2011年06月
2011年06月27日
2歳戦 備忘録(2)
予想としてはどちらかを◎にするしかないので、どうせなら牝馬で人気も低めのアドマイヤムーン産駒にしようということで、単勝は外しました(苦笑)。
一応、どちらか一方がコケてもいいようにという予想の仕方をしたので、参加している某競馬SNSではプラス収支での的中は出来ています。
1、3着が共にノーザンダンサー系の両親を持つ同系配合馬であったことは、やはり意味はあると思います。中山の芝中距離で問われることの多い、いわゆる持続力に富む能力&適性ですね。
事前評価では父に対し辛口の文句?をつけたMロブストですが、特に印象は変わらないですね。今後の展開でも好走を続けるようなら、父の欠点が同系配合の要素でうまく丸まっているのだろうと判断します。
千m通過時のミステリアスパワーの計時が64秒5で、いかにもという感じの超スローの展開でしたが、2着パスオブトゥルーが上がり3F最速の33秒9!というのを中山で叩き出すなんて、古馬でもなかなか居ないでしょうから、これはかなり次走以降にも期待出来そうですね。
この馬の場合は父アドマイヤコジーンのBBLP=5が将来的にかなりネックとなる値ですが、母自身が持つミスプロの黄金配合クロスの要素と、母父及びサンデーSの良さが上手く融合すれば、2000m辺りまででも好勝負していけそうな気配です。2戦目以降も要注目ですね。
3着オペラダンシングはTARGETで取得した坂路調教データで見る限りなかなか優秀(1週前調教の美浦坂路で51秒9、2ラップ目と3ラップ目が12秒1、12秒0で、終いのみ失速気味で13秒5)でした。
この時計が出せれば人気かな?と思っていたのですがレース当日は6番人気。この馬の複勝と、Pトゥルーとのワイドが的中できました。
カレイメモワールの場合は競馬そのものに戸惑っていたのか、ただ周ってきただけの印象です(苦笑)。ですが1番人気のDメジャー産駒フロムクローバーズには先着しており、2番人気だった牝馬マイネエミリーともども、次走以降は牝馬限定の未勝利戦で見ておきたいところです。
敗れたフロムCですが、2週前に計時された美浦坂路の内容は52秒6で、道中最速のラップでも12秒8が2度あるという程度。上記オペラDの調教内容に比較すれば、週が異なるにしてもかなり印象では劣ります。
コース追いでの調教内容は時計面での良し悪しが判定しづらいのでよく分かりませんが、やはりクラブ所有馬というのは「馬主の方々」の過度な欲求がオッズにダイレクトに反映されるようです(苦笑)。
超スローで好位(4番手)追走ながら全くもって伸びを欠くという内容は、距離適性的に1800mが長すぎた可能性も匂わせますね。次走以降は牝馬限定のマイル以下に短縮させてみるのが良いのでは?と推察します。陣営の判断がどうなるかは不明ですが。
一方阪神での新馬戦は芝1400m戦であったため、現段階での勝ち負けが将来的にどうこう、というのは特にないのですが、◎にしたピエナアプローズに関しては両親がヘイロー系であることによる同系配合馬だということ、さらにヘイロー(3×4)の黄金配合によるクロスを持つため、この要素の奏功次第で将来どうか?という感じですかね・・・。
一応、次走以降で距離延長のマイル戦などでも結果が残せれば、それなりに奏功していきそうだとみなします。
1番人気で3着に敗れた「キンカメ×母父サンデーS」となるトレンド配合馬、
エーシンエムディー(母エイシンルーデンスのBBLP=6)
こちらは逆に距離延長などがネックとなる可能性を感じます。25日にはフレンチデピュティが父となる半姉、エーシンリジルが中山芝1200mの船橋Sで1番人気に応えて勝利しOP入りを果たしましたが、父が異なるにしても距離適性的にはほぼ似たような姉妹ではないかと推察します・・・。
勝ったニンジャも2着ピエナAも、広義においてはヘイルトゥリーズン系の両親を持つ同系配合馬、という共通項があったと言えますね。
ディープ産駒で5番人気4着だった、
アルアマーナ(母オネストリーダーリンのBBLP=9だが考察外)
この牝馬には全姉の3歳サンレガーロがいるものの結果がまだ出ず未勝利。この姉妹の母Oダーリン自身はノーザンダンサー(4×4)の近親クロスを持っており、結果的に姉妹たちにとってはノーザンダンサー(5×5・5)という、トリプルラインの5代内クロスが生じます。
