2010年07月
2010年07月25日
2歳戦 次走へのメモ(その5)
今回の、「その5」からは、新馬戦だけでなく2歳未勝利戦の勝ち馬や2歳オープン戦での連対馬などを中心に取り上げていこうと思います。
24日土曜新潟の2歳未勝利戦(第1R)では、以前の記事で注目馬としたショウナンバースが1番人気で勝利。
このショウナンバーズが3着だった福島の新馬戦での勝ち馬はヒラボクロイヤルで、そのHロイヤルにしぶとく食い下がって2着の牝馬ミススパスダーも今回の未勝利戦に参戦してきましたが、こちらは4着に敗退。
レース内容としては、今回逃げたモリトラヴ(17着)が2歳戦にしてはかなり速めのペース(千m通過時59秒4)で先行しつつも失速(800m〜1000mのラップはこのレースで最も遅い13秒0)し、変則的な流れとはなりましたが、道中11番手からマクリ気味に、4コーナーでは7番手に進出していたショウナンバーズが上がり3F最速の35秒3を駆使して、2戦目で早々と未勝利を脱出できましたね。
2歳戦で、かつ1800m以上の距離で最初の千mが60秒を切るレースというのはそうそうあることではなく、2歳馬にとっては厳しい流れと捉えて差し支えないと思いますが、そういう、上がりの掛かる競馬というレースで中団から差し切ったショウナンバーズは、今後もかなりやれそうな気配です。(まあ1番人気ではありましたが)
逆に、前走で超スローの瞬発力勝負ではヒラボクロイヤルとほぼ互角の競馬ができた牝馬ミススパイダーが、今回4着とはいえショウナンバーズに0秒8差というかなり大きな着差をつけられたことは、もしヒラボクロイヤルがこういう比較的、「締まった流れの競馬」を今後経験した場合にどうなの?という、疑念を生じさせる結果ともなったわけですね。
もちろん、そんな「疑念」を即座に払拭させるような内容でヒラボクロイヤルが次走以降も強さを発揮することができれば問題ないわけで、そういう強さが認識できた時点で、はじめてヒラボクロイヤルに対する評価が“確固たるもの”になっていくわけです。
個人的にはショウナンバーズのほうに、血統的な可能性という面からもこの馬の動向にこれからも注目しようと思います。
さて、同日土曜の新潟新馬戦(第5R)では牝馬の2頭ヴァナディースとコスモフローラが1、2着。
こちらは新馬戦特有の、最初の千m通過時のタイムは62秒2でマイル戦では超の付くスロー競馬。ラインフラフトの半妹ということで、ヴァナディースは今後も引き続き注目されそうですが、母マストビーラヴドの迂回血ライン数は8という値で、現代の母馬としてはさほどのアドバンテージをン持っているとは考えられず、個人的にはG1級の活躍はないと見ています(3歳クラシック本番での勝ち負けは厳しい、という評価です)。
変わって日曜の新馬戦から。個人的には、函館の2歳新馬戦(芝1200m)と、新潟の2歳新馬戦(芝1800m戦)で、共に勝ち馬の単勝およびワイド馬券を的中できました。
「予想的中」に関しては、このブログで事前考察記事を載せていない場合にはその証明ができませんが、個人的に参加している某競馬SNSで予想の登録をし、的中させていることは確かです。
個人的に、「嘘」をつくのは大嫌いなので、的中できていない時に「当てた!」などということは絶対にないです。これはもう、読者の方に信じてもらうしかありませんが・・・。
単勝的中の1つめは日曜函館の新馬戦。
このレースでは、ディープインパクト産駒のデラモーレという馬が単勝2.6倍で1番人気になっていましたが、個人的には何で1番人気なのか良く分かりませんでした。
いつもはあまり考察しない1200m戦ではありましたが、単に種牡馬のネームヴァリューだけでの人気なら、別の馬に注目するのも面白いと考えて考察しました。
デラモーレ(母ベラミアモーレの迂回血ライン数=6)
父ディープインパクトが迂回血ライン数=12ですので、母馬の底力不足を補う可能性は確かにあるのですが、この母ではさすがに力量が不足していると思われます。
短距離戦に活路を見出すという意味ではいいのですが、どちらかというと米国系でダートに向く感じの母の血統背景ですね。洋芝の函館や札幌よりも、芝なら野芝の新潟か小倉などで、ダート適性を活かせるような場合の芝1200m戦などがいいのではないでしょうか・・・。
私が◎にしたのは5番人気の、
エーシンジャッカル(母エイシンリョウサンの迂回血ライン数=11)
単勝が当たったのにこんなことを言うのも何ですが、個人的にはマイル戦でデビューさせて欲しかったな、と思える母の迂回血ラインの値です。
これはもう陣営の選択なので、外野がどうこう言っても仕方ありません。けれども今後は、距離延長にしっかり対応すべく調教を積んでいってもらえれば、単なるスプリンターで終わる馬ではないと判断します。
母父がアフリートなどというと、それだけでダートっぽいと思われがちでしょうが、フジキセキとの配合で5代アウトブリードとなる血統背景もいいですし、今後芝のマイル戦でも好結果が出せるようならば、3歳クラシック戦線でもそれなりの位置にいる可能性を、今は感じています。
次に、日曜新潟の新馬戦(芝1800m)で◎にした、
リーサムポイント(母バーシャの迂回血ライン数=10)
この馬の場合、さほどの将来性を感じていませんが、このレースで人気になっていたモンテビギン(父テイエムオペラオー)、ヒールゼアハーツ(父ハーツクライ)、エーシンディーバ(父ロックオブジブラルタル)の3頭それぞれについて、何ら血統的な「良い部分」を感じ取れなかったので、そのままスライドさせて結果的に4番人気のリーサムポイントが◎となり単勝的中、になった次第です。
特にモンテビギンに関しては、何でこんなに人気なんだろう?という疑問しか感じませんでした。おそらく調教の内容がソコソコ良いと伝わったであろうことと、中舘騎手が騎乗ということでファンが期待したんでしょう。
個人的には、種牡馬テイエムオペラオーには全く期待できそうにないなあ、という感じです。競走馬として、「自己完結型」なんですね。
まず、ナスルーラの近親クロス(母方の4・5)が子孫にはあまり良い方向に遺伝せず気性難が優性になっていそうなことや、ネアルコ経由の血のラインが合計8つある(血量パーセンテージではナスルーラと同じ10.16%になってしまう)ことが、種牡馬としてのアドバンテージには一切、有効でないということです。
サンデーサイレンスの直仔でリーディングサイアー上位に来ているような種牡馬たちに、「ネアルコ経由の血のラインを8つ持っている」ようなタイプは全く存在しません。せいぜい3つとか、多くても5つ程度でしょう。
何故、サンデー系種牡馬たちがネアルコ直系種牡馬群の中でズバ抜けて活躍度が高いのか?
