2010年12月
2010年12月31日
迂回血ライン 来年に向けて
思えば2008年の大晦日に、このライブドアブログで競走馬の血統考察を開始して以来、丸2年が経過しようとしています。
おそらくアマチュアの分際で(苦笑)、ここまでのコダワリを持って血統分析をしているようなブログはそう多くないのではないかと思います。
時折、「血統のプロ」が発信している見解や着眼点に対し真っ向から対峙するような意見をこのブログでは展開させてきましたが、これからもその姿勢、反骨心は常に持ち続けたいと考えております。
「血統のプロ」が言っているようなことを、このブログでマネてみても全く意味がありません。
むしろプロが言っていないような事、見ようとしていない部分から、「穴馬はこうして見つけ出すことができる」ということを発信できればと思っています。
既成概念に基づく配合のセオリーとか、歴史的名馬の血統分析に裏付けられた理論展開はプロの方々にお任せするとして、私自身はアマチュアの身であることをむしろ武器として、自由自在な理論展開をこれからも目指していきます。
1年間、閲覧していただいてどうもありがとうございました。
おそらくアマチュアの分際で(苦笑)、ここまでのコダワリを持って血統分析をしているようなブログはそう多くないのではないかと思います。
時折、「血統のプロ」が発信している見解や着眼点に対し真っ向から対峙するような意見をこのブログでは展開させてきましたが、これからもその姿勢、反骨心は常に持ち続けたいと考えております。
「血統のプロ」が言っているようなことを、このブログでマネてみても全く意味がありません。
むしろプロが言っていないような事、見ようとしていない部分から、「穴馬はこうして見つけ出すことができる」ということを発信できればと思っています。
既成概念に基づく配合のセオリーとか、歴史的名馬の血統分析に裏付けられた理論展開はプロの方々にお任せするとして、私自身はアマチュアの身であることをむしろ武器として、自由自在な理論展開をこれからも目指していきます。
1年間、閲覧していただいてどうもありがとうございました。
2歳戦 次走ヘのメモ(28)
12/11 小倉4R 2歳未勝利(芝2000m)
1番人気1着 ロッカヴェラーノ(母ルンバロッカのBBLP=12だが?)
この馬の兄2頭もサンデー系種牡馬との配合ですが成功していません。母のルンバロッカ自身はロベルト系のレッドランサムを父に持つわけですが、サンデー系種牡馬と配合する時点で必ずヘイルトゥリーズン(4×5)のクロスが発生し、産駒は「同系配合馬」の扱いとなります。
兄2頭はフジキセキ(BBLP=6)、アグネスタキオン(BBLP=7)の産駒で、同系配合の要素が強めに出た可能性がありますが、父がマンハッタンカフェ(BBLP=11)に替わったロッカVでは父の持つ迂回血ラインの有効性が機能しているのかもしれません。
ただ現時点では今後につながるのかどうか、まだ私の見解も定まっていませんね。昇級後の次走でも再び連に絡む走りが披露できれば有望でしょうが、しばらくは様子見したいと思います。
2番人気5着 スズカセクレターボ(母セクレゴールドのBBLP=5)
アグネスタキオン産駒で母自身はノーザンダンサーの血脈を一切持たない点では好感が持てるものの、如何せん底力継承度は完全に不足気味です。
母の血統に異系トウルビヨンのクロスやマンノウォーのクロス要素があればタキオンと呼応し、活力となる可能性もあるのですがそれもありません。まず2000mという距離で活躍していくタイプではなく、おそらくマイル以下の距離でないと昇級すら難しいでしょう。
小倉は平坦コースといえども2000mともなればイメージ以上のスタミナを要求するコースです。今回マンハッタンカフェ産駒が勝利したことをみても明らかでしょう。
父や母が持つ迂回血ライン数は、底力要素だけでなく、本質的な距離適性をも明確に指し示しています。特別な近親クロスを持つタイプや異系アシストを持つタイプでない限り、9以下の母の値の場合には相手の種牡馬が10以上でいないと、マイルを越える距離では苦しい場面が多くなります。
そういう検証をこれまにでも数多くやってきましたし、このSセクレターボが3歳前半までの時期に2000mで勝つ可能性はかなり低いと思われます。
陣営の判断次第ですが、このまま2000m前後の距離にこだわるか、1600m以下の路線に活路を見出すか、馬の命運はそこで決まります。
3番人気7着 アーセナルゴール(母ファミリーバイブルのBBLP=6だが)
この馬はヘイロー(3×3)の超絶クロスを持つので、ダノンシャンティやダノンバラードと同じ要素があると言えますが、結果が出ないのであればそのクロス要素は完全に「空振り三振」となります。
ヘイローの持つ「気性難誘発要因」や「ダート的なパワー」の要素のみが強烈になってしまえば、このクロスは「芝の重賞級」となるには逆に大きな障壁となってくるでしょうね。
12/11 阪神4R 2歳未勝利(芝1800m)
1番人気1着 アドマイヤラクティ(母アドマイヤテレサのBBLP=10以上だがおそらく考察外)
この馬の母はノーザンダンサー(3×4)の黄金クロスがあり、母父エリシオ自身はBBLP=10なので、今後も距離に関しては何も心配はないでしょう。問題はこういうコテコテな他系統の血脈の力を、ハーツクライは必要としなければならないのか?ということです。
配合に関しては、この牝馬とこの種牡馬と配合させてみたらどうだろうか?、という純粋な試みは当然あると思いますけどね・・・。
6番人気2着 スーサングレート(母ヴァレリーのBBLP=4:(4,0,0)
この馬の場合、キンカメ自身が内包する異系トウルビヨンのライン(計3つ)の要素が、相手の牝馬ヴァレリーが持つパーソロン(トウルビヨン4×4を持つ)の血と、「呼応」する可能性が出てきます。
従って、母自身が持つ迂回血ラインの値の低さはあまり関係なしに活躍していく可能性もあると感じますね。
ただ、異系アシストの要素は迂回血ラインの要素に比べて確実性は低くなり、クラスが上がってのモロさや気性面の不安定さなどが懸念されるので、もう少し走りの内容を見ておきたいところです。
2番人気8着 アストリンジャー(母スウィービングズのbBLP=3)
このタキオン産駒も上述のスズカセクレターボとほぼ同様の評価となり、マイル以下の距離に活路を見出すべきと考えます・・・。
1番人気1着 ロッカヴェラーノ(母ルンバロッカのBBLP=12だが?)
