が悪かったのは確かでしょうが、クラシックで連対を目指そうという馬が、馬場のせいにしたり、距離のせいにしたりする段階でアウト、でしょう。
こうなるとスプリングSの連対馬2頭と、ワールドエースとの「三つ巴」の様相が色濃い感じですが、ワールドAにはこれまで長距離輸送を経験させていないことが本番でどうなるか・・・。「温室育ち」でも皐月賞を勝つのか、陣営の手腕やいかに・・・。
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2012年03月17日
スプリングS 考察
今年のスプリングS出走馬において「母のBBLP=10以上」を優先して考察するタイプは、
9.ディープブリランテ(母ラヴアンドバブルズのBBLP=11:(5,1,5))
14.グランデッツァ(母マルバイユのBBLP=19:(10,2,7))
なんですが、人気サイド必至ですし、このブログで推奨するまでもないですよね・・・(笑)。
一応、Dブリランテに懸念材料があるとすれば、母のラヴ&バブルズ自身にはノーザンダンサーのクロス(4×5)があり、4代以内ではないにしろ影響度としてはこちらの想定以上の「重さ」とか、柔軟性を削ぐような側面が潜んでいるかもしれません。
グランデッツァの場合は逆に、母マルバイユに血脈構成上の欠点はほとんどないと思われますが、父アグネスタキオンがBBLP=7でディープインパクトのBBLP=12に比較すればマイナス5ポイントとなるのがネックで、かつ脚部に関する故障への不安が尽きないのもこの父の欠点です。
この2頭以外では、
2.ストローハット(母ウォートルベリーのBBLP=13(6,3,4)だが・・・)
この馬の場合も父フジキセキのBBLP=6が近年においてはかなりネックになって来つつあります。1400m以下のレースなどではまだ健在なのですが、1800m以上の芝重賞においてかなり信頼度が下がり気味で・・・。
さらに母Wベリー自身についてはナスルーラ血脈の過多(計6ラインの継承で血量最上位)による、距離適性の幅を狭めかねない欠点が潜み、ここまでは堅実な成績ですが、相手強化の状況下でどこまで?という感じも。
5.バンザイ(母プロフェシーライツのBBLP=11:(5,4,2)だが・・・)
こちらは2戦2勝ではあるものの、2戦とも恵まれた状況下での内容という印象が先に来てしまい、逃げの戦法がハマっただけという感じでしょうかね・・・。
個人的には、母馬はまずまずの血統背景と見ますが父のタイキシャトルがどうも、BBLPでの考察が向かないタイプに映ります。ヘイルトゥリーズン(3×5)というクロスを持つ種牡馬なのですが、このクロスが血量パーセンテージ以上にマイナスの要因として産駒に伝達しやすいように思えます。
種牡馬になってかなり経過するタイキシャトルも、3歳クラシック路線で勝ち負けするようなタイプはこれまでほとんど出せていませんしね・・・。
今回好走するようなら、バンザイの場合は母馬の血統背景に万歳!でしょうかね(笑)。
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9.ディープブリランテ(母ラヴアンドバブルズのBBLP=11:(5,1,5))
14.グランデッツァ(母マルバイユのBBLP=19:(10,2,7))
なんですが、人気サイド必至ですし、このブログで推奨するまでもないですよね・・・(笑)。
一応、Dブリランテに懸念材料があるとすれば、母のラヴ&バブルズ自身にはノーザンダンサーのクロス(4×5)があり、4代以内ではないにしろ影響度としてはこちらの想定以上の「重さ」とか、柔軟性を削ぐような側面が潜んでいるかもしれません。
グランデッツァの場合は逆に、母マルバイユに血脈構成上の欠点はほとんどないと思われますが、父アグネスタキオンがBBLP=7でディープインパクトのBBLP=12に比較すればマイナス5ポイントとなるのがネックで、かつ脚部に関する故障への不安が尽きないのもこの父の欠点です。
この2頭以外では、
2.ストローハット(母ウォートルベリーのBBLP=13(6,3,4)だが・・・)
この馬の場合も父フジキセキのBBLP=6が近年においてはかなりネックになって来つつあります。1400m以下のレースなどではまだ健在なのですが、1800m以上の芝重賞においてかなり信頼度が下がり気味で・・・。
さらに母Wベリー自身についてはナスルーラ血脈の過多(計6ラインの継承で血量最上位)による、距離適性の幅を狭めかねない欠点が潜み、ここまでは堅実な成績ですが、相手強化の状況下でどこまで?という感じも。
5.バンザイ(母プロフェシーライツのBBLP=11:(5,4,2)だが・・・)
こちらは2戦2勝ではあるものの、2戦とも恵まれた状況下での内容という印象が先に来てしまい、逃げの戦法がハマっただけという感じでしょうかね・・・。
個人的には、母馬はまずまずの血統背景と見ますが父のタイキシャトルがどうも、BBLPでの考察が向かないタイプに映ります。ヘイルトゥリーズン(3×5)というクロスを持つ種牡馬なのですが、このクロスが血量パーセンテージ以上にマイナスの要因として産駒に伝達しやすいように思えます。
種牡馬になってかなり経過するタイキシャトルも、3歳クラシック路線で勝ち負けするようなタイプはこれまでほとんど出せていませんしね・・・。
今回好走するようなら、バンザイの場合は母馬の血統背景に万歳!でしょうかね(笑)。
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