その理由の一つには、「ネアルコ経由の血の多さに頼っていない」ことがあるからだと思われます。更に、母方からノーザンダンサー経由の血のラインを2つ以上得ているようなサンデー系種牡馬たち(ゴールドアリュール、ザッツザプレンティ、スズカマンボなど)も、今後、後継種牡馬を残せるような立場にはないと考えます。
何故なら、サンデー系種牡馬である前に、ノーザンダンサー経由の血のラインに2つも頼り、配合牝馬次第ではその血を4つとか5つとか、産駒に増幅させて影響力を与えるだけの存在だからです。
そういう特徴のサンデー系種牡馬が、サンデー系種牡馬の中の更なる王道を行くことが可能なのでしょうか?
この疑問の答えを得るに関しては、もう少し時間経過が必要です。
個人的には、ディープインパクト産駒の中でも、母方にノーザンダンサー経由の血が1つもないタイプに、サンデー系種牡馬の更なる王道を行く資格が備わっているはず、と考えています。
そういうタイプで実績を上げていく産駒が出現したら、その時は大々的に取り上げたいと思います。
24日土曜新潟の2歳未勝利戦(第1R)では、以前の記事で注目馬としたショウナンバースが1番人気で勝利。
このショウナンバーズが3着だった福島の新馬戦での勝ち馬はヒラボクロイヤルで、そのHロイヤルにしぶとく食い下がって2着の牝馬ミススパスダーも今回の未勝利戦に参戦してきましたが、こちらは4着に敗退。
レース内容としては、今回逃げたモリトラヴ(17着)が2歳戦にしてはかなり速めのペース(千m通過時59秒4)で先行しつつも失速(800m〜1000mのラップはこのレースで最も遅い13秒0)し、変則的な流れとはなりましたが、道中11番手からマクリ気味に、4コーナーでは7番手に進出していたショウナンバーズが上がり3F最速の35秒3を駆使して、2戦目で早々と未勝利を脱出できましたね。
2歳戦で、かつ1800m以上の距離で最初の千mが60秒を切るレースというのはそうそうあることではなく、2歳馬にとっては厳しい流れと捉えて差し支えないと思いますが、そういう、上がりの掛かる競馬というレースで中団から差し切ったショウナンバーズは、今後もかなりやれそうな気配です。(まあ1番人気ではありましたが)
逆に、前走で超スローの瞬発力勝負ではヒラボクロイヤルとほぼ互角の競馬ができた牝馬ミススパイダーが、今回4着とはいえショウナンバーズに0秒8差というかなり大きな着差をつけられたことは、もしヒラボクロイヤルがこういう比較的、「締まった流れの競馬」を今後経験した場合にどうなの?という、疑念を生じさせる結果ともなったわけですね。
もちろん、そんな「疑念」を即座に払拭させるような内容でヒラボクロイヤルが次走以降も強さを発揮することができれば問題ないわけで、そういう強さが認識できた時点で、はじめてヒラボクロイヤルに対する評価が“確固たるもの”になっていくわけです。
個人的にはショウナンバーズのほうに、血統的な可能性という面からもこの馬の動向にこれからも注目しようと思います。
さて、同日土曜の新潟新馬戦(第5R)では牝馬の2頭ヴァナディースとコスモフローラが1、2着。
こちらは新馬戦特有の、最初の千m通過時のタイムは62秒2でマイル戦では超の付くスロー競馬。ラインフラフトの半妹ということで、ヴァナディースは今後も引き続き注目されそうですが、母マストビーラヴドの迂回血ライン数は8という値で、現代の母馬としてはさほどのアドバンテージをン持っているとは考えられず、個人的にはG1級の活躍はないと見ています(3歳クラシック本番での勝ち負けは厳しい、という評価です)。
変わって日曜の新馬戦から。個人的には、函館の2歳新馬戦(芝1200m)と、新潟の2歳新馬戦(芝1800m戦)で、共に勝ち馬の単勝およびワイド馬券を的中できました。
「予想的中」に関しては、このブログで事前考察記事を載せていない場合にはその証明ができませんが、個人的に参加している某競馬SNSで予想の登録をし、的中させていることは確かです。
個人的に、「嘘」をつくのは大嫌いなので、的中できていない時に「当てた!」などということは絶対にないです。これはもう、読者の方に信じてもらうしかありませんが・・・。
単勝的中の1つめは日曜函館の新馬戦。
このレースでは、ディープインパクト産駒のデラモーレという馬が単勝2.6倍で1番人気になっていましたが、個人的には何で1番人気なのか良く分かりませんでした。
いつもはあまり考察しない1200m戦ではありましたが、単に種牡馬のネームヴァリューだけでの人気なら、別の馬に注目するのも面白いと考えて考察しました。
デラモーレ(母ベラミアモーレの迂回血ライン数=6)
父ディープインパクトが迂回血ライン数=12ですので、母馬の底力不足を補う可能性は確かにあるのですが、この母ではさすがに力量が不足していると思われます。
短距離戦に活路を見出すという意味ではいいのですが、どちらかというと米国系でダートに向く感じの母の血統背景ですね。洋芝の函館や札幌よりも、芝なら野芝の新潟か小倉などで、ダート適性を活かせるような場合の芝1200m戦などがいいのではないでしょうか・・・。
私が◎にしたのは5番人気の、
エーシンジャッカル(母エイシンリョウサンの迂回血ライン数=11)
単勝が当たったのにこんなことを言うのも何ですが、個人的にはマイル戦でデビューさせて欲しかったな、と思える母の迂回血ラインの値です。
これはもう陣営の選択なので、外野がどうこう言っても仕方ありません。けれども今後は、距離延長にしっかり対応すべく調教を積んでいってもらえれば、単なるスプリンターで終わる馬ではないと判断します。
母父がアフリートなどというと、それだけでダートっぽいと思われがちでしょうが、フジキセキとの配合で5代アウトブリードとなる血統背景もいいですし、今後芝のマイル戦でも好結果が出せるようならば、3歳クラシック戦線でもそれなりの位置にいる可能性を、今は感じています。
次に、日曜新潟の新馬戦(芝1800m)で◎にした、
リーサムポイント(母バーシャの迂回血ライン数=10)
