2011年03月
2011年03月30日
3歳重賞 本番へのメモ(後編)
以前、レーヴドスカーの血統背景についてこのブログで述べたことは、「ネアルコ経由のラインが計10と多く、ネアルコ依存度が高い(血量も10%を超えている)ことが、産んだ仔に何らかの悪影響として出やすいのではないか?」という見解でした。
その見解が正しいかどうかは分からないし、あくまで1つの意見に過ぎません。ただ個人的には、他の繁殖牝馬についても「ネアルコ依存度」が高い血統背景かをチェックすることで、ポテンシャルの発揮にどう影響するのかということは、常に検証を行なっています。
いずれにせよ、1強状態だった3歳牝馬のクラシック路線が、一気に混沌とした状況に激変してしまったということですね。
元々、個人的にはホエールキャプチャ、マルセリーナを特に注目してきましたので、この2頭が本番で「鬼の居ぬ間の洗濯」が出来るかどうか、そのポテンシャルの出方に最大の興味を向けたいと思います。
さて、フラワーCも大地震の影響で中山での施行中止を余儀なくされ、かつ1週ずれて阪神での施行。ここを連対しても桜花賞の日程変更はないだけに中1週となり、ローテ的にはキツいでしょうね。
昨年はオウケンサクラがフラワーC1着の実力を桜花賞でも発揮して2着でしたが、「フラワーC連対 → 桜花賞連対」というケースは過去にキストゥヘヴン、シーザリオ、ダンスインザムードが挙げられる程度で、前評判の高い馬でない限りさほどの関連性はないと見たほうが自然でしょうか・・・。
1着 トレンドハンター(母ロイヤルペルラのBBLP=10だが・・・)
2着 ヘブルバブル(母ラヴアンドバブルズのBBLP=11だが・・・)
連対した2頭ともに、母馬への評価はすんなりと出せそうなタイプではありません。
Mカフェ産駒のTハンターの場合、父も母もヘイルトゥリーズン系ということで、「同系配合馬」として扱うタイプともなりますし、ディープ産駒ヘブルBの場合はリファール(4×5)の5代内クロスが生じる配合なのがチト微妙。
まあ、迂回血ラインの値が高い母ならそれでいいじゃないか、というご意見が頂けるのであればこれ幸い、としたいところなのですが(苦笑)、一応、他の馬で同様のケースにおいても「〜だが・・・」という表現を用いているだけに、この2頭も考察に少々ヒネリを要するタイプ、としておきます。
3着となった、
マヒナ(母モアムーンライトのBBLP=9だが・・・)
この馬も注釈が必要なタイプ。マヒナ自身はミスプロ(3×5)の近親クロスを持つので、そちらのほうがポテンシャル発揮に際して、より強い影響力を持つ可能性もなきにしもあらずです。
キンカメ産駒としては、特に今後で出世コースに乗るというほどではないでしょう。「善戦ウーマン」となっていく可能性は大、かも・・・。
3番人気で17着に大敗した、
アフロディーデ(母レディブロンドのBBLP=8)
一応ディープインパクトの姪にあたる馬、ということになるのでしょうが、母の迂回血ラインの値は、現代においては「標準のやや下」程度のものです。
初戦の東京芝2000m戦が、超の上にも超の付く、どスローな競馬。千m通過時が66秒5というものでしたから、今回のフラワーCの流れ(千m通過時59秒0)とはあまりにも異質であり、これに即対応せよ、と言うほうが酷だったと言えそうです。
いずれにしても今後、ディープの姪だから良血、などという短絡的な目線のままでこの馬を見るのはいかがなものか、ということをしかと意見しておきたいと思います・・・。
そのあたりは、毎日杯で1番人気ながら3着となった、
トーセンレーヴ(母ビワハイジのBBLP=8)
についても、ほぼ同様の「意見書」が作成可能です。確かに半姉ブエナビスタは牡馬すら一蹴するほどの女傑となりましたが、この姉について言えることはやはり、「ニジンスキー(4×3)となる黄金配合の効果が如実に顕現した」ということです。
