2010年03月

2010年03月22日

スプリングS他 ちょこっと回顧

 ローズキングダムは敗れましたね。まあ着差は今後を懸念するほどではないのでしょうけれども。ただレース後のプロの評論では馬体重および体型や見栄えの点で、この先の激戦続きをクリアするにはちょっと不安要素あり、というコメントをされていました。

 ローズK陣営は目イチの仕上げでなくとも連対は確保できるという自信はあったようで、そういったコメントもありましたが、僅差とはいえ3着だったことは少々誤算でしょうし、2歳終盤までで見せつけた能力のアドバンテージが、今は他の有力馬たちにかなり詰め寄られているような感じは受けますね。

 終わってみれば出走馬中で母馬の迂回血ライン数トップ=13のアリゼオが、絶好調ヨコノリ騎手のアシストを得ての見事な逃げ切り勝ち。ただヨコノリ騎手がレース後に語っていたように、他馬に並ばれると気にしてムキになるタイプのようなので、昨年でいうところのリーチザクラウンのような難しさがある馬とみてもいいのかもしれません。

 さてさてやっぱり、前考察でノーマークの不人気馬、ゲシュタルトに激走されちまいましたな。この馬は過去に一度、記事にしたかと思いますがうろ覚えなので再度。

ゲシュタルト(母エンドレスウェルズの迂回血ライン数=8かどうか検証中・・・)

 母エンドレスウェルズというのは解釈の難しい牝馬で、ノーザンダンサー(4×3)の、奇跡の血量クロスを有するんですね。これは遺伝要因としては強力なはずで、母父がエンドスウィープであるとかどうとかの要素がかなり薄れると思うわけです(個人的見解として)。

 ただ今年の年頭にこのブログで「マンハッタンカフェ×ミスプロ系牝馬の配合分析」といった記事を2回に分けてやっているわけで、そこであーだこーだ言ってんだから今回ゲシュタルトの馬券を獲れないのはどーなの?などとツッコミを入れられてしまいそうですね(苦笑)。

 今週は馬券を一切買っていないんですけれども、ブログの考察でノーマークはやはり痛いですな。

 まあ確かに、「Mカフェ×母父ミスプロ系」という「見た目の配合」を、用意周到に狙撃していれば儲かるという話じゃねえのか?という単純論法もなきにしもあらずです、ハイ。

 従来型の、「父と母父」で狙う戦法も、過去の長きに渡って最も簡潔かつ明瞭に「血統予想の王道」、として馬券ゲットに結びついてきたゾ、とおっしゃるプロの血統予想家の声も聞こえてきそうですが、私はそれに意義を唱えるというのではなく、あえて違う視点、論法で血統予想をしていきたいのです。

 ゲシュタルトが今後、一発屋ではなくキチンと連続して芝の重賞戦線で連対を続け、その実力を発揮していくようなら、改めてこの馬を「研究素材」として見つめ直す所存でおります。

 
 話変わって、いつもはあまり考察対象としない古馬重賞路線も今日は少し。

 もちろん阪神大賞典の決着についての見解なのですが、ここのところかなり目立ってきている、8歳以上の高齢馬がかつてない割合で重賞戦線の上位で活躍を見せる、という現象は、勝ち馬がいかに賞賛されようとも、私はやはり違和感を持たざるを得ませんね。

 もちろん、「8歳といっても昔と違うよ。育成技術や放牧施設なども充実して進歩してきたし、過酷なローテーションさえ組まなければ、晩成型の傾向が顕著な馬ならば高齢で活躍してもおかしくない」、という意見が大勢を占めるであろうことも承知の上で言うのですが。

 4歳・5歳の充実期にあるはずの馬たちが、高齢馬を重賞という舞台で「駆逐してゆけない」という状況がこのまま恒常化していくのならば、それは競走馬たちの年々のレベル低下にもつながりかねない事態の表れであり、高齢馬の頑張りそのものは賞賛するにしても、水面下の問題として無視することはできないですね・・・。