この馬の場合、さほどの将来性を感じていませんが、このレースで人気になっていたモンテビギン(父テイエムオペラオー)、ヒールゼアハーツ(父ハーツクライ)、エーシンディーバ(父ロックオブジブラルタル)の3頭それぞれについて、何ら血統的な「良い部分」を感じ取れなかったので、そのままスライドさせて結果的に4番人気のリーサムポイントが◎となり単勝的中、になった次第です。
特にモンテビギンに関しては、何でこんなに人気なんだろう?という疑問しか感じませんでした。おそらく調教の内容がソコソコ良いと伝わったであろうことと、中舘騎手が騎乗ということでファンが期待したんでしょう。
個人的には、種牡馬テイエムオペラオーには全く期待できそうにないなあ、という感じです。競走馬として、「自己完結型」なんですね。
まず、ナスルーラの近親クロス(母方の4・5)が子孫にはあまり良い方向に遺伝せず気性難が優性になっていそうなことや、ネアルコ経由の血のラインが合計8つある(血量パーセンテージではナスルーラと同じ10.16%になってしまう)ことが、種牡馬としてのアドバンテージには一切、有効でないということです。
サンデーサイレンスの直仔でリーディングサイアー上位に来ているような種牡馬たちに、「ネアルコ経由の血のラインを8つ持っている」ようなタイプは全く存在しません。せいぜい3つとか、多くても5つ程度でしょう。
何故、サンデー系種牡馬たちがネアルコ直系種牡馬群の中でズバ抜けて活躍度が高いのか?
その理由の一つには、「ネアルコ経由の血の多さに頼っていない」ことがあるからだと思われます。更に、母方からノーザンダンサー経由の血のラインを2つ以上得ているようなサンデー系種牡馬たち(ゴールドアリュール、ザッツザプレンティ、スズカマンボなど)も、今後、後継種牡馬を残せるような立場にはないと考えます。
何故なら、サンデー系種牡馬である前に、ノーザンダンサー経由の血のラインに2つも頼り、配合牝馬次第ではその血を4つとか5つとか、産駒に増幅させて影響力を与えるだけの存在だからです。
そういう特徴のサンデー系種牡馬が、サンデー系種牡馬の中の更なる王道を行くことが可能なのでしょうか?
この疑問の答えを得るに関しては、もう少し時間経過が必要です。
個人的には、ディープインパクト産駒の中でも、母方にノーザンダンサー経由の血が1つもないタイプに、サンデー系種牡馬の更なる王道を行く資格が備わっているはず、と考えています。
そういうタイプで実績を上げていく産駒が出現したら、その時は大々的に取り上げたいと思います。
2010年07月20日
新馬戦 次走へのメモ(その4)
先週の「芝の新馬戦」では、マイル以上の距離での施行は日曜新潟の第6Rのみでしたので、本来はメモ(その3)で終わってしまうのですが、そこでも述べたようにその6Rの出走メンバーで次走に注目したい馬が連対馬2頭以外に見つからず、かなりメンツ的に疑問のレースでした。
そこで、その一つ前の牝馬限定の新馬戦(日曜新潟第5R)の出走馬から、数頭コメントしておきたいと思います。
本来は、「芝の新馬戦」でも1400m以下の距離のレースは事前考察&回顧の対象外なのですが、次走以降で「距離延長」の場合には注目したい馬として、以下にピックアップします。
デラコリーナ(母フロムアップランドの迂回血ライン数=11)
母のフロムアップランドはエリシオ産駒で、当初ダート1800m戦で未勝利、500万下条件をクリア、その後やや低迷も1000万下条件で芝1400m戦を2勝したのち、ほどなく引退しこのタキオンの仔を産んでいます。
この母も鈴木康調教師の管理馬だったので、そのまま初仔も管理するという流れのようですね。
個人的には、最初からマイル戦でデビューさせてみて欲しかったのですが、母が2勝している芝1400m戦をあえて目標にしただけなのかもしれません。迂回血的には10の母父エリシオがほとんどを占め、底力分布としては偏りがあるのは否めませんが、本来はおそらくマイル〜2000mまでは十分対応可能なはずと思われます。
陣営が1400m以下に固執して使い続ける場合は考察対象から除外しますが、マイル以上に目標を伸ばして挑戦してくる場合は引き続き注目馬としたいと思います。
デラコリーナの4着だった、
シンビジューム(母アピールポイントの迂回血ライン数=おそらく無効)
実はこの馬に、レース前は注目していました。母の父はアグネスタキオンで、少なくとも私にとっては初めての、「母父アグネスタキオン」として考察する馬です。
母父フジキセキとか、母父Sウィークとか母父ダンスインザダークなら既に見かけることが多くなってきていますが、いよいよ母父タキオンも考察する状況下になってきているわけですね。
シンビジュームは父がタニノギムレットになるため、「父ロベルト系×母父サンデーS(系)」という、最近よくある配合となり、どちらの系も広義にはヘイルトゥリーズン系なので、私の場合はあえて「同系配合馬」と位置づけるタイプとなりますが・・・。
それよりも興味深いのは、母馬アピールポイントがノーザンダンサー経由の血を一切持たないということで、タニノギムレットもそうですから、シンビジュームの血統表には全くノーザンダンサー由来の血が現れないわけです。
今年の新馬たちにはノーザンダンサー経由の血のラインを3つとか4つ5つ持つようなタイプがザラにいますから、「間逆のトレンド」を地で行っているこのシンビジュームが、次走以降どこかで勝ち上がれるかどうか、しばらくの間は見守りたいと思います。
ただし、シンビジュームはマイルぐらいまでが守備範囲かもしれません。同系配合馬の場合、いくら父や母父が2400mまで対応の種牡馬だとしても、同系の場合の共通祖先(この場合はHtoリーズン)がスピード優位の種牡馬の場合、そちらが表に出やすい場合が多々見られるからです。
さらに、シンビジュームはナスルーラ経由の血のラインがかなり多い(父2+母7=9)ので、その辺も同系配合以上に問題のありそうな部分(特に気性面で課題でやすい)がどうか・・・。まあ、どうなりますかね。
さて、この新馬戦で人気ながらも凡走したこの馬については・・・、
ウインジュビリー(母ダイヤモンドビコーの迂回血ライン数=5=(4,1,0)の凡走パターンも、同系配合馬でどうなるか?)