常々、こういうノーザンダンサー特有の重たさを助長しかねない配合となるディープ産駒の存在に対しては、個人的にはかなり辟易とさせられます。(私自身は、『無造作な配合』と呼びたい)
おそらく、この配合に際しては生産現場において、「母父キングマンボ」だけしか視野に入っていないのでしょう。
父ディープ自身の良さ・利点は、こういう配合ではおそらく多くのケースで打ち消されてしまうと思います。競走馬としてはもとより、繁殖牝馬になるにしても、かなり重たい要素を産駒に伝達してしまうでしょうしね・・・。
2011年06月26日
宝塚記念 回顧
思えば2009年の神戸新聞杯で、このブログの事前考察では滅多にやらない◎宣言をイコピコにしたのは、S台系列の馬ばかりが常に馬券になる昨今の「競馬界のビジネス力学」に対して、なんとか中小牧場生まれの馬に勝ってもらいたいという願いを込めての、応援のつもりもありました。
結果的にですがズバリと予想がハマり、個人的にも溜飲を下げる想いを遂げることができました。そしてイコピコは終生忘れえぬ馬の1頭になるだろうと、その後の不振続きでも常にエールを送ってきました。
ただ、冷静に母ガンダーラプソディのBBLP=8という値を勘案すると、古馬以降は2000m以上の重賞では苦戦を強いられるのではないか?という懸念はずっと持っていました。
脚元の不安もつきまとっていたようですが、あえて今回宝塚記念への出走を見送り、陣営が好勝負を演じるのに最適な中山のOP特別(芝1800m)を選択してきた時点で、再度の期待を込め単勝を購入しました。
直線を向いて大きく失速していく姿を垣間見た時、「あっ、ヤバそうだ」と嫌な予感が走りましたが、村田騎手が下馬したというアナウンスを聞いて、唇を噛み締めるしかありませんでした・・・。
常に立て直しに尽力されていたイコピコ陣営に対しては、努力は報われませんでしたがこの経験を糧に、他の管理馬たちの躍進につなげて欲しいと願っています・・・(合掌)。
さて、春のG1戦総決算、宝塚記念ではダービー馬エイシンフラッシュの復権に期待を込め、◎として発走を待ちました。
結果はアーネストリーの持ち味を最大限に引き出した哲三騎手の最高のパフォーマンスにより、レコードタイムを叩き出す完璧な勝利。
事前考察では、「もはやピークを過ぎた感あり」などと評してしまい、誠に申し訳なく思います。
思えば、逃げ馬や番手追走の馬が「先行して完勝」するような時というのは、常に「競馬の醍醐味とはこれだ!」、と再認識させれられてしまいますね。
サイレンススズカ然り、タップダンスシチー然り、キャプテントゥーレもまた然り・・・。
昨今、超スローで逃げているだけなのに後続がさらに輪をかけたドスローで追走して逃げ馬を捕らえ切れず、「これで重賞なのか?」と思いたくなるような「名ばかり重賞」のオンパレードのような現象が多く見られましたが、番手追走でもレコードタイムを叩き出すのであればその走りはまさしく、「本物」というしかありません。素直に脱帽し、敬意を表したいと思います。
また、馬場が悪化しなかったことで、ブエナVは本来の輝きが保てたと思います。さすがでしたね。エイシンFに関しては、アンカツさんの追い出しのタイミングがかなり遅かったような(苦笑)・・・。
馬に不満はないですが、鞍上には少々、文句を言っておきたいところです。タラレバ論であっても。
5着に敗れたルーラーSですが、個人的には良馬場ならあんな感じだろうと思っていました。馬場が前走同様に不良に近くなった場合は、馬券に絡めるつもりでいましたが。
金鯱賞の勝ち方は確かにハデだったのですが、不良馬場でいかにも負荷がかかるような直線のゴボウ抜きをさせるのは、たとえ勝ってもあとあと体力的に堪えるのではないか?とも危惧していました。
多くのプロ予想家の方々は、口々に「ルーラーSは強い、本格化だ!」と息巻いておられたようですが(苦笑)。
結果的には押さえておいたワイド馬券2点の的中にとどまり、見事にガミとなってしまいましたが、哲三騎手には賞賛の拍手を惜しみなく送りたいと思います。
これぞまさしく、「男子の本懐」といった感じでした。G1勝利、おめでとうございます。
2011年06月25日
2歳馬の血統 分析(10)
6/26 中山5R 2歳新馬(芝1800m)
1.パスオブトゥルー(母ラヴィーダのBBLP=16も、かなり微妙・・・)