 まあそれはともかく、2着ジャミールについて、「迂回血ライン的見解」を述べます。

 以前、ステイゴールドは配合相手にトウルビヨンの血のラインが複数あると、活躍傾向が高まるという仮説に基づく個人的見解を載せましたが、ジャミールも正にそうなんですね。

 母父サドラーズウェルズは、母方のボールドリーズン経由でトウルビヨンの血のラインを一つ受け継ぐ種牡馬ですが、さすがにこの要因1つだけでは不足で、産駒は「母の母父」ないし「3代母の両親」からもどこかでトウルビヨンの血がないといけないわけです。

 ジャミールの場合、「母の母父」の系統が見事にトウビヨン直系のライン。昇級直後のG2挑戦でしたが、あっさりとクリアしましたね。

 ちなみに、「父と母父」では見た目の配合で同じであるテンシノゴールドも出走しましたが、この馬の母方にはサドラーズウェルズ以外からのラインにトウルビヨンの補強が一切ないタイプであるため、昇級に苦労するタイプとして全く異なる扱いができるのです。

 「父と母父」で見るだけでは、この両者の好走・凡走を別個に捉えることは不可能で、つい、両方同じ配合だからセットで狙っちゃえ、となりがちなわけですね。

 今後もこのような、「見た目配合では同じ」ってヤツがいかに「実は違うのだゾ」と言う、多々ある状況について、迂回血ラインの目線・視点で随時探っていきたいと思います。

blood_max at 00:20|PermalinkComments(0) 3歳馬 考察 

2010年03月21日

スプリングS ちょこっと考察

 土曜フラワーCはオウケンサクラが勝ちましたか・・・(勝ち時計1分50秒3、千m通過時62秒5)。昨年の同レースで、ヴィーヴァヴォドカが逃げ切って勝った内容が1分49秒3(千m通過時60秒6)でしたが、レース後、あるプロ評論家の評価は「歴代のフラワーCの中でもかなり低レベルの凡戦」であったと記憶しています。

 実際、昨年の上位馬のその後を見ますと、連続好走ができたのは2着ディアジーナぐらいで、勝ち馬ヴィーヴァヴォドカに至ってはずっと二桁着順続き・・・。

 今年の中山芝は良馬場といえども重めのようなので、一概にタイムの悪さを言っても的を射ていないのかな、とは思いつつも、10Rの準OPマイル戦では1分33秒台が昨年も今年も出ており、多少の馬場差(0.5秒程度かな?)を考慮してもさすがに昨年より更に1秒も遅い勝ち時計はいかがなものかなー?と揶揄しときます)。

 まあその揶揄も、オウケンサクラが桜花賞でも3着以内に好走することでブッ飛ばされますが(苦笑)。


 さて、今年の始動戦となるスプリングSはローズキングダムにとってかなりプレッシャーのかかる1戦でしょうが、どうなるでしょうかねー?

 前日段階のオッズでは、

1番人気 ローズキングダム(母ローズバドの迂回血ライン数=10)
2番人気 アリゼオ(母スクエアアウェイの迂回血ライン数=13)
3番人気 サンライズプリンス(母メインリーの迂回血ライン数=4)
4番人気 サンディエゴシチー(母ジェニーソングの迂回血ライン数=10)
5番人気 バシレウス(母サヴァントの迂回血ライン数=5 ただし凡走パターン)

 母の値が10ポイント以上の上記3頭に関しては、2歳時の段階から既に記事にしており、大体の評価は定まっていましたが、順調といえるのは今のところローズKだけで、アリゼオもサンディエゴシチーも陣営の想定どおりには進んでいない感じです。

 アリゼオの場合は、父も母もヘイルトゥリーズン系で広い意味での同系配合馬なので、迂回血ラインが機能しない場合もあるパターン。サンディエゴシチーの場合はヘイロー3×4の「奇跡の血量クロス」が存在し、これがヴィクトワールピサやコオスモネモシン同様に活躍に結びつくかどうか。

 私が注目してみたいのは3番人気のサンライズプリンスですね。母メインリーのポイントは低めなのですが、血量パーセンテージではハイペリオンが最上位で10.16%という値。ハイペリオンが血量の最上位を占める馬というのは種牡馬にしろ繁殖牝馬にしろ現代ではもはや少数派なので、そういう母馬の産駒の活躍を期待したいところ。