おそらく、母はあのダイヤモンドビコー、という要素で過剰人気になったのかな?と思われます。2002年のエリザベス女王杯でファインモーションの2着、という実績が主ですね。
けれども、1つ上の半姉ウインマリアベール(父クロフネ)も期待に沿う活躍があまり出来ていないように、凡走パターンを持つ母馬なのです。
何度も言いますが、母自身がG1戦で連対しているという事実と、母となっての実績がどうなのかの検証は、私の場合は全く、関連させません。
この辺の徹底ぶりは、通常の「血統大好き目線」で馬を見る人にとっては、「何で?」となるのかもしれませんが、とにかく、配合の特徴において「凡走パターンの母馬」と私が定義したタイプにダイヤモンドビコーがなってしまう以上、そうとしか言えないのです。
「レッドセインツの母も凡走パターンとか言って、1番人気でちゃんと勝ったぢゃねーかよ!」と怒っている方がいるとすれば、再度説明しておきたいのですが、「凡走パターンの母」とは、「常に走らない」などと言っているのではなく、人気サイドになりながらもあっけなくコケる(馬券圏外へ去る)ような特徴を持った配合パターンのことです。
レッドセインツを応援したい方々にとっては、「ンなもん、知るか!」となるでしょうが、私も、凡走してくれなどと思っているわけではありません。そうならないことを切に願うのみ、ですね。
私自身、考察段階でペルーサが凡走パターンの母を持つと把握していながら、ダービーでは対抗評価で期待していました・・・。
まあ、少なくともウインジュビリーの場合は初戦で「発動」してしまったので、次走以降に連勝街道でも突き進まない限り、しばらくは人気サイドで走る機会が減りそうですが。
もう一点、ウインジュビリーも父シンボリクリスエス×母父サンデーSの配合であるため、シンビジューム同様に基本は同系配合馬の扱いです。あとはどういう条件で勝てるか、動向を追っていきたいと思います。
(私は凡走した場合について、脚部不安とか故障など不具合が発生した場合のことを想定していません。あくまでも、健康な状態で凡走した時についてのパターン考察であることをご理解願います。後日に故障などが判明した場合は、当然パターン考察からは除外します)
そこで、その一つ前の牝馬限定の新馬戦(日曜新潟第5R)の出走馬から、数頭コメントしておきたいと思います。
本来は、「芝の新馬戦」でも1400m以下の距離のレースは事前考察&回顧の対象外なのですが、次走以降で「距離延長」の場合には注目したい馬として、以下にピックアップします。
デラコリーナ(母フロムアップランドの迂回血ライン数=11)
母のフロムアップランドはエリシオ産駒で、当初ダート1800m戦で未勝利、500万下条件をクリア、その後やや低迷も1000万下条件で芝1400m戦を2勝したのち、ほどなく引退しこのタキオンの仔を産んでいます。
この母も鈴木康調教師の管理馬だったので、そのまま初仔も管理するという流れのようですね。
個人的には、最初からマイル戦でデビューさせてみて欲しかったのですが、母が2勝している芝1400m戦をあえて目標にしただけなのかもしれません。迂回血的には10の母父エリシオがほとんどを占め、底力分布としては偏りがあるのは否めませんが、本来はおそらくマイル〜2000mまでは十分対応可能なはずと思われます。
陣営が1400m以下に固執して使い続ける場合は考察対象から除外しますが、マイル以上に目標を伸ばして挑戦してくる場合は引き続き注目馬としたいと思います。
デラコリーナの4着だった、
シンビジューム(母アピールポイントの迂回血ライン数=おそらく無効)
実はこの馬に、レース前は注目していました。母の父はアグネスタキオンで、少なくとも私にとっては初めての、「母父アグネスタキオン」として考察する馬です。
母父フジキセキとか、母父Sウィークとか母父ダンスインザダークなら既に見かけることが多くなってきていますが、いよいよ母父タキオンも考察する状況下になってきているわけですね。
シンビジュームは父がタニノギムレットになるため、「父ロベルト系×母父サンデーS(系)」という、最近よくある配合となり、どちらの系も広義にはヘイルトゥリーズン系なので、私の場合はあえて「同系配合馬」と位置づけるタイプとなりますが・・・。
それよりも興味深いのは、母馬アピールポイントがノーザンダンサー経由の血を一切持たないということで、タニノギムレットもそうですから、シンビジュームの血統表には全くノーザンダンサー由来の血が現れないわけです。
今年の新馬たちにはノーザンダンサー経由の血のラインを3つとか4つ5つ持つようなタイプがザラにいますから、「間逆のトレンド」を地で行っているこのシンビジュームが、次走以降どこかで勝ち上がれるかどうか、しばらくの間は見守りたいと思います。
ただし、シンビジュームはマイルぐらいまでが守備範囲かもしれません。同系配合馬の場合、いくら父や母父が2400mまで対応の種牡馬だとしても、同系の場合の共通祖先(この場合はHtoリーズン)がスピード優位の種牡馬の場合、そちらが表に出やすい場合が多々見られるからです。
さらに、シンビジュームはナスルーラ経由の血のラインがかなり多い(父2+母7=9)ので、その辺も同系配合以上に問題のありそうな部分(特に気性面で課題でやすい)がどうか・・・。まあ、どうなりますかね。
さて、この新馬戦で人気ながらも凡走したこの馬については・・・、
ウインジュビリー(母ダイヤモンドビコーの迂回血ライン数=5=(4,1,0)の凡走パターンも、同系配合馬でどうなるか?)