母の父はウォーエンブレム(BBLP=8)で、母の血統背景全体の半分を占める迂回血ラインを持ちます。ミスプロ系種牡馬としても有望な存在でしたが、ご存知のとおり気に入った繁殖牝馬でないと絶対に「その気」にならず、コンスタントに産駒を輩出するという種牡馬本来の仕事が全く出来ていないという大きな欠点があります。
そんな気分屋の父を持つ母馬なのですが、この母自身がミスプロ(3×4)の黄金配合による近親クロスを有することにより、考察が面倒になるタイプでもありますね(苦笑)。どっちの要素が奏功するんだか・・・。
2.タヂカラオー(母ファンシーオレンジのBBLP=7)
ややスピードの要素に特化した血統背景の母で、ズブめの産駒を出しがちなリンカーンにとっては救いの要素となる可能性もありますが、母の血が優位に出ると1800m以上では苦戦傾向になりそうな気配。
3.マイネルロブスト(母コウエイベラドンナのBBLP=考察外)
この馬の両親は共にノーザンダンサー系。父ゼンノエルシド自身の大きな欠点は再三述べているとおり、ネアルコの血量(11.72%で最上位)の占める割合です。
同系配合の要素により、ノーザンダンサーそのものの特性がMロブストにとって奏功する可能性はあるかもしれないのですが、いくら現時点での仕上がりに良さそうな気配があっても、M・M軍団特有の育成施設の充実が効果的に寄与している可能性も大で、あまり将来性ウンヌンを語れる配合ではなさそうですね・・・。
4.メイヴィーナス(母サパスのBBLP=6だが、おそらく考察外)
異系要素が強めの母で、リボー直仔グロースターク(5×3)のクロスを持つのが特徴です。ただ、相手の種牡馬がバゴとなるメイヴィーナスの場合、自身がヌレイエフ(3×4)及びミスプロ(4×3)のW黄金配合を持つことによって、その要素の持ち味が前面に出る可能性を秘めます。(不確定要素も大きいけど)
この牝馬自身がいずれ繁殖に上がる場合、ディープインパクトとの配合が視野に入りそうですね。バゴの父はナシュワンですが、このナシュワンの母が、Bustino(その父Busted)とHighclereという父母の配合で、ディープ自身の2代母、Burghclere(父Busted、母Highclere)と、いわゆる「4分の3同血」ってヤツだからですね。
まあ、その辺の詳細な見解は某血統研究のプロにお任せしたほうがよろしいのでしょう。私ごときが申すよりも・・・。
5.フロムクローバーズ(母フェリシアのBBLP=12だが・・・)
母自身はノーザンダンサー(4×4)を持つことに加え、懸念材料としてはネアルコの血量(10.55%で次点)の多さが挙げられます。「そんな細かいこと言って、もし勝ち上がっていったらどないすんねん?」と揶揄する声もあるでしょうが(苦笑)、勝ち上がっても尚ずっと好走を続けていくのでしたら、それはそれでいいと思います。あくまでも懸念、なので・・・。
相手の種牡馬がDメジャーということで、同系配合の要素も浮上します。気性面に問題なければ、同系配合の要素でそれなりに好成績となっていくのかも・・・。
6.マイネエミリー(母マイネメリアンのBBLP=12だが・・・)
こちらも手放しでは推奨しかねる母です。半兄マイネルギブソンが初戦から2連勝した時は、「おや〜このまま好走を続けるのかな?」と注視していたのですが、かなり急降下の尻すぼみ・・・。
こちらの母の場合、母の父パントレセレブル自身がネアルコの血量(10.94%)で大台超え。マイネメリアン自身はノーザンダンサー(3×5)の強めの近親クロスを持つので、こちらの要素がステイゴールドの母方血脈と呼応すればいいのかもしれませんが、しばらくは様子見が妥当か、というところ。
7.チョウウン(母エビスコスモスのBBLP=4:(4,0,0)の凡走パターン)
バゴ産駒ということで仕上がり早の良さはあるかもしれないものの、どちらかというとマイル以下が合っているのではないかと推察します。
8.ディアコメット(母サムタイムのBBLP=3:(1,0,2)の凡走パターン)
こういう、現代的には芝の活躍馬を出しにくい状況にある母の場合、父のBBLPが10以上であれば、かなり父側のポテンシャルが優位に出て、母方全体の底力不足を大幅に補填してしまうケースがあります。
キンカメはBBLP=11で、MカフェのBBLP=11とも拮抗しリーディングサイアー争い(ただし芝部門)でハイレベルに推移し、後進ディープインパクト(BBLP=12)が現状たった1世代目で上位に猛追するという構図。
おそらくディープ2年目産駒たちも順当に活躍し、来年以降はTOPに立つ可能性は高い(繰り返すが芝部門限定での話)でしょう。