この馬の兄2頭もサンデー系種牡馬との配合ですが成功していません。母のルンバロッカ自身はロベルト系のレッドランサムを父に持つわけですが、サンデー系種牡馬と配合する時点で必ずヘイルトゥリーズン(4×5)のクロスが発生し、産駒は「同系配合馬」の扱いとなります。
兄2頭はフジキセキ(BBLP=6)、アグネスタキオン(BBLP=7)の産駒で、同系配合の要素が強めに出た可能性がありますが、父がマンハッタンカフェ(BBLP=11)に替わったロッカVでは父の持つ迂回血ラインの有効性が機能しているのかもしれません。
ただ現時点では今後につながるのかどうか、まだ私の見解も定まっていませんね。昇級後の次走でも再び連に絡む走りが披露できれば有望でしょうが、しばらくは様子見したいと思います。
2番人気5着 スズカセクレターボ(母セクレゴールドのBBLP=5)
アグネスタキオン産駒で母自身はノーザンダンサーの血脈を一切持たない点では好感が持てるものの、如何せん底力継承度は完全に不足気味です。
母の血統に異系トウルビヨンのクロスやマンノウォーのクロス要素があればタキオンと呼応し、活力となる可能性もあるのですがそれもありません。まず2000mという距離で活躍していくタイプではなく、おそらくマイル以下の距離でないと昇級すら難しいでしょう。
小倉は平坦コースといえども2000mともなればイメージ以上のスタミナを要求するコースです。今回マンハッタンカフェ産駒が勝利したことをみても明らかでしょう。
父や母が持つ迂回血ライン数は、底力要素だけでなく、本質的な距離適性をも明確に指し示しています。特別な近親クロスを持つタイプや異系アシストを持つタイプでない限り、9以下の母の値の場合には相手の種牡馬が10以上でいないと、マイルを越える距離では苦しい場面が多くなります。
そういう検証をこれまにでも数多くやってきましたし、このSセクレターボが3歳前半までの時期に2000mで勝つ可能性はかなり低いと思われます。
陣営の判断次第ですが、このまま2000m前後の距離にこだわるか、1600m以下の路線に活路を見出すか、馬の命運はそこで決まります。
3番人気7着 アーセナルゴール(母ファミリーバイブルのBBLP=6だが)
この馬はヘイロー(3×3)の超絶クロスを持つので、ダノンシャンティやダノンバラードと同じ要素があると言えますが、結果が出ないのであればそのクロス要素は完全に「空振り三振」となります。
ヘイローの持つ「気性難誘発要因」や「ダート的なパワー」の要素のみが強烈になってしまえば、このクロスは「芝の重賞級」となるには逆に大きな障壁となってくるでしょうね。
12/11 阪神4R 2歳未勝利(芝1800m)
1番人気1着 アドマイヤラクティ(母アドマイヤテレサのBBLP=10以上だがおそらく考察外)
この馬の母はノーザンダンサー(3×4)の黄金クロスがあり、母父エリシオ自身はBBLP=10なので、今後も距離に関しては何も心配はないでしょう。問題はこういうコテコテな他系統の血脈の力を、ハーツクライは必要としなければならないのか?ということです。
配合に関しては、この牝馬とこの種牡馬と配合させてみたらどうだろうか?、という純粋な試みは当然あると思いますけどね・・・。
6番人気2着 スーサングレート(母ヴァレリーのBBLP=4:(4,0,0)
この馬の場合、キンカメ自身が内包する異系トウルビヨンのライン(計3つ)の要素が、相手の牝馬ヴァレリーが持つパーソロン(トウルビヨン4×4を持つ)の血と、「呼応」する可能性が出てきます。
従って、母自身が持つ迂回血ラインの値の低さはあまり関係なしに活躍していく可能性もあると感じますね。
ただ、異系アシストの要素は迂回血ラインの要素に比べて確実性は低くなり、クラスが上がってのモロさや気性面の不安定さなどが懸念されるので、もう少し走りの内容を見ておきたいところです。
2番人気8着 アストリンジャー(母スウィービングズのbBLP=3)
このタキオン産駒も上述のスズカセクレターボとほぼ同様の評価となり、マイル以下の距離に活路を見出すべきと考えます・・・。
2010年12月30日
2歳戦 次走へのメモ(27)
今年もあとわずかとなってまいりました。2歳戦回顧もまだすべてを網羅しきれていないので少しでも更新させておきます。
12/11 阪神3R 2歳未勝利(芝1600m)
4番人気1着 ボウシュウローズ(母アロマジュエリーのBBLP=考察外)
父オンファイア(BBLP=12)は言うまでもなくディープインパクトの全弟なので、人気薄でも穴をあけることは今後もよくあるのではないかと思います。
まあ、血統背景上は同一の祖先を持つといっても、人間同様に同じ親から生まれても一卵性双生児で無い限り、両親から受け継いだもの(DNA)が完全に一致するはずがありませんし、特性の異なる父親になっていくことは当然でしょう。
ただ、思わぬポテンシャル発揮の場面はどこかに用意されているでしょうし、どういう繁殖牝馬と好相性なのかを見せられれば、兄の産駒の配合の良し悪しを見るにも間接的なヒントにはなり得ると思います。
ボウシュウローズの場合、母のタイプはディープ産駒徹底再検証記事の(2)でいうところの③と④に該当し、ノーザンダンサーの血脈にとことん頼っているという印象を持ちます。また両親が共にヘイルトゥリーズン系で同系配合馬でもあるので、やはり他の事例と同じく迂回血ラインでの考察が向かないタイプであろうと判断します。
未勝利脱出に5戦要しており、今後の動向としてはすんなり好走を続けるかどうかで近親配合の良さが表に出ているのかの判断材料としたいところ。1800m以上の芝路線でも結果がついてくればそれなりの評価につながるでしょうが・・・。
