2010年02月

2010年02月20日

クイーンC 回顧

 いやはや、またも不覚を取ってしまいました。不覚とは、注目馬としたシャルルボアについてではなく、プリンセスメモリーを記事にしなかったことです・・・。

 プリンセスメモリーは、母リトルブレッシングの持つ迂回血ライン数が二桁を超えており、新潟2歳Sの回顧の記事でも、距離延長となる場合は狙い目だと明記していました(苦笑)。

 その後、逆に距離短縮の路線をとり、クリスマスローズS(芝1200m)で3着後やや間隔を空けての今回が再度のマイル戦。さすがに新潟2歳Sでの負け方が、多くの競馬ファンの中では軽視(10番人気)へと傾いていたのも仕方のないところでした。

 ただ、クリスマスRSは明らかに距離不足で、上がり3F最速の33秒6を繰り出して牡馬相手の3着はむしろ健闘していたという解釈を今回するべきでしたねー。ファンタジーSでタガノエリザベートを◎的中できた時も、事前に似たような解釈ができていたわけですし。

 そういう意味でも不覚、でした。

 今回、狙いきれなかったのは前走内容よりも、プリンセスメモリーの5代血統表に、「ノーザンダンサーの名前が3つある」ことの方がどうしても気になってしまったのも大きいですね。このような特徴があると、父本来のイメージというものがスウェプトオーヴァーボードに限らずどんな種牡馬でも、かな〜り薄まるのではないかと思えてきます。

 逆に、非サンデー系の種牡馬を父に持つ活躍馬の多くが、こういう明確な特徴を持っていないとサンデー系の産駒たちを相手に拮抗するのは難しい時代、という言い方が出来るのかもしれません。

 「フフフ、だからぁオレの血は益々重要なんだっつーの!そこでブログやってるオッサンよ」

 偉大なる種牡馬ノーザンダンサーが草葉の陰から、やっぱりこう叫んでいるように聞こえるのは、私だけでしょうかねー?


 ・・・とはいえノーザンダンサー4×3の配合を持つテイラーバートンも、3着を死守したとはいえ陣営にとってはそれこそ賞金を加算できす痛恨の「不覚」、の一文字でしょう。事前コメントで「今後も善戦タイプでは?」という見立てをしたわけですが、やはり雲行きが怪しくなってきました。

 穴に一考としたシャルルボアに関して、桜花賞はやはり無理っぽい感じは否めないものの、オークスに出走してこれるのならまた狙ってみたいという気持ちは変わりません。

 まあ終わってみれば、「社台ファーム生産馬」でのワンツースリー・・・。

 血統なんかに関係なく、そこだけを見てオイシイ馬券をゲットした方々も当然いるはずですな。悔しいですが、そういう買い方でもいいのだろうと思います。結果を残せれば、その買い方の根拠が全てに勝る最強の法則、ですからね・・・。

blood_max at 20:46|PermalinkComments(0) 3歳馬 考察 

クイーンC 注目馬

 更新が当日の正午になってしまいましたが、取り急ぎクイーンCの注目馬を。

 世間では3強?対決の様相を呈していますが、テイラーバートン、ブルーミングアレー、アプリコットフィズのうち、私自身はブルーミングアレーの血統にいささか注文をつけておきたいところです。

ブルーミングアレー(母プリンセスオリビアの迂回血ライン数=- -)

 エリカ賞勝ち馬エイシンフラッシュがその後京成杯をも制し、エリカ賞クビ差2着のブルーミングアレーへの評価も上々なわけですが、本来なら8つとなるはずの母プリンセスオリビアの迂回血ライン数も、実は機能しないタイプではないかと思います。

 母プリンセスオリビア自身に、ノーザンダンサー3×4の「奇跡の血量クロス」が存在するからで、この遺伝作用が優位に働き、ここまではそれなりの結果を残していると言えます。けれども同時に、プリンセスオリビアは8つのラインでネアルコ経由の血を受け継ぐ部分がかなりネックにもなりかねません。

 父シンボリクリスエスは計5つのネアルコ経由のラインを持ちますがこれは許容範囲内としても、父と母を合わせた合計のネアルコ経由ライン数は全部で13ラインとなり、ブルーミングアレーにとっては許容範囲内、とはいかないと思います。

