2009年11月
2009年11月29日
ウオッカ勝利に感無量。「これぞ競馬」だ!
直前の記事でウオッカ応援の意志を表明したわけですが、ゴール前はオウケンブルースリと息を呑む接戦。脚色では完全にオウケンBが優っていましたが、際どく凌ぎきったあたり、ウオッカに勝利の女神が微笑んだということでしょう。走破タイム的にも、素晴らしい内容でした。
直近のG1戦2レースはどちらとも、およそG1戦とは思えない凡戦であり、スローペース症候群の病魔に名だたる騎手たちが屈してしまったとしか思えないほど、競馬になっていない競馬でした。
勝ち馬がいかに賞賛されるとしても、G1戦の「あるべき姿、内容」とは程遠いものでしかなかったのです。
それが一転、「G1レースの本質とはこういうレースだ」と、現代の最高レベルの主役たちが、それぞれの実力を如何なく発揮して名勝負を演じてくれました。
馬券的には馬連・3連複を的中できましたが、まあ配当的な面ではもちろん大儲けするほどではありません。それでも、こういうG1らしいG1戦であればこそ、競馬を心底楽しめるというものです。
もう何度も言っていますが、ウオッカの血統背景には、ノーザンダンサー経由の血が一切、存在していません。現代において、そのようなサラブレッドは極めて少数派です。
むしろ馬産の現場においては、ノーザンダンサー経由の血をこれでもかこれでもかと、複数配合されていることが「当たり前」となっており、そういう意味ではオウケンブルースリが正にそういう配合の最たる馬です。
今、競走馬の血統は、「重大な岐路」に差し掛かっていると思われます。世界同時不況の影響もあり、今までのような「カネになる血統」をただ単に提供していれば済む時代ではなく、「どういう血統を残していく事が本当に価値あるサラブレッドの存続につながるのか」を、馬主や、馬産の現場に携わる者たちが、真剣に取り組まなければいけない時代なのです。
それを、ウオッカという「稀代の名馬」が、「ノーザンダンサーの血なんかなくても、ここまで強くなるのよ」と、我々人間たちに身をもって教えてくれているんですね。
私のような、しがない庶民の一競馬ファンがそれを実感したところでどうにもなりませんが、名だたる馬主、競走馬の未来を真剣に見つめる馬産地の人々がそれぞれの立場で、「ウオッカの血統が意味するもの」に向き合い、大いなるヒントとして、今後の競馬界を牽引していくべき主流血統のカタチを見出していって欲しいと願っています・・・。
直近のG1戦2レースはどちらとも、およそG1戦とは思えない凡戦であり、スローペース症候群の病魔に名だたる騎手たちが屈してしまったとしか思えないほど、競馬になっていない競馬でした。
勝ち馬がいかに賞賛されるとしても、G1戦の「あるべき姿、内容」とは程遠いものでしかなかったのです。
それが一転、「G1レースの本質とはこういうレースだ」と、現代の最高レベルの主役たちが、それぞれの実力を如何なく発揮して名勝負を演じてくれました。
馬券的には馬連・3連複を的中できましたが、まあ配当的な面ではもちろん大儲けするほどではありません。それでも、こういうG1らしいG1戦であればこそ、競馬を心底楽しめるというものです。
もう何度も言っていますが、ウオッカの血統背景には、ノーザンダンサー経由の血が一切、存在していません。現代において、そのようなサラブレッドは極めて少数派です。
むしろ馬産の現場においては、ノーザンダンサー経由の血をこれでもかこれでもかと、複数配合されていることが「当たり前」となっており、そういう意味ではオウケンブルースリが正にそういう配合の最たる馬です。
今、競走馬の血統は、「重大な岐路」に差し掛かっていると思われます。世界同時不況の影響もあり、今までのような「カネになる血統」をただ単に提供していれば済む時代ではなく、「どういう血統を残していく事が本当に価値あるサラブレッドの存続につながるのか」を、馬主や、馬産の現場に携わる者たちが、真剣に取り組まなければいけない時代なのです。