 さらにメインリーは英ダービー馬マームードのクロス(5×5)を有します。マームードのクロスを有するのはサンデーサイレンスも同様ですし、その直仔アグネスタキオンは更にロイヤルスキー経由でトウルビヨン及びザテトラークのライン(即ちヘロド系ライン)をかなり補強。

 マームードの2代母の父がザテトラークなので、相当に「異系要素」のバックアップが見込めるのがアグネスタキオンとメインリーの配合と言えます。

 ヘロド系やマッチェム系の異系アシストを効果的に「我が物」とするのがアグネスタキオンの最大の特徴なので、そこに注目してみたい、ということですね。

 3月末は何かと忙しく、更新が深夜になってしまいましたが、またまたノーマークの穴馬が激走したりするのかも(苦笑)。眠いのでもう寝ます・・・。

blood_max at 01:35|PermalinkComments(0) 3歳馬 考察 

2010年03月15日

サンデー系種牡馬たちの「迂回血ライン数」が語る真実

 1つ前の記事の最後のほうで、ゼンノロブロイの種牡馬としての評価が確定と述べましたが、私自身は、「迂回血ライン」なるものが、これほどまで明快かつ簡潔に現代の主流をなす血統勢力の「底力度」を表現できるものだとは、2006年の研究開始当初は思ってもいませんでした。

 現代のサラブレッドが「芝の重賞レース」において活躍していける真の理由が、分かりやすい近親クロス(特に3×4ないし4×3の配合)がある場合を除けば、種牡馬についても繁殖牝馬についてもそれぞれにおいて、「迂回血ライン数」の多い少ないで示される、という確信。

 この確信に至ることへの後押しをしてくれた強力なサポーターたちは、言うまでもなく「サンデー系種牡馬」たちです。

 私がいつも評価基準にしている、「迂回血ライン=底力先祖のライン」について再度、簡単に説明しておくと、ハイペリオン、シックル&ファラモンド兄弟、プリンスキロに残りの1頭を加えた計5頭を主要な「底力先祖」として選定し、血統の中にどれだけの「ライン数」でその底力先祖たちが存在するのかをTARGETで調べます。

 例えばトニービンは、その血統背景に合計3つのハイペリオン経由のラインが存在するので、「底力先祖ポイント=3」となる種牡馬、というように判断します。

 仮に同じ底力先祖が何頭も重複して存在したとしても、そのラインの総数を合計して「底力ライン=迂回血ライン」としているのです。(何故、“迂回血”と呼ぶのかは、過去記事に掲載)

 その前提に立って、サンデー系種牡馬たちを迂回血ライン数で分類すると、以下のようになります。

マンハッタンカフェ=11
ダンスインザダーク=11
マーベラスサンデー=11
ゼンノロブロイ=11(新加入)
スペシャルウィーク=10
アドマイヤベガ=10
ネオユニヴァース=9
バブルガムフェロー=8
ステイゴールド=7(異系要素やや強い)
アグネスタキオン=7(異系要素かなり強い)
フジキセキ=6(あらゆる牝馬と和合性は良い)
タヤスツヨシ=5

 上記の種牡馬実績において、この迂回血ライン数の特徴が良く出ていると思われるのは、ポイントが高めのほうが総じて産駒の距離適性の幅が広めであること、大物を出しやすいこと、スタミナ系の要素が強めであること、などの部分です。

 もう一つの視点は、これらのサンデー系種牡馬を、「母方にノーザンダンサー経由の血を持つタイプ」と、「母方にノーザンダンサーの血を持たないタイプ」で分類し直してみることです。

前者=ダンスインザダーク、マーベラスサンデー、スペシャルイウィーク、アドマイヤベガ、バブルガムフェロー、ステイゴールド、デュランダルなど。

後者=マンハッタンカフェ、ネオユニヴァース、アグネスタキオン、フジキセキなど。(ゼンノロブロイもこのグループに入る)