おそらく、母はあのダイヤモンドビコー、という要素で過剰人気になったのかな?と思われます。2002年のエリザベス女王杯でファインモーションの2着、という実績が主ですね。
けれども、1つ上の半姉ウインマリアベール(父クロフネ)も期待に沿う活躍があまり出来ていないように、凡走パターンを持つ母馬なのです。
何度も言いますが、母自身がG1戦で連対しているという事実と、母となっての実績がどうなのかの検証は、私の場合は全く、関連させません。
この辺の徹底ぶりは、通常の「血統大好き目線」で馬を見る人にとっては、「何で?」となるのかもしれませんが、とにかく、配合の特徴において「凡走パターンの母馬」と私が定義したタイプにダイヤモンドビコーがなってしまう以上、そうとしか言えないのです。
「レッドセインツの母も凡走パターンとか言って、1番人気でちゃんと勝ったぢゃねーかよ!」と怒っている方がいるとすれば、再度説明しておきたいのですが、「凡走パターンの母」とは、「常に走らない」などと言っているのではなく、人気サイドになりながらもあっけなくコケる(馬券圏外へ去る)ような特徴を持った配合パターンのことです。
レッドセインツを応援したい方々にとっては、「ンなもん、知るか!」となるでしょうが、私も、凡走してくれなどと思っているわけではありません。そうならないことを切に願うのみ、ですね。
私自身、考察段階でペルーサが凡走パターンの母を持つと把握していながら、ダービーでは対抗評価で期待していました・・・。
まあ、少なくともウインジュビリーの場合は初戦で「発動」してしまったので、次走以降に連勝街道でも突き進まない限り、しばらくは人気サイドで走る機会が減りそうですが。
もう一点、ウインジュビリーも父シンボリクリスエス×母父サンデーSの配合であるため、シンビジューム同様に基本は同系配合馬の扱いです。あとはどういう条件で勝てるか、動向を追っていきたいと思います。
(私は凡走した場合について、脚部不安とか故障など不具合が発生した場合のことを想定していません。あくまでも、健康な状態で凡走した時についてのパターン考察であることをご理解願います。後日に故障などが判明した場合は、当然パターン考察からは除外します)
2010年07月18日
新馬戦 次走へのメモ(その3)
昨日記事にしたレッドセインツは初戦を勝利しましたが、今後、人気サイドでの走りには注目ですね。走破タイム自体高速馬場のわりにかなり平凡で、前半千m通過時の先行馬のタイムはマイル戦にしては遅い62秒5と、いかにも新馬戦という流れ。
どうも、相手関係にもかなり恵まれた感じは拭えませんね。2番人気だったキンカメ産駒ソウルオブエイチが13着に敗退するなど買いかぶられ気味で、メンバー全体のレベルは相当低そうな気がしますし。
超スローの典型的な上がりの競馬で、出走馬中唯一34秒を切る33秒9という上がり3Fのタイムはさすがディープ産駒、というべきかもしれませんが、新潟や小倉の平坦コースで高速上がりを繰り出すケースは、急坂のある中山や阪神に替わると案外、という場合もしばしばです。
某血統評論家さんの、この馬の配合へのPOG的評価は高いようですが、私自身の当初の見解である「母方の底力継承度が足りない」を撤回するには今後のオープンクラスで、新潟や小倉ではない急坂のある競馬場においても強い内容で勝利し、好走を続けることが条件ですね。
今回はむしろ、レッドセインツの2着になった人気薄、Johannesburg産駒のキザ(8番人気)の配合のほうがちょっとびっくりモノです。
このキザという馬は両親がどちらもノーザンダンサー系の同系配合馬であるだけでなく、共にストームバード系というもので、クロスとしては極端とも言えるストームバード(4×2)が大きな特徴です。
私は同系配合馬の距離適性の特徴としては距離短縮で結果を残しやすい、と考えるので次走のキザが芝1400mなどに出走した場合、すんなり結果を残せるのではないかと思います。
今回はたまたま超スローの展開だったため、マイル戦に対応したように見えますが、キザの本来のベスト距離は1400m以下ではないかと考えています。この馬の次走以降も注目しておこうと思います。
また、本来はほとんど注目しない新馬1200m戦ですが、土曜小倉での芝1200m戦では2歳戦としては破格の時計、1分7秒9で勝利したブラウンワイルドは注目馬としておきたい馬ですね。
こちらも高速馬場とはいえ、同日の古馬500万条件の走破時計1分7秒7と遜色ない内容。ワイルドラッシュの産駒というだけでなく、配合としては母馬にもノーザンダンサー経由の血のラインが一切ないという特徴もあり、今後いずれ短距離路線で大物になれるのであればかなり貴重な血統背景の持ち主です。
どうも、相手関係にもかなり恵まれた感じは拭えませんね。2番人気だったキンカメ産駒ソウルオブエイチが13着に敗退するなど買いかぶられ気味で、メンバー全体のレベルは相当低そうな気がしますし。
超スローの典型的な上がりの競馬で、出走馬中唯一34秒を切る33秒9という上がり3Fのタイムはさすがディープ産駒、というべきかもしれませんが、新潟や小倉の平坦コースで高速上がりを繰り出すケースは、急坂のある中山や阪神に替わると案外、という場合もしばしばです。
某血統評論家さんの、この馬の配合へのPOG的評価は高いようですが、私自身の当初の見解である「母方の底力継承度が足りない」を撤回するには今後のオープンクラスで、新潟や小倉ではない急坂のある競馬場においても強い内容で勝利し、好走を続けることが条件ですね。
