2010年05月
2010年05月30日
ダービーを終えて・・・
いやー、えてしてこういう結末なんですね。ペルーサはまさかの出遅れ。ただ、出遅れが致命傷となったのは超スローで展開した分もあったのではないかと思います。
タラレバ論になりますが、もしシャインかアリゼオあたりがハイペースで逃げてもっと馬群がタテ長になっていたら、好位グループも早めの追走を余儀なくされ、先行勢総崩れの展開もありえたからです。それなら出遅れが逆に「脚を効率良くタメて」、一気の差しにつながったかもしれません。
それが超スローとなった分、好位から十分に瞬発力勝負を発揮できる展開となり、3コーナーあたりでマクったペルーサには余計な消耗で6着に追い上げるのが一杯、だったような感じですね。
まあ、ペルーサが連をハズした時点で、馬券的中は夢の彼方へと消えていきましたので、◎にしたアリゼオの失速にも不満タラタラという感じではないですね(苦笑)。
シャインを抑えてでも、アリゼオが果敢にハナを主張し逃げ粘ってくれるのではないかと期待していただけに、ウィリアムズ騎手の騎乗ぶりにはやや失望せざるをえませんが・・・。
想いを乗せずに、吹く風となってしまいました(笑)。
一応、直前の記事でエイシンフラッシュの走りには注視したい、というコメントは載せましたので、ウチパク騎乗でのダービー制覇には心からおめでとうと言いたいですね。
落馬負傷の不運を乗り越えてのダービージョッキーの称号は、また一段上への躍進をウチパクにもたらすものになることでしょうね。
最後に、血統的な観点からエイシンフラッシュの両親について。
事前考察で述べたとおり父キングズベストは、同じキングマンボ直仔種牡馬のキンカメとは、持っている血統背景がかなり違います。
キンカメが、「3つのノーザンダンサー経由のラインを持ち、とことんその威光を産駒に伝える」という、ある意味でミスプロ系の“仮面”を被った種牡馬と言える感じなのに対し、キングズベストのほうは、母方からは一切のノーザンダンサー経由の血を受け継いでいません。
そして更にエイシンフラッシュの母も、その父プラティニにこそノーザンダンサーの血が1つ存在するものの、全体としては異系要素が非常に濃く、ネアルコ3大血脈のラインに頼りすぎるような背景は持ちません。
以前記事にしたことですが、これからの時代は、
1.サンデー系種牡馬たちの圧倒的勢力が君臨(母の父系がサンデーS系、も含む)
2.非サンデー系種牡馬(繁殖牝馬)は、とことんノーザンダンサーの威光(計3つ、4つのライン継承など)による、その大いなるアシストを得る必要に迫られる
3.1でも2でもないタイプの種牡馬(繁殖牝馬)は、むしろ一切のノーザンダンサー系ラインを必要とせずとも強い馬(系統)を残せる
という、3大要素で展開していくのではないか?ということです。もちろん3番目の勢力が、最も少数派であり、血統的に最も「貴重なタイプ」です。
1番のタイプはそれこそ群雄割拠で、2番のタイプの代表がキングカメハメハであり、それに準じた特徴の色々な系統の牝馬たち一同。
種牡馬の特徴だけでなく、母馬の全体的特徴をもしっかり見極めていかなければ、これからは血統の特徴が端的に説明できない時代だと思いますね(父と母父のみで語っても不十分、ということ)。
3番目のタイプは、繁殖牝馬としての代表がウオッカで、種牡馬としてはノーザンダンサー経由の血を一切持たないタイプがもっと活躍していくことが望まれます。(ヴィクトワールピサも、このタイプでの候補)
ダービー馬エイシンフラッシュが種牡馬となる場合は、世代位置としては古めにしろ2つのノーザンダンサー経由の血を内包することになるため、上記では2のタイプとなりますが、異系要素が濃い分、3番に近い要素も少し期待できます。(配合相手にもよりますけどね)。
などと書いているうちにダービーの興奮も収まってきましたが(苦笑)、今年のダービーも終わった今、気持ち的にはもう次世代=2歳馬たちに目を向けるべく、今後のブログの展開を思案中です・・・。
タラレバ論になりますが、もしシャインかアリゼオあたりがハイペースで逃げてもっと馬群がタテ長になっていたら、好位グループも早めの追走を余儀なくされ、先行勢総崩れの展開もありえたからです。それなら出遅れが逆に「脚を効率良くタメて」、一気の差しにつながったかもしれません。
それが超スローとなった分、好位から十分に瞬発力勝負を発揮できる展開となり、3コーナーあたりでマクったペルーサには余計な消耗で6着に追い上げるのが一杯、だったような感じですね。
まあ、ペルーサが連をハズした時点で、馬券的中は夢の彼方へと消えていきましたので、◎にしたアリゼオの失速にも不満タラタラという感じではないですね(苦笑)。
シャインを抑えてでも、アリゼオが果敢にハナを主張し逃げ粘ってくれるのではないかと期待していただけに、ウィリアムズ騎手の騎乗ぶりにはやや失望せざるをえませんが・・・。
想いを乗せずに、吹く風となってしまいました(笑)。
一応、直前の記事でエイシンフラッシュの走りには注視したい、というコメントは載せましたので、ウチパク騎乗でのダービー制覇には心からおめでとうと言いたいですね。
落馬負傷の不運を乗り越えてのダービージョッキーの称号は、また一段上への躍進をウチパクにもたらすものになることでしょうね。
最後に、血統的な観点からエイシンフラッシュの両親について。