 多くの繁殖牝馬がいる中で、ノーザンダンサーの血を持たない牝馬は非常に稀です。

 ノーザンダンサー経由の血があるサンデー系種牡馬は、そういった繁殖牝馬たちとの配合も多くあり、一発大物を出すこともある反面、ノーザンダンサーのクロス要素が強く出る確率も高くなり、俗に言う「サンデー系らしさ」をかなり失う産駒も非常に多く出すと思われるのです。

 ゼンノロブロイと同じく、11という値を持つはずのデュランダルがここまで芝上級クラスの実績でゼンノロブロイに劣っているのは、単に自身が短距離中心で活躍したからではなく、母父ノーザンテースト経由の影響力の方が配合相手次第では強めとなることが産駒のメリットになっていない、という可能性のほうが大きいと思われます。

 だから結果的に、芝のリーディングサイアー争いではサンデー系「らしさ」を高い割合で産駒に伝えるマンハッタンカフェやネオユニヴァースが、産駒の総数自体がまだ少なめの状況下でも優位に立てる状況となっているわけですね。

 アグネスタキオンは、迂回血ライン的には低めですが、このブログで何度も指摘している通り、母方に異系の血「トウルビヨン」、「マンノウォー」という、サラブレッドの3代始祖のうちの残り2大系統の「異系アシスト」を効果的に得られることのできるタイプであるため、配合相手次第で大物を出せます。(ステイゴールドも配合相手にトウルビヨンの血が複数あると活躍に至る傾向が少しあり)

 ゼンノロブロイは、母父がミスプロ直仔のマイニングという種牡馬になるため、これまで実績のある他のサンデー系種牡馬たちにはない特徴を持っています。このことが、今まで解釈を保留してきた要因なのですが、初年度産駒たちのここまでの活躍度を見れば、マイナスの要因はまずないですね。


 そして今年、サンデー系種牡馬の「真打ち」、ディープインパクトが、迂回血ライン数=12という「数値に現せる底力度」を血統表に内在させつつ、産駒たちをデビューさせてきます。

 ただ単にクラシック3冠馬であるというだけでなく、隠された真の「底力先祖継承度」においても、先輩のサンデー系種牡馬たちを凌駕するものを持ちながら。

 ただし、ディープインパクトは母父がアルザオ(ノーザンダンサー系)で、グループとしてはダンスインザダークやスペシャルウィークの仲間に分類されますから、とてつもない超大物を出しつつも、「期待された良血馬」が、あれれっ?という凡走を繰り返すようなことも、なきにしもあらずでしょう(笑)。

 まあ、ノーザンダンサーの血の影響力を強く持たない牝馬とで配合された産駒を、個人的には注目していきたいと思っていますが。

 また、ハーツクライとリンカーンについては、この「配合的には似て非なる両者」として、いずれ後日に見解を載せたいと思っています。

blood_max at 21:36|PermalinkComments(8) ブログ主旨説明・他 

2010年03月07日

弥生賞 各馬検証

 いやはや、将来「母馬」としてはどうかなあ?などと言ってしまったショウリュウムーンがチューリップ賞を勝ってしまいましたね(苦笑)。

一応、「競走馬としては活躍するかもしれないが」と、先の記事ではコメントしていたんですが・・・。


 そのことにはもう深くは触れずに弥生賞(^^;)

1.ヴィクトワールピサ (母の迂回血ライン数=3)

 この馬は前にも述べましたが、ヘイロー(3×4)という極めて強力な近親クロス(いわゆる奇跡の血量クロス)がこれまでのところは、「良いほうに出ている」、と言うしかありません。

 ブエナビスタなどもニジンスキーの奇跡の血量クロスを持つので「母の迂回血ライン数」が関係ない馬なのですが、ヴィクトワールピサもこのまま連勝街道をばく進するのであれば、そういったカテゴリーの馬と位置づけるだけですね。


2.ダイワファルコン (母のP=7)

 牝系はスカーレット一族。とはいえこの馬の場合ノーザンダンサー(4×4)のクロスがどう効果的に寄与するか?で今後の明暗が分かれる気がします。


3.エイシンアポロン (母=8)

