2011年11月
2011年11月30日
2歳戦 備忘録(40)
11/27 東京5R 2歳新馬(芝2000m)
1着 サトノプライマシー(母エアピースのBBLP=9)
2着 ジャングルクルーズ(母フィヨルドクルーズのBBLP=8)
3着 ダーレームーン(同系配合馬&ミスプロ4×3)
こちらのレースも2歳戦にありがちの超スロー(千m通過時64秒6)からの上がり勝負。道中を5番手以内で進んでいた馬たちがそのまま1〜4着となる決着でした(逃げた馬のみ失速)。
道中5番手で追走していたJクルーズが上がり3F最速の33秒7を繰り出すも、終始3番手追走だった勝ち馬をクビ差とらえきれず、という図式でしたが、さすがに調教の時計もまずまずで1番人気になっていただけのことはある感じですね。
2着馬から更に6馬身も引き離されての3着だったDムーンの場合、ミスプロ(4×3)の黄金配合クロスの要素がありますが、この馬に関しては中距離向きとなる資質の継承は薄そうな気配ですね。2000mはやや長かったのではないかと推察します。マイル辺りへの短縮なら、もう少しやれそうに思いますが。
11/27 東京7R ベゴニア賞(芝1600m)
1着 サトノギャラント(同系配合馬)
2着 オコレマルーナ(母ラスリングカプスのBBLP=6)
3着 リアルフレア(母ニフティハートのBBLP=6)
4着 ショウナンラムジ(母は同系配合馬)
こちらもお決まりの超スロー(千m通過時61秒9)からの末脚勝負。勝ち馬は4コーナー15番手から上がり3F最速の33秒2という猛烈な追い込みで鋭い決め手を披露しましたが、2、3着馬でも4コーナー11番手あたりからの末脚は33秒8で、純粋にマイル適性がすこぶる高い面々だと思われます。
逆に、4着のSラムジはマイルへの距離短縮がやや不向きだったかなと。ダンス産駒は1800mでの淀みない一貫した流れに強い傾向があるので、再度中距離路線に戻れば巻き返せるのではないかと推察します。
ちなみに、サトノGの母スティンガーのBBLP=6ですが同系配合馬の扱いなので、あまり今後への指針にはならないかなと思ったのですが、2、3着馬の母もBBLP=6ということで傾向がはっきり出ているので、やはり何らかの意味がありそうに思えます。
おそらく、今回の1〜3着馬たちは将来的にも「生粋のマイラータイプ」の可能性が高く、クラシック路線というよりはNHKマイルC路線などでの活躍の芽がありそうに感じます。
もちろんこの見解が的外れとなる場合もあるかもしれませんが、そのためにこういった考察記事で忌憚のない意見を述べて記録しておき、あとあと来年の5、6月あたりに今回の記事などを振り返って検証し、反省すべき点があれば考えを改めるなりをしていく、ということです・・・。
1着 サトノプライマシー(母エアピースのBBLP=9)
2着 ジャングルクルーズ(母フィヨルドクルーズのBBLP=8)
3着 ダーレームーン(同系配合馬&ミスプロ4×3)
こちらのレースも2歳戦にありがちの超スロー(千m通過時64秒6)からの上がり勝負。道中を5番手以内で進んでいた馬たちがそのまま1〜4着となる決着でした(逃げた馬のみ失速)。
道中5番手で追走していたJクルーズが上がり3F最速の33秒7を繰り出すも、終始3番手追走だった勝ち馬をクビ差とらえきれず、という図式でしたが、さすがに調教の時計もまずまずで1番人気になっていただけのことはある感じですね。
2着馬から更に6馬身も引き離されての3着だったDムーンの場合、ミスプロ(4×3)の黄金配合クロスの要素がありますが、この馬に関しては中距離向きとなる資質の継承は薄そうな気配ですね。2000mはやや長かったのではないかと推察します。マイル辺りへの短縮なら、もう少しやれそうに思いますが。
11/27 東京7R ベゴニア賞(芝1600m)
1着 サトノギャラント(同系配合馬)
2着 オコレマルーナ(母ラスリングカプスのBBLP=6)
3着 リアルフレア(母ニフティハートのBBLP=6)
4着 ショウナンラムジ(母は同系配合馬)
こちらもお決まりの超スロー(千m通過時61秒9)からの末脚勝負。勝ち馬は4コーナー15番手から上がり3F最速の33秒2という猛烈な追い込みで鋭い決め手を披露しましたが、2、3着馬でも4コーナー11番手あたりからの末脚は33秒8で、純粋にマイル適性がすこぶる高い面々だと思われます。
逆に、4着のSラムジはマイルへの距離短縮がやや不向きだったかなと。ダンス産駒は1800mでの淀みない一貫した流れに強い傾向があるので、再度中距離路線に戻れば巻き返せるのではないかと推察します。
ちなみに、サトノGの母スティンガーのBBLP=6ですが同系配合馬の扱いなので、あまり今後への指針にはならないかなと思ったのですが、2、3着馬の母もBBLP=6ということで傾向がはっきり出ているので、やはり何らかの意味がありそうに思えます。
おそらく、今回の1〜3着馬たちは将来的にも「生粋のマイラータイプ」の可能性が高く、クラシック路線というよりはNHKマイルC路線などでの活躍の芽がありそうに感じます。
もちろんこの見解が的外れとなる場合もあるかもしれませんが、そのためにこういった考察記事で忌憚のない意見を述べて記録しておき、あとあと来年の5、6月あたりに今回の記事などを振り返って検証し、反省すべき点があれば考えを改めるなりをしていく、ということです・・・。
2011年11月29日
2歳戦 備忘録(39)