3番人気2着 カルドブレッサ(母ラフィカのBBLP=10)
半姉にエアパスカルなどのいる血統背景。もう1頭の半姉ナンヨークイーンは2勝しているものの昇級は非常に苦労している状況で、やはり父トワイニングの持つBBLP=2では、芝におけるポテンシャル不足は如何ともし難いものを感じさせますね。
けれども、このカルドブレッサは父がジャンポケ(BBLP=12)となることで今後とも力量を発揮する場面が出てくるであろうと推察します。ただマイルという距離は俗に言う、「距離不足」でしょうね。今回ものすごい末脚(上がり3F33秒9)で追い込んで来ましたが届かず。いかにも脚を余したというレースでしょう。
この馬はノーザンダンサーのクロス(4×5)で血量最上位(9.38%)となるのですが、これと拮抗するのがハイペリオンの血量で9.38%と全く同じ値となります。この先祖両者の生年は30年ほどのズレがあるので、古い時代のハイペリオン(1930年生まれ)の存在がいかに大きいかが分かりますね。
*この馬は12/25阪神3R(芝1600m)で勝利しました。距離延長のほうが真価を発揮できると考えますが、まずは第一歩というところですね。
2番人気12着 アスールアラテラ(母ディスカバリングビューティーのBBLP=6:(5,1,0)の凡走パターン
この馬も既に7月31日付けのディープ産駒専用記事(その6)にて一度考察済みで、母が凡走パターンを持っていることにも言及していました。初戦は3着とまずまずの内容だったので2戦目も人気サイドとなったのですが、やはり母の血が持つ宿命には贖えなかった、ということでしょうか・・・。
私のブログをかなり以前からお読みになっている方でも、この「母の凡走パターン」についてはまだ半信半疑のところがあったかもしれませんが、こういった名門厩舎が管理する馬であっても抗し難いものが、私の研究するものからは察知できてしまう場合もあることは申し述べておきたいと思います。
年末にダート戦を走らせてみたようですが4着。ダートで芽が出るのなら、その路線でずっと頑張っていければいいのですが。
12/11 阪神3R 2歳未勝利(芝1600m)
4番人気1着 ボウシュウローズ(母アロマジュエリーのBBLP=考察外)
父オンファイア(BBLP=12)は言うまでもなくディープインパクトの全弟なので、人気薄でも穴をあけることは今後もよくあるのではないかと思います。
まあ、血統背景上は同一の祖先を持つといっても、人間同様に同じ親から生まれても一卵性双生児で無い限り、両親から受け継いだもの(DNA)が完全に一致するはずがありませんし、特性の異なる父親になっていくことは当然でしょう。
ただ、思わぬポテンシャル発揮の場面はどこかに用意されているでしょうし、どういう繁殖牝馬と好相性なのかを見せられれば、兄の産駒の配合の良し悪しを見るにも間接的なヒントにはなり得ると思います。
ボウシュウローズの場合、母のタイプはディープ産駒徹底再検証記事の(2)でいうところの③と④に該当し、ノーザンダンサーの血脈にとことん頼っているという印象を持ちます。また両親が共にヘイルトゥリーズン系で同系配合馬でもあるので、やはり他の事例と同じく迂回血ラインでの考察が向かないタイプであろうと判断します。
未勝利脱出に5戦要しており、今後の動向としてはすんなり好走を続けるかどうかで近親配合の良さが表に出ているのかの判断材料としたいところ。1800m以上の芝路線でも結果がついてくればそれなりの評価につながるでしょうが・・・。
3番人気2着 カルドブレッサ(母ラフィカのBBLP=10)
半姉にエアパスカルなどのいる血統背景。もう1頭の半姉ナンヨークイーンは2勝しているものの昇級は非常に苦労している状況で、やはり父トワイニングの持つBBLP=2では、芝におけるポテンシャル不足は如何ともし難いものを感じさせますね。
けれども、このカルドブレッサは父がジャンポケ(BBLP=12)となることで今後とも力量を発揮する場面が出てくるであろうと推察します。ただマイルという距離は俗に言う、「距離不足」でしょうね。今回ものすごい末脚(上がり3F33秒9)で追い込んで来ましたが届かず。いかにも脚を余したというレースでしょう。
この馬はノーザンダンサーのクロス(4×5)で血量最上位(9.38%)となるのですが、これと拮抗するのがハイペリオンの血量で9.38%と全く同じ値となります。この先祖両者の生年は30年ほどのズレがあるので、古い時代のハイペリオン(1930年生まれ)の存在がいかに大きいかが分かりますね。
*この馬は12/25阪神3R(芝1600m)で勝利しました。距離延長のほうが真価を発揮できると考えますが、まずは第一歩というところですね。
2番人気12着 アスールアラテラ(母ディスカバリングビューティーのBBLP=6:(5,1,0)の凡走パターン
この馬も既に7月31日付けのディープ産駒専用記事(その6)にて一度考察済みで、母が凡走パターンを持っていることにも言及していました。初戦は3着とまずまずの内容だったので2戦目も人気サイドとなったのですが、やはり母の血が持つ宿命には贖えなかった、ということでしょうか・・・。
私のブログをかなり以前からお読みになっている方でも、この「母の凡走パターン」についてはまだ半信半疑のところがあったかもしれませんが、こういった名門厩舎が管理する馬であっても抗し難いものが、私の研究するものからは察知できてしまう場合もあることは申し述べておきたいと思います。
年末にダート戦を走らせてみたようですが4着。ダートで芽が出るのなら、その路線でずっと頑張っていければいいのですが。
2010年12月25日
有馬記念 願望的考察