一方、弟Tレーヴにはそのような黄金配合による近親クロスはありません。となると、母ビワハイジの持つ本来の迂回血ラインの値が、ストレートに産駒の実力に反映する可能性が高くなるだろうと考えます。
特に今回の毎日杯は前日の同コース同距離のフラワーCの内容と比べても厳しいとは言えない流れで、よくある「スローの上がり勝負」であり重賞にしては物足りないレースレベルといえます。
「土日で馬場状態が激変した」、などと「馬見のプロ」を自称する予想家がネットのコラムに記していましたが、確かにフラワーC以後の芝レースが5レース挟んでのもので、やや荒れていた可能性はあるものの、上がり3F最速は2着のコティリオンが33秒6を記録しているので、時計の出ない馬場だったというわけではないでしょう。
ただ今年の場合、本番の皐月賞が東京コースとなるので、今回の毎日杯のような緩めのペースで流れる可能性もなきにしもあらずです。
そもそも今年は様々な要素が入り乱れすぎているので、皐月賞を勝った程度では額面どおりに「強いG1馬」なのかどうか、測りかねるものがあろうかと思います。
関東馬にとっては、美浦の環境が健全なままに推移することが第一ですし、東電もついに「1〜4号機は廃炉の方向で」と発表しており、一刻も早い原発災害の事態打開に向かって欲しいと思います・・・。
3歳重賞 本番へのメモ(前編)
確かに、臨界事故などという最悪の状況ではありませんでしたが、結果として冷却機能を失った初期段階で核燃料を覆う金属が溶融し、高濃度の放射性物質が循環系統を通り、おそらくタービン建屋内の復水器につながる配管のどこかが損傷した影響で、漏洩しているのだと思われます。
もはや、水をドバドバかけて冷却すりゃあ元に戻る、などといった状況ではないことも明白です。
特に3号機はプルサーマルタイプで、核燃料には再処理されたプルトニウムを混ぜて使用するものであり、そもそも漏洩事故などがあってはならないものなのです。
TVなどでは報道されないようですが、東電は密かにフランスの原子力専門企業に泣きついて、「我々ではもう対処できない。どうにかして欲しい」と助力を懇願した、という記事がネットでありました。
そんなネットの情報など怪しい、という見方が正しいのであれば、杞憂ということで済みますが、どれが正しい情報だったのか、いずれ分かることになると思います。
競馬予想界の重鎮、K木S保氏も某競馬サイトの火曜コラムで、憂慮すべき事態だと危惧の念を吐露されています・・・。
さて、そういう暗い話を続けても読者が離れていきそうですので(苦笑)、一応クラシックに向けての展望を自分なりに持ってみたいと思います。
まずはスプリングSの結果から。
1着となったオルフェーブルはドリームジャーニーの全弟ということで、ここまでの経緯は多くのファン、プロ予想家も「想定の範囲内」という感じでしょうか。
血統研究&予想の某プロは「父ステイゴールド×母父メジロマックイーン」の配合が、「これはもう分かりやすいニックスですね〜」という言い方しかしませんが、それはそうだとして、「何故、ステイゴールドだとニックスなのか」という説明を、もう少ししてくれるといいのですが。
私の場合アマチュアの1人にすぎませんので、私の言うことに大した説得力はないかもしれませんが(苦笑)、一応、やはりステイゴールドは母父サッカーボーイ経由で「異系トウルビヨン」の血のラインを持つことで、配合牝馬にあるトウルビヨンの血と少なからず「呼応」しやすいからだろうと考えます。
母オリエンタルハートは、その父系がトウルビヨン直系であるだけでなく、血統背景全体で計4つのトウルビヨンラインを持ちます。
元々、ステイゴールドはサンデーS系種牡馬の中ではアグネスタキオンと同等程度の「異系トウルビヨン」との呼応が顕著なタイプです。
そのため、「母父Mマックイーンだからニックスになる」という単純な視点よりも、相手となる繁殖牝馬が「複数のラインで異系トウルビヨンの血を継承しているタイプだと好相性になる」と考えたほうが私は良いと思いますし、これからもそういうステイゴールド産駒が出てくれば、随時取り上げたいと思います(このブログが続く限り・・・)。