11/26 京都3R 2歳未勝利(芝1800m)
1着 ハッピーウィーク(母マイティカラーのBBLP=9)
2着 エックスマーク(母ショアーのBBLP=6)
3着 テイエムオペラドン(同系配合馬)
連対した2頭こそ4コーナーでは10番手前後でしたが、道中において1〜5番手で先行した5頭が皆3着〜7着までにそれぞれ踏みとどまっており、典型的なスローの前残り競馬(逃げ馬の千M通過時は60.6秒)。
勝ち馬は減量騎手の起用による恩恵もあったかと思われますが、いずれにせよ上位に来た面々でさえ先行きには少々不安感を覚えざるをえない、かなり凡庸なレベルのレース内容だと感じます。
2着のディープ産駒に関しては、半兄のショウナンバーズを考察した際のついでに、「こんな半弟が居ますが・・・」と過去記事において言及しています。兄の場合はノーザンダンサー(4×4)の近親クロスが生じる配合なので母のBBLPが低めでもさほど気にしなくてよい感じではありましたが、エックスマークの場合は同(5×4)のクロスと若干影響力が後退するものなので、おそらく母の迂回血ライン継承度が今後に直結しそうに思います。
11/26 京都5R 2歳新馬(芝1600m)
1着 スイートスズラン(母スイートケンメアのBBLP=3:(0,3,0)の凡走パターン)
2着 エーシンスピカ(母バーモントガールのBBLP=4)
3着 リインカネーション(母は同系配合馬)
1つ前の記事で回顧した、同日の京都2Rもマイル戦でしたが、逃げて勝ったゼロスが千m通過59秒ジャストのハイペースをそのまま押し切って1分34秒7と、今後にも期待できそうな内容だったのに比較すると、こちらの新馬戦で逃げたスイートスズランの千m通過は61秒2でいかにもありがち、な超スロー。
勝ち時計も1分36秒6で新馬戦ならまあ水準級、と言えばそうなのかもしれませんが、2Rがそれだけ際立つ内容であるとも考えられますね。
今回の上位馬も、先々につながるかどうかは今回の内容からしてかなり不透明なものに思えますが・・・。
11/26 京都9R 京都2歳S(芝2000m)
1着 トリップ(母ビーポジティヴのBBLP=13)
2着 エーシングングン(母エイシンブイブイのBBLP=9)
3着 マナウス(ノーザンダンサー4×3)
4着 アルキメデス(同系配合馬)
参加している某競馬SNSで登録した予想では、3連単の的中を披露できました。ただ、フォーメーションでの買い目ではマナウスを3着固定としていたので、もし道中2番手追走のまま2着に粘られていた場合には的中できなかった可能性もありましたが(苦笑)。
やはり、当たり外れは時の運、紙一重の差だと感じる次第にて・・・。
勝ち馬トリップについては単勝1.6倍の断然人気に指示され、単・複の妙味は全くなかったのですが相手関係は結構波乱になりそうな面々でした。
特に2着になったジャンポケ産駒、Eグングンは初戦の新潟芝2000mで逃げ切り勝ちを決めていた(その時の2着は上記のハッピーウィーク)のですが、おそらく走破タイムが平凡(2分6秒8)すぎ、と受け止められた故の9番人気だったのかなと。
けれども、前走で2000mを経験していたのはこの馬と4着のアルキメデスだけでしたので、やはり2歳のこの時期は距離そのものを経験しておくことの重要性が高いのだろうと思われますね・・・。
1着 ハッピーウィーク(母マイティカラーのBBLP=9)
2着 エックスマーク(母ショアーのBBLP=6)
3着 テイエムオペラドン(同系配合馬)
連対した2頭こそ4コーナーでは10番手前後でしたが、道中において1〜5番手で先行した5頭が皆3着〜7着までにそれぞれ踏みとどまっており、典型的なスローの前残り競馬(逃げ馬の千M通過時は60.6秒)。
勝ち馬は減量騎手の起用による恩恵もあったかと思われますが、いずれにせよ上位に来た面々でさえ先行きには少々不安感を覚えざるをえない、かなり凡庸なレベルのレース内容だと感じます。
2着のディープ産駒に関しては、半兄のショウナンバーズを考察した際のついでに、「こんな半弟が居ますが・・・」と過去記事において言及しています。兄の場合はノーザンダンサー(4×4)の近親クロスが生じる配合なので母のBBLPが低めでもさほど気にしなくてよい感じではありましたが、エックスマークの場合は同(5×4)のクロスと若干影響力が後退するものなので、おそらく母の迂回血ライン継承度が今後に直結しそうに思います。
11/26 京都5R 2歳新馬(芝1600m)
1着 スイートスズラン(母スイートケンメアのBBLP=3:(0,3,0)の凡走パターン)
2着 エーシンスピカ(母バーモントガールのBBLP=4)
3着 リインカネーション(母は同系配合馬)
1つ前の記事で回顧した、同日の京都2Rもマイル戦でしたが、逃げて勝ったゼロスが千m通過59秒ジャストのハイペースをそのまま押し切って1分34秒7と、今後にも期待できそうな内容だったのに比較すると、こちらの新馬戦で逃げたスイートスズランの千m通過は61秒2でいかにもありがち、な超スロー。
勝ち時計も1分36秒6で新馬戦ならまあ水準級、と言えばそうなのかもしれませんが、2Rがそれだけ際立つ内容であるとも考えられますね。
今回の上位馬も、先々につながるかどうかは今回の内容からしてかなり不透明なものに思えますが・・・。
11/26 京都9R 京都2歳S(芝2000m)
1着 トリップ(母ビーポジティヴのBBLP=13)