 Vピサよりも重賞経験豊富で内容も濃いものですが、この馬の場合も、両親がノーザンダンサー系で「同系配合馬」なので、あまり母自身の底力ポイントが機能せず、やはり5代内クロスの効果がどう活きてくるか?がカギでしょう。

案外、同系配合馬というのは何系だとかに関係なく、「早熟性」、「一本調子の気性≒短縮向きの傾向」といった共通項がありがちです。それが「クラシック向きでない」欠点につながることもありうるので、今回の走りに注目ですね。


4.ミッションモード (母=8)

母父がMonsunということで、日本ではなじみの薄いこの系統の要素が「未知の魅力」になるのかも。いわゆる重厚な血統、というヤツでしょうか。重馬場は滅法強そうな感じで、軽視は無謀かも。


8.アースステップ (母=2)

 母馬の血統に底力要素はほとんどないのですが、父ニューイングランド自身は迂回血ライン数=13という種牡馬。これはディープインパクトの12という値をも凌駕しており、実はポテンシャルを秘めています。

 ただ、ニューイングランド自身の競走成績にG1勝ちの勲章がないために、どうしても良質の牝馬とは配合させてもらえない宿命もあり、不利な面は否めません。

 それでもこの産駒アースステップがどこまでやれるのか、興味はありますね。


9.スマートジェネシス (母=11)

 前走エリカ賞では逃げに転じて最後は失速。何もいいところがなかったように見えますが、今回もう一度、母の迂回血ラインが機能するかどうか見ておきたいところ。

 今回もいいところがなければ、不具合な要因が何かしらあるのかもしれないですが。



10.コスモヘレノス:128=126+2 (母のP=13)

 エリシオは日本で実績を残せませんでしたが、母父としてならば底力ポイントの高さ=11が有効かも。一応注目します。


11.ダイワバーバリアン(母=9)

 きさらぎ賞で注目しましたが今イチの内容。今回も馬券圏内になるか注目しますが、圏外ならやはりマイラーなんでしょうね。これからも・・・。


13.アドマイヤテンクウ (母=8)

 母エルダンジュの血統背景には、「異系トウルビヨン」のラインが計4つあります。単に母父サンデーSだから狙う、という手も確かにありますが、父キンカメにもトウルビヨンのラインが計4つある、という事実を知ればどうでしょうか。

 血統には色々な構成要素が隠れていて、それを探り出すことで様々な解釈につながります。まあ、単にマニアックなだけ、かもしれませんが(笑)。

 異系アシストは必ずしも常に好走を約束するものではないですが、ポテンシャルの「隠し味」みたいな面はどこかで発揮されるはずだと思います。

blood_max at 00:28|PermalinkComments(0) 3歳馬 考察 

2010年03月05日

チューリップ賞 事前考察

 ドバイでは、レッドディザイアが前哨戦を勝利したようですね。本番が楽しみです。


 さて、相手関係を見る限りアパパネが負けられない(負けてはマズい)感じのするチューリップ賞ですが、どうなるでしょうね。


3.オウケンサクラ (母の迂回血ライン数=5)

 このオウケンSは全て牡馬との対戦をこなしての結果で、そこをどう解釈するか?でしょうね。古馬の場合、牡牝の重量2キロ差は妥当だとしても、3歳初期の段階での−2キロというのは、牝馬にかなり有利だと個人的には思います。

 母父がリアルシャダイだから本質は中距離向きだろう、とは、このブログ内では考えません。むしろ、短縮がいいのでは?と思うくらいなので、近2戦はそれで結果が出たのだろうと思うほうが自然ですね。


4.エーシンリターンズ:(母=7)

 前走エルフィンSが11番人気での激走。この馬の場合は計4つの「ノーザンダンサーのライン」を持つということが、他の血統要素を縮小させる要因です。将来性はあまり感じませんね。


5.ヴィクトリーマーチ (母=10)

 そのエーシンRに不覚をとった形のこの馬ですが、母馬の値でいえば「中距離適性」を示す二桁の値を持つので、マイルでは距離不足、と解釈すれば、将来性ではこの馬のほうが大いにアリ、と思われます。