1年は早いですね。あっという間でした。結果が出たり出なかったりと、今年の血統考察もいつも通りでしたが(出なかったほうが多いか)。
有馬記念は、いつもの血統考察からは離れてみたいですね(笑)。
ただ、ウンチク的なものは提供しておこうかと。
2001年に有馬記念を勝ったのはマンハッタンカフェで、2着に大穴のアメリカンボスが突っ込み、周囲の度肝を抜く結果でした。
終わったあとでは「アメリカ同時多発テロ」絡みだ!とか、ナンボでも言えた訳ですけどね。
血統的には、アメリカンボスはキングマンボの仔で、かつ、ノーザンダンサー(4×3)=奇跡の血量配合という、一発あっておかしくない血統構成に加えて、同年の中山重賞での適性を既に示していました。
それにこじつけての今年の出走各馬では、父系がキングマンボ系であることを第一に見れば、当然キンカメ産駒のローズK(回避ですが)、トゥザグローリー、そしてダービー馬のエイシンフラッシュが該当。
また、奇跡の血量配合を持つというタイプでは、ヴィクトワールピサ(ヘイロー:3×4)、トーセンジョーダン(ノーザンダンサー:4×3)、ブエナビスタ(ニジンスキー:4×3)、メイショウベルーガ(ノーザンダンサー:4×3)、トゥザグローリー(ヌレイエフ:4×3)、トリはドリームジャーニー(ノーザンテースト:4×3)という面々が浮上。
まあ、ブエナVにVピサ、ドリジャニはG1馬としての結果を出しているので、今更ウンチクを語るまでもない馬ですが、 あえてポイントを挙げるとすれば、能力をまだ出し切っていないのがトーセンジョーダンにトゥザグローリーの2頭でしょう。
今後につながる競馬が出来るのか、ウンチク的にはそこが見どころ。
個人的には、エイシンフラッシュの巻き返しに期待します。元々、力のある父系に加えドイツ血統の母を持つ部分でも、異系要素の活力という意味では底知れないポテンシャルの持ち主でしょう。
あとはテキトーに流して(苦笑)、夢を見させてもらうとしましょう。有馬記念ぐらいは、己の願望が叶うかどうか?に執着してみたいものですし。
有馬記念は、いつもの血統考察からは離れてみたいですね(笑)。
ただ、ウンチク的なものは提供しておこうかと。
2001年に有馬記念を勝ったのはマンハッタンカフェで、2着に大穴のアメリカンボスが突っ込み、周囲の度肝を抜く結果でした。
終わったあとでは「アメリカ同時多発テロ」絡みだ!とか、ナンボでも言えた訳ですけどね。
血統的には、アメリカンボスはキングマンボの仔で、かつ、ノーザンダンサー(4×3)=奇跡の血量配合という、一発あっておかしくない血統構成に加えて、同年の中山重賞での適性を既に示していました。
それにこじつけての今年の出走各馬では、父系がキングマンボ系であることを第一に見れば、当然キンカメ産駒のローズK(回避ですが)、トゥザグローリー、そしてダービー馬のエイシンフラッシュが該当。
また、奇跡の血量配合を持つというタイプでは、ヴィクトワールピサ(ヘイロー:3×4)、トーセンジョーダン(ノーザンダンサー:4×3)、ブエナビスタ(ニジンスキー:4×3)、メイショウベルーガ(ノーザンダンサー:4×3)、トゥザグローリー(ヌレイエフ:4×3)、トリはドリームジャーニー(ノーザンテースト:4×3)という面々が浮上。
まあ、ブエナVにVピサ、ドリジャニはG1馬としての結果を出しているので、今更ウンチクを語るまでもない馬ですが、 あえてポイントを挙げるとすれば、能力をまだ出し切っていないのがトーセンジョーダンにトゥザグローリーの2頭でしょう。
今後につながる競馬が出来るのか、ウンチク的にはそこが見どころ。
個人的には、エイシンフラッシュの巻き返しに期待します。元々、力のある父系に加えドイツ血統の母を持つ部分でも、異系要素の活力という意味では底知れないポテンシャルの持ち主でしょう。
あとはテキトーに流して(苦笑)、夢を見させてもらうとしましょう。有馬記念ぐらいは、己の願望が叶うかどうか?に執着してみたいものですし。
ラジオNIKKEI杯2歳S 考察
早速ですが今年の場合、ディープインパクトがいきなり初年度産駒5頭をエントリーさせてきた、というのが最大の見どころというべきでしょうね。ある程度は予測できた事態だと思いますが、さすがというところでしょうか。
似たような状況の一例を過去に探すと、2004年(当時はラジオたんぱ杯2歳S)のヴァーミリアン(父エルコンドルパサー・母父サンデーS)が勝った時で、サンデーS産駒が5頭(出走頭数9頭中)と過半数を占めました。
この年はローゼンクロイツ、アドマイヤジャパン、シックスセンスが人気の一角となるサンデーS産駒で、それらを負かしたヴァーミリアンは一体どんな大物になっていくのか?と思われましたが、翌年のスプリングSで1番人気に支持されながら14着に敗退、以降は神戸新聞杯に至るまで二桁着順が続き、ダート戦に路線を変更し一気に飛躍していったという経緯でした。
毎年のこのレース(ラジオ〜杯2歳S)でそういうパターン(芝→ダート替わりで成功)というのは他にはあまりないと思いますが、今年の出走馬たちはどういう成長曲線を描いていけるのか、楽しみは尽きませんね。
今年のポイントは、サンデー系種牡馬の産駒が15頭中14頭と、他の系統を圧倒し、唯一ジャングルポケット産駒のみが彼らに挑むという構図。キンカメ産駒こそ居ないものの、今現在の種牡馬勢力の構図をほぼ反映するものと言ってもいいメンバー構成でしょうね。
ただ、サンデー系種牡馬の産駒同士による、血で血を洗う熾烈な生き残り競争の様相も呈しているわけで、今後2、3年の間はシーソーゲームのようになり、ディープ産駒の席巻となっていくか、或いはライバルの産駒たちも踏ん張るかが注目されることでしょう。
1.ユニバーサルバンク(母ヴィクトリーバンクのBBLP=7だが?)