2着 エーシングングン(母エイシンブイブイのBBLP=9)
3着 マナウス(ノーザンダンサー4×3)
4着 アルキメデス(同系配合馬)
参加している某競馬SNSで登録した予想では、3連単の的中を披露できました。ただ、フォーメーションでの買い目ではマナウスを3着固定としていたので、もし道中2番手追走のまま2着に粘られていた場合には的中できなかった可能性もありましたが(苦笑)。
やはり、当たり外れは時の運、紙一重の差だと感じる次第にて・・・。
勝ち馬トリップについては単勝1.6倍の断然人気に指示され、単・複の妙味は全くなかったのですが相手関係は結構波乱になりそうな面々でした。
特に2着になったジャンポケ産駒、Eグングンは初戦の新潟芝2000mで逃げ切り勝ちを決めていた(その時の2着は上記のハッピーウィーク)のですが、おそらく走破タイムが平凡(2分6秒8)すぎ、と受け止められた故の9番人気だったのかなと。
けれども、前走で2000mを経験していたのはこの馬と4着のアルキメデスだけでしたので、やはり2歳のこの時期は距離そのものを経験しておくことの重要性が高いのだろうと思われますね・・・。
2011年11月28日
2歳戦 備忘録(38)
11/26 東京7R 2歳新馬(芝1600m)
1着 ヴァリアシオン(母スワンプリンセスのBBLP=7)
2着 ナカヤマアンジュ(考察対象外の父系)
3着 アンバサドゥ−ル(ノーザンテースト4×3)
マイル戦なのに逃げ馬の千m通過時のタイムは63秒ジャスト。2歳戦にありがちとは言え、かなり「激遅」な展開で、当然上がり勝負の様相。
連対した2頭の上がり3Fのタイムが最速で、34秒2というものでした。しかし、馬主が異なるとはいえ、同じハーツクライ産駒で似たような馬名をつけられると実にややこしいですね・・・。
ハ−ツクライ産駒で母のBBLP=7となる現3歳馬(ただし、ダート戦主体の馬は除く)を検索してみますと、
タウレプトン(母レアパール)
リフトザウィングス(母レンドフェリーチェ)
インダクティ(母ホールオブフェーム)
アルマフローラ(母セトフローリアン2)
などが、ざっと挙げられます。いずれも現状においては、条件戦で勝ちあぐねるレースを続けています・・・。
2着のナカヤマアンジュは、父デビッドジュニアがリボーの直系種牡馬。ということでファラリスの直系子孫ではありませんので、迂回血ラインの血統考察概念が当てはまるタイプではありません。
ファラリス直系のサイアーラインが全盛の現代において、なかなか陽の目を見る状況になりにくいタイプではあるものの、今後異系としての存在感が示せるようであれば価値があります。勝ち上がっていけるといいのですが。
3着のアンバサドゥールはサムライハート産駒ですが、ノーザンテースト(4×3)の黄金配合クロスを持ちます。ひとえにこのクロス要素が今後にわたって奏功していくか否か?が全てという感じですかね・・・。
あとの馬では、
4番人気4着 リバーオリエンタル(母メジロダーリングのBBLP=9)
4コーナーではNアンジュとほぼ同じような位置どりながら、こちらはやや伸びを欠く内容。ディープ産駒なのでこういうケースの場合は次走に1800m戦あたりを試すのも一考かと思われますが、陣営の判断がどうなるか・・・。
2番人気5着 グラスメジャー(ミスプロ4×3)
この馬も黄金配合による近親クロスの持ち主。ひと口にミスプロのクロスと言っても、スピード要素が顕著に出る(その場合は1400m前後が得意となるケース)と、そもそもの父祖であるシックルに由来する底力的要素が強めに出ればトレイルブレイザーのような中距離対応型になれるケースなど、ランダムな資質の顕現の仕方が見られるのでなかなか一戦見ただけでは難しいですね。
ただ今回のように超スローなマイル戦を先行して粘りこめずに失速、という負け方は、おそらく距離延長よりも距離短縮が向いていそうな気配は漂いますが・・・。
11/26 京都2R 2歳未勝利(芝1600m)
1着 ゼロス(母サムソンフェアリーのBBLP=9)
2着 オメガセニョリータ(母ショーコのBBLP=12だが・・・)
3着 サンクフルネス(母ナムラメロディはノーザンダンサー4×3)
こちらのレースは勝ち馬ゼロス自身が逃げて、千m通過は59秒ジャストという計時。当然、ハイペースで上がりそのものは掛かる流れではあったものの、ゼロスがそのまま押し切って1分34秒7の好時計。
2着には2馬身差をつけており、走破時計ともどもこちらのレースはなかなか今後に期待を持たせる内容ではないかなと思います。ただ、ゼロスは今後中距離路線への距離延長にこだわるよりも、このまま「生粋のマイラー」として出世していければいいのではないか、という気もします。
2着のタキオン産駒は、母ショーコの血統背景がやや複雑(苦笑)。ショーコの母であるGold Florenly自身がノーザンダンサー直系の両親を持つ同系配合馬で、かつノーザンダンサー(4×3)の黄金配合クロスを持つのです。
これまでに、産駒の母自身が4代以内の近親クロスを持つ場合はBBLPを算出しない、というルール変更を行ってきていますが、2代母自身が強力なクロスを持つ場合は?となると・・・。
2代母がクロスで持っている、ノーザンダンサー(BBLP=2)×2=4という数値を仮に除外対象としてみると、ショーコのBBLP:12−4=8と算定し、今回の決着に限っては、BBLP=9の母を持つゼロスに負けたということで辻褄が合う・・・ようにはなるのですが。