それを、ウオッカという「稀代の名馬」が、「ノーザンダンサーの血なんかなくても、ここまで強くなるのよ」と、我々人間たちに身をもって教えてくれているんですね。
私のような、しがない庶民の一競馬ファンがそれを実感したところでどうにもなりませんが、名だたる馬主、競走馬の未来を真剣に見つめる馬産地の人々がそれぞれの立場で、「ウオッカの血統が意味するもの」に向き合い、大いなるヒントとして、今後の競馬界を牽引していくべき主流血統のカタチを見出していって欲しいと願っています・・・。
ジャパンカップ あれこれ
個人的なジャパンカップの思い出は2005年のアルカセット−ハーツクライで決着した馬連の的中があるぐらいで、他には当たった記憶がほとんどないですね(苦笑)。
凱旋門賞などの欧州のG1戦を勝ち負けするような大物でも、日本の馬場は適性が真逆のような感じもあって、その実績はあまりアテにしづらい面は過去にも多々ありましたよね。むしろアメリカやカナダなどの格下馬のほうが思わぬ好結果を残せたりしていました。
まあ最近は日本馬のレベルも一応?向上しているのでしょうし、海外の格下馬が参戦しても順当に着外がほとんどですけど(笑)。前回取り上げてみたシンティロも、格下もいいところですな。それでもあえて血統面から「何か持っていないか?」というアプローチはしてみたいわけです。
シンティロはおそらくマイルから2000mがベストの馬と思われますが、それを言うならウオッカとて同じでしょう。シンティロはむしろ、日本の「軽い芝」ならば2400mでも「血統的に」こなせる気はします。無謀な穴狙いは百も承知ですが。
では外国馬の人気の中心、コンデュイットの血統面はどうなんでしょうねえ。シンティロと同様に迂回血ラインの目線で父系を辿ると、
ナスルーラ→ミルリーフ(2)→シャーリーハイツ(2)→ダルシャーン(2)→ダラカニ(5)
シンティロの父ファンタスティックライト(13)の半分以下となるダラカニの値ですが、実はダラカニの血統背景には合計5つの「異系トウルビヨン」を経由するラインがあります。これはサンデー系種牡馬でいうところの、アグネスタキオンのような位置づけです。つまり配合牝馬次第で、「異系アシスト」を産駒が得られる可能性が高い種牡馬がダラカニなんですね。
コンデュイットの母Well Headはノーザンダンサー直仔サドラーズウェルズを父に持ちます。サドラーズウェルズはトウルビヨン経由のラインを1つ持つ種牡馬。さらに母の母父アイリッシュリヴァーも2つのトウルビヨン経由の血があるので、ウェルヘッドの持つトウルビヨンラインは計3つです。
「そんなの、世代位置が相当古いだろう?」というご意見もあろうかと思いますが、それは迂回血ラインの考え方も同じで、世代位置が古めであればこそ、「ライン数」が重要なのです。
ファンタスティックライトは異系のアシストがなくても十分に活躍馬を出せる血統背景ですが、ダラカニの場合は迂回血ライン種牡馬のアシストが少ない代わりに、異系ヘロド系のアシストさえ配合牝馬から多めに得られれば、コンデュイットのような大物を出せる種牡馬だ、と解釈できます。
コンデュイット自身が種牡馬としてどうなのか?は、いずれまた語ろうと思います・・・。
さて、ウオッカもカンパニーのように有終の美を飾れるのかどうか・・・。色々と不安説も流されてしまっていますが、良馬場で行なわれる場合であれば最後の一花を咲かせてもらいたいですね。
もし雨が早まって馬場が悪化すればかなり牡馬のパワーが優位になると思うので、その場合は軽視せざるを得ないですが、なんとか良馬場キープで、昨年のような「凡ペース」にさえならなければルメール騎手のセンスを最大限に味方につけて、豪脚で牡馬たちをナデ斬りして欲しいと思っています。
前にも言いましたが、ウオッカの血統背景には、「ノーザンダンサー経由の血のライン」が一切、存在しません。ノーザンダンサー系の血に一切頼らなくても、サラブレッドはここまで強くなるものなんだなあ、と私は「しみじみ」と思います。馬産に携わる方々がそのことをどう思っているのか分かりませんが。