キンカメ産駒たちが皆、まだまだ頑張る構図もあるでしょうが、やはり母自身の血統背景を味方に出来ないといくらキンカメの万能性を持ってしても、限界はあるでしょうね・・・。
9.ミスワールド(母チャランダのBBLP=考察外)
こちらはまたも両親がノーザンダンサー系。父アラムシャーについても、ゼンノエルシドと全く同様の欠点、ネアルコ血脈の過多(計11ラインで血量は次点の8.2%)が挙げられるでしょう。
血量が最上位ではなくとも、次点か、大台の10%超え、或いは経由ライン数が10を超える場合、ネアルコ直系の種牡馬及び繁殖牝馬で、私の場合は懸念材料とみなします。
もちろん、ミスワールド自身が持つニジンスキー(4×3)の黄金配合による近親クロスが絶大なる効果を発揮していくケースの場合、そんな懸念材料などは豪快にフッ飛んでいってしまう可能性もあるでしょうが(苦笑)。
10.ミステリアスパワー(母ベーゼドフラームのBBLP=7)
昨年、ハーツクライの初年度産駒たちも、初期段階の新馬戦では好走するケースが目立ちました。ですが、徐々にマイル以上の距離での新馬戦が増え、ディープ産駒が続々と登場するにつれて、その勢いは大幅に削がれていった印象があります。
「鬼の居ぬ間」ではないですが(苦笑)、結局はDメジャー産駒たちもディープ2年目産駒たちが出揃ってくるまでの間、どれだけ早く活躍度を示しておけるか?にかかっていることでしょうね・・・。
11.カレイメモワール(母ラピュセルのBBLP=16だが・・・)
半姉にカレイジャスミン。この姉の場合は父タヤスツヨシのBBLP=5が種牡馬としてはいかにも力量不足、と判断するしかなかったですね。
ですが、父がアドマイヤムーン(BBLP=12)に替わり、かなり様相が違ってくると思われます。アドマイヤムーンはキンカメよりBBLPが1つ多い利点があるものの、サンデーSの血を内包することで当然、サンデーS牝馬を味方につけることはほぼ不可能です。(無謀な配合を試みる生産者がいないとも限りませんが)。
その部分で、キンカメとのリーディングサイアー争いが将来どうなっていくかの興味は尽きませんね。
母ラピュセル自身はノーザンダンサー(3×4)の黄金配合をもっているため、この要素で産駒が活躍するのか、或いは母全体のBBLPの値の高さが奏功するのか、非常に読みづらいです(苦笑)。
12.オペラダンシング(母セイントリーブレアのBBLP=考察外)
両親の父系だけで見れば、コテコテの欧州血統で、ノーザンダンサー系のいいトコ取りが出来れば何も言うことはないんでしょう・・・。
ただ調教時計を見ると意外と言っては失礼ですが素軽さも備わっているようで、重馬場に強そうなだけではないのかもしれませんね。
同系配合の場合、「父と母父」の見た目の(字ヅラ上の)重厚さ、血統イメージよりも、距離適性がやや短めにシフトする傾向があるように思います。その辺の傾向がどう出るかの興味はありますね、このタイプには。
13.スピードパンジー(母メイプレンピーチのBBLP=考察外)
色々な意味で母の血統背景の考察は難しくなります。まず、配合相手の種牡馬タップダンスシチーは「ファラリスの直系子孫」ではありません。この時点で、母が持つ迂回血ラインでの考察は無意味と化します。
また、母自身はBBLP=10以上の値を持ちますが、ノーザンダンサー(4×4)という近親クロスを有します。この要素があると、相手の種牡馬がファラリスの直系子孫であっても、近親先祖のクロス影響度のほうが強いだろうと判断するケースになろうかと思います。
いずれにせよ、タップダンスシチーが現役時代にどれだけの活躍度を見せたとしても、「ファラリス直系子孫たちの全盛時代」における種牡馬としての不振は、ある意味で仕方のないことと受け止めるしかないのかもしれません。
私自身、タップDCの現役時代の走りは非常に好きでしたし、「逃げ馬の、強さと危うさ」というものが同居する、ついつい応援したくなるようなタイプだったと思います。
種牡馬としての不振ぶりには目を覆いたくなるばかりですが・・・。残念ですね、このまま活躍馬が出てこないようだと・・・。
14.ディアワイズマン(母オードトワレのBBLP=考察外)
この馬自身がミスプロ(3×4)の、黄金配合による近親クロスを有します。この要素が大きくプラスに作用するのならば、強い馬になっていくのかもしれませんが、芝馬とならず、ダートで強い馬になる可能性も当然ありますので、まあ見守っていくしかないですね、こういう配合要素を持つタイプの場合は・・・。