事前考察で述べたとおり父キングズベストは、同じキングマンボ直仔種牡馬のキンカメとは、持っている血統背景がかなり違います。
キンカメが、「3つのノーザンダンサー経由のラインを持ち、とことんその威光を産駒に伝える」という、ある意味でミスプロ系の“仮面”を被った種牡馬と言える感じなのに対し、キングズベストのほうは、母方からは一切のノーザンダンサー経由の血を受け継いでいません。
そして更にエイシンフラッシュの母も、その父プラティニにこそノーザンダンサーの血が1つ存在するものの、全体としては異系要素が非常に濃く、ネアルコ3大血脈のラインに頼りすぎるような背景は持ちません。
以前記事にしたことですが、これからの時代は、
1.サンデー系種牡馬たちの圧倒的勢力が君臨(母の父系がサンデーS系、も含む)
2.非サンデー系種牡馬(繁殖牝馬)は、とことんノーザンダンサーの威光(計3つ、4つのライン継承など)による、その大いなるアシストを得る必要に迫られる
3.1でも2でもないタイプの種牡馬(繁殖牝馬)は、むしろ一切のノーザンダンサー系ラインを必要とせずとも強い馬(系統)を残せる
という、3大要素で展開していくのではないか?ということです。もちろん3番目の勢力が、最も少数派であり、血統的に最も「貴重なタイプ」です。
1番のタイプはそれこそ群雄割拠で、2番のタイプの代表がキングカメハメハであり、それに準じた特徴の色々な系統の牝馬たち一同。
種牡馬の特徴だけでなく、母馬の全体的特徴をもしっかり見極めていかなければ、これからは血統の特徴が端的に説明できない時代だと思いますね(父と母父のみで語っても不十分、ということ)。
3番目のタイプは、繁殖牝馬としての代表がウオッカで、種牡馬としてはノーザンダンサー経由の血を一切持たないタイプがもっと活躍していくことが望まれます。(ヴィクトワールピサも、このタイプでの候補)
ダービー馬エイシンフラッシュが種牡馬となる場合は、世代位置としては古めにしろ2つのノーザンダンサー経由の血を内包することになるため、上記では2のタイプとなりますが、異系要素が濃い分、3番に近い要素も少し期待できます。(配合相手にもよりますけどね)。
などと書いているうちにダービーの興奮も収まってきましたが(苦笑)、今年のダービーも終わった今、気持ち的にはもう次世代=2歳馬たちに目を向けるべく、今後のブログの展開を思案中です・・・。
2010年05月29日
ダービー 最終見解
本来なら、◎はコレ、〇はアレ、▲にはソレ・・・、などという個人予想の見解を事前に発表することはこのブログの本意ではないのですが、たとえ予想が外れたとしても今後の血統研究への課題として受け止めるべく、ここは自らにプレッシャーをかける意味でも載せてみたいと思います。
心情的には関東馬の躍進を喜ばしく思っているので、ペルーサに期待したいのが正直なところです。さらにクラシック優勝馬にいかにも縁がありそうで、実はなかなか少ないのが意外にも思える名門、藤澤(和)厩舎の管理馬であることも更に応援をしたくなるところ。
青葉賞勝ち馬はダービーで2着まで、の嫌なジンクスがあるにしても、その青葉賞でのパフォーマンスが過去の例にないほどの圧巻の内容とあらば、ジンクス打破への期待もあり・・・。
さらに血統背景では、プロの血統予想家(誰とは言いませんけど)をして「隙がなく、ワールドワイドな血統背景で欠点らしい欠点なし」というお墨付きの見解が語られており、正に、二重三重の好意的意味合いが絡みあっての有望株であることに目を向けないわけにはいかず・・・。
連軸としては、外せそうにないですね、やっぱり・・・。
しか〜し、いつもながらのヒネクレ大穴予想は無謀だとしても◎には別の馬で挑み、若干の高配当に期待をかけてみます。
◎ アリゼオ
父シンボリクリスエスにしても期待されながら、産駒の「中央の芝G1戦」での勝利が未だなく、ここも過大なる期待は無謀かと思われますが、そこは一つ、「終わってみれば外国人騎手でダービー勝利」という、不測の事態がなきにしもあらずか?などと「ヒネクレて」みたいと思います。
〇 ペルーサ
良馬場(しかもパンパンの)であれば、ヴィクトワールピサでさえも「い、一撃で撃破か!・・・な、何ということだ」(例えが古すぎベタすぎ、でしょうけど)という場合もあるかもしれないと考えていたのですが、渋った馬場となれば、おそらく能力差としてのパフォーマンスの幅は一気に狭まると思われます。
ただ、先週のオークスでもゼンノロブロイ産駒が人気薄を含めての1,3,4着という実績。ペルーサ自身が重めの馬場に「嫌気」さえ起こさなければ、互角の勝負は可能ではないかと見ます。昨年のような不良馬場はダメっぽいとしても、今年はそこまでの悪化がないように願うばかりですね。
3着候補は、これはもう横一線、とするしかないでしょう(苦笑)。この3着候補まで1頭に絞るような予想は、それこそ墓穴。手広く流すしかないと思います。
個人的には特に、エイシンフラッシュ、コスモファントムが今後につながる走りを見せられるかどうかに、注視したいところです。
終わってみればヴィクトワールピサのクラシック2冠達成、となるかもしれませんが(苦笑)その時はその時で、素直に拍手喝采、となる心境ですね。