 ただ今回もマイル戦なので、展開次第ではマイル巧者の面々に先着をされてしまうかも。オークスに出走できた場合には、再度注目したいと思います。


6.マスターセイレーン (母=3)

 強力な5代内クロスもなく、それでいて母の値が3では、かなり底力不足と思われますが、母方の血は全体的に異系要素が濃く、「意外性」はもしかしたらあるのかも。


7.オメガブルーハワイ (母=減9)

 母父エルコンドルP、というのはリアルシャダイの場合と同様、あまり考察の意味はありません。むしろ全体では欠点(減点対象)となる要因があり、「短距離向き」にシフトしていると思います。

 ここはマイル戦ですので、好走がないとまでは言い切れませんけども。


9.プリムール (母=7)


10.ベストクルーズ (母=6)

 母父サンデーSと言っても色々、です。これは、底力先祖をポイント化=迂回血ライン数、としない限り見えてこない部分であり、「視野狭窄」になりかねません。ベストクルーズの場合、マイラーとしては今後も堅実なのでしょうが、中距離以上での適性を感じませんね。


11.グリューネワルト (母=8)

 前走の大敗(14着)は、一体何なんでしょうねー? といっても、この馬の半兄、シェーンヴァルトを以前分析した時に、「この母馬は凡走パターンを持つ」、と過去記事で述べています。

 母馬全体の底力は8つのラインでまずまずですが、その分布の仕方がマズく、他の多くの「凡走パターンを持つ母馬」と一致するのです。

 「凡走パターン」とは、母馬の血統を(母父、母の母父、3代母)の3要素で分割した場合に、その3つのうちどれか2つで「0,0」、「0,1」、「1,0」 のパターンが出現した場合のことを指します。

 母シェーンクライトの底力ライン分布は(7,0,1)であり、正に凡走パターンの母。

 よほどの幸運、好走条件が揃わないと、見事に人気を裏切ります。昇級には苦労するタイプでしょうね。(エルフィンS凡走は正にそれ)


12.ショウリュウムーン (母=保留)

 この馬は、両親で合わせると合計で19という数の、「ネアルコライン」を持っています。いくらネアルコの直系子孫が全盛の時代であっても、1頭のサラブレッドが持つライン数としては常軌を逸した数値です。

これで、一体どんな母馬になりどんな仔を産むのだろう?と今から思ってしまいます(苦笑)。

競走馬としての活躍は今後あるかもしれませんが、母馬としての活躍は十中八九見込めない血統背景でしょうね。


14.ストレンジラブ (母=減8)

 母馬に欠点があると思われるので、減点ポイントでの値となります。ただ、マイラーとしてなら今後もある程度の活躍は見込めるのかも・・・。


15.ワイルドラズベリー (母=14)

 この馬が白菊賞で2着に激走した時(11番人気)、勝ち馬アグネスワルツの単勝は的中できたのですが、Wラズベリーの血統を事前に調べておかずノーマーク。

 14という母の値を知り、最高に悔やみました(苦笑)。馬連1万8千円ほどの配当を取り逃がすという大失態を喫してしまいましたので。

 まあ、母父サンデーSなんで、流行りの「自動狙撃」というヤツでもいいのでしょうが、ベストクルーズの項で述べたように母父サンデーSと言ってもこれだけ値が違うのです。

 ただ、Wラズベリーの場合父がファルブラヴなので、母父サンデーSとなる配合は必ず、アルマームード(5×5)のクロスが発生し、「気性難要因」も隠れています。

 今回、ウルサイところを見せずに好走できれば、今後も期待大、かもしれないのですが。


16.アパパネ (母=6)

 まあ、今回は相手関係から言って、勝たないと「相当マズい」んじゃないでしょうか。ただ、私の場合はこの馬を3番手評価に落とし、ヴィクトリーマーチとWラズベリーの2頭に注目してみたいですが。


 では今日はこの辺で。

blood_max at 23:25|PermalinkComments(0) 3歳馬 考察