血統に興味のない方にはどうでもいいことでしょうけどね(苦笑)。
オーナー氏も、「天からの授かりもの」という表現でウオッカを評しています。人間が事前に配合を考えに考え抜いたとしても、ウオッカのような名馬が目論みどおりに出現する確率は、ほとんどゼロに等しいでしょう(ウオッカの全妹もいずれデビューするようですが・・・)。
我々競馬ファンも、こんな名馬の走りを見ることができるのは本当に幸せです・・・。
凱旋門賞などの欧州のG1戦を勝ち負けするような大物でも、日本の馬場は適性が真逆のような感じもあって、その実績はあまりアテにしづらい面は過去にも多々ありましたよね。むしろアメリカやカナダなどの格下馬のほうが思わぬ好結果を残せたりしていました。
まあ最近は日本馬のレベルも一応?向上しているのでしょうし、海外の格下馬が参戦しても順当に着外がほとんどですけど(笑)。前回取り上げてみたシンティロも、格下もいいところですな。それでもあえて血統面から「何か持っていないか?」というアプローチはしてみたいわけです。
シンティロはおそらくマイルから2000mがベストの馬と思われますが、それを言うならウオッカとて同じでしょう。シンティロはむしろ、日本の「軽い芝」ならば2400mでも「血統的に」こなせる気はします。無謀な穴狙いは百も承知ですが。
では外国馬の人気の中心、コンデュイットの血統面はどうなんでしょうねえ。シンティロと同様に迂回血ラインの目線で父系を辿ると、
ナスルーラ→ミルリーフ(2)→シャーリーハイツ(2)→ダルシャーン(2)→ダラカニ(5)
シンティロの父ファンタスティックライト(13)の半分以下となるダラカニの値ですが、実はダラカニの血統背景には合計5つの「異系トウルビヨン」を経由するラインがあります。これはサンデー系種牡馬でいうところの、アグネスタキオンのような位置づけです。つまり配合牝馬次第で、「異系アシスト」を産駒が得られる可能性が高い種牡馬がダラカニなんですね。
コンデュイットの母Well Headはノーザンダンサー直仔サドラーズウェルズを父に持ちます。サドラーズウェルズはトウルビヨン経由のラインを1つ持つ種牡馬。さらに母の母父アイリッシュリヴァーも2つのトウルビヨン経由の血があるので、ウェルヘッドの持つトウルビヨンラインは計3つです。
「そんなの、世代位置が相当古いだろう?」というご意見もあろうかと思いますが、それは迂回血ラインの考え方も同じで、世代位置が古めであればこそ、「ライン数」が重要なのです。
ファンタスティックライトは異系のアシストがなくても十分に活躍馬を出せる血統背景ですが、ダラカニの場合は迂回血ライン種牡馬のアシストが少ない代わりに、異系ヘロド系のアシストさえ配合牝馬から多めに得られれば、コンデュイットのような大物を出せる種牡馬だ、と解釈できます。
コンデュイット自身が種牡馬としてどうなのか?は、いずれまた語ろうと思います・・・。
さて、ウオッカもカンパニーのように有終の美を飾れるのかどうか・・・。色々と不安説も流されてしまっていますが、良馬場で行なわれる場合であれば最後の一花を咲かせてもらいたいですね。
もし雨が早まって馬場が悪化すればかなり牡馬のパワーが優位になると思うので、その場合は軽視せざるを得ないですが、なんとか良馬場キープで、昨年のような「凡ペース」にさえならなければルメール騎手のセンスを最大限に味方につけて、豪脚で牡馬たちをナデ斬りして欲しいと思っています。
前にも言いましたが、ウオッカの血統背景には、「ノーザンダンサー経由の血のライン」が一切、存在しません。ノーザンダンサー系の血に一切頼らなくても、サラブレッドはここまで強くなるものなんだなあ、と私は「しみじみ」と思います。馬産に携わる方々がそのことをどう思っているのか分かりませんが。
血統に興味のない方にはどうでもいいことでしょうけどね(苦笑)。