心情的には関東馬の躍進を喜ばしく思っているので、ペルーサに期待したいのが正直なところです。さらにクラシック優勝馬にいかにも縁がありそうで、実はなかなか少ないのが意外にも思える名門、藤澤(和)厩舎の管理馬であることも更に応援をしたくなるところ。
青葉賞勝ち馬はダービーで2着まで、の嫌なジンクスがあるにしても、その青葉賞でのパフォーマンスが過去の例にないほどの圧巻の内容とあらば、ジンクス打破への期待もあり・・・。
さらに血統背景では、プロの血統予想家(誰とは言いませんけど)をして「隙がなく、ワールドワイドな血統背景で欠点らしい欠点なし」というお墨付きの見解が語られており、正に、二重三重の好意的意味合いが絡みあっての有望株であることに目を向けないわけにはいかず・・・。
連軸としては、外せそうにないですね、やっぱり・・・。
しか〜し、いつもながらのヒネクレ大穴予想は無謀だとしても◎には別の馬で挑み、若干の高配当に期待をかけてみます。
◎ アリゼオ
父シンボリクリスエスにしても期待されながら、産駒の「中央の芝G1戦」での勝利が未だなく、ここも過大なる期待は無謀かと思われますが、そこは一つ、「終わってみれば外国人騎手でダービー勝利」という、不測の事態がなきにしもあらずか?などと「ヒネクレて」みたいと思います。
〇 ペルーサ
良馬場(しかもパンパンの)であれば、ヴィクトワールピサでさえも「い、一撃で撃破か!・・・な、何ということだ」(例えが古すぎベタすぎ、でしょうけど)という場合もあるかもしれないと考えていたのですが、渋った馬場となれば、おそらく能力差としてのパフォーマンスの幅は一気に狭まると思われます。
ただ、先週のオークスでもゼンノロブロイ産駒が人気薄を含めての1,3,4着という実績。ペルーサ自身が重めの馬場に「嫌気」さえ起こさなければ、互角の勝負は可能ではないかと見ます。昨年のような不良馬場はダメっぽいとしても、今年はそこまでの悪化がないように願うばかりですね。
3着候補は、これはもう横一線、とするしかないでしょう(苦笑)。この3着候補まで1頭に絞るような予想は、それこそ墓穴。手広く流すしかないと思います。
個人的には特に、エイシンフラッシュ、コスモファントムが今後につながる走りを見せられるかどうかに、注視したいところです。
終わってみればヴィクトワールピサのクラシック2冠達成、となるかもしれませんが(苦笑)その時はその時で、素直に拍手喝采、となる心境ですね。
日本ダービー 出走馬分析(後編)
残念ながらNHKマイルC優勝馬のダノンシャンティは調教後に骨折が判明、出走取り消しとなってしまいました。やはりレコード勝ちの反動がここへ来て出た感じですね。ただ程度としては軽微で、ギプスもボルトも必要ない「経過観察」のようなので、まずは早期の回復を祈ります。
まあ、レース中に骨折してしまうほうが自他に与えるダメージははるかに甚大ですから、不幸中の幸いと捉えるべきではないかなと思います(またしても松クニ厩舎の馬か、という印象は大きいですけどね・・・)。
予想への影響はかなり大きいでしょうね。3番人気がほぼ確実だった存在がいなくなるわけですので・・・。
10.トーセンアレス
ダート実績しかないので、コメントの必要性を感じません。
11.ハンソデバンド(母クラウンアスリートの迂回血ライン数=13?)
皐月賞のシンガリ負けはさすがに想定外の内容で、おおっと故障発生かぁ〜?、と思わず叫ぶほどの状況でした(苦笑)。過去10年で見ても、共同通信杯の勝ち馬が皐月賞に出走して人気よりかなり大きく負けた例というのは確かにありますが、さすがに故障に由来しない上でのシンガリ負けというのは気性面の課題か?と思いたくなりますね。
ある程度は巻き返せると信じたいところですが、血統的には母方のナスルーラ経由のライン数が計5つ存在する部分が、底力継承ライン計13の効力をかなり阻害し、ナスルーラ特有の気性面の課題、距離延長レースへの課題として出てしまっている、と解釈するしかなさそうです。
余談ですが、この馬の半弟、2歳馬のロングスローイン(父ジャングルポケット、尾形厩舎)がどういう成長曲線を描けるか、またいずれ話題になる日があれば取り上げてみたいと思っています。
12.ヒルノダムール(母シェアエレガンス=設定保留)
皐月賞前の段階で、決して軽視したわけではないですが母方の2つのノーザンダンサー経由の血にはやや懐疑的なコメントを載せました。
2着になったのはそれが良いほうに出ている証しだろう?というご意見があろうかと思いますが、私の場合、「競走馬としてはね・・・」という言い方になります。
何故、サンデーサイレンスが偉大な種牡馬となったのか?
そしてその後継種牡馬たちの中で、フジキセキ、アグネスタキオン、ネオユニヴァース、マンハッタンカフェ、ゼンノロブロイはいずれも、「母方にノーザンダンサー経由の血を一切持たない」という、最大の注目点が共通項としてある事実。
ヒルノダムールがもしダービー馬になれたとして、それはそれでノーザンダンサー経由の血が2つあることが確かに大きいでしょう。けれども、種牡馬としてサイアーラインの価値を高めつつある上記のサンデー系種牡馬たちの特徴が、ヒルノダムールの特徴とは「真逆のものである」ということを認識したときに、後の世になって、「見えてくるもの」があるはずですね、必ずや・・・。
13.ゲシュタルト(母エンドレスウェルズ=設定保留)