このブログにおいては、「芝の重賞級活躍馬を産める母馬の迂回血ライン(=BBLP)は、現時点では10以上が望ましい」、という検証をしていますが、オリエンタルアートのBBLP=8です。
今後、オリエンタルアートが産んだ仔に関しては、ステイG以外の種牡馬との配合でどういうタイプが出るか?に最大の興味を持っています。
ディープインパクトとの間に産まれた牝馬が既に2歳になっていますので、順調に調教が進めば今年の6月以降どこかでデビューとなりそうですね。
ディープの血統背景には一切トウルビヨンのラインが存在しないので、完全に「父と母の迂回血ライン」がどう産駒に現れるか?が検証できることになります。デビューを楽しみに待ちたいですね。
2着ベルシャザール(母マルカキャンディのBBLP=10)は、当初からこのブログでも注目し、随時記事で取り上げてきました。
「キンカメ×母父サンデーS」となる「見た目配合」というのは、それこそゴロゴロとあちこちに存在しており、現4歳馬で言えばローズキングダムもトゥザグローリーも該当するわけです(この2頭の母もBBLP=10以上に該当)。
しかしながら、上記の血統に詳しい某プロもさすがにこの「父と母父」との配合を「ニックスだあ〜」などと言ったりはしていないですよね(苦笑)。
全然ダメなタイプも多いからです。
このブログの開設当初から「父と母父」だけで血統を簡単に見抜こうとする時代はもう終わった、と私は宣言してきたわけですが、こういうトレンド配合でこそ、その宣言が間違っていないことに確信を得ています。
若葉Sの結果においてもそうでしたし、スカーレット一族の母を持つカーマイン(母スカーレットレディのBBLP=8)などは、良血とされながら伸び悩んでいます。
秋天勝ち馬のヘヴンリーロマンス(BBLP=7)を母に持つヴェイロンもまた、然り・・・。
一方、2番人気だったリベルタス(母カーリングのBBLP=3(3,0,0)の凡走パターン)も、やっぱり母の宿命が「発動」してしまったか、という印象ですね・・・。
3歳早期までは、父ディープのBBLP=12で相応のカバーをしていたようですが、今後の動向は、この負け方を見る限り、暗雲垂れ込める内容としか言えないでしょう。
3番人気リフトザウィングス(母レンドフェリーチェのBBLP=7)の敗退内容も、母の迂回血ライン相応の負け方、という判断を致します。今後、古馬オープンクラスには出世するとしても、G1級の活躍はまずないのではないかと見ています・・・。
次回はフラワーCおよび毎日杯の結果を検証します。
2011年03月20日
若葉S 結果検証
私自身はもう少しの期間、「馬券を買う行為」を控えるつもりでいますが、どのみち、IPAT会員で登録した際にみずほ銀行を取引行に選んでおり、これがシステム障害に陥っている都合上、PAT買いの選択肢も失っているわけです。
まあ、個人的にはこの状況を「天の声」と受け止め、3歳馬のレース動向のみを注視し、馬券への一喜一憂はしばらく無し、ということですね。
さて、震災前であれば、今回の若葉Sにベルシャザールが出走予定のはずでしたが、震災発生に伴い中山でのスプリングSの阪神競馬場への移設と、日付の変更により、ベルシャザール陣営は若葉Sへの出走を取りやめて重賞のスプリングSに目標を変更した模様です。
ただ、レース日の移設によって皐月賞までの間隔が短くなり、毎日杯と同様に、スプリングSの連対馬も皐月賞の好走とリンクしにくいものになるのではないか?という想定もしています。
その場合、若葉Sの連対馬2頭が例年にも増して、皐月賞で「存在感」を示す可能性も考えられ、今年の3歳牡馬路線の混迷度合いが更に深まったような気もしますね。
では若葉Sの結果検証を。
1着 ダノンミル(母スターリーロマンスのBBLP=6)
2着 カフナ(母ピンクパピヨンのBBLP=13)
3着 ダノンシャーク(母カーラパワーのBBLP=7)