 比較として、アプリコットフィズは父母合計のネアルコ経由ライン数は8つ、同じくテイラーバートンについては合計7つと現代馬としては標準的なものです。

 現代のサラブレッドは、ネアルコ直系子孫が圧倒的な数を占めていることは周知の通りで、10以上のラインでネアルコ経由のラインがあること自体、何ら珍しい事ではありません。けれども、重賞で結果を残し子孫に繋げていく血統というのは、ほんの少しでも弊害の抑えられるほうが良いに決まっています。

 競馬というのは、単に馬が走って、どれが強いかを適当に当てていればそれだけで面白い、で済めばいいのですが、長い目で見れば結局は、近親配合の弊害の「負の連鎖」をどこかで断ち切る系統が、いずれは残っていくものなのです。

 サンデー系種牡馬にしても、「母方にノーザンダンサー経由の血が無い」タイプのマンハッタンカフェ、ネオユニヴァース、アグネスタキオンらのグループが芝の重賞で優位に立っています。

 一方、「母方にノーザンダンサー経由の血を持つ」タイプのサンデー系種牡馬、ダンスインザダークやスペシャルウィーク、アドマイヤベガにデュランダルなど、確かに一発大物タイプを今も出してはいるものの、結局は世界の主流系統、ノーザンダンサーの血脈の優位性に「おんぶにだっこ」している状況、と言うのが的を射ています。

 だからこそ前者のタイプ、マンハッタンカフェやネオユニヴァース、或いはゼンノロブロイなどの新興サンデー系種牡馬たちのほうが、先輩サンデー系種牡馬たちよりも「血統の伸びしろ」を子孫に与えることができて、活躍の場が広がっているとも言えるはずなんですね。

 ブルーミングアレーもテイラーバートンもアプリコットフィズも、いずれは「お母さん馬」になるわけです。牝馬の場合、重賞未勝利馬でも例え未出走でも、健康面に問題さえなければほとんど例外なく繁殖へと上がります。

 その時、伸びしろを子孫に与えるのはどういう血統か?

 そういうことを考えながら、競馬を見るものまた一興なのです(私だけ?・・・苦笑)

 そういう、複眼的な目線で馬を見て、それで馬券にも良いほうにつながるのであれば、血統を分析する面白み、有意義さもあるというもの。

 さて、穴に指名しておきたい馬を1頭。

6.シャルルヴォア(母フリーヴァケイションの迂回血ライン数=11)

 スペシャルウィーク産駒なんですが、母父の系統はテディ系ダマスカスの直系ライン。さらに「母の母父」のラインではノーザンダンサー直仔のマイナー種牡馬、Far Northなので、シャルルボアにはノーザンダンサーのクロス(5×4)が発生してしまうのですが、4×4とか4×3、3×4でない場合は多少遺伝力の占有度は落ちますから、まあいいかなと(笑)。

 ヨシトミ騎手騎乗であまり人気にもならず、上位の一角崩しをしてもらえればと思います。空回りの可能性も大いにありますが・・・。今回ダメでも、継続して見ておきたい馬ですね。


 
 
 

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2010年02月15日

きさらぎ賞 回顧

 フェアリーSでコスモネモシンを◎にし各種馬券を的中できて以降は、私の競馬予想はかなり的外れなまま経過してきています。今週もほとんどいいところなし、でした。

 予想そのものの狙いが全くダメならまだしも、もう少し買い目配分なり相手関係へのこだわりを柔軟にしていれば当てたはずのケースもあり、不完全燃焼のような感じが続いています。

 毎週常に当て続けるゾ、などという壮大な妄想は持たないようにはしていますが、発想の転換とまでいかなくても、柔軟さはもう少しなきゃいけないなあ、とここへ来てヒシヒシと感じる次第です。

 かなり字数を割いて注目したダイワバーバリアンが馬券にならず、個人的には残念な結果だったきさらぎ賞でしたが、一応展望記事で注目馬に上げた馬の明暗が分かれましたので、検証を付け加えておきたいと思います。

 ダイワバーバリアンに次ぐ注目馬の1頭、としたネオヴァンドームが勝ったわけですが、配合的には戦線離脱を余儀なくされたトーセンファントムとかなり細部に至るまで近い特徴がありましたので、やはりこの配合は調教師が異なっても好結果を残せるポテンシャルが秘められているようです。

 細かく言うと、ネオヴァンドームの血統における「血量パーセンテージの最上位」は、底力先祖の筆頭格と位置づけているハイペリオンであり、その値は11.13%となっています。(トーセンファントムの場合もハイペリオンの血量が最上位ですが、値は10.73%で僅かに異なる)