このマンハッタンカフェ産駒も、ヒルノダムールと同様に母方には「2つのノーザンダンサー経由のライン」が存在します。その威光を最大限に受けて、今後にわたって活躍していくとしても何ら不思議ではないでしょう。しかしながら、「種牡馬としての可能性」を考えた場合には、それとは別の「思考回路」で馬の血統背景を評価していく必要があるのです。
14.リルダヴァル(母ヴェイルオブアヴァロン=設定保留)
これまでは母の迂回血ライン数=9とし、芝の重賞戦線では「勝ち切れなさ」がつきまとうはず、という評価をしてきました。骨折の経緯がなかったらもっと強い競馬ができていただろうに、というご意見もあろうかと思いますが、結局はこのタキオン産駒も母方には「2つのノーザンダンサー経由のライン」があるわけで、ダービーという舞台で血統背景を再評価する場合、ヒルノダムールやゲシュタルトとほぼ同様の解釈をする必要がある、と判断しています。
15.メイショウウズシオ(母カワカミパウダー=設定せず)
過去に「母父ブライアンズタイムの可能性」という特集を記事にしたときに見えてきたものとは、それまでの「父としての芝路線での実績」が、母父になった途端、大幅にその実績を縮小させ、「母父としてはダート路線での実績」が大半である、との分析結果でした。
一方、母父として非常に数少ない「芝路線での実績(昇級)」を伴うためにブライアンズタイム(の娘)が必要とする相手(種牡馬)は、タイキシャトルやダンスインザダーク、そしてこのメイショウウズシオの父、オペラハウスとなることが、はっきりと傾向に出ています。
つまり、ヘイルトゥリーズンの血が絶対不可欠なんですね。
産経大阪杯で結果を出したテイエムアンコール(父オペラハウス×母父ブライアンズタイム)も、正にそのものズバリという感じでしたね。そしてこのメイショウウズシオも成長曲線としての能力開花が遅めで、いずれはオープンクラスへの昇級もあろうかと思いますが、まだまだこの時期は、苦戦を強いられると思います。
16.シャイン(母パリスセイリュウ=設定ぜず)
メイショウドトウ産駒としては、シンザン記念2着は快挙!といっていいでしょう。それでも個人的には「買えない血統」「買いたくならない血統」であることは今後とも不変、ですね。
17.トゥザグローリー(母トゥザヴィクトリー=11)
青葉賞にペルーサが出走していなければ、堂々と実力を誇示してこのダービーに登場することができていたでしょう。しかしながら出走権を得たとはいえ、ペルーサに4馬身差という内容は誰がどう解釈しても決定的な能力差です。
ただ、前日段階で9番人気というのは評価としては低すぎると思われますので、馬券の妙味としては3着狙いがオイシイ可能性が出てきますね。また、馬場がもし多少なりとも悪化した場合には、やはり血統背景からは実力を発揮できるとみていいでしょう。
デビュー戦が3月、というのがキンカメ産駒にしては意外で、もう少し早い段階から能力が発揮されていたらその開花の可能性はもっと広がっていたと思われるのですが・・・。
てっきり良馬場で開催できるだろうと思っていたら、またしても天気予報では雨交じりの日曜になりそうで、個人的には「JRAの馬場情報」に注目ですね(笑)。
もし無理やり「良馬場」の発表でも、降雨がある中でならやや重、「やや重」発表ならば実際には、「こりゃあ重馬場だな」と判断すべきでしょう。
何にせよ、目の肥えたプロの予想家、名だたる競馬評論家陣を向うに回してまで、「馬場状態を実際よりも軽めに発表する」というJRAの根底にある問題意識の低さこそ、今後にわたって糾弾すべきものでしょうね・・・。
まあ、レース中に骨折してしまうほうが自他に与えるダメージははるかに甚大ですから、不幸中の幸いと捉えるべきではないかなと思います(またしても松クニ厩舎の馬か、という印象は大きいですけどね・・・)。
予想への影響はかなり大きいでしょうね。3番人気がほぼ確実だった存在がいなくなるわけですので・・・。
10.トーセンアレス
ダート実績しかないので、コメントの必要性を感じません。
11.ハンソデバンド(母クラウンアスリートの迂回血ライン数=13?)
皐月賞のシンガリ負けはさすがに想定外の内容で、おおっと故障発生かぁ〜?、と思わず叫ぶほどの状況でした(苦笑)。過去10年で見ても、共同通信杯の勝ち馬が皐月賞に出走して人気よりかなり大きく負けた例というのは確かにありますが、さすがに故障に由来しない上でのシンガリ負けというのは気性面の課題か?と思いたくなりますね。
ある程度は巻き返せると信じたいところですが、血統的には母方のナスルーラ経由のライン数が計5つ存在する部分が、底力継承ライン計13の効力をかなり阻害し、ナスルーラ特有の気性面の課題、距離延長レースへの課題として出てしまっている、と解釈するしかなさそうです。
余談ですが、この馬の半弟、2歳馬のロングスローイン(父ジャングルポケット、尾形厩舎)がどういう成長曲線を描けるか、またいずれ話題になる日があれば取り上げてみたいと思っています。
12.ヒルノダムール(母シェアエレガンス=設定保留)
皐月賞前の段階で、決して軽視したわけではないですが母方の2つのノーザンダンサー経由の血にはやや懐疑的なコメントを載せました。
2着になったのはそれが良いほうに出ている証しだろう?というご意見があろうかと思いますが、私の場合、「競走馬としてはね・・・」という言い方になります。
何故、サンデーサイレンスが偉大な種牡馬となったのか?