至極一般的な「血統考察的目線」では、「またしても母父サンデーSのワンツーかよ」という程度の認識であろうと思われます。
しかしながら、「迂回血ライン」の考察概念に基づく血統的目線ではまず、今回の上位3頭の父(種牡馬)を見てみた場合、
ジャングルポケットのBBLP=12
キングカメハメハのBBLP=11
ディープインパクトのBBLP=12
父としては、上記の種牡馬3頭はそれぞれにおいて「一長一短」の特徴を産駒に伝えることも確かで、当然欠点が顕著に産駒に継承された場合、必ずしも期待通りの産駒だけにはならない場合も出てくるでしょう。
ジャンポケの場合には「特有の気性難」を継承させる場合が多いことが挙げられ、キンカメとディープの場合、配合牝馬との相性で特に「ノーザンダンサー経由の血の影響力が多いか少ないか」により、産駒の活躍度は大きく左右されます。
こういった欠点が出る場合を考慮しつつも、ポテンシャルの高い産駒を出す確率が高いのもまた確かなわけで、だからこそ「父と母父」程度の、うわべだけの血統検証もまた避けるべきなのです。
今回1着となったダノンミルの母は、ご存知のとおりフジキセキの全妹となる馬ですね。BBLPで見れば当然フジキセキと全く同じ値を持つわけで、読者からは、「BBLPの値が低い母じゃないか!この説明をどうするつもりだ?」という声が聞こえてきそうですね(苦笑)。
一応、過去記事でも少し言及しているかと存じますが、母のBBLPが低めの場合、父のBBLPの値の高さ(その場合おおむね10以上)が活きてくる場合がある、ということですね。
また、ダノンミルの母スターリーロマンスは、現代的な母馬としては稀に見るほどの「特異性」を持っています。
それは、異系要素に溢れていると共に、現代の主流血脈の血にほとんど頼っていないばかりか、そういう主流血脈の近親クロスにも、全く頼っていないことなのです。
これはつまり、そのままフジキセキの種牡馬としての「利点」にそのままつながっており、健康で頑丈な産駒を多く出し、父としても息の長い活躍に結びつけています。
スターリーロマンス=フジキセキの血量最上位は、現代としては衰退傾向にある血、Blandfordです。しかもその血量パーセンテージの値が4.69%となっており、5%台にすら到達していません。
ファラリス直系子孫となる繁殖牝馬で、ここまでクロス配合が低い値にしか出ない(しかも異系要素が最上位の)母馬というのは、探すほうが大変ですね。
こうした母馬の場合、BBLPそのものが低めであっても、相手の種牡馬の特性に沿った産駒が「アウトブリード的に」出せるということなのではないか?と、個人的には推察しています。
次に2着馬カフナに関しては、継続してこのブログをご覧頂いている読者の方であれば、「以前に取り上げているはずだな」と思っていただけることと存じます。
カフナはやや勝ち味に遅い面は否めませんが、これはニジンスキー(6×4)となるクロス配合の特徴を持つことにより、若干そちらの要素にポテンシャルのウエイトが移り、BBLP=13の本来の効力が100%活きない面があるからではないかと考えています。
今回の若葉Sでは、カフナ以外にも「父キンカメ×母父サンデーS」の見た目配合となる馬が2頭出走していました。
6着 コンノート(母ホーネットピアスのBBLP=8)
7着 サトノタイガー(母ファビラスターンのBBLP=7)
コンノートの母は、あのマストビーラヴドの全妹にあたります。マストビーラヴドはかつてラインクラフトというG1馬を出しましたが、しかしながら、このブログでのマストビーラヴド(BBLP=8)の評価は、「2010年以降の、現代の母馬としては特段の活躍馬を出せる状況にはない」というものです。
それは何度も言っているとおり、「BBLP=10以上の、ファラリス直系子孫となる繁殖牝馬」たちが続々と登場し続けてきているからなのです。
今の時代が、「ファラリスの直系子孫」となる種牡馬、及び繁殖牝馬との配合でほとんどの活躍馬を出す状況に推移してきており、その状況下で、同じ「ファラリスの直系子孫同士」が、互いに血の潰しあいを演じることにもなっている、という事実。