ネオユニヴァース(BBLP=9)の場合、BBLP=10を超えているライバル種牡馬たちに拮抗するためには、ヴィクトワールピサ(ヘイロー:3×4)のように近親クロス(しかも奇跡の血量クロス)に頼る配合か、ロジユニヴァース(母のBBLP=12)のように、配合相手の牝馬の迂回血ライン数が高いことに頼るか、のどちらかです。
ユニバーサルバンクの場合、どちらにも該当しませんが、母自身がファラリス直系子孫でなく、異系トウルビヨンの系統に属し、なおかつそのトウルビヨン直系の両親を持つ「同系配合馬」であることがポイント。
異系そのものと言って良い母を持つことで、意外性に満ちた活力(底力要素も含む)を得ている可能性があり、迂回血ラインでの考察が当てはまりにくいタイプになります。
常に善戦するタイプ、で終わってしまう可能性も否定できないのですが、ひと皮剥けた場合の大駆けがあっても驚けないので、今回の結果はどうあれ、今後とも注目に値します。
2.オールアズワン(母トウホープログレスのBBLP=12)
世間一般の血統理論では認めないでしょうが、ナリタブライアン(BBLP=7)は「母のちから」で3冠馬になった馬である、と私には解釈できます。
何故ならば、
父ブライアンズタイムのBBLP=1
母パシフィカスのBBLP=6
ブライアンズタイムについては、その父ロベルト自身が持つ近親クロス(ナスルーラ≒ロイヤルチャージャーの3×3)が独特のもので、この爆発力が奏功しての活躍でしたが、「母父」となった場合のブライアンズタイムの芝重賞級活躍馬は、昨年の菊花賞馬スリーロールスを加えたとしても、過去に秋華賞馬ティコティコタックなどを含め極めて少数(片手の指で足りる)しか出ていません。
母父としての実績は、そのほとんどがダート馬としての実績に偏重するものとなっています。父としてはあれだけ芝のG1馬を出せてこれたのに、母父としてはどうしてサンデーSやトニービンには大きく見劣るのか?
以前は実に不思議でしたが、2006年夏以降、迂回血ラインに基づく考察を開始し、「母のBBLP」を特に重要視するべきであることが個人的に解った今では、その現象については得心に至っています。
ナリタブライアンの場合、母パシフィカスから大幅に継承された迂回血ライン=計6つの絶大な効果で名馬となっていったのです。残念ながら2世代を遺しただけでこの世から去ってしまったため、後継種牡馬が出なかっただけでなく、母父としての実績も多くを望めない状況です。
そんな中で出てきた2歳重賞勝ち馬がこのオールアズワン。この馬は両親が共にヘイルトゥリーズン系のため、他の事例に倣い「同系配合馬」と扱うことにもなるのですが、更に母トウホープログレス自身もノーザンダンサー(3×4)の黄金配合によるクロス要素を持つので、 非常に多角的な見方が必要というか、一筋縄では説明し切れない要素を持ちます。
今後も強さを見せていくのか、早熟傾向なだけだったのか、結論が導かれるのはもう少し先となりますが興味深い配合であることは確かです。
3.コティリオン(母ジェミードレスのBBLP=7)
兄・姉も先輩サンデー系種牡馬の産駒ですが良くて2勝止まり。父がディープに替わることでどれだけの伸びしろがあるのか、ある意味で今後の参考になりそうなタイプ(父のBBLP>母のBBLPとなるタイプでの)です。今回は距離延長が試金石でしょう。
母自身はハイペリオンの血量が最上位で、14.84%というのが特筆事項です。この、ハイペリオンの存在(影響力)が「世代位置として近い」ということを今のところ+αの考察ポイントにはしていませんが、この馬がもし芝重賞級の器として結果を出し続けた場合、あらたなポイント加算の条項として検討する余地が出てくるのかも。
4.ハーバーコマンド(母レディインのBBLP=16だが・・・)
母の持つ迂回血ライン数はかなりの値なのですが、同時にネアルコ血脈を多く抱える(=計12ラインで血量も最上位)タイプでもあり、おそらくかなりの確率で、今後につながるだけの活力を削がれそうな面も否定できません。
今回はそれほど人気が集まる存在ではなさそうなのでまだいいのですが、人気を背負う状況が今後にあった場合、やや不安も感じます。
5.ノヴァグロリア(母グロリオーサのBBLP=9も無効か?)