そしてその後継種牡馬たちの中で、フジキセキ、アグネスタキオン、ネオユニヴァース、マンハッタンカフェ、ゼンノロブロイはいずれも、「母方にノーザンダンサー経由の血を一切持たない」という、最大の注目点が共通項としてある事実。
ヒルノダムールがもしダービー馬になれたとして、それはそれでノーザンダンサー経由の血が2つあることが確かに大きいでしょう。けれども、種牡馬としてサイアーラインの価値を高めつつある上記のサンデー系種牡馬たちの特徴が、ヒルノダムールの特徴とは「真逆のものである」ということを認識したときに、後の世になって、「見えてくるもの」があるはずですね、必ずや・・・。
13.ゲシュタルト(母エンドレスウェルズ=設定保留)
このマンハッタンカフェ産駒も、ヒルノダムールと同様に母方には「2つのノーザンダンサー経由のライン」が存在します。その威光を最大限に受けて、今後にわたって活躍していくとしても何ら不思議ではないでしょう。しかしながら、「種牡馬としての可能性」を考えた場合には、それとは別の「思考回路」で馬の血統背景を評価していく必要があるのです。
14.リルダヴァル(母ヴェイルオブアヴァロン=設定保留)
これまでは母の迂回血ライン数=9とし、芝の重賞戦線では「勝ち切れなさ」がつきまとうはず、という評価をしてきました。骨折の経緯がなかったらもっと強い競馬ができていただろうに、というご意見もあろうかと思いますが、結局はこのタキオン産駒も母方には「2つのノーザンダンサー経由のライン」があるわけで、ダービーという舞台で血統背景を再評価する場合、ヒルノダムールやゲシュタルトとほぼ同様の解釈をする必要がある、と判断しています。
15.メイショウウズシオ(母カワカミパウダー=設定せず)
過去に「母父ブライアンズタイムの可能性」という特集を記事にしたときに見えてきたものとは、それまでの「父としての芝路線での実績」が、母父になった途端、大幅にその実績を縮小させ、「母父としてはダート路線での実績」が大半である、との分析結果でした。
一方、母父として非常に数少ない「芝路線での実績(昇級)」を伴うためにブライアンズタイム(の娘)が必要とする相手(種牡馬)は、タイキシャトルやダンスインザダーク、そしてこのメイショウウズシオの父、オペラハウスとなることが、はっきりと傾向に出ています。
つまり、ヘイルトゥリーズンの血が絶対不可欠なんですね。
産経大阪杯で結果を出したテイエムアンコール(父オペラハウス×母父ブライアンズタイム)も、正にそのものズバリという感じでしたね。そしてこのメイショウウズシオも成長曲線としての能力開花が遅めで、いずれはオープンクラスへの昇級もあろうかと思いますが、まだまだこの時期は、苦戦を強いられると思います。
16.シャイン(母パリスセイリュウ=設定ぜず)
メイショウドトウ産駒としては、シンザン記念2着は快挙!といっていいでしょう。それでも個人的には「買えない血統」「買いたくならない血統」であることは今後とも不変、ですね。
17.トゥザグローリー(母トゥザヴィクトリー=11)
青葉賞にペルーサが出走していなければ、堂々と実力を誇示してこのダービーに登場することができていたでしょう。しかしながら出走権を得たとはいえ、ペルーサに4馬身差という内容は誰がどう解釈しても決定的な能力差です。
ただ、前日段階で9番人気というのは評価としては低すぎると思われますので、馬券の妙味としては3着狙いがオイシイ可能性が出てきますね。また、馬場がもし多少なりとも悪化した場合には、やはり血統背景からは実力を発揮できるとみていいでしょう。
デビュー戦が3月、というのがキンカメ産駒にしては意外で、もう少し早い段階から能力が発揮されていたらその開花の可能性はもっと広がっていたと思われるのですが・・・。
てっきり良馬場で開催できるだろうと思っていたら、またしても天気予報では雨交じりの日曜になりそうで、個人的には「JRAの馬場情報」に注目ですね(笑)。
もし無理やり「良馬場」の発表でも、降雨がある中でならやや重、「やや重」発表ならば実際には、「こりゃあ重馬場だな」と判断すべきでしょう。
何にせよ、目の肥えたプロの予想家、名だたる競馬評論家陣を向うに回してまで、「馬場状態を実際よりも軽めに発表する」というJRAの根底にある問題意識の低さこそ、今後にわたって糾弾すべきものでしょうね・・・。
日本ダービー 出走馬分析(前編)
先週のオークスは馬場情報が「やや重」の発表のままでしたが、誰がどう見ても「不良に近い重馬場だったはずだ」、というご指摘が評論家、プロ予想家の方々からもされていましたね。
桜花賞前には一気に芝を刈り込み、「G1戦に相応しい?超〜高速馬場」をあからさまに演出、オークスでは良馬場での開催が到底かなわずとみるや、馬場状態の設定基準を無理矢理ねじ曲げてでも頑なに「やや重」のままで情報操作し、「とにかく、馬券の売り上げが少しでも減ると嫌だし〜」というJRA上層部の思惑があまりに露骨すぎました(笑)。
民主党だけじゃないんですね。迷走の真っ只中なのは・・・。
さて、昨年のダービー予想ではかろうじて押さえた馬連が的中でなんとか安堵のタメ息が漏れましたが、今年は実績馬が目白押しでかのヴィクトワールピサにしろ絶対的存在とまでは言い難い状況の中、どういう予想をすべきなのか本当に悩みそうですね。
皐月賞出走馬が今回半数を占めるため、当時の考察記事と若干ダブる内容の馬もいますが、現時点での、血統背景から受ける印象をあらためてコメントしてみたいと思います。
1.エイシンフラッシュ(母ムーンレディの迂回血ライン数=8)
個人的には京成杯の内容をさほど高評価できず、皐月賞で重め馬場ならの好走は想定内ではあったものの、その内容自体はそれまでの先行競馬から一転したものであり、後ろから差す競馬で結果を出したことのほうが驚きでした。
父はKingmambo直仔のKing's Bestで、キンカメと似たようなタイプかと思いがちですが、キンカメは母方に2つのノーザンダンサー経由のラインがあるのに比べ、キングズベストのほうは一切それがなく、むしろかなり異系要素の強い配合なのが特徴です。