オメガ陣営はこの馬を当初1200m戦で使い出しており、その点でもかなりマイナス要素なのですが、今後1800m戦あたりで好結果が出ればまだ見通しが立つとは言えます。逆に、マイル以下の路線でしか芽が出ないような場合、ショーコのBBLP=8として考察していくことになるかと思います・・・。
このレースで4番人気だったディープ産駒、
12着 ローレルレジェンド(母アサカフジはバックパサー4×4を持つ)
半姉のキョウワジャンヌについては、母アサカフジのBBLP=5を優先的に考察していたら見事に失敗(苦笑)。中距離の芝重賞路線であそこまで走れるレベルだとは思えませんでした。
まあ、バックパサーのクロスを無視していたわけではないものの、主にスピードの資質が強調されているものと考え、逆にローズSや秋華賞では評価しきれなかったんですよね・・・(>_<:)
対する弟のほうは少々、前途多難を思わせる負けっぷり。今後立て直してどこまで?、という気配ですね。今回の感じでは。
1着 ヴァリアシオン(母スワンプリンセスのBBLP=7)
2着 ナカヤマアンジュ(考察対象外の父系)
3着 アンバサドゥ−ル(ノーザンテースト4×3)
マイル戦なのに逃げ馬の千m通過時のタイムは63秒ジャスト。2歳戦にありがちとは言え、かなり「激遅」な展開で、当然上がり勝負の様相。
連対した2頭の上がり3Fのタイムが最速で、34秒2というものでした。しかし、馬主が異なるとはいえ、同じハーツクライ産駒で似たような馬名をつけられると実にややこしいですね・・・。
ハ−ツクライ産駒で母のBBLP=7となる現3歳馬(ただし、ダート戦主体の馬は除く)を検索してみますと、
タウレプトン(母レアパール)
リフトザウィングス(母レンドフェリーチェ)
インダクティ(母ホールオブフェーム)
アルマフローラ(母セトフローリアン2)
などが、ざっと挙げられます。いずれも現状においては、条件戦で勝ちあぐねるレースを続けています・・・。
2着のナカヤマアンジュは、父デビッドジュニアがリボーの直系種牡馬。ということでファラリスの直系子孫ではありませんので、迂回血ラインの血統考察概念が当てはまるタイプではありません。
ファラリス直系のサイアーラインが全盛の現代において、なかなか陽の目を見る状況になりにくいタイプではあるものの、今後異系としての存在感が示せるようであれば価値があります。勝ち上がっていけるといいのですが。
3着のアンバサドゥールはサムライハート産駒ですが、ノーザンテースト(4×3)の黄金配合クロスを持ちます。ひとえにこのクロス要素が今後にわたって奏功していくか否か?が全てという感じですかね・・・。
あとの馬では、
4番人気4着 リバーオリエンタル(母メジロダーリングのBBLP=9)
4コーナーではNアンジュとほぼ同じような位置どりながら、こちらはやや伸びを欠く内容。ディープ産駒なのでこういうケースの場合は次走に1800m戦あたりを試すのも一考かと思われますが、陣営の判断がどうなるか・・・。
2番人気5着 グラスメジャー(ミスプロ4×3)
この馬も黄金配合による近親クロスの持ち主。ひと口にミスプロのクロスと言っても、スピード要素が顕著に出る(その場合は1400m前後が得意となるケース)と、そもそもの父祖であるシックルに由来する底力的要素が強めに出ればトレイルブレイザーのような中距離対応型になれるケースなど、ランダムな資質の顕現の仕方が見られるのでなかなか一戦見ただけでは難しいですね。
ただ今回のように超スローなマイル戦を先行して粘りこめずに失速、という負け方は、おそらく距離延長よりも距離短縮が向いていそうな気配は漂いますが・・・。
11/26 京都2R 2歳未勝利(芝1600m)
1着 ゼロス(母サムソンフェアリーのBBLP=9)
2着 オメガセニョリータ(母ショーコのBBLP=12だが・・・)
3着 サンクフルネス(母ナムラメロディはノーザンダンサー4×3)
こちらのレースは勝ち馬ゼロス自身が逃げて、千m通過は59秒ジャストという計時。当然、ハイペースで上がりそのものは掛かる流れではあったものの、ゼロスがそのまま押し切って1分34秒7の好時計。
2着には2馬身差をつけており、走破時計ともどもこちらのレースはなかなか今後に期待を持たせる内容ではないかなと思います。ただ、ゼロスは今後中距離路線への距離延長にこだわるよりも、このまま「生粋のマイラー」として出世していければいいのではないか、という気もします。
2着のタキオン産駒は、母ショーコの血統背景がやや複雑(苦笑)。ショーコの母であるGold Florenly自身がノーザンダンサー直系の両親を持つ同系配合馬で、かつノーザンダンサー(4×3)の黄金配合クロスを持つのです。
これまでに、産駒の母自身が4代以内の近親クロスを持つ場合はBBLPを算出しない、というルール変更を行ってきていますが、2代母自身が強力なクロスを持つ場合は?となると・・・。
2代母がクロスで持っている、ノーザンダンサー(BBLP=2)×2=4という数値を仮に除外対象としてみると、ショーコのBBLP:12−4=8と算定し、今回の決着に限っては、BBLP=9の母を持つゼロスに負けたということで辻褄が合う・・・ようにはなるのですが。
オメガ陣営はこの馬を当初1200m戦で使い出しており、その点でもかなりマイナス要素なのですが、今後1800m戦あたりで好結果が出ればまだ見通しが立つとは言えます。逆に、マイル以下の路線でしか芽が出ないような場合、ショーコのBBLP=8として考察していくことになるかと思います・・・。