オーナー氏も、「天からの授かりもの」という表現でウオッカを評しています。人間が事前に配合を考えに考え抜いたとしても、ウオッカのような名馬が目論みどおりに出現する確率は、ほとんどゼロに等しいでしょう(ウオッカの全妹もいずれデビューするようですが・・・)。
我々競馬ファンも、こんな名馬の走りを見ることができるのは本当に幸せです・・・。
2009年11月22日
東スポ杯2歳S 回顧
最後の直線半ば過ぎからの、連対馬2頭の叩き合いはなかなか見応えのあるものでしたね。3連単は連対馬2頭が人気サイドにもかかわらず、最後にレッドスパークルがサンディエゴシチーをかわしたことで5万円以上の配当がつきました。的中された方はおめでとうございます。
1着 ローズキングダム (母ローズバドの迂回血ライン数=10)
2着 トーセンファントム (母バースデイローズの迂回血ライン数=7)
3着 レッドスパークル (母クリスタルコーラルの迂回血ライン数=9)
4着 サンディエゴシチー (母ジェニーソングの迂回血ライン数=10)
5着 ダイワアセット (母ダイワエンジェルの迂回血ライン数=11)
上位5頭の今後を、私なりに予想してみたいと思います。
まず、キンカメの初年度産駒(現3歳馬)たちの多くは、勝ち上がるとしても1200m〜マイルまでの距離の場合が多く、1800m以上に限ってはネオユニヴァースの初年度産駒たちの実績に、数の上でやや劣っていたかと思います。
現3歳のキンカメ産駒で2000m以上の距離を勝った時期についても、3歳初期までの段階ではまだ少なく、ダービー開催の時期あたりを前後して、500万下クラスでボチボチ増えていたようです。いわゆるマイラータイプのキンカメ産駒は早期に活躍する傾向にあっても、中距離以上での勝ち上がりとなると、早熟傾向はやや薄れ、むしろダービー出走には間に合わず晩成寄りともいうべき傾向にあったのです。
また、父キンカメ×母父サンデーSというトレンド配合の産駒たちも、期待ほどの大物に成長した馬は現3歳馬たちのなかには出てきませんでした。ゴールデンチケットが唯一、芝路線からダート路線にシフトして、出世しつつあるとは言えますが・・・。
そういう意味でもローズキングダムは現時点で、芝路線で最も出世しそうなキンカメ産駒の立場に上って来ました。通常の血統理論的目線でも母系は「華麗なるバラ一族」などといわれて注目度は高かったわけですが、迂回血ラインの視点から見ても、10ポイントのローズバドは芝G1級の産駒を産む確率の高い馬と判断できますので、今後のレースぶりに注目していきたいですね。
2着トーセンファントムは、母のポイントではそれほど上位ではありませんでしたが、事前に述べたとおり5代アウトブリードの血統背景は父仔2代にわたって維持され、非常に好感の持てるものです。さらに言えば、トーセンファントムの配合上の「血量最上位」は、底力先祖の筆頭格ハイペリオンであり、そのパーセンテージは10.74という高い比率。
直系父系でもあるネアルコの血量、5.66%の実に2倍近い比率であり、これは現代馬としてはかなり稀有な例です。明日のマイルCSで主役級のカンパニーも、ハイペリオンの血量は10.74%でトーセンファントムと同じですが、最上位なのはノーザンダンサーの血量で18.75%。
近年のサラブレッドにおいてはノーザンダンサーの血量が10%を超えるタイプがゴロゴロ存在する時代と言っても過言ではないですが、そういう意味でもトーセンファントムの血統は価値があります。是非今後も活躍を続けて欲しいですね。
3着のレッドスパークルは、ゴール前直前でサンディエゴシチーをかわしての3着。ただ、サンディエゴシチーは向こう正面で早めに動いて先頭に踊り出た戦術が裏目に出て、最後の失速につながったとも思われ、追い込みは見事でしたが今後もそう上手くいくかどうか?ですね。堅実な戦績ではありますが。
5着のダイワアセットはスペシャルウィーク産駒ですが、母父はタイキシャトル。実はこの馬が勝った11月8日の新馬戦は、2着タイキマヴェリック(父ネオユニヴァース)も母父タイキシャトルでした。