兄・姉は中央では出世できていませんね。母自身がノーザンダンサー(3×4)の黄金配合となるタイプで、この母についてはおそらくダート的なパワー伝達、硬質な筋肉組成が遺伝的に出やすいのではないかと思われます。ダート転向後の活躍があるかどうかを見たいタイプですね。
6.ナリタキングロード(母オースミハルカのBBLP=おそらく無効)
母の父フサイチコンコルド自身、ノーザンダンサー系の両親を持つ同系配合馬で、かつそのクロスが(3×3)となる、非常に特殊なタイプと言っていい種牡馬です。
個人的な解釈では典型的な「自己完結型」のタイプで、バランスオブゲームなどを出したにせよG1勝ち馬は未だに出せておらず、ダービー馬として種牡馬になった割には、それ相応の産駒は全く出し切れていないと感じます。
母父の位置に来ることでその影響がどうなるかですが、ナリタキングロード自身の5代内クロスはノーザンダンサー(5×5・5)となり、ディープの本質的な良さやサンデー系としての良さは成長と共に影を潜めていき、いずれオープンクラスでソコソコの活躍が出来ればいいほうではないかと感じます。
母オースミハルカ自身も、ネアルコ血脈を計11ライン抱えるという欠点が今後への不安要素。
7.ビップセレブアイ(母ベストオブチャンスのBBLP=9も・・・)
東スポ杯2歳Sで4番人気ながらシンガリ負け。単に調子が悪かった、というだけでは済まない負け方だと思うのですが。
次走へのメモでもこの馬を取り上げましたが、母自身はネアルコの血量が最上位(8.59%)となる部分が、やはりキーポイントでしょう。
ネアルコ経由の血が少ないこととか、ノーザンダンサーの血脈に過度に頼らないことこそが、活躍していった場合の大きなアドバンテージ(子孫から見た場合の、と言う意味で)です。
この母にはそういうアドバンテージはない、ということですね。多分。
8.ダノンバラード(母レディバラードのBBLP=6も・・・)
この馬はダノンシャンティ(父フジキセキ)と同様に、ヘイロー(3×3)の強度の近親クロスによる影響を併せて考察する必要のあるタイプです。
フジキセキの場合、ディープインパクトの持つBBLPの半分ですので、そこが同じクロス要素を持つ両産駒の違いとして明確に出るかがポイント。今回連対する力量があれば、当然父のポテンシャル伝達は確実と受け止めますが・・・。
9.ゴッドマスタング(母インコンパスのBBLP=考察外)
この母の場合ノーザンダンサー系の両親を持つ同系配合馬で、かつそのクロスが(2×4)と強烈な配合。前走は時計的にも内容があるように見えますが、当日の鳴尾記念も1分44秒台突入で、芝コースは開幕週特有の時計の出やすい馬場だったこともあるでしょう。
2000mへの距離延長で同じような末脚が発揮でき、連に絡めるようであれば相当な器でしょうが、個人的には少々懐疑的に扱います。
10.イデア(母メイクマイハンドルのBBLP=9)
この馬自身にはハイペリオン直系種牡馬のNodouble(4×3)という黄金クロスが発生する部分がポイント。前走は今回と全く同じ阪神芝2000mでの未勝利勝ちで、ペルーサ半弟のソルデマーヨを負かしてのもの。
サンデー系種牡馬の産駒ばかりが相手となる今回、唯一非サンデー系種牡馬の産駒として結果を出せれば今後につながる可能性は大きくなると思います。まあ、母の父はサンデーSなんですが。
息子である後継種牡馬たちの活躍の芽を、偉大なパパサンデーが「母の父」として摘み取るという図式は興味深いものがありますね。
11.アドマイヤコリン(母シルクプリマドンナのBBLP=4)
ディープ産駒記事で一度考察しています。オークス馬の母を持つとはいえ、新馬戦で負かした相手達はお世辞にも良血揃いとは言えそうにないレベルの面々。
また、母の父がブライアンズタイムというのも、上記のオールアズワンでの考察部分がこちらに適用できるでしょう。
現4歳の半兄ナショナルヒーロー(父キンカメ)が芝で結果を出せず、早々にダート転向し何とか未勝利を脱出したものの、その後の経緯は暗澹たる状況のままです。
ダンス産駒となる半兄フサイチフェイマスも、事前の評価(セレクトセールで1億2千6百万円)とは全く裏腹の不甲斐ない成績のまま、引退に追い込まれました。
私の場合迂回血ラインの研究を開始したあとは、母がオークス馬というだけでの単純な評価はできなくなったので、そもそもフサイチフェイマスへの評価がなんで高いのか、不思議に映っていましたが・・・。
12.ショウナンマイティ(母ラグジャリーのBBLP=9も・・・)
この馬も一度考察済み。アレッジド(4×3)の黄金クロスを自身が持つので、迂回血ラインの効力だけでの考察がしにくいタイプです。
母自身についていえばセントサイモン直系の父を持ち、プリンスキロの血量でも最上位ではないものの10.16%と次点の存在。
ノーザンダンサーのラインに過度に頼ることのない配合で、それでいて今後も強くなっていける場合はかなり有望でしょうね。個人的にはこの馬の走りに一番注目してみたいところです。
13.マーベラスカイザー(母マーベラスウーマンのBBLP=7)
前走京都2歳Sは驚きの好走でしたが、個人的には今後の重賞級にはつながらないもので、2年前の京都2歳S勝ち馬イクゼキュティヴのレベルに近いものがあると判断します。
14.レッドセインツ(母サセッティのBBLP=5:(4,1,0))
母自身については芝で重賞級となる仔を産めるタイプだとは思えませんが、父がディープとなることでかなり、相当にカバーしていると思います。おそらく2000mは長いでしょうし、ベストはマイル以下であろうと推察します。
15.ウインバリアシオン(母スーパーバレリーナのBBLP=11だが・・・)
この馬の母はノーザンダンサー(2×4)の超絶クロスを持つタイプ。父のハーツクライ自身もノーザンダンサーの血を持つので、ウインバリアシオンもそのクロスを(5×3・5)で持つ(≒血量は18.75%で黄金配合に準ずる)ことになります。
こういう、コテコテのノーザンダンサー血脈に頼る配合で強くなっていったとしても、現状におけるサンデー系種牡馬の発展する要素(ノーザンダンサーの血脈を過度に持たないこと)とは間逆の要素でもあるので、この馬が「ハーツクライ系」を確立していく可能性は著しく低いと思われますが。
似たような状況の一例を過去に探すと、2004年(当時はラジオたんぱ杯2歳S)のヴァーミリアン(父エルコンドルパサー・母父サンデーS)が勝った時で、サンデーS産駒が5頭(出走頭数9頭中)と過半数を占めました。
この年はローゼンクロイツ、アドマイヤジャパン、シックスセンスが人気の一角となるサンデーS産駒で、それらを負かしたヴァーミリアンは一体どんな大物になっていくのか?と思われましたが、翌年のスプリングSで1番人気に支持されながら14着に敗退、以降は神戸新聞杯に至るまで二桁着順が続き、ダート戦に路線を変更し一気に飛躍していったという経緯でした。
毎年のこのレース(ラジオ〜杯2歳S)でそういうパターン(芝→ダート替わりで成功)というのは他にはあまりないと思いますが、今年の出走馬たちはどういう成長曲線を描いていけるのか、楽しみは尽きませんね。
今年のポイントは、サンデー系種牡馬の産駒が15頭中14頭と、他の系統を圧倒し、唯一ジャングルポケット産駒のみが彼らに挑むという構図。キンカメ産駒こそ居ないものの、今現在の種牡馬勢力の構図をほぼ反映するものと言ってもいいメンバー構成でしょうね。
ただ、サンデー系種牡馬の産駒同士による、血で血を洗う熾烈な生き残り競争の様相も呈しているわけで、今後2、3年の間はシーソーゲームのようになり、ディープ産駒の席巻となっていくか、或いはライバルの産駒たちも踏ん張るかが注目されることでしょう。
1.ユニバーサルバンク(母ヴィクトリーバンクのBBLP=7だが?)