 トーセンファントムについて昨年に記事にしたときも、血量最上位ハイペリオンの存在がポイントだろうと述べました。現代のサラブレッドの血統において、ハイペリオンが最上位になるケース自体がかなり稀な状況になりつつありますので、その希少な優位性を持って今後もネオヴァンドームが芝重賞の常連馬となっていければ、父ネオユニヴァースが好結果を残せる配合相手に相応しい牝馬の特徴、というのも見えてくるかもしれないですね。

 ダイワバーバリアンについてはもう少しポテンシャルの顕現を見極めたいところですが、もしこの距離でも限界に近いのなら、マイラーという評価へと見解を変えていかざるを得ないかもしれませんね。ダービーの時期頃には、適性がもう少しはっきりすると思いますが・・・。

 2着だったレーヴドリアンは惜しくも敗れたものの、やはり末脚の威力は今後につながりそうですし、半兄のような故障がなければかなりやれそうな雰囲気ですね。それにしても、スペシャルウィーク産駒で芦毛に出た馬って、これまでにいるんですかね?

 元々、ナスルーラ系の血を多めに引いているような馬に芦毛のタイプが多いのが顕著なわけですが、タキオン産駒ならこれまでにキャプテントゥーレなどを筆頭に何頭も芦毛馬を見ているので全く気にならないものの、スペシャルウィークの産駒で芦毛〜??? 過去にいましたか?私が記憶にないだけでしょうか(苦笑)。

 そして、レーヴドリアン同様に母父がHighest Honorであったステージプレゼンスがやはり濃いめの芦毛馬であり今回3着・・・。まあこちらはタキオン産駒ですな、事前展望では取り上げませんでしたが。

 ・・・実は個人的にはこの馬もマークはしていたのです。(連下で、ですが)

ステージプレゼンス(母ダンスーズデトワールの迂回血ライン数=11)

 今回やや間隔が空いての出走で、重賞でどれだけやれるのかこっそり注目していました(苦笑)。事前展望ではクォークスターのほうに字数を割いてしまい、更新に時間もかかってこの馬まで手が回らなかったのですが、やはり記事にしておくべきでしたねー。反省しております・・・。

 馬券的にはダイワバーバリアン中心にしてしまった以上、このステージプレゼンスを馬券に絡めてもどうせ的中はできなかったものの、個人的にはこの馬の好走を一番喜んでおりますです。何せ、出走馬中で1番多い値の迂回血ライン数を持つ母の産駒でしたので。

 評判馬インペリアルマーチ(母の迂回血ライン数=5)に先着したんですからこれは今後も有望でしょう。今後賞金加算が出来て、クラシック戦に出走してきて欲しいですね。

 反対に、「凡走パターン」を持つ母ですよ、としたインペリアルマーチ。まあ、内容的にはそれほど負けておらず、今回の走りを凡走というにはちょっと可哀想ですが、やはり半兄同様、マイル路線がベストなんじゃないでしょうか。この馬自身は、勝った時の新馬戦とほとんど位置取りやらペースやらが変わらない中で同じように走って4着という結果です。相手が強化しての結果なので、マイル戦で巻き返せればまた展望が開けると思います。

 クォークスターですが、展望でせっかく字数を割いたのに案外でした・・・。まあ、異系アシストそのものはあるはずなので、今回はダメでしたが自己条件で立て直して欲しいと思いますね。

 シャインについては、私自身「買えない血統」なので、特に感想はありません・・・。

 
 一通り、3歳牡馬クラシック戦の力量関係が見えてきたでしょうかねー。このあとの路線ではアーリントンカップ、スプリングS、毎日杯あたりで上位のメンツが出揃うまで楽しみに待ちたいと思います。  

blood_max at 00:05|PermalinkComments(0) 3歳馬 考察 

2010年02月14日

きさらぎ賞 展望

 土曜のバレンタインSには1番人気でアントニオバローズが登場してきましたが、菊花賞に続いてのシンガリ負け。さすがにここまで内容が悪いと、やはり体質的な不具合なのか、気性面の問題なのか、まあどちらにせよ陣営の思い描く筋書きどおりにはいかない馬、ということなのでしょう。

 1400mという距離への一気の短縮も、選択としてはどうなんでしょう?馬自身には走る気がしっかりあるのであれば、次走以降でもう少し何とかなるんでしょうけどねー・・・。

 さて、本題のきさらぎ賞。アントニオバローズと「見た目」の配合では全く同じダイワバーバリアンにとっては不吉な?感じがしなくもないですが、直前の記事でも述べたとおり、迂回血ライン的な目線では全く違う評価が出来るのでとにかくダイワバーバリアンの走りには注目しようと思います。