サンデー直仔の種牡馬にタイキシャトル産駒の牝馬を配合した場合、必ず、ヘイロー3×4というクロスが発生しますが、その新馬戦は正に同じようなタイプの血統背景の2頭でのワンツーフィニッシュだったわけです。
ただ、その新馬戦は1000m通過時のタイプが64秒8という、超の上にも超の字がつくほどのスローペースであり、今回も重賞にしては61秒1とスロー気味だったことが幸いしての上位好走だと思われます。ヘイローの強力なクロスを持つと、早期の芝レースでの活躍は見込めますが、この黄金クロスが成長と共に効力を出せば出すほど、実はダート馬として収束していく面もあり、芝での将来性はかなり疑問に思えるタイプですね。
また折を見て、今回の出走各馬の今後の動向に触れていきたいと思います。
1着 ローズキングダム (母ローズバドの迂回血ライン数=10)
2着 トーセンファントム (母バースデイローズの迂回血ライン数=7)
3着 レッドスパークル (母クリスタルコーラルの迂回血ライン数=9)
4着 サンディエゴシチー (母ジェニーソングの迂回血ライン数=10)
5着 ダイワアセット (母ダイワエンジェルの迂回血ライン数=11)
上位5頭の今後を、私なりに予想してみたいと思います。
まず、キンカメの初年度産駒(現3歳馬)たちの多くは、勝ち上がるとしても1200m〜マイルまでの距離の場合が多く、1800m以上に限ってはネオユニヴァースの初年度産駒たちの実績に、数の上でやや劣っていたかと思います。
現3歳のキンカメ産駒で2000m以上の距離を勝った時期についても、3歳初期までの段階ではまだ少なく、ダービー開催の時期あたりを前後して、500万下クラスでボチボチ増えていたようです。いわゆるマイラータイプのキンカメ産駒は早期に活躍する傾向にあっても、中距離以上での勝ち上がりとなると、早熟傾向はやや薄れ、むしろダービー出走には間に合わず晩成寄りともいうべき傾向にあったのです。
また、父キンカメ×母父サンデーSというトレンド配合の産駒たちも、期待ほどの大物に成長した馬は現3歳馬たちのなかには出てきませんでした。ゴールデンチケットが唯一、芝路線からダート路線にシフトして、出世しつつあるとは言えますが・・・。
そういう意味でもローズキングダムは現時点で、芝路線で最も出世しそうなキンカメ産駒の立場に上って来ました。通常の血統理論的目線でも母系は「華麗なるバラ一族」などといわれて注目度は高かったわけですが、迂回血ラインの視点から見ても、10ポイントのローズバドは芝G1級の産駒を産む確率の高い馬と判断できますので、今後のレースぶりに注目していきたいですね。
2着トーセンファントムは、母のポイントではそれほど上位ではありませんでしたが、事前に述べたとおり5代アウトブリードの血統背景は父仔2代にわたって維持され、非常に好感の持てるものです。さらに言えば、トーセンファントムの配合上の「血量最上位」は、底力先祖の筆頭格ハイペリオンであり、そのパーセンテージは10.74という高い比率。
直系父系でもあるネアルコの血量、5.66%の実に2倍近い比率であり、これは現代馬としてはかなり稀有な例です。明日のマイルCSで主役級のカンパニーも、ハイペリオンの血量は10.74%でトーセンファントムと同じですが、最上位なのはノーザンダンサーの血量で18.75%。
近年のサラブレッドにおいてはノーザンダンサーの血量が10%を超えるタイプがゴロゴロ存在する時代と言っても過言ではないですが、そういう意味でもトーセンファントムの血統は価値があります。是非今後も活躍を続けて欲しいですね。
3着のレッドスパークルは、ゴール前直前でサンディエゴシチーをかわしての3着。ただ、サンディエゴシチーは向こう正面で早めに動いて先頭に踊り出た戦術が裏目に出て、最後の失速につながったとも思われ、追い込みは見事でしたが今後もそう上手くいくかどうか?ですね。堅実な戦績ではありますが。
5着のダイワアセットはスペシャルウィーク産駒ですが、母父はタイキシャトル。実はこの馬が勝った11月8日の新馬戦は、2着タイキマヴェリック(父ネオユニヴァース)も母父タイキシャトルでした。