ネオユニヴァース(BBLP=9)の場合、BBLP=10を超えているライバル種牡馬たちに拮抗するためには、ヴィクトワールピサ(ヘイロー:3×4)のように近親クロス(しかも奇跡の血量クロス)に頼る配合か、ロジユニヴァース(母のBBLP=12)のように、配合相手の牝馬の迂回血ライン数が高いことに頼るか、のどちらかです。
ユニバーサルバンクの場合、どちらにも該当しませんが、母自身がファラリス直系子孫でなく、異系トウルビヨンの系統に属し、なおかつそのトウルビヨン直系の両親を持つ「同系配合馬」であることがポイント。
異系そのものと言って良い母を持つことで、意外性に満ちた活力(底力要素も含む)を得ている可能性があり、迂回血ラインでの考察が当てはまりにくいタイプになります。
常に善戦するタイプ、で終わってしまう可能性も否定できないのですが、ひと皮剥けた場合の大駆けがあっても驚けないので、今回の結果はどうあれ、今後とも注目に値します。
2.オールアズワン(母トウホープログレスのBBLP=12)
世間一般の血統理論では認めないでしょうが、ナリタブライアン(BBLP=7)は「母のちから」で3冠馬になった馬である、と私には解釈できます。
何故ならば、
父ブライアンズタイムのBBLP=1
母パシフィカスのBBLP=6
ブライアンズタイムについては、その父ロベルト自身が持つ近親クロス(ナスルーラ≒ロイヤルチャージャーの3×3)が独特のもので、この爆発力が奏功しての活躍でしたが、「母父」となった場合のブライアンズタイムの芝重賞級活躍馬は、昨年の菊花賞馬スリーロールスを加えたとしても、過去に秋華賞馬ティコティコタックなどを含め極めて少数(片手の指で足りる)しか出ていません。
母父としての実績は、そのほとんどがダート馬としての実績に偏重するものとなっています。父としてはあれだけ芝のG1馬を出せてこれたのに、母父としてはどうしてサンデーSやトニービンには大きく見劣るのか?
以前は実に不思議でしたが、2006年夏以降、迂回血ラインに基づく考察を開始し、「母のBBLP」を特に重要視するべきであることが個人的に解った今では、その現象については得心に至っています。
ナリタブライアンの場合、母パシフィカスから大幅に継承された迂回血ライン=計6つの絶大な効果で名馬となっていったのです。残念ながら2世代を遺しただけでこの世から去ってしまったため、後継種牡馬が出なかっただけでなく、母父としての実績も多くを望めない状況です。
そんな中で出てきた2歳重賞勝ち馬がこのオールアズワン。この馬は両親が共にヘイルトゥリーズン系のため、他の事例に倣い「同系配合馬」と扱うことにもなるのですが、更に母トウホープログレス自身もノーザンダンサー(3×4)の黄金配合によるクロス要素を持つので、 非常に多角的な見方が必要というか、一筋縄では説明し切れない要素を持ちます。
今後も強さを見せていくのか、早熟傾向なだけだったのか、結論が導かれるのはもう少し先となりますが興味深い配合であることは確かです。
3.コティリオン(母ジェミードレスのBBLP=7)
兄・姉も先輩サンデー系種牡馬の産駒ですが良くて2勝止まり。父がディープに替わることでどれだけの伸びしろがあるのか、ある意味で今後の参考になりそうなタイプ(父のBBLP>母のBBLPとなるタイプでの)です。今回は距離延長が試金石でしょう。
母自身はハイペリオンの血量が最上位で、14.84%というのが特筆事項です。この、ハイペリオンの存在(影響力)が「世代位置として近い」ということを今のところ+αの考察ポイントにはしていませんが、この馬がもし芝重賞級の器として結果を出し続けた場合、あらたなポイント加算の条項として検討する余地が出てくるのかも。
4.ハーバーコマンド(母レディインのBBLP=16だが・・・)
母の持つ迂回血ライン数はかなりの値なのですが、同時にネアルコ血脈を多く抱える(=計12ラインで血量も最上位)タイプでもあり、おそらくかなりの確率で、今後につながるだけの活力を削がれそうな面も否定できません。
今回はそれほど人気が集まる存在ではなさそうなのでまだいいのですが、人気を背負う状況が今後にあった場合、やや不安も感じます。
5.ノヴァグロリア(母グロリオーサのBBLP=9も無効か?)