さらに母のムーンレディも、その父プラティニを中心としてやはり異系要素の濃い牝馬。野芝よりも、洋芝優位の時期の馬場が向くような気がしてならないのですが、将来的な距離適性も2000mが限度で、それ以下の距離で「洋芝優位」なら今後も活躍していきそうな感じがします。
ただオークスのアパパネ同様、今の3歳同士の競馬ならばあまり2400mという距離を懸念材料にするのは早計かもしれないですね。
2.レーヴドリアン(母レーヴドスカー=9)
6戦中5戦で上がり3Fのタイムが最速で残りの1戦も2位と、終いのキレでは屈指の存在でしょうね。ただそれだけだと「ベッラレイア型」とでも言うんでしょうか(笑)。勝ち味に遅い、という言い方もできます。ここは一つ、福寿草特別で勝った時のような「マクリ競馬」で、ダービーで掲示板に載るようなことがあれば、脚質に幅が増して今後につながると思うのですが。
3.ルーラーシップ(母エアグルーヴ=7)
父はキンカメ、母は天下のエアグルーヴで超良血〜、という一般的な見方は、私の場合一切しませんね。あくまでもエアグルーヴは「迂回血ライン数=7の繁殖牝馬」とみなします。
ただ、キンカメが迂回血ライン数=11の種牡馬ですので、当然サンデー系で同じ値のマンハッタンカフェやゼンノロブロイと同様、父の底力ポテンシャルが優位に働けば今後も重賞路線で上位の存在となるのかもしれません。
プリンシパルSでの4馬身差勝利も時計的価値を伴う完勝ですので、皐月賞惨敗組より評価が高いのは当然でしょうけれども、私は最高の競馬をしたとしても3着までではないかな?とみています。
4.サンディエゴシチー(母ジェニーソング=10)
母自身のポテンシャルはいいのですが、サンデー系種牡馬と配合すれば何であれ必ずヘイロー(3×4)の強力なクロス配合となります。これがヴィクトワールピサのように「現状では非の打ち所がない」能力として顕現するのであれば言う事なしですが、この馬の場合は単に早熟傾向が顕著に出ただけ、としか今はいえないですね。血統というのは、同じ特徴を持っていても常に同列には語れないところが難しくもあり、また推理を重ねる面白さでもありますが・・・。
5.コスモファントム(母Southern House=14)
この馬は萩Sで◎に指名し、単勝がゲットできた馬です(4番人気1着)。母は今回も出走馬中最大の迂回血ライン数を持ちますが、悩みのタネはコスモFの両親がどちらもナスルーラ系を父系とする、「同系配合馬」である部分。多くの同系配合馬にありがちな早熟性顕著や、距離短縮で結果を出す傾向、というのがこの馬にも当てはまるのであれば、ダービーという舞台では懸念材料となるのかもしれません。
けれども休み明けの前走、京都新聞杯で思いのほか好走(2着)。決め手鋭いレーヴドリアンの猛追をハナ差で凌いだことは、間隔が空いたことを考慮すればかなり価値は高いと思います。
私自身は「マル外」のこの馬に期待してみたいですね。◎にするかどうかは、懸念材料がある分ギリギリまで悩むところでしょうが・・・。
6.アリゼオ(母スクエアアウェイ=13)
この馬も両親の父系が共に「ヘイルトゥリーズン系」であることにより、「同系配合馬」と位置づけることになります。それがなければコスモファントムと同様、連対候補として十分な力量=底力ポテンシャルを母から受け継いでいると言えたのですが・・・。
ノーザンダンサー系の同系配合馬であるエイシンアポロンが典型的なケースとして離脱していった経緯があるだけに、この馬も解釈が難しいところがあるのは否めませんね。ウィリアムズ騎手でどれだけこの馬の潜在能力が引き出されるのか、見どころはあると言えますが。
7.ヴィクトワールピサ(母ホワイトウォーターアフェア=3)
ヘイロー(3×4)の強力なクロス要素が全て良い方向に完璧に抽出された場合、こういう強い馬になるのか、という感想を持つほかないですね。むしろ母馬単体では、決して「現代的」とは言えないタイプですので・・・。
それ以外の要素では、角居厩舎が歴史的名牝に育て上げたウオッカと同様に、両親が共に「ノーザンダンサー経由の血のラインを一切持たない」という非常に注目すべき共通項があるということでしょう。
当然ウオッカの繁殖牝馬としての価値は、ただ単にその強さの継承だけではなく、「ノーザンダンサーの血が一切なくても強い馬は作れる」、という、現代のサラブレッド生産現場の姿勢に対するアンチテーゼ的な意味合いを持った、至って強力なメッセージとも言うべきものです。
ヘイローのクロスの「負の部分」が往々にして産駒に出てしまう懸念はあるにせよ、それでもヴィクトワールピサの「種牡馬」としての価値もウオッカ同様のものがあるとするならば、これが時代の要求する事として後の世に語り継がれるのかもしれませんね。
8.ローズキングダム(母ローズバド=10)
ゴチャつきがちな中山2000mの最後の直線を捌き切れなかったとはいえ、勝ち馬に0.2秒差で4着に踏みとどまった事はやはりタダ者でない、と思いましたね。
あのアパパネの母の血統背景でさえこなせた2400mなのであれば、同じキンカメ産駒でかつ中距離適性を備える母を持つこの馬なら十分巻き返しても不思議はないところです。あとはテン乗りとなる後藤騎手の思い切った騎乗がどう出るか?も見どころでしょうね。
9.ペルーサ(母アルゼンチンスター=7)
この馬の場合、ヴィクトワールピサやダノンシャンティなどの血統背景と正反対といってもいいのが「5代アウトブリード」の配合であることでしょうね。
ある意味、サラブレッドの「理想形」となるタイプといえます。この馬自身に加え、父ゼンノロブロイ、母のアルゼンチンスターまでもが5代アウトブリード配合なのですから、これは究極の姿・カタチとなっていくかもしれません。
母馬単体だけで言うのであれば、エアグルーヴと同様の7という迂回血ライン数ですからさほどの評価はできないのですが、もしかしたら母父のCandy Stripes、母の母父Propicioがそれぞれ5代内に持っている「異系トウルビヨンの血」が、ゼンノロブロイに内包されたトウルビヨンの血と呼応し合って、絶妙のアシスト役を陰ながら果たしている?のかも。