宝塚記念 出走馬の「下」は・・・。
以前、通りすがりの方からコメントで、「中島理論」を勉強しなければダメだ、とか、同系配合というより「世代ズレ」だろう、とかいう、一般に広く受け入れられている?・・・理論や用語を持ち出すものに「洗礼」?を受けています(苦笑)。
著名な五十嵐理論とか、中島理論、R・Y二郎氏の配合論などに精通することが血統を語る上での「最低条件」だ、と考えているような方々がおられる場合、私はその条件に合致していないタイプと映るでしょう。
ですが私の場合はむしろ、そのような一般に広く知られている諸理論にあえて目を向けることなく、自分の感じたままに自分の提示する仮説でもって、このブログを続けていきたいと思っています。
中島理論を極めたいと思う人は、自分がそうすればいいのであって、人に強制するようなものではないはずです。英語を話したいと思う人は、誰に言われるでもなく、自分から率先してスピードラーニングなりを利用するか、著名な英会話スクールに通うでしょう(苦笑)。血統の勉強も、それと同じです。
自分がアプローチしたいやり方で、十人十色の血統の勉強法があろうかと思います・・・。
とまあ、それはさておき、宝塚記念というG1レースは、某血統予想のプロが指摘される、「3歳クラシック本番で馬券に絡めなかったようなタイプが、初G1制覇となるケースが多い」とされています。
また2200mというのは、いわゆる根幹距離(2400mを基軸とする、400m刻みの距離体系)からはズレており、根幹距離で強い血統よりもズレた、1800mや2500mなどの非根幹距離に強い血統が台頭する、という感じでもありますね。
まあ過去の宝塚記念の勝ち馬の傾向を見ると、確かにそんな感じがなきにしもあらずの様相は呈します。あとは梅雨前線真っ盛りの時期のG1戦ということもあり、道悪適性のほうが重要度を増す性格を帯びていることも、血統考察においてはその適性を鑑みる必要性もあるでしょうね。
個人的には当然、「道悪は厄介である」という印象のほうがまず先にきますが(苦笑)。
まあ、G1勝利経験のある馬が豪華に出揃うという意味においては楽しみな一戦には違いないのですが。
1.ナムラクレセント(母のBBLP=0Tw,0Tw,0)
こういう母(異系要素オンリー)は珍しいタイプですね。母の父系は異系トウルビヨン直系で、母の母の父も同じくトウルビヨン系です。Twというのは、それぞれ2系統でトウルビヨンのラインを継承している、という意味です。
種牡馬ヤマニンセラフィムにとって唯一の出世産駒、といってよい状況ですが、やはりヤマニンセラフィムの母系にちゃんと、異系トウルビヨンの血のラインが1つ存在することは無視できないでしょうね。
ファラリスの直系子孫とは全く無関係の母馬が、こういう活躍馬を出してくるというのは正に「ロマン」の一言だと思います。残念ながらこの母が産んだ現2歳馬はいない模様です・・・。
2.アーネストリー(母のBBLP=7)
この馬は新馬戦でトールポピー、ドリームシグナルといった面々を撃破して勝利しており、その当時は「おっ!」と思わせる何かがありました。ですが長期の戦線離脱が出世を妨げ、惜しい競馬を続けながらもG1級にあと一歩及ばず、の感がありますね。
さすがにピークは過ぎている感があります。現4歳勢のレベルも高い以上、善戦止まりの様相が。この馬の下となる2歳馬も検索できませんね・・・。
3.ルーラーシップ(母のBBLP=7)
半妹グルヴェイグについても言及しているのですが、母エアグルーヴに関しては「現代の母馬」たちと比較した場合、それほどのアドバンテージは持っていない、という見解を出すのがこのブログです。
こういう、「良血」一辺倒でマスコミが取り上げるタイプの場合、私のような見解を打ち出すこと自体が「有り得ない〜」というか、良血を見下すような評価の仕方など言語道断、といった風潮が支配しています(苦笑)。
ですがどんなにそういう世論が大勢を占めようとも、私の見解はブレませんね。
この馬が本当に「極めつけの良血」、ならば、クラシックの時期に本番で結果を残せているはずです。もちろん、父キングカメハメハのポテンシャル(BBLP=11)は、存分に継承していると思いますが。