このレースで4番人気だったディープ産駒、
12着 ローレルレジェンド(母アサカフジはバックパサー4×4を持つ)
半姉のキョウワジャンヌについては、母アサカフジのBBLP=5を優先的に考察していたら見事に失敗(苦笑)。中距離の芝重賞路線であそこまで走れるレベルだとは思えませんでした。
まあ、バックパサーのクロスを無視していたわけではないものの、主にスピードの資質が強調されているものと考え、逆にローズSや秋華賞では評価しきれなかったんですよね・・・(>_<:)
対する弟のほうは少々、前途多難を思わせる負けっぷり。今後立て直してどこまで?、という気配ですね。今回の感じでは。
2011年11月27日
ジャパンC 回顧
ブエナビスタについては事前考察でも述べた、「さすが」の一言を再度謹呈したいと思います。
ただ、参加している某競馬SNSでの予想登録でもブエナVを◎にしたものの、対抗として期待のエイシンFは来ず、更にはデインドリームも、「え?、あんなもん?」と失笑するしかない6着。
最強馬たちの集う頂上決戦で千m通過が61秒8などという、G1戦にあるまじき超スローで準OP馬であってもラク〜に追走できるような展開では、14番人気のジャガーメイルが台頭できるのも至極ナットク(苦笑)。
まあそれ以上に、シンガリ負けのペルーサを始めエイシンFもローズKもトゥザGも、それぞれの陣営の「強気発言」は一体何だったのだ?!と言いたくなるショボい結末でした。
私自身は事前考察でペルーサの母に対し、「凡走パターンを持つ」と言及しており、その「血の宿命」をあざ笑う好走を見せるのかどうか、特に注目していました。
このブログで過去にも再三お伝えしている、「凡走パターン」となる血統背景への考察に対して、「懐疑的」ないし、「そんなもんあってたまるか!」的な全否定でもってペルーサを応援していた方もいらっしゃると思います。
私自身、今年2月にスプリングSで2番人気に支持されながら、13着に大敗したリベルタスに対し、事前考察で既に「凡走パターンを持つ母」としていたものの、やはり大敗を目にした時は「衝撃」の一言でした。
ペルーサについても、ゲート難は解消されたとか、藤沢(和)師の紙上コメントでは「父子制覇」も十分ありうるような手応え、としていたようですが、結果はその期待と真逆となる最悪中の最悪、シンガリ負け。
私自身にとっても、今年2度目となる「凡走パターン」の血の宿命の発動を目にし、またしても?となるほどの「衝撃」でした。
「迂回血ライン」の概念に基づく血統研究に没頭する過程で、図らずも浮上する経緯を持つことになった血統考察上の副産物、「凡走パターンを持つ母」の血統背景・・・・。
これまで以上に、この「血の宿命」を持った母馬の産駒に対しては注意が必要かも知れない、と思わされるジャパンCの結末でした・・・。
ただ、参加している某競馬SNSでの予想登録でもブエナVを◎にしたものの、対抗として期待のエイシンFは来ず、更にはデインドリームも、「え?、あんなもん?」と失笑するしかない6着。
最強馬たちの集う頂上決戦で千m通過が61秒8などという、G1戦にあるまじき超スローで準OP馬であってもラク〜に追走できるような展開では、14番人気のジャガーメイルが台頭できるのも至極ナットク(苦笑)。
まあそれ以上に、シンガリ負けのペルーサを始めエイシンFもローズKもトゥザGも、それぞれの陣営の「強気発言」は一体何だったのだ?!と言いたくなるショボい結末でした。
私自身は事前考察でペルーサの母に対し、「凡走パターンを持つ」と言及しており、その「血の宿命」をあざ笑う好走を見せるのかどうか、特に注目していました。
このブログで過去にも再三お伝えしている、「凡走パターン」となる血統背景への考察に対して、「懐疑的」ないし、「そんなもんあってたまるか!」的な全否定でもってペルーサを応援していた方もいらっしゃると思います。
私自身、今年2月にスプリングSで2番人気に支持されながら、13着に大敗したリベルタスに対し、事前考察で既に「凡走パターンを持つ母」としていたものの、やはり大敗を目にした時は「衝撃」の一言でした。
ペルーサについても、ゲート難は解消されたとか、藤沢(和)師の紙上コメントでは「父子制覇」も十分ありうるような手応え、としていたようですが、結果はその期待と真逆となる最悪中の最悪、シンガリ負け。
私自身にとっても、今年2度目となる「凡走パターン」の血の宿命の発動を目にし、またしても?となるほどの「衝撃」でした。
「迂回血ライン」の概念に基づく血統研究に没頭する過程で、図らずも浮上する経緯を持つことになった血統考察上の副産物、「凡走パターンを持つ母」の血統背景・・・・。
これまで以上に、この「血の宿命」を持った母馬の産駒に対しては注意が必要かも知れない、と思わされるジャパンCの結末でした・・・。
2011年11月26日
ジャパンC 考察(後編)
前編で9〜16番を取り上げております。後編は1〜8番を。
遅ればせながらボジョレーヌーヴォーをグビグビと1本空にしつつ、後編に取り掛かる次第にて。若干、ロレツの回らない考察になる恐れもありますが(苦笑)、どうかご容赦を・・・。
1.ジャガーメイル(ノーザンダンサー4×4)
父ジャングルポケットは、「種牡馬単体考察」的に言えばBBLP=12となる種牡馬であり、同じくBBLP=12であるディープインパクトが産駒を送り出すまではある意味、怖いものなしの存在でした。