桜花賞前には一気に芝を刈り込み、「G1戦に相応しい?超〜高速馬場」をあからさまに演出、オークスでは良馬場での開催が到底かなわずとみるや、馬場状態の設定基準を無理矢理ねじ曲げてでも頑なに「やや重」のままで情報操作し、「とにかく、馬券の売り上げが少しでも減ると嫌だし〜」というJRA上層部の思惑があまりに露骨すぎました(笑)。
民主党だけじゃないんですね。迷走の真っ只中なのは・・・。
さて、昨年のダービー予想ではかろうじて押さえた馬連が的中でなんとか安堵のタメ息が漏れましたが、今年は実績馬が目白押しでかのヴィクトワールピサにしろ絶対的存在とまでは言い難い状況の中、どういう予想をすべきなのか本当に悩みそうですね。
皐月賞出走馬が今回半数を占めるため、当時の考察記事と若干ダブる内容の馬もいますが、現時点での、血統背景から受ける印象をあらためてコメントしてみたいと思います。
1.エイシンフラッシュ(母ムーンレディの迂回血ライン数=8)
個人的には京成杯の内容をさほど高評価できず、皐月賞で重め馬場ならの好走は想定内ではあったものの、その内容自体はそれまでの先行競馬から一転したものであり、後ろから差す競馬で結果を出したことのほうが驚きでした。
父はKingmambo直仔のKing's Bestで、キンカメと似たようなタイプかと思いがちですが、キンカメは母方に2つのノーザンダンサー経由のラインがあるのに比べ、キングズベストのほうは一切それがなく、むしろかなり異系要素の強い配合なのが特徴です。
さらに母のムーンレディも、その父プラティニを中心としてやはり異系要素の濃い牝馬。野芝よりも、洋芝優位の時期の馬場が向くような気がしてならないのですが、将来的な距離適性も2000mが限度で、それ以下の距離で「洋芝優位」なら今後も活躍していきそうな感じがします。
ただオークスのアパパネ同様、今の3歳同士の競馬ならばあまり2400mという距離を懸念材料にするのは早計かもしれないですね。
2.レーヴドリアン(母レーヴドスカー=9)
6戦中5戦で上がり3Fのタイムが最速で残りの1戦も2位と、終いのキレでは屈指の存在でしょうね。ただそれだけだと「ベッラレイア型」とでも言うんでしょうか(笑)。勝ち味に遅い、という言い方もできます。ここは一つ、福寿草特別で勝った時のような「マクリ競馬」で、ダービーで掲示板に載るようなことがあれば、脚質に幅が増して今後につながると思うのですが。
3.ルーラーシップ(母エアグルーヴ=7)
父はキンカメ、母は天下のエアグルーヴで超良血〜、という一般的な見方は、私の場合一切しませんね。あくまでもエアグルーヴは「迂回血ライン数=7の繁殖牝馬」とみなします。
ただ、キンカメが迂回血ライン数=11の種牡馬ですので、当然サンデー系で同じ値のマンハッタンカフェやゼンノロブロイと同様、父の底力ポテンシャルが優位に働けば今後も重賞路線で上位の存在となるのかもしれません。
プリンシパルSでの4馬身差勝利も時計的価値を伴う完勝ですので、皐月賞惨敗組より評価が高いのは当然でしょうけれども、私は最高の競馬をしたとしても3着までではないかな?とみています。
4.サンディエゴシチー(母ジェニーソング=10)
母自身のポテンシャルはいいのですが、サンデー系種牡馬と配合すれば何であれ必ずヘイロー(3×4)の強力なクロス配合となります。これがヴィクトワールピサのように「現状では非の打ち所がない」能力として顕現するのであれば言う事なしですが、この馬の場合は単に早熟傾向が顕著に出ただけ、としか今はいえないですね。血統というのは、同じ特徴を持っていても常に同列には語れないところが難しくもあり、また推理を重ねる面白さでもありますが・・・。
5.コスモファントム(母Southern House=14)
この馬は萩Sで◎に指名し、単勝がゲットできた馬です(4番人気1着)。母は今回も出走馬中最大の迂回血ライン数を持ちますが、悩みのタネはコスモFの両親がどちらもナスルーラ系を父系とする、「同系配合馬」である部分。多くの同系配合馬にありがちな早熟性顕著や、距離短縮で結果を出す傾向、というのがこの馬にも当てはまるのであれば、ダービーという舞台では懸念材料となるのかもしれません。
けれども休み明けの前走、京都新聞杯で思いのほか好走(2着)。決め手鋭いレーヴドリアンの猛追をハナ差で凌いだことは、間隔が空いたことを考慮すればかなり価値は高いと思います。
私自身は「マル外」のこの馬に期待してみたいですね。◎にするかどうかは、懸念材料がある分ギリギリまで悩むところでしょうが・・・。
6.アリゼオ(母スクエアアウェイ=13)
この馬も両親の父系が共に「ヘイルトゥリーズン系」であることにより、「同系配合馬」と位置づけることになります。それがなければコスモファントムと同様、連対候補として十分な力量=底力ポテンシャルを母から受け継いでいると言えたのですが・・・。
ノーザンダンサー系の同系配合馬であるエイシンアポロンが典型的なケースとして離脱していった経緯があるだけに、この馬も解釈が難しいところがあるのは否めませんね。ウィリアムズ騎手でどれだけこの馬の潜在能力が引き出されるのか、見どころはあると言えますが。
7.ヴィクトワールピサ(母ホワイトウォーターアフェア=3)
ヘイロー(3×4)の強力なクロス要素が全て良い方向に完璧に抽出された場合、こういう強い馬になるのか、という感想を持つほかないですね。むしろ母馬単体では、決して「現代的」とは言えないタイプですので・・・。
それ以外の要素では、角居厩舎が歴史的名牝に育て上げたウオッカと同様に、両親が共に「ノーザンダンサー経由の血のラインを一切持たない」という非常に注目すべき共通項があるということでしょう。
当然ウオッカの繁殖牝馬としての価値は、ただ単にその強さの継承だけではなく、「ノーザンダンサーの血が一切なくても強い馬は作れる」、という、現代のサラブレッド生産現場の姿勢に対するアンチテーゼ的な意味合いを持った、至って強力なメッセージとも言うべきものです。