 その他の馬についても、迂回血ライン的に思うところを述べてみます。

2.ネオヴァンドーム(母プリンセスカットの迂回血ライン数=7)

 この馬の配合は、故障で登録を抹消されてしまったトーセンファントムと非常に近いものがあります。トーセンファントムの母バースデイローズも迂回血ライン数=7で、その父はトニービン、母の母父はノーザンテーストという部分までも全く同一。
 唯一、3代母の血統背景のみが異なりますが、トーセンファントムの3代母ノーベンバーローズの両親がどちらもナスルーラ直系で同系配合となるタイプであったのに対し、ネオヴァンドームの3代母ジェニュインダイアモンドの場合、父はナスルーラ直系ですが母父のほうはハイペリオン直系です。

 トーセンファントムも配合としては特に欠点の見当たらないもので、入厩後の評価も高いまま推移していましたが、非常に近い配合を持つネオヴァンドームについても、やはり同等の資質を有するのかどうか興味は持てますね。この馬も注目の1頭です。

3.シャイン(母パリスセイリュウの迂回血ライン数・・・)

 シンザン記念を逃げ粘って2着になったことは一応評価すべきなのでしょうが、レース回顧の記事でも述べたように、この馬の血統背景はどう評価してよいか分からず個人的には「買えない」タイプです(苦笑)。

 まず、メイショウドトウの産駒実績そのものがこれまでショボいものであり、オープンクラスの芝馬を輩出していないことが一つ。現4歳から7歳までのメイショウドトウ産駒145頭がTARGETで検索できるのですが、芝馬&ダート馬のどちらとも、オープンに出世した馬がいないんですねえ、これが。

 それには目を瞑るとしても、メイショウドトウの血統はノーザンダンサー直系でかつノーザンダンサー4×4のクロスを持つタイプ。そしてシャインの母パリスセイリュウは、父がサクラバクシンオーですがそれよりもノーザンダンサー4×3の「奇跡の血量クロス」を持つ母馬、というのが最大の特徴です。

 つまりシャイン自身の5代血統表には、ノーザンダンサーの名前が4つのラインで登場してくるというわけです。こういう、ノーザンダンサーのラインを4つも持つコテコテのタイプは、ほぼ例外なくダートでの活躍馬ばかりで、芝の、しかも重賞級の馬というのは、私には記憶にありません。

 シャインがこのまま芝の重賞クラスでグングン活躍を続けていく場合、「フフフ、そういう時代が来たのだよ、そこの素人血統評論家クン」とノーザンダンサーが誇らしげにあの世から語っているのかも(笑)。何にせよ、今後の行く末が気になってしょうがない馬ですね、シャインという馬は・・・。


4.インペリアルマーチ(母キョウエイマーチの迂回血ライン数=7)

 半兄であるトライアンフマーチについては皐月賞を2着したあともずっと、私の評価は「純然たるマイラーだろう」というものでした。実際、3歳終盤と古馬になってのマイル戦で2戦ともに連対。

 父がネオユニヴァースに替わったインペリアルマーチの場合、半兄が持つノーザンダンサーの5代内クロスはなくなり、5代アウトブリードでそれ自体は非常に好ましい配合だと思います。ただ、母キョウエイマーチは私の研究上における「凡走パターン」を持つタイプなので、人気をアッサリ裏切ることもなきにしもあらずだと思われます。兄ともども観察を継続します(苦笑)。


5.クォークスター(母フェスタデルドンナの迂回血ライン数=9)

 牝系を見れば3代母はスカーレットインクで、つまりはダイワメジャーやダイワスカーレットの近親にあたるわけですね。単純な論法でいけば、「じゃあ活躍してもおかしくねーな」となります。私の場合、1頭1頭を「個別に鑑定」しますので、全兄弟姉妹でもない限り、近親というだけで良血即ち好走可能馬、などとは判定しませんが。

 アグネスタキオンは、過去何度も記事にしたように異系トウルビヨンおよび異系マンノウォーのラインを複数持つ繁殖牝馬との配合では、強力なアシスト作用を得られることが可能なサンデー系種牡馬です。

 配合相手のフェスタデルドンナの父ヘクタープロテクターは、その父ウッドマンから計4つのマンノウォーのラインを得て、母Korveyaからは計3つの異系トウルビヨン+マンノウォー経由のライン1つを得ています。 