その時に、「父キンカメ×母父サンデーS」などでうわべだけの血統評価をしても何の意味も無いことが、読者の方々にはこのブログを通じて「体感」していただけるのではないか、と自負しております。
一日も早い被災地の復興と、原発事故の事態収拾を願っております・・・。
2011年03月11日
3歳戦 次走へのメモ(19)
2/27 阪神3R 3歳未勝利(芝1800m)
1着 カレンミロティック(母スターミーのBBLP=11だが・・・)
半姉にヒカルアマランサスがいますね。この姉についても過去に記事にしています。姉の成績は非常に不安定で、人気サイドになりながらも大敗することがかなり目立ちます。
母スターミーについての、血統背景的な欠点を指摘するとすれば「ネアルコ経由のラインが計11という多さではないか?」という見解を個人的には持っているのですが、迂回血ライン的な評価においても重賞級の底力があるということは言えると思います。
実際、昨年のヴィクトリアマイルではブエナビスタが本調子ではなかったにせよ、ヒカルAは同タイムの2着になっています。
母に欠点がなかったとしたら牝馬同士の2000m前後はこなせると思うのですが、古馬以降では1800m以上の距離で芳しくない成績に終始しているところを見ると、やはり欠点が結果に現れていると思うしかないですね。
母が持つネアルコ経由の多さ(計11)が、迂回血ライン種牡馬の存在の有効性(計11)をスポイルする方向に出ていると思うのです。
このスポイルがなかったら、ヒカルAはG1戦での連対経験が今よりもっと多かったのではないかと見ています・・・。
さて弟カレンMの今後についてもほぼ同様の懸念材料があるだろうという基本見解になりますが、父がAタキオン(BBLP=7)からハーツC(BBLP=9)に替わっている分だけ、若干距離の融通性はあるのかもしれませんね。
いずれG1戦の大舞台に登場してくることができるのかどうか、今後の成長を待ちたいと思います・・・。
なおこのレースで4番人気7着になった、
ネオザウイナー(母フィバリッシュのBBLP=10だが・・・)
この馬の動向も注目したのですが、2戦目もいい面が出ませんでした。
この馬の母の場合は、ネアルコ経由のラインは計6で、現代的な母馬としては特に普通の値というか、別にこれくらいあっても気にするほどではない数値です。
けれども血量で見た場合には、ネアルコの血量は上から3番目ながらも10.16%で、大台の10%を超えてしまっています。
こういう数値などは、フツー血統に詳しい方であっても全く気にも留めないと思います(苦笑)。
しかしながら、迂回血ラインという血統考察概念を用いるようになると、その有効性を「大いに阻害する要因」というものがチラホラと目立ってくるようになるんですねえ、これが。
「そんなマニアックな検証に付き合ってられねーよ」という読者もおられるかもしれませんが、そういう読者であれば、もうとっくの昔にこのブログを訪れることは止めているでしょうね(笑)。
些細な部分に検証の目(興味の目)を向けていなければ、そもそも血統なんぞにこれほどイレ込むことなどなかったでしょう。この私自身も・・・・。
2/27 阪神9R すみれS(芝2200m)
1着 ロッカヴェラーノ(母ルンバロッカのBBLP=12だが・・・)
・・・の付く母ばかりが続きますが(苦笑)、一応、この母はヘイルトゥリーズンに遡る父系なので、ロッカVも私の規定においては「同系配合馬」の扱いになるのかなと。
母自身が持つ芝重賞級のポテンシャルを仔に継承させる力は当然あるだろうと見ていますが、上の兄2頭はフジキセキ産駒とAタキオン産駒で、全く芽が出ませんでした。
これは、サンデーS系種牡馬群の中ではBBLPがやや低めとなるタイプの2頭(フジキセキはBBLP=6、AタキオンはBBLP=7)であったことと、同系配合の要素が良い方向性に出なかったことの相乗要因でしょう。