兄・姉は中央では出世できていませんね。母自身がノーザンダンサー(3×4)の黄金配合となるタイプで、この母についてはおそらくダート的なパワー伝達、硬質な筋肉組成が遺伝的に出やすいのではないかと思われます。ダート転向後の活躍があるかどうかを見たいタイプですね。
6.ナリタキングロード(母オースミハルカのBBLP=おそらく無効)
母の父フサイチコンコルド自身、ノーザンダンサー系の両親を持つ同系配合馬で、かつそのクロスが(3×3)となる、非常に特殊なタイプと言っていい種牡馬です。
個人的な解釈では典型的な「自己完結型」のタイプで、バランスオブゲームなどを出したにせよG1勝ち馬は未だに出せておらず、ダービー馬として種牡馬になった割には、それ相応の産駒は全く出し切れていないと感じます。
母父の位置に来ることでその影響がどうなるかですが、ナリタキングロード自身の5代内クロスはノーザンダンサー(5×5・5)となり、ディープの本質的な良さやサンデー系としての良さは成長と共に影を潜めていき、いずれオープンクラスでソコソコの活躍が出来ればいいほうではないかと感じます。
母オースミハルカ自身も、ネアルコ血脈を計11ライン抱えるという欠点が今後への不安要素。
7.ビップセレブアイ(母ベストオブチャンスのBBLP=9も・・・)
東スポ杯2歳Sで4番人気ながらシンガリ負け。単に調子が悪かった、というだけでは済まない負け方だと思うのですが。
次走へのメモでもこの馬を取り上げましたが、母自身はネアルコの血量が最上位(8.59%)となる部分が、やはりキーポイントでしょう。
ネアルコ経由の血が少ないこととか、ノーザンダンサーの血脈に過度に頼らないことこそが、活躍していった場合の大きなアドバンテージ(子孫から見た場合の、と言う意味で)です。
この母にはそういうアドバンテージはない、ということですね。多分。
8.ダノンバラード(母レディバラードのBBLP=6も・・・)
この馬はダノンシャンティ(父フジキセキ)と同様に、ヘイロー(3×3)の強度の近親クロスによる影響を併せて考察する必要のあるタイプです。
フジキセキの場合、ディープインパクトの持つBBLPの半分ですので、そこが同じクロス要素を持つ両産駒の違いとして明確に出るかがポイント。今回連対する力量があれば、当然父のポテンシャル伝達は確実と受け止めますが・・・。
9.ゴッドマスタング(母インコンパスのBBLP=考察外)
この母の場合ノーザンダンサー系の両親を持つ同系配合馬で、かつそのクロスが(2×4)と強烈な配合。前走は時計的にも内容があるように見えますが、当日の鳴尾記念も1分44秒台突入で、芝コースは開幕週特有の時計の出やすい馬場だったこともあるでしょう。
2000mへの距離延長で同じような末脚が発揮でき、連に絡めるようであれば相当な器でしょうが、個人的には少々懐疑的に扱います。
10.イデア(母メイクマイハンドルのBBLP=9)
この馬自身にはハイペリオン直系種牡馬のNodouble(4×3)という黄金クロスが発生する部分がポイント。前走は今回と全く同じ阪神芝2000mでの未勝利勝ちで、ペルーサ半弟のソルデマーヨを負かしてのもの。
サンデー系種牡馬の産駒ばかりが相手となる今回、唯一非サンデー系種牡馬の産駒として結果を出せれば今後につながる可能性は大きくなると思います。まあ、母の父はサンデーSなんですが。
息子である後継種牡馬たちの活躍の芽を、偉大なパパサンデーが「母の父」として摘み取るという図式は興味深いものがありますね。
11.アドマイヤコリン(母シルクプリマドンナのBBLP=4)
ディープ産駒記事で一度考察しています。オークス馬の母を持つとはいえ、新馬戦で負かした相手達はお世辞にも良血揃いとは言えそうにないレベルの面々。
また、母の父がブライアンズタイムというのも、上記のオールアズワンでの考察部分がこちらに適用できるでしょう。
現4歳の半兄ナショナルヒーロー(父キンカメ)が芝で結果を出せず、早々にダート転向し何とか未勝利を脱出したものの、その後の経緯は暗澹たる状況のままです。
ダンス産駒となる半兄フサイチフェイマスも、事前の評価(セレクトセールで1億2千6百万円)とは全く裏腹の不甲斐ない成績のまま、引退に追い込まれました。
私の場合迂回血ラインの研究を開始したあとは、母がオークス馬というだけでの単純な評価はできなくなったので、そもそもフサイチフェイマスへの評価がなんで高いのか、不思議に映っていましたが・・・。
12.ショウナンマイティ(母ラグジャリーのBBLP=9も・・・)
この馬も一度考察済み。アレッジド(4×3)の黄金クロスを自身が持つので、迂回血ラインの効力だけでの考察がしにくいタイプです。
母自身についていえばセントサイモン直系の父を持ち、プリンスキロの血量でも最上位ではないものの10.16%と次点の存在。
ノーザンダンサーのラインに過度に頼ることのない配合で、それでいて今後も強くなっていける場合はかなり有望でしょうね。個人的にはこの馬の走りに一番注目してみたいところです。
13.マーベラスカイザー(母マーベラスウーマンのBBLP=7)
前走京都2歳Sは驚きの好走でしたが、個人的には今後の重賞級にはつながらないもので、2年前の京都2歳S勝ち馬イクゼキュティヴのレベルに近いものがあると判断します。
14.レッドセインツ(母サセッティのBBLP=5:(4,1,0))
母自身については芝で重賞級となる仔を産めるタイプだとは思えませんが、父がディープとなることでかなり、相当にカバーしていると思います。おそらく2000mは長いでしょうし、ベストはマイル以下であろうと推察します。
15.ウインバリアシオン(母スーパーバレリーナのBBLP=11だが・・・)
この馬の母はノーザンダンサー(2×4)の超絶クロスを持つタイプ。父のハーツクライ自身もノーザンダンサーの血を持つので、ウインバリアシオンもそのクロスを(5×3・5)で持つ(≒血量は18.75%で黄金配合に準ずる)ことになります。
こういう、コテコテのノーザンダンサー血脈に頼る配合で強くなっていったとしても、現状におけるサンデー系種牡馬の発展する要素(ノーザンダンサーの血脈を過度に持たないこと)とは間逆の要素でもあるので、この馬が「ハーツクライ系」を確立していく可能性は著しく低いと思われますが。