今回はむしろ、レッドセインツの2着になった人気薄、Johannesburg産駒のキザ(8番人気)の配合のほうがちょっとびっくりモノです。
このキザという馬は両親がどちらもノーザンダンサー系の同系配合馬であるだけでなく、共にストームバード系というもので、クロスとしては極端とも言えるストームバード(4×2)が大きな特徴です。
私は同系配合馬の距離適性の特徴としては距離短縮で結果を残しやすい、と考えるので次走のキザが芝1400mなどに出走した場合、すんなり結果を残せるのではないかと思います。
今回はたまたま超スローの展開だったため、マイル戦に対応したように見えますが、キザの本来のベスト距離は1400m以下ではないかと考えています。この馬の次走以降も注目しておこうと思います。
また、本来はほとんど注目しない新馬1200m戦ですが、土曜小倉での芝1200m戦では2歳戦としては破格の時計、1分7秒9で勝利したブラウンワイルドは注目馬としておきたい馬ですね。
こちらも高速馬場とはいえ、同日の古馬500万条件の走破時計1分7秒7と遜色ない内容。ワイルドラッシュの産駒というだけでなく、配合としては母馬にもノーザンダンサー経由の血のラインが一切ないという特徴もあり、今後いずれ短距離路線で大物になれるのであればかなり貴重な血統背景の持ち主です。
2010年07月11日
新馬戦 次走へのメモ(その2)
こちらは日曜阪神4Rの新馬戦から。
私自身はソーラーセイルに注目しましたが、9番人気で5着という結果を、どう捉えるかですね。
人気よりは走れたのは確かですし、池江(郎)厩舎の3番人気ヴィクトリースターには先着したこともあり、今後の調教過程次第ではもう少し見どころのある競馬ができるのではないかと思います。
どちらのディープ産駒についても、ヘタに次走以降で距離短縮などせずに、このまま1800m以上の距離でレース経験を積んでいって欲しいところです。
連対馬2頭は、
1着 ショウナンマイティ(母ラグジャリーの迂回血ライン数=9?)
2着 ローザディアマント(母ピンクガーターの迂回血ライン数=10)
このレースが「伝説の新馬戦」となるかどうかは分かりませんが、ショウナンマイティは水曜の坂路調教でも終いの切れ味(11秒台)を発揮し、レースでも上がり3F最速の34秒0を繰り出したように、将来性が相当高そうですね。
母の迂回血に?マークがつくのは、このショウナンマイティがアレッジド(4×3)の、「奇跡の血量クロス」を有する配合の持ち主だからで、おそらくこの近親クロスのほうが奏功して走るタイプだと思われるからです。
アレッジドという種牡馬はセントサイモン〜リボー系で、サイアーラインとしては衰退していますが、その迂回血ライン数は4という値となり、サンデーサイレンスと同じ値を持ちます。
アレッジド自身は「ファラリスの直系子孫」ではないために、いくら迂回血ラインを得ていても己の後継種牡馬の躍進につなげることは不可能だったものの、母父の系統となったり、クロス馬として「ファラリスの直系子孫」の血統背景に存在することにより、4という値の「迂回血」が活かされるわけですね。
ショウナンマイティを事前に取り上げなかったのは、この近親クロス要因が上手く機能する馬なのかどうかを見極めた上でと思ったからで、あと出しジャンケン的な見解になってしまいますが、これまでのマンハッタンカフェ産駒たちよりもかなり、「大物」になる可能性があるかもと思います。
一方2着だった牝馬ローザディアマントは、「母の母父」にストームキャットの血を持つことではショウナンマイティ(母父ストームキャット)と似通った面があると言えなくもないですが、このブログではストームキャットが特にどうこう、ということはありません(ストームキャット自身は迂回血ライン数=4の馬である、ということだけ申し上げておきますが)。
ローザディアマント自身にはノーザンダンサー(5×5)のクロス要因が発生する配合なので、母の持つ迂回血=10が若干ブレてしまう可能性は残るものの、もう少しの間活躍度を見届けたい牝馬です。
最後に圧倒的1番人気(単勝1.7倍)で11着に大敗してしまったアルゴリズムについて。
まず、この馬の母タイトークはレイズアネイティヴ系の両親を持つ「同系配合馬」であり、私の評価基準では迂回血ラインがおそらく機能しないタイプと位置づけられます。
さらに配合的にはレイズアネイティヴ(4×3)の強力なクロス要因を持つのに加え、ナスルーラ経由のラインを母だけで5つも持つというのは、「スピードの権化」としては有効でも、1800m以上では不向きとなる可能性大です。
「先に言ってくれよ」と思われるかもしれませんが(苦笑)、おそらく人気の要因は調教のデキが相当良いと伝わったからなんでしょうね。
今回は、調教師のウデへの期待とか、調教そのもののデキだけで人気先行となったようです。
少なくとも、血統背景で見る限りマイル以下の距離で結果を残すタイプとみます。次走以降も1800m以上にこだわるか、マイル以下に短縮して臨むのか、陣営の判断にも注目してみたいですね。
私自身はソーラーセイルに注目しましたが、9番人気で5着という結果を、どう捉えるかですね。
人気よりは走れたのは確かですし、池江(郎)厩舎の3番人気ヴィクトリースターには先着したこともあり、今後の調教過程次第ではもう少し見どころのある競馬ができるのではないかと思います。
どちらのディープ産駒についても、ヘタに次走以降で距離短縮などせずに、このまま1800m以上の距離でレース経験を積んでいって欲しいところです。
連対馬2頭は、
1着 ショウナンマイティ(母ラグジャリーの迂回血ライン数=9?)