唯一、欠点があるとすればナスルーラのクロスで、そのクロス要因がマイナス(=主に気性難)として産駒に継承されてしまうと、どんなに高いポテンシャルであっても気性難要素に阻害され、強さを発揮したかと思えば惨敗したりする、ある意味ダンスインザダークとも双璧となる存在と言えます。
ジャンポケ自身のBBLPが高い値なので、配合相手の牝馬のBBLPはさほど高めでなくとも良い、というのは確かにあるのですが、それでもそういう牝馬の場合はやはり、ノーザンダンサーのクロスなどの効果で母自身の底力不足を補完する必要があるのではないか?と推察しますね。
実際、ジャガーメイルの母ハヤベニコマチのBBLP=7で、ジャガーメイル以外に産んだ仔のほとんどが「芝重賞級」とは程遠い現実となっており、ジャンポケとの配合がいかに「異例」となるものかが分かろうというものです。
ジャガーメイル自身は天皇賞・春を勝っているではないか!という評価の仕方は、あまり本質を捉えていない血統評価の仕方です。マイネルキッツと同様、3歳クラシックの時期の活躍とは無縁で、天皇賞・春に前年や前々年のダービー連対馬などが出走した上でそれらを負かせば評価できるものの、そういう状況ではありませんでしたし、天皇賞・春以外のG1戦で連対したか?というとそれも否です。
昨年こそ4着と健闘していますが、今年は外国馬(特に凱旋門賞連対馬)が別格であり昨年とは正に雲泥の差。かつ日本馬も昨年以上に充実したローテの馬が多くを占めています。苦戦必至とみます・・・。
2.ブエナビスタ(ニジンスキー4×3の近親配合を持つ)
ぶっつけの前走は、正直言って掲示板も危ういのではないか?と懸念されましたが、終わってみれば不利があったり万全の体調・気力ではない中での4着となりさすが、の一言しかありませんでした。
ここに至り調教の内容でも本来のデキを取り戻しているようで、叩いた効果はテキメンであろうと推察されます。有馬記念がラストランとして控えていると言ってもあくまでもそこは祭典、お疲れ様でした的な有終の舞台であって、世界的名馬を相手にしての真剣勝負の場としては、ここジャパンCこそが実質的に最後となるであろう舞台。
完全燃焼して欲しいなと願っています。これだけ、「黄金配合」の凄さを世に知らしめた牝馬も空前絶後でしょう。まさに、「迂回血ライン」の効力さえも霞みに霞む(苦笑)、これぞ配合の妙というしかない女傑中の女傑です・・・。
3.ローズキングダム(母ローズバドのBBLP=10)
前走は不完全燃焼でしょう。テン乗りのメンディザバル騎手も思わぬハイペース追走で、日本の高速馬場での経験不足がモロに響いたというしかない結末。
ただ、展開に負けた部分が大きいとは言っても、さすがにあそこまで着順を落とすのはやや想定外。この馬もまだまだ5歳以降でも主役を張る必要のある存在ですので、今回もし不甲斐ない結果となってしまった場合は今後も期待しにくい様相を呈します。実は早熟気味なだけだった、となると残念というしかないですね・・・。
4.オウケンブルースリ(ノーザンダンサー4×4、母は同系配合馬)
この馬が菊花賞に出走時のころは、迂回血ラインの要素を「阻害」もしくは「打ち消す」ような配合パターンへの検証がまだ不十分で、母シルバージョイのBBLP=6として見るのみで軽視し、イタい目に遭いました(苦笑)。
現在、2歳馬や3歳馬を血統考察する場合にはこれを「教訓」として、母自身が同系配合馬であったり、4代以内の近親クロス要素を持つケースではそちらを優先して考察するように考えを改めています。
そもそも母のシルバージョイはノーザンダンサー(4×3)の黄金配合クロスを持つ同系配合馬。二重の面で迂回血ライン継承度が反映されにくい血統背景を持つ繁殖牝馬でした。
ただ、ジャガーメイルの項でも述べたように父のジャンポケは高いポテンシャルを産駒に継承させつつも、同時に気性面の不安定さもかなりの確率で伝達させてしまう種牡馬です。
オウケンBも、そういう精神面のスランプに陥っている感じは何度か見受けられましたね。折角、ウオッカとの好勝負を演じた2009年のジャパンCでの健闘があっても、継続的な強さ発揮には至らないという・・・。
結局は、母にしろオウケンB自身にしろノーザンダンサー血脈のコテコテ度で「嵌まった時だけ」の強さ発揮、という印象は強いですね。昨年のローテから比較すれば今年の経緯のほうがかなりいいものの、若い馬たちの台頭もあるだけにさすがにここを復活の場とするには、少々時期を逸した感は否めないですね・・・。
5.トレイルブレイザー(ミスプロ4×3の近親配合を持つ)
母父フォーティナイナー、に固執した血統考察を展開していればそもそも、とても狙いにくいハズの馬ですが(苦笑)、母父がウンヌンという狭い考察で血統予想できない時代になった、ということをある意味で証明してくれている馬だとも言えますね。
まあ、この馬も黄金配合の妙、というものが前面に出ている配合というしかないものの、前走のアルゼンチン共和国杯にしろオウケンBには失礼ながらG1級の面々を下しての勝利というものではなく・・・。
トーセンジョーダンの項でも述べたとおり、2500m戦を勝っているからといって、あくまでもそこは「旬のG1馬」が存在しない程度のG2戦に過ぎず、本質的な距離適性で勝ったものではなく、むしろ2000mがトレイルブレイザーの本領発揮の舞台でしょう(G1路線においては、という意味ですが)。