遅咲きという見方が出来るにしても、若駒S、毎日杯といった1番人気での敗退がやはり痛いですね。これまでの戦績では「連勝」が1度もないのが気になります。別定戦では結果を残してきましたが、G1定量戦ではまだ結果が出ていません。そこが今回の試金石ともなるでしょう。
こちらの下となる2歳馬も検索できませんが、グルヴェイグの全妹となる1歳馬がいるようです・・・。
4.エイシンフラッシュ(母のBBLP=8)
この馬の母の父系はファラリス直系ではなく、ドイツ血統(ハンプトン系)をルーツにしているので、そもそも迂回血ラインでどうこうと言うタイプではない母馬です(ファラリス直系の父系を持つ繁殖牝馬に当てはめるのが迂回血ラインのセオリーなので)。
なので、エイシンフラッシュに関してはこのブログにおける「評価基準」が当てはまらないタイプとしたほうが妥当だろうと思います。
この馬の下となる2歳馬では、ディープインパクト産駒のダノンムーンが居ます。この2歳馬の配合で特徴となるのが異系Busted(4×6)というクロスが生じる部分でしょうか。
エイシンフラッシュの場合はBirkhahn(5×5)のクロスでしたが、この半弟の場合は全く異なる要素となりますね。この要素がどう効果的に機能するか、興味深く見つめたいと思います。
5.フォゲッタブル(母のBBLP=7)
この馬が菊花賞を2着となった時、もし古馬以降のG1戦でもビシバシと馬券に絡むようであれば、迂回血ラインの有効性など「灰燼に帰す」と思っていました(苦笑)。現実には、1度も古馬G1戦で馬券にならず、です。
もちろんこの馬も、根幹距離からは微妙にズレたところに本質的な距離適性があるとすれば好走のツボというものが見えてきますが、昨年の宝塚でも好走とは程遠いだけに、メンバーの揃った今年は・・・。
6.アサクサキングス(母のBBLP=8)
この馬の場合は父ホワイトマズルのBBLP=11なので、勢いのある時期では好走が見込めましたが、長期休養明けの今年はさすがに全盛期の勢いは望めないかと。
下にはシンボリクリスエス産駒の3歳馬&2歳馬が居ます。例によって同系配合馬となるこの妹たちは、芝向きに出ない可能性が高いですね・・・。
7.ハートビートソング(母のBBLP=7)
この馬自身はヘイロー(3×4)の黄金配合クロスを持つので、母自身のBBLPはほぼ無関係かと。ゼンノロブロイ産駒は母方の血統がどうだろうと十中八九、重馬場に強いタイプが出ますので、馬場が悪化した場合は十分好走が見込めるはずだと思います。下に2歳馬はいない模様・・・。
8.ブエナビスタ(母のBBLP=8)
ブエナ自身はニジンスキー(4×3)の黄金配合によるクロスが、極めつけに奏功したとしか思えないタイプです。もし母そのものの血統が素晴らしく、相手の種牡馬など関係ねえー、というのであれば、トーセンレーヴも連戦連勝だったはずでしょう。
2歳馬にはトーセンレーヴ全妹のジョワドヴィーヴルが母の産駒ゆかりの厩舎でデビュー予定。この妹も当然兄同様に近親クロスでは特に言及するほどの要素は持っていません。兄以上にすんなりと活躍していけるかが注目でしょうね・・・。
9.ローズキングダム(母のBBLP=10)
バラ一族の母の中でも最もコンスタントに活躍馬を出せそうなタイプなのがローズバドです。ただしネアルコの直系となる種牡馬が相手になるよりも、非ネアルコ系種牡馬との相性が良いのはキンカメで証明されました。
この馬の下ではシンボリクリスエス産駒となる半弟ローゼンケーニッヒがデビューを控えていますが、どうでしょう・・・。同系配合となってしまうこのケースでは芝向きにならない可能性が・・・、。
10.ドリームジャーニー(母のBBLP=8も異系アシスト有り)
全弟オルフェーヴルが3歳馬として最高に栄誉あるクラシック3冠を目指せる立場と相成り、もはや兄の存在を超えそうな勢いを感じさせます。
兄としては貫禄を示しておきたいところでしょうが、近況はさすがにピークを過ぎたのかなと思わせるもの。下となる現2歳馬にはディープインパクト産駒の半妹、マトゥラーがデビューを控えているようですが、父は異系トウルビヨンとは縁もゆかりも無い血統背景だけに、兄たちのような傑出したものが出るかどうか?が注目でしょうね。
11.ダノンヨーヨー(母のBBLP=考察外)
母自身はレイズアネイティヴ(3×4)の黄金配合による近親クロスを持つタイプで、その有効性が機能するかどうかが考察のキモでしょう。