 常に上手くいく配合とは限らないのはもちろんですが、ヘクタープロテクターはタキオン産駒の好走確率をアップさせる格好の相手であることは間違いないところです。今年の3歳のタキオン産駒には受難続きが多く見受けられるので、クォークスターに頑張ってもらえるといいですね。

 残りの馬では、アドマイヤロイヤルに関しては3着以内に好走した場合に限り回顧で取り上げます。レーヴドリアンに関しては半兄アプレザンレーヴを昨年検証したときに母の特徴を記事にしていますが、父がシンボリクリスエスからスペシャルウィークに替わったことで、半兄にはなかった「ニジンスキー4×5のクロス」が発生しますので、ちょっと兄とは同列には語れないかなー、という感じです。

 結果がどうあれ、レベルの高さを感じさせる内容のレースであって欲しいのですが・・・。  

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2010年02月11日

きさらぎ賞 この1頭

 昨年のきさらぎ賞ではリーチザクラウンが資質の違いを見せつけて勝利しましたが、今年は昨年よりもずっと混戦模様なのは間違いないですね。

 昨年のレースレベルも今にして思えばそれほどの好内容ではなく、リーチがこのあとダービー連対を果たしたとはいえ、その他の出走馬たちはその後イマイチな戦績へと推移していきました。今年の出走各馬のレベルはいかなるものやら・・・。

 今年は、1月7日に既に記事にしたダイワバーバリアンに注目してみたいと思います。シンザン記念勝ちのガルボ、共同通信杯勝ちのハンソデバンドに加え、ダイワバーバリアンまでがこのきさらぎ賞を勝ってしまうとなると、「父マンハッタンカフェ」の勢いはもはやとどまる所を知らない・・・となりそうで、狙いとしてはベタすぎるかもしれません。

 ですが、「父マンハッタンカフェ×母父キングマンボ」という「見た目」の配合論ではあのアントニオバローズと同じ、となってしまうダイワバーバリアンも、「迂回血ライン」の血統評価方法では全く別の視点で語れる、というのは過去記事で述べたとおりです。

 当たり前ですが、母馬は全く別の特徴を備えているのです。同じキングマンボを父に持つ牝馬だとしてもです。このブログでは、そういった母馬の血統的な違いをバッサリ端折って、「父と母父」のひとくくりで両対象馬を語るようなことはしません。

アントニオバローズ(母リトルアローの迂回血ライン数=(4,2,0)=6

ダイワバーバリアン(母フェニックスバードの迂回血ライン数=(4,2,3)=9

 この2頭は、母父と、母の母父までは全く同一の値での迂回血ライン数=底力先祖数を示していますが、異なるところは3番目の数字=3代母が持つ迂回血ライン数の部分です。

 この、世代としてはかなり古めの時代にならざるを得ない位置に存在する底力先祖たちがはたして、現代の現役競走馬たちの「底力」をアシストしてくれるものなのか?

 2006年に迂回血ラインの研究を始めた当初は、私自身もまだまだ半信半疑でした(苦笑)。

 けれども3年以上の歳月を経て、「母父」や「母の母父」の値と同じように3代母の値も「十分に機能する」という見解は揺るぎないものへとなって今に至っています。

 細かい血統の違いでいうと、アントニオバローズはアルマームード(5×4)の5代内クロスを有し、やや気性面や体質面での不安要素が出かねないのに比べ、ダイワバーバリアンのほうは5代アウトブリードの配合で、より好ましい血統背景と言えます。

 ・・・とまで言っておきながら、ダイワバーバリアンがクラシック連対級の馬にまで登りつめるかどうかは、諸手を挙げて賛成とまではいかないのですが。

 その理由は、普段からの芝重賞(1800m以上)の好走基準、「母馬の迂回血ライン数=おおむね10以上」という研究自論があるからですね。

 ただ、アントニオバローズとの比較でダイワバーバリアンが見た目同じ配合でありながら「伸びしろ」はもっとあると思われますし、表面的な配合の見方だけでは分からない「明確な違い」があるので今回はどんな走りができるか注目馬にしたい、ということなのです。

 距離延長に不安要素ありか?なんて言われていますが、先週のハンソデバンドにしてもマイル戦でしか勝利していなかったにも関わらず、1800m以上で勝利経験のある馬と互角以上に渡り合いましたし、この時期の3歳戦であれば「調教師のウデ」のほうがむしろ重要でしょう(笑)。

 枠順確定次第、他にも取り上げてみたい馬がいれば記事にしようと思います。 


blood_max at 22:56|PermalinkComments(0) 3歳馬 考察