6.トゥザグローリー(ヌレイエフ4×3の近親配合を持つ)
デビューがやや遅めだったこともあり、能力開花には時間を要しましたがやはり黄金配合クロスを持つタイプはいずれどこかで爆発だー、という印象。
ただ、当初は母トゥザビクトリーのBBLP=11を重視して主に考察していた時期があったものの、黄金配合クロスの持つ「負の側面」ともいうべきモロさとして2戦連続13着という事態につながってしまったと思われ、やはり近親配合のほうを重く見るべきかと。
前走で10番人気5着と、復活の気配はそれなりに感じさせるものの、この馬もどちらかというと2400mではなく2000m寄りの適性だからこその5着だったのかな?という印象も。
今回、超〜スローになれば台頭の余地もありかと思いますが、その展開は他の「瞬発力系」たちも望むところでしょうし、ね・・・。
7.ペルーサ(母アルゼンチンスターのBBLP=8:(7,1,0)の凡走パターン)
ここまで例外的にOP馬として活躍するに至った「母は凡走パターン」となるタイプの馬を、ペルーサ以外にはちょっと探し出せませんね(苦笑)。
もちろん、父ゼンノロブロイのBBLP=11がかなり大きく作用している面もありそうですが、同時にペルーサ自身は5代アウトブリード配合の持ち主であり、ある意味で潔い血統構成です。
昨今、特定の種牡馬の血脈を3つも4つも重ねて持つコテコテ度で活躍度につなげる馬たちばかりが目立つ中、父も母も5代アウトブリード、さらには「2代母」もアウトブリードであるというのはかなり冒険とも言えるようなもの。
ただ、新馬から青葉賞までの4連勝以降は、善戦はあっても「勝利」が一度もないのはやはり・・・。
8.ヴィクトワールピサ(ヘイロー3×4の近親配合を持つ)
この馬に対しては当初から、黄金配合クロスの要素が効果を発揮しない限りOP級の活躍はない、と思っていました。母ホワイトウォーターアフェアのBBLP=3:(2,0,1)の凡走パターン、だからですね。
まあ、黄金配合クロスの効果がこの上ないパワーとなって炸裂しましたので、母自身の血統背景の懸念は意に介する必要も無さそうですが(苦笑)。
ただ、何となくですが、アンライバルドにしろロジユニヴァースにしろ、一度連勝の勢いというものが削がれると、それまでの「途轍もない強さ」が一気に影を潜め、並みの馬になってしまうという傾向はなんだかありそうな・・・。
「旬の時期は短い」というネオユニヴァース産駒の典型例とならないように願っていますが、はたして?
遅ればせながらボジョレーヌーヴォーをグビグビと1本空にしつつ、後編に取り掛かる次第にて。若干、ロレツの回らない考察になる恐れもありますが(苦笑)、どうかご容赦を・・・。
1.ジャガーメイル(ノーザンダンサー4×4)
父ジャングルポケットは、「種牡馬単体考察」的に言えばBBLP=12となる種牡馬であり、同じくBBLP=12であるディープインパクトが産駒を送り出すまではある意味、怖いものなしの存在でした。
唯一、欠点があるとすればナスルーラのクロスで、そのクロス要因がマイナス(=主に気性難)として産駒に継承されてしまうと、どんなに高いポテンシャルであっても気性難要素に阻害され、強さを発揮したかと思えば惨敗したりする、ある意味ダンスインザダークとも双璧となる存在と言えます。
ジャンポケ自身のBBLPが高い値なので、配合相手の牝馬のBBLPはさほど高めでなくとも良い、というのは確かにあるのですが、それでもそういう牝馬の場合はやはり、ノーザンダンサーのクロスなどの効果で母自身の底力不足を補完する必要があるのではないか?と推察しますね。
実際、ジャガーメイルの母ハヤベニコマチのBBLP=7で、ジャガーメイル以外に産んだ仔のほとんどが「芝重賞級」とは程遠い現実となっており、ジャンポケとの配合がいかに「異例」となるものかが分かろうというものです。
ジャガーメイル自身は天皇賞・春を勝っているではないか!という評価の仕方は、あまり本質を捉えていない血統評価の仕方です。マイネルキッツと同様、3歳クラシックの時期の活躍とは無縁で、天皇賞・春に前年や前々年のダービー連対馬などが出走した上でそれらを負かせば評価できるものの、そういう状況ではありませんでしたし、天皇賞・春以外のG1戦で連対したか?というとそれも否です。
昨年こそ4着と健闘していますが、今年は外国馬(特に凱旋門賞連対馬)が別格であり昨年とは正に雲泥の差。かつ日本馬も昨年以上に充実したローテの馬が多くを占めています。苦戦必至とみます・・・。
2.ブエナビスタ(ニジンスキー4×3の近親配合を持つ)
ぶっつけの前走は、正直言って掲示板も危ういのではないか?と懸念されましたが、終わってみれば不利があったり万全の体調・気力ではない中での4着となりさすが、の一言しかありませんでした。
ここに至り調教の内容でも本来のデキを取り戻しているようで、叩いた効果はテキメンであろうと推察されます。有馬記念がラストランとして控えていると言ってもあくまでもそこは祭典、お疲れ様でした的な有終の舞台であって、世界的名馬を相手にしての真剣勝負の場としては、ここジャパンCこそが実質的に最後となるであろう舞台。
完全燃焼して欲しいなと願っています。これだけ、「黄金配合」の凄さを世に知らしめた牝馬も空前絶後でしょう。まさに、「迂回血ライン」の効力さえも霞みに霞む(苦笑)、これぞ配合の妙というしかない女傑中の女傑です・・・。