2着 ローザディアマント(母ピンクガーターの迂回血ライン数=10)
このレースが「伝説の新馬戦」となるかどうかは分かりませんが、ショウナンマイティは水曜の坂路調教でも終いの切れ味(11秒台)を発揮し、レースでも上がり3F最速の34秒0を繰り出したように、将来性が相当高そうですね。
母の迂回血に?マークがつくのは、このショウナンマイティがアレッジド(4×3)の、「奇跡の血量クロス」を有する配合の持ち主だからで、おそらくこの近親クロスのほうが奏功して走るタイプだと思われるからです。
アレッジドという種牡馬はセントサイモン〜リボー系で、サイアーラインとしては衰退していますが、その迂回血ライン数は4という値となり、サンデーサイレンスと同じ値を持ちます。
アレッジド自身は「ファラリスの直系子孫」ではないために、いくら迂回血ラインを得ていても己の後継種牡馬の躍進につなげることは不可能だったものの、母父の系統となったり、クロス馬として「ファラリスの直系子孫」の血統背景に存在することにより、4という値の「迂回血」が活かされるわけですね。
ショウナンマイティを事前に取り上げなかったのは、この近親クロス要因が上手く機能する馬なのかどうかを見極めた上でと思ったからで、あと出しジャンケン的な見解になってしまいますが、これまでのマンハッタンカフェ産駒たちよりもかなり、「大物」になる可能性があるかもと思います。
一方2着だった牝馬ローザディアマントは、「母の母父」にストームキャットの血を持つことではショウナンマイティ(母父ストームキャット)と似通った面があると言えなくもないですが、このブログではストームキャットが特にどうこう、ということはありません(ストームキャット自身は迂回血ライン数=4の馬である、ということだけ申し上げておきますが)。
ローザディアマント自身にはノーザンダンサー(5×5)のクロス要因が発生する配合なので、母の持つ迂回血=10が若干ブレてしまう可能性は残るものの、もう少しの間活躍度を見届けたい牝馬です。
最後に圧倒的1番人気(単勝1.7倍)で11着に大敗してしまったアルゴリズムについて。
まず、この馬の母タイトークはレイズアネイティヴ系の両親を持つ「同系配合馬」であり、私の評価基準では迂回血ラインがおそらく機能しないタイプと位置づけられます。
さらに配合的にはレイズアネイティヴ(4×3)の強力なクロス要因を持つのに加え、ナスルーラ経由のラインを母だけで5つも持つというのは、「スピードの権化」としては有効でも、1800m以上では不向きとなる可能性大です。
「先に言ってくれよ」と思われるかもしれませんが(苦笑)、おそらく人気の要因は調教のデキが相当良いと伝わったからなんでしょうね。
今回は、調教師のウデへの期待とか、調教そのもののデキだけで人気先行となったようです。
少なくとも、血統背景で見る限りマイル以下の距離で結果を残すタイプとみます。次走以降も1800m以上にこだわるか、マイル以下に短縮して臨むのか、陣営の判断にも注目してみたいですね。
新馬戦 次走へのメモ(その1)
日曜福島新馬戦ではヴェイロンが難なく初勝利を遂げました。まあ勝てば良血だから、の一言で済むでしょうけども、今後の成長の行方に注目してみたいと思います。
私が◎にしたのはアドマイヤジャパン産駒の牝馬コスモパシフィズムで、結果は3着でしたが次走へのメドは立ったかなと思われますね。牝馬同士での未勝利戦ならば、そう遠くない時期に勝ち上がれると見ました。
父のAジャパンについてはまだ見解を述べていませんでしたので、この記事にて一通り語っておこうと思います。
アドマイヤジャパンの迂回血ライン数=12
実は、ディープインパクトと同じ値を持つサンデー系種牡馬なんですね。母ビワハイジが迂回血ライン数=8となることに由来します。その父カーリアンが迂回血ライン数=5であることがやはり存在としては大きいです。
元々、サンデーサイレンスは父ヘイローの母系経由でファラモンドの血を受け継いでいるのですが、大種牡馬ニジンスキー(迂回血=3)も、母方にはこのファラモンドの血が存在します。
そして、ニジンスキー直仔のカーリアンはその母Foreseerからプリンスキロに加え再度ファラモンドの血を補強しており、5という値になるのです。
つまり、サンデー系種牡馬にとってそもそも、ファラモンドのラインを持つ牝馬との配合が代々続くことは、重要な意味があるわけです。
世間一般の認識では、「ファラモンド?何それ?」というものなのでしょう。血統に詳しい人でさえも、「あのバックパサーを出した系統だろ?でも今はもう衰退の一途だよな」という認識が大勢を占めることでしょう。
ハイペリオンにせよプリンスキロにせよファラモンドにせよ、今は父系としては主流血脈とはならずに衰退の一途なのは確かです。
だから遺伝要因としては「軽視してもよい」、となるのならば、その時点で私との議論は平行線のままとなり、「見解の相違」で終わります。
けれども、今主流として枝葉を広げている「ファラリスを直系父系とするサラブレッド」たちの活躍理由は、彼ら迂回血ライン種牡馬の存在を抜きにして語ることのほうがむしろ難しい、と言わざるをえません。
ニジンスキーの直仔としては、あのマルゼンスキー(迂回血=5)も輸入され、競走馬としても種牡馬としても、大活躍しました。やはりカーリアン同様に、母方から「プリンスキロとファラモンドのニックス配合」を受け継いでいました。
スペシャルウィークの持つ10という迂回血ラインの半分は、その母父マルゼンスキーの値に由来することによる、「底力要因」なのです。
また、マルゼンスキーの直仔で活躍した馬にホリスキー(菊花賞馬)、レオダーバン(菊花賞馬)、サクラチヨノオー(ダービー馬)などが主に挙げられるのですが、この3頭はいずれも母方に迂回血ライン種牡馬の存在がありません。