父ダンス自身はスタミナ豊富な資質を産駒に伝え、母がスピードの資質を前面に産駒に伝えるという意味では、非常に相性の良いカップルというか、そういう配合なのだろうとは思います。気性ムラはともかく(苦笑)。
下となる現2歳馬にはハーツクライ産駒のダノングーグーがいる模様。おそらく兄よりは早期の活躍が見込めると思いますが、ダンスが持っていなかったナスルーラ経由の血のラインがハーツCには存在するので、よりスピードの資質に特化したタイプになる可能性も。
12.シンゲン(母のBBLP=6)
見た目の配合ではアサクサKと同一となりますが、中距離以上をこなすという意味合いにおいては若干シンゲンの方が劣るでしょう。度重なる骨折が不運というしかないのですが、勝つような状況下では父ホワイトマズルのBBLP=11がウエイトとして大きな面があったと思われます。
下となる2歳馬にはヤングアットハートの全弟となるフレンチデピュティ産駒、リアルフレアという馬がいる模様。ヤングAHも苦労しつつOPに昇級を果たした側面がありますが、リアルフレアにとっては全兄以上に周囲にいるライバルの母馬のレベル(BBLPの値)が大きく立ち塞がる状況にあると言えます。そこがかなり前途多難かと。
13.トーセンジョーダン(母のBBLP=5)
この馬も常に人気を背負うような状況下にいましたが、こちらも母のポテンシャルより父ジャンポケのBBLP=12が好走に直結していたタイプと見ます。
過去に阪神でのレース経験がないのがどうかですが、中山の非根幹距離で好走するなどを見る限りでは悪くはなさそうです。ただ順調に使えないことが弱みというか、モロさなんでしょうね・・・。
この馬の下ではディープ産駒となる2歳馬、トーセンホマレボシがデビュー待ち。父がディープに替わってもBBLP=12は同じなので、母の底力継承度不足を大幅に補っている可能性はありますが、どうでしょう・・・。現3歳のディープ産駒の傾向を見る限り、この母でスイスイと出世する可能性はかなり低いように思われます。
14.トゥザグローリー(母のBBLP=11)
母トゥザビクトリー本来のBBLPの値は13ありますが、相手の種牡馬がシックル直系子孫のため減算措置をしての値となります。いずれにせよトゥザグローリー自身にはヌレイエフ(4×3)の黄金配合による近親クロスが発生するため、母の血統背景はかなり考察度合いが下がるのですが。
この馬の下にはシンボリクリスエス産駒となる3歳馬、2歳馬が存在。現3歳のプルスウルトラにも注目していましたが、やはり同系配合の要素が前面に出たと見えて、尻すぼみな成績に。
現2歳のトゥザハピネスについても同系配合の要素が邪魔をした場合、母自身の持ち味が活きてこない可能性が高いです。
トゥザグローリーの全妹となる現1歳馬に、来年の期待を託しましょうか・・・。
15.トレイルブレイザー(母のBBLP=7)
トレイルB自身はミスプロ(4×3)の黄金配合クロスを持ち、母自身のBBLPが存在感を無くします。ディープ産駒となる半弟の現3歳馬インアフラッシュは3戦して登録抹消。
現2歳馬となる下は、父がハーツクライに替わってのデビュー待ち。特に好相性となりそうな気配ではないです。
16.ビートブラック(母のBBLP=8)
菊花賞で13番人気3着が印象的ですが、それが古馬以降にどう直結するのかと見ていても、かなり微妙〜でしょうかね(苦笑)。
元々、母父ブライアンズタイムとなるタイプが「芝OP級での好走」をするケースの場合、要するにサンデーS系種牡馬が相手か、ヘイルトゥリーズンの父系となる種牡馬か、ヘイルトゥリーズンの血を内包する種牡馬(オペラハウス)などに「限定」されているケースばかりです。
この母が産んだ下では、マイネルラヴ産駒の3歳馬(未登録)、アグネスデジタル産駒の2歳馬、コスモアケルナルがいる模様。
相手の種牡馬Aデジタルはヘイルトゥリーズン経由の血を一切持たないので、おそらくこの2歳馬は芝向きに出ることはなく、ダート馬としてどれだけ出世できるか?であろうと思います・・・。
2011年06月20日
2歳戦 備忘録(1)
確かに、S居厩舎だし、ノッてる騎手だし、馬主サイドの過大な期待が渦巻いていたんでしょうが、おそらく各専門紙、スポーツ紙などもこぞって大々的・キャンペーン的に祭り上げ、大方のファンもそれにアオられたんだろうと推察します。
母がディアデラノビアだから、というだけでこれほど人気になるもんなのでしょうか・・・。
むしろ私のヘソ曲がりなものの見方のほうこそ、「異端」なのかな・・・?