ヘイローのクロスの「負の部分」が往々にして産駒に出てしまう懸念はあるにせよ、それでもヴィクトワールピサの「種牡馬」としての価値もウオッカ同様のものがあるとするならば、これが時代の要求する事として後の世に語り継がれるのかもしれませんね。
8.ローズキングダム(母ローズバド=10)
ゴチャつきがちな中山2000mの最後の直線を捌き切れなかったとはいえ、勝ち馬に0.2秒差で4着に踏みとどまった事はやはりタダ者でない、と思いましたね。
あのアパパネの母の血統背景でさえこなせた2400mなのであれば、同じキンカメ産駒でかつ中距離適性を備える母を持つこの馬なら十分巻き返しても不思議はないところです。あとはテン乗りとなる後藤騎手の思い切った騎乗がどう出るか?も見どころでしょうね。
9.ペルーサ(母アルゼンチンスター=7)
この馬の場合、ヴィクトワールピサやダノンシャンティなどの血統背景と正反対といってもいいのが「5代アウトブリード」の配合であることでしょうね。
ある意味、サラブレッドの「理想形」となるタイプといえます。この馬自身に加え、父ゼンノロブロイ、母のアルゼンチンスターまでもが5代アウトブリード配合なのですから、これは究極の姿・カタチとなっていくかもしれません。
母馬単体だけで言うのであれば、エアグルーヴと同様の7という迂回血ライン数ですからさほどの評価はできないのですが、もしかしたら母父のCandy Stripes、母の母父Propicioがそれぞれ5代内に持っている「異系トウルビヨンの血」が、ゼンノロブロイに内包されたトウルビヨンの血と呼応し合って、絶妙のアシスト役を陰ながら果たしている?のかも。
2010年05月23日
オークス 早めに回顧
最後の直線の攻防は、固唾を飲んで見守りました。◎にはサンテミリオン指名で、アパパネは最後に失速かぁ〜?などと思いながらも、2頭がそのまま際どいゴールイン。
結果は同着ということで、単勝が当たったにせよ配当が半分になり収支的にはマイナス。まあアパパネを軽視した「罰」でしょうね(苦笑)。それはそれで、事実を受け入れたいと思います。
両馬のジョッキーが勝利インタビューで抱き合う姿は印象的でした。
それでも、事前の分析記事で述べたアパパネに対する中距離適性への見解については、まだまだ撤回はするつもりはないですね。ただこれで秋以降のレースがますます、面白い展開になったことは確かで、秋華賞やエリザベス女王杯が是非良馬場で開催されることを期待しながら、その時を楽しみに待ちたいと思います。
連対した2頭は、昨年のオークス連対馬ほどのレベルまでにはまだ至っていないと思いますが、十分に休養を取って、充電期間を無事に過ごして欲しいですね。
他の馬では、3着に粘ったアグネスワルツもペース的には厳しい先行競馬をした割には失速も最小限にとどめての内容で、再評価する必要があろうかと思います。
4着のアニメイトバイオに関しても、一般的には母父フレンチデピュティであることが重馬場対応にひと役買った、となるでしょうが、やはり秋以降良馬場の中距離レースでも力量を示せれば、単に馬場適性だけでないポテンシャルの幅を証明することになるので、迂回血ライン的に最も注目したいのはこの馬、と言っておきたいと思います。
サンテミリオンの次に期待したシンメイフジは終始最後方の競馬。良馬場でも最後方は苦しいのに、この馬場ではもう3コーナまでで終わっていましたね。残念でしたが、次走以降もう一度良馬場での競馬を見たいです・・・。
ただでさえ過酷な距離に加え、ダメージが残りやすい重めの馬場での競馬でしたので、どの馬についても言えることですが馬体回復に専念してもらって、次走以降もまた元気に走る姿を見せて欲しいと思います。
来週はダービーですね。昨年のような超〜不良馬場は出走馬にとってのダメージも半端ではないですから、良馬場になることを願いつつ、当日までに各馬の血統ポテンシャルの中身を再検証したいと思います。
結果は同着ということで、単勝が当たったにせよ配当が半分になり収支的にはマイナス。まあアパパネを軽視した「罰」でしょうね(苦笑)。それはそれで、事実を受け入れたいと思います。
両馬のジョッキーが勝利インタビューで抱き合う姿は印象的でした。
それでも、事前の分析記事で述べたアパパネに対する中距離適性への見解については、まだまだ撤回はするつもりはないですね。ただこれで秋以降のレースがますます、面白い展開になったことは確かで、秋華賞やエリザベス女王杯が是非良馬場で開催されることを期待しながら、その時を楽しみに待ちたいと思います。
連対した2頭は、昨年のオークス連対馬ほどのレベルまでにはまだ至っていないと思いますが、十分に休養を取って、充電期間を無事に過ごして欲しいですね。
他の馬では、3着に粘ったアグネスワルツもペース的には厳しい先行競馬をした割には失速も最小限にとどめての内容で、再評価する必要があろうかと思います。
4着のアニメイトバイオに関しても、一般的には母父フレンチデピュティであることが重馬場対応にひと役買った、となるでしょうが、やはり秋以降良馬場の中距離レースでも力量を示せれば、単に馬場適性だけでないポテンシャルの幅を証明することになるので、迂回血ライン的に最も注目したいのはこの馬、と言っておきたいと思います。
サンテミリオンの次に期待したシンメイフジは終始最後方の競馬。良馬場でも最後方は苦しいのに、この馬場ではもう3コーナまでで終わっていましたね。残念でしたが、次走以降もう一度良馬場での競馬を見たいです・・・。
ただでさえ過酷な距離に加え、ダメージが残りやすい重めの馬場での競馬でしたので、どの馬についても言えることですが馬体回復に専念してもらって、次走以降もまた元気に走る姿を見せて欲しいと思います。
来週はダービーですね。昨年のような超〜不良馬場は出走馬にとってのダメージも半端ではないですから、良馬場になることを願いつつ、当日までに各馬の血統ポテンシャルの中身を再検証したいと思います。