私の解釈では、これらのG1馬は父マルゼンスキーの「底力度」のみで能力を発揮したが、後継種牡馬としては、母方からの迂回血ライン補強がないことでサイアーラインとしてはほどなく衰退した、と考えています。
迂回血ライン数=4の父サンデーサイレンスから出た後継種牡馬たちのうち、最も低い5という値を持つタヤスツヨシが、ダービー馬でありながら種牡馬としてほとんど成功できずに推移してきた理由も全く同じです。迂回血ライン補強があまりに少ない(足りない)ことに由来しているのです。
このような事実は、全ての「ファラリスの直系子孫たち」に、ほぼ例外なく当てはめることが可能です。
マルゼンスキーに話を戻せば、後継のサイアーラインがほぼ途絶えていることは確実です。ですがマルゼンスキーが迂回血ライン数=5という「存在価値」を持っていることは今も遺伝要因において有効なのであり、それは即ち、迂回血ライン種牡馬であるハイペリオンやプリンスキロ、そしてファラモンドの存在価値が失われていないことによるものなのです。
コスモパシフィズム(母パストラルフルーツの迂回血ライン数=11)
この馬は、父内のカーリアン経由と母内のマルゼンスキー経由で、ニジンスキー(4×4)のクロスが発生する配合でもあります。
ニジンスキーのクロス要因が全面に出るのか、母の迂回血で活躍するのかは判定が難しいタイプですが、カーリアンとマルゼンスキーの血を同時に持つことで最大の興味をそそられる馬、とも言えます。
活躍してくれるといいんですけどね、私としては・・・。
私が◎にしたのはアドマイヤジャパン産駒の牝馬コスモパシフィズムで、結果は3着でしたが次走へのメドは立ったかなと思われますね。牝馬同士での未勝利戦ならば、そう遠くない時期に勝ち上がれると見ました。
父のAジャパンについてはまだ見解を述べていませんでしたので、この記事にて一通り語っておこうと思います。
アドマイヤジャパンの迂回血ライン数=12
実は、ディープインパクトと同じ値を持つサンデー系種牡馬なんですね。母ビワハイジが迂回血ライン数=8となることに由来します。その父カーリアンが迂回血ライン数=5であることがやはり存在としては大きいです。
元々、サンデーサイレンスは父ヘイローの母系経由でファラモンドの血を受け継いでいるのですが、大種牡馬ニジンスキー(迂回血=3)も、母方にはこのファラモンドの血が存在します。
そして、ニジンスキー直仔のカーリアンはその母Foreseerからプリンスキロに加え再度ファラモンドの血を補強しており、5という値になるのです。
つまり、サンデー系種牡馬にとってそもそも、ファラモンドのラインを持つ牝馬との配合が代々続くことは、重要な意味があるわけです。
世間一般の認識では、「ファラモンド?何それ?」というものなのでしょう。血統に詳しい人でさえも、「あのバックパサーを出した系統だろ?でも今はもう衰退の一途だよな」という認識が大勢を占めることでしょう。
ハイペリオンにせよプリンスキロにせよファラモンドにせよ、今は父系としては主流血脈とはならずに衰退の一途なのは確かです。
だから遺伝要因としては「軽視してもよい」、となるのならば、その時点で私との議論は平行線のままとなり、「見解の相違」で終わります。
けれども、今主流として枝葉を広げている「ファラリスを直系父系とするサラブレッド」たちの活躍理由は、彼ら迂回血ライン種牡馬の存在を抜きにして語ることのほうがむしろ難しい、と言わざるをえません。
ニジンスキーの直仔としては、あのマルゼンスキー(迂回血=5)も輸入され、競走馬としても種牡馬としても、大活躍しました。やはりカーリアン同様に、母方から「プリンスキロとファラモンドのニックス配合」を受け継いでいました。
スペシャルウィークの持つ10という迂回血ラインの半分は、その母父マルゼンスキーの値に由来することによる、「底力要因」なのです。
また、マルゼンスキーの直仔で活躍した馬にホリスキー(菊花賞馬)、レオダーバン(菊花賞馬)、サクラチヨノオー(ダービー馬)などが主に挙げられるのですが、この3頭はいずれも母方に迂回血ライン種牡馬の存在がありません。
私の解釈では、これらのG1馬は父マルゼンスキーの「底力度」のみで能力を発揮したが、後継種牡馬としては、母方からの迂回血ライン補強がないことでサイアーラインとしてはほどなく衰退した、と考えています。
迂回血ライン数=4の父サンデーサイレンスから出た後継種牡馬たちのうち、最も低い5という値を持つタヤスツヨシが、ダービー馬でありながら種牡馬としてほとんど成功できずに推移してきた理由も全く同じです。迂回血ライン補強があまりに少ない(足りない)ことに由来しているのです。
このような事実は、全ての「ファラリスの直系子孫たち」に、ほぼ例外なく当てはめることが可能です。
マルゼンスキーに話を戻せば、後継のサイアーラインがほぼ途絶えていることは確実です。ですがマルゼンスキーが迂回血ライン数=5という「存在価値」を持っていることは今も遺伝要因において有効なのであり、それは即ち、迂回血ライン種牡馬であるハイペリオンやプリンスキロ、そしてファラモンドの存在価値が失われていないことによるものなのです。
コスモパシフィズム(母パストラルフルーツの迂回血ライン数=11)
この馬は、父内のカーリアン経由と母内のマルゼンスキー経由で、ニジンスキー(4×4)のクロスが発生する配合でもあります。
ニジンスキーのクロス要因が全面に出るのか、母の迂回血で活躍するのかは判定が難しいタイプですが、カーリアンとマルゼンスキーの血を同時に持つことで最大の興味をそそられる馬、とも言えます。
活躍してくれるといいんですけどね、私としては・・・。