かく言う私は◎にはMカフェ産駒セトブリッジにし、単勝はものの見事にハズしましたが(苦笑)、参加している某競馬SNSでは3連複5頭BOXを(2,5,7、9,11)とエゲツない買い方での的中は果たしました。
押さえの評価スペリオビーン(7番人気)が絡んだので、それなりの配当を生みましたね。
結果的に上位人気のDメジャー産駒でのワンツー。まあこれもマスコミ連中の恰好の題材になりそうですが(笑)、内容を冷静に見ると逃げたSアクティヴの千m通過は62秒1で、新馬戦といえどもやはりマイル戦であれば超スローの部類。
力量不足のSアクティヴのみが失速し、ほぼ番手追走の2頭がそのままゴールしただけ、と捉えることもできます。勝ち馬への過大評価は現段階ではちょっと禁物かと。
もちろん、勝ち馬ダローネガには母父ホワイトマズル(BBLP=11)の良さが伝わっている可能性が高いんでしょうけどね・・・。次走以降も、冷静な目線で見つめることにします。(しっかし、新潟の方言みたいな馬名だなあ・・・。だろうねが、って。笑)
一方、中山の新馬戦もほぼ似たようなスロー(逃げたロードラディアントの千m通過時61秒9)でした(馬場はやや重)が、こちらはいかにも仕上がり早の牝馬のキレ、という要素が炸裂し牝馬2頭の差しでのワンツー。
私が◎にしたのはMカフェ産駒のミヤコMのほうでしたが(苦笑)。
一応、こちらの予想ではピタゴラスCとのワイドのみが的中。まあ、やれやれという結果でした。(^_^;)
勝ち馬Qアルタミラも凡走パターンの母なのですが、やはり次走以降どうなっていくか?で、かなり興味が持続しそうですね。・・・もちろん、母の「血の宿命」に打ち勝ち、このまま活躍を続けて欲しいと願っています。
中山のほうの1番人気もやはりファンの皆さんはかなり買いかぶり過ぎ、の様相だったでしょうか。マイネルアトラクトは次走以降、良馬場で巻き返せるかどうか?がカギなのかも・・・。調教の内容そのものは良かったみたいですしね。
ここからは現3歳馬たちとその下を少し。
ローザディアマント(母ピンクガーターのBBLP=10)
19日の阪神3R、3歳未勝利(芝1800m)でようやく勝利。勝ち味に遅い競馬が続いていましたが、ノーザンダンサー(5×5)のクロス要素がちょっと重さをもたらしていたのかも。
この馬の下にゼンノロブロイ産駒となる2歳馬、グラスメジャーという馬がいるようです。ですがこちらはなんと、ミスプロ(4×3)の黄金配合を持つタイプになってしまい、母のBBLPで考察しづらいタイプですかね(苦笑)。
ヒットザターゲット(母ラティールのBBLP=11)
この馬もチト不甲斐ない内容の競馬が続いていたようですが、19日の函館4R、3歳未勝利(芝2000m)でやっとこさ勝利・・・。
この馬の半弟となる現2歳馬にはアドマイヤムーン産駒の、ラティールの09がいるようです。ダビスタ風に言えば、「おっと、これは面白い配合だ」なんてね・・・。
母ラティール自身はハイペリオンの血量が最上位となる(8.59%)タイプで、ネアルコ血脈の継承も控えめ(計6ライン)なのでまずまずの母馬ではないかと思います。
アドマイヤムーン産駒で母のBBLP=11となるタイプのを見るのはこれが初めてですね。まだ探せば出てくると思いますが、とりあえず馬名未登録ながらご報告まで。
ターフェル(母イゾルデのBBLP=10)
この3歳馬も勝てそうで勝てずにいるのですが、意外と過去に人気薄でも何度か馬券になっているキングヘイロー産駒です。土曜18日の中山6R、3歳未勝利戦(芝1600m)ではディープ産駒ランブイエに0.1秒先着されての2着。
こちらの下ではデュランダル産駒の2歳馬、サウザンドサニーというのがいるようですが、中央で登録されてくれば面白い存在ですね。
今日はこの辺で。