3.ローズキングダム(母ローズバドのBBLP=10)
前走は不完全燃焼でしょう。テン乗りのメンディザバル騎手も思わぬハイペース追走で、日本の高速馬場での経験不足がモロに響いたというしかない結末。
ただ、展開に負けた部分が大きいとは言っても、さすがにあそこまで着順を落とすのはやや想定外。この馬もまだまだ5歳以降でも主役を張る必要のある存在ですので、今回もし不甲斐ない結果となってしまった場合は今後も期待しにくい様相を呈します。実は早熟気味なだけだった、となると残念というしかないですね・・・。
4.オウケンブルースリ(ノーザンダンサー4×4、母は同系配合馬)
この馬が菊花賞に出走時のころは、迂回血ラインの要素を「阻害」もしくは「打ち消す」ような配合パターンへの検証がまだ不十分で、母シルバージョイのBBLP=6として見るのみで軽視し、イタい目に遭いました(苦笑)。
現在、2歳馬や3歳馬を血統考察する場合にはこれを「教訓」として、母自身が同系配合馬であったり、4代以内の近親クロス要素を持つケースではそちらを優先して考察するように考えを改めています。
そもそも母のシルバージョイはノーザンダンサー(4×3)の黄金配合クロスを持つ同系配合馬。二重の面で迂回血ライン継承度が反映されにくい血統背景を持つ繁殖牝馬でした。
ただ、ジャガーメイルの項でも述べたように父のジャンポケは高いポテンシャルを産駒に継承させつつも、同時に気性面の不安定さもかなりの確率で伝達させてしまう種牡馬です。
オウケンBも、そういう精神面のスランプに陥っている感じは何度か見受けられましたね。折角、ウオッカとの好勝負を演じた2009年のジャパンCでの健闘があっても、継続的な強さ発揮には至らないという・・・。
結局は、母にしろオウケンB自身にしろノーザンダンサー血脈のコテコテ度で「嵌まった時だけ」の強さ発揮、という印象は強いですね。昨年のローテから比較すれば今年の経緯のほうがかなりいいものの、若い馬たちの台頭もあるだけにさすがにここを復活の場とするには、少々時期を逸した感は否めないですね・・・。
5.トレイルブレイザー(ミスプロ4×3の近親配合を持つ)
母父フォーティナイナー、に固執した血統考察を展開していればそもそも、とても狙いにくいハズの馬ですが(苦笑)、母父がウンヌンという狭い考察で血統予想できない時代になった、ということをある意味で証明してくれている馬だとも言えますね。
まあ、この馬も黄金配合の妙、というものが前面に出ている配合というしかないものの、前走のアルゼンチン共和国杯にしろオウケンBには失礼ながらG1級の面々を下しての勝利というものではなく・・・。
トーセンジョーダンの項でも述べたとおり、2500m戦を勝っているからといって、あくまでもそこは「旬のG1馬」が存在しない程度のG2戦に過ぎず、本質的な距離適性で勝ったものではなく、むしろ2000mがトレイルブレイザーの本領発揮の舞台でしょう(G1路線においては、という意味ですが)。
6.トゥザグローリー(ヌレイエフ4×3の近親配合を持つ)
デビューがやや遅めだったこともあり、能力開花には時間を要しましたがやはり黄金配合クロスを持つタイプはいずれどこかで爆発だー、という印象。
ただ、当初は母トゥザビクトリーのBBLP=11を重視して主に考察していた時期があったものの、黄金配合クロスの持つ「負の側面」ともいうべきモロさとして2戦連続13着という事態につながってしまったと思われ、やはり近親配合のほうを重く見るべきかと。
前走で10番人気5着と、復活の気配はそれなりに感じさせるものの、この馬もどちらかというと2400mではなく2000m寄りの適性だからこその5着だったのかな?という印象も。
今回、超〜スローになれば台頭の余地もありかと思いますが、その展開は他の「瞬発力系」たちも望むところでしょうし、ね・・・。
7.ペルーサ(母アルゼンチンスターのBBLP=8:(7,1,0)の凡走パターン)
ここまで例外的にOP馬として活躍するに至った「母は凡走パターン」となるタイプの馬を、ペルーサ以外にはちょっと探し出せませんね(苦笑)。
もちろん、父ゼンノロブロイのBBLP=11がかなり大きく作用している面もありそうですが、同時にペルーサ自身は5代アウトブリード配合の持ち主であり、ある意味で潔い血統構成です。
昨今、特定の種牡馬の血脈を3つも4つも重ねて持つコテコテ度で活躍度につなげる馬たちばかりが目立つ中、父も母も5代アウトブリード、さらには「2代母」もアウトブリードであるというのはかなり冒険とも言えるようなもの。
ただ、新馬から青葉賞までの4連勝以降は、善戦はあっても「勝利」が一度もないのはやはり・・・。
8.ヴィクトワールピサ(ヘイロー3×4の近親配合を持つ)
この馬に対しては当初から、黄金配合クロスの要素が効果を発揮しない限りOP級の活躍はない、と思っていました。母ホワイトウォーターアフェアのBBLP=3:(2,0,1)の凡走パターン、だからですね。
まあ、黄金配合クロスの効果がこの上ないパワーとなって炸裂しましたので、母自身の血統背景の懸念は意に介する必要も無さそうですが(苦笑)。
ただ、何となくですが、アンライバルドにしろロジユニヴァースにしろ、一度連勝の勢いというものが削がれると、それまでの「途轍もない強さ」が一気に影を潜め、並みの馬になってしまうという傾向はなんだかありそうな・・・。
「旬の時期は短い」というネオユニヴァース産駒の典型例とならないように願っていますが、はたして?