サンデー直仔の種牡馬にタイキシャトル産駒の牝馬を配合した場合、必ず、ヘイロー3×4というクロスが発生しますが、その新馬戦は正に同じようなタイプの血統背景の2頭でのワンツーフィニッシュだったわけです。
ただ、その新馬戦は1000m通過時のタイプが64秒8という、超の上にも超の字がつくほどのスローペースであり、今回も重賞にしては61秒1とスロー気味だったことが幸いしての上位好走だと思われます。ヘイローの強力なクロスを持つと、早期の芝レースでの活躍は見込めますが、この黄金クロスが成長と共に効力を出せば出すほど、実はダート馬として収束していく面もあり、芝での将来性はかなり疑問に思えるタイプですね。
また折を見て、今回の出走各馬の今後の動向に触れていきたいと思います。
2009年11月21日
東スポ杯2歳S 事前検証
2007年の当該レースでは9番人気フサイチアソートの単勝(3,020円)をズバリ仕留めることができましたが、ご存知のとおりこの年は1〜3着までが「母父サンデーサイレンス」となる結末でした。
1着 フサイチアソート(母アーネストデザイアの迂回血ライン数=10)
2着 スズジュピター(母ジュピターズジャズの迂回血ライン数=10)
3着 スマイルジャック(母シーセモアの迂回血ライン数=10)
4着 ゴスホークケン(母Allthewaybabyの迂回血ライン数=10)
人気上位各馬の母馬の迂回血ライン数も見事に拮抗し、どれを狙うかに困りましたが、この4頭の中で一番評価の低かったフサイチアソートをあえて狙って正解でした。ただ、3着まで全部母父サンデーSで決まるとまではさすがに想定しきれず、オイシイ3連単を逃したのは不覚でしたが(苦笑)。
で、昨年は・・・。
1着 ナカヤマフェスタ(母ディアウインクの迂回血ライン数=8)
2着 ブレイクランアウト(母Queueの迂回血ライン数=9)
3着 サンカルロ(母ディーバの迂回血ライン数=7)
4着 ダノンカモン(母シンコウエンジェルの迂回血ライン数=4)
一昨年優勝のフサイチアソートは今でこそ低迷中ですが、狙える要素を持った馬でした。昨年2着のブレイクランアウトも菊花賞こそ大敗を喫しましたが、朝日CCでは狙って正解でした。要は人気薄のその時に、ズバッと指名できれば御の字なのです。
さて、今年はどうか。(以下、母の馬名は省略、母の迂回血ライン数のみ示す)
1.ダイワアセット(11)
2.アーバンウィナー(5)
3.ニシノメイゲツ(7)
4.スペースアーク(11)
5.ビービースカット(9)
6.カットイッタウト(2)
7.ヤングアットハート(6)
8.モズ(11)
9.レッドスパークル(9)
10.トーセンパ−シモン(5)
11.レッドバリオス(6)
12.ギュンター(6)
13.アイウォントユー(7)
14.ローズキングダム(10)
15.オルレアンノオトメ(8)
16.トーセンファントム(7)
17.サンディエゴシチー(10)
今年も、人気を背負いそうな馬のポイントが高めですな。さてさて、どういう解釈をすべきか・・・。
アーバンウィナーやトーセンファントムなどのように若干ポイント的には低めでも、共に5代アウトブリードとなる配合なのは非常に好感が持てますし、好勝負して欲しいタイプです。
反対に、スペシャルウィーク産駒のモズとスペースアークは共に11という値の母を持ちますが、5代内にはノーザンダンサーの血が3つ存在するという部分でも共通し、さらに母がチーフズクラウンの血を持つことも同じで、かなり似通った血統背景です。
札幌2歳Sでは明暗を分けたモズとスペースアークの今後は、非常に興味深いものがありますね。これだけ似た部分が多いので。
当然、その札幌2歳Sを制したサンディエゴシチーも人気どおり走れるかに注目ですし、キンカメ×母父サンデーSでトレンド配合となるローズキングダムも、今後に希望が持てそうな気配です。
人気順どおりに決着すれば何の妙味もなさそうですが、穴を開けるとすればどいつなのか?