3頭目のサンデーS系のパパとなるマンハッタンカフェの場合BBLP=11なので、同系配合による能力の出方の不安定さは懸念されるにしても、上の兄2頭よりは芽が出てきそうな雰囲気ですね。
2着もMカフェ産駒の、
グレープブランデー(母ワインアンドローズのBBLP=6)
ダートを5戦経験後、初芝のオープン戦でいきなり2着になるところなどは、父Mカフェの種牡馬としての可能性を実証するものになっているというべきでしょうが、今回の走りだけではまだ測りかねるものがありますね(苦笑)。
母父のジャッジアンジェルーチはボールドルーラー直系の種牡馬として日本に輸入されたものの、産駒の成績は全くの期待外れに終わったというしかないのですが、それもそのはず、ジャッジAのBBLP=0、なんですね・・・。
後継のサイアーラインが全く続かなかった輸入種牡馬に多いのが、こういったBBLP=0となる「ファラリス直系子孫」です。かつてフランスから輸入された仏ダービー馬、クリスタルパレスもBBLP=0ですね。この馬はタニノギムレットの「母父」ではありますが、自身の後継種牡馬のラインを残せなかったという意味では、ジャッジAと全く同様です。
それにしても、グレープグランデーのような「カブキ者(苦笑)」は考察に困りますねえ(苦笑)。
もう一度、芝で好走(連対)できればホンモノと判断せざるを得ないでょうが、どうやら陣営は再度ダート路線に戻すとかどうとか・・・。
おいおいー、もう一回芝で走らせてみてよね・・・。(さて、酒とバラの日々でも聴きながら寝るとするか)
2011年03月06日
弥生賞 回顧
ショウナンマイティはやはり出負けが響いて最後方の追走となったのが最後までアダとなった感じですね。中山芝2000mでは「最悪」の追走の仕方というしかないでしょう。
それでも最後は僅差の3着争いに持ち込んでおり、上がり3F34秒0もメンバー中最速です。個人的には皐月賞でも狙ってみたいですね。ヒモ狙いで。(賞金的には抽選対象でしょうが)
プレイも粘り込みに成功し、この馬が3歳牡馬の「ものさし」となって他馬の力量比較の際には恰好の存在となっている感じですね。単勝7番人気にまで落ち込んでいるとはかなり意外でしたが。
一方ターゲットマシンはゲート入りの際からワガママぶりを露呈。精神的な面での幼さがレースに出てしまった感じですね。初芝のルーズベルトにまで先着を許し、シンガリ負けを喫するという有り様・・・。
ダノンバラードもそうですが、楽な競馬内容で勝ち上がってきたとしても「次走以降」に直結しないモロさが、ディープ産駒には散見されますね。
ハーツクライ産駒にも似たような一面があります。やはり昨今の超スローな競馬が新馬戦&未勝利戦、500万下戦で多発する事態は、血統能力の出方を正しく把握する上では、非常に厄介な問題だなあと実感せざるをえないですね。
私もそうですが、みんな「騙されている」と思いますよ。超スローな競馬で低調なメンバー相手に勝っているということを妙に過大評価してしまうという、「事実誤認」があるのだと思います。
もちろん、今の競馬の流れが、騎手がこぞって控えることしか手立てがないというか、S台系列などの強力なブリーダーが、調教師の頭越しに「あーしろこーしろ」と騎手に細かく難癖と注文をつけて、その指示を守れないと「もうお前は乗せない」みたいな状況が当たり前となっていることに、問題の根底があるようにも思えます。
「騎手が萎縮している」ように見える競馬。
誰もが「勝たせたい」と思うのは当然でしょうし、シビアなビジネスの世界といってしまえばそれまでのことでしょうが・・・。
サダムパテックも勝つには勝ちましたが、力量的には「ズバ抜けている」というほどのパフォーマンスではなかったよう思えます。もちろん皐月賞でも好走する可能性はあるでしょうけどもね。
個人的には、重賞ではない若葉Sでの連対馬に、皐月賞での期待をかけてみたくなりました・・・。(一応、重賞のスプリングSもあるけどね)