私もこれから悩みに悩んで、的中を目指したいと思います。いい回顧ができるといいのですが・・・。
(お断りしておきますが、このブログでは◎はコレ、〇ならアレ、▲は・・・などどは言いませんよ。それは皆さんで考えてください。自分自身で悩んで予想するからこそ、的中すれば絶大なる喜びが待っていますので)
1着 フサイチアソート(母アーネストデザイアの迂回血ライン数=10)
2着 スズジュピター(母ジュピターズジャズの迂回血ライン数=10)
3着 スマイルジャック(母シーセモアの迂回血ライン数=10)
4着 ゴスホークケン(母Allthewaybabyの迂回血ライン数=10)
人気上位各馬の母馬の迂回血ライン数も見事に拮抗し、どれを狙うかに困りましたが、この4頭の中で一番評価の低かったフサイチアソートをあえて狙って正解でした。ただ、3着まで全部母父サンデーSで決まるとまではさすがに想定しきれず、オイシイ3連単を逃したのは不覚でしたが(苦笑)。
で、昨年は・・・。
1着 ナカヤマフェスタ(母ディアウインクの迂回血ライン数=8)
2着 ブレイクランアウト(母Queueの迂回血ライン数=9)
3着 サンカルロ(母ディーバの迂回血ライン数=7)
4着 ダノンカモン(母シンコウエンジェルの迂回血ライン数=4)
一昨年優勝のフサイチアソートは今でこそ低迷中ですが、狙える要素を持った馬でした。昨年2着のブレイクランアウトも菊花賞こそ大敗を喫しましたが、朝日CCでは狙って正解でした。要は人気薄のその時に、ズバッと指名できれば御の字なのです。
さて、今年はどうか。(以下、母の馬名は省略、母の迂回血ライン数のみ示す)
1.ダイワアセット(11)
2.アーバンウィナー(5)
3.ニシノメイゲツ(7)
4.スペースアーク(11)
5.ビービースカット(9)
6.カットイッタウト(2)
7.ヤングアットハート(6)
8.モズ(11)
9.レッドスパークル(9)
10.トーセンパ−シモン(5)
11.レッドバリオス(6)
12.ギュンター(6)
13.アイウォントユー(7)
14.ローズキングダム(10)
15.オルレアンノオトメ(8)
16.トーセンファントム(7)
17.サンディエゴシチー(10)
今年も、人気を背負いそうな馬のポイントが高めですな。さてさて、どういう解釈をすべきか・・・。
アーバンウィナーやトーセンファントムなどのように若干ポイント的には低めでも、共に5代アウトブリードとなる配合なのは非常に好感が持てますし、好勝負して欲しいタイプです。
反対に、スペシャルウィーク産駒のモズとスペースアークは共に11という値の母を持ちますが、5代内にはノーザンダンサーの血が3つ存在するという部分でも共通し、さらに母がチーフズクラウンの血を持つことも同じで、かなり似通った血統背景です。
札幌2歳Sでは明暗を分けたモズとスペースアークの今後は、非常に興味深いものがありますね。これだけ似た部分が多いので。
当然、その札幌2歳Sを制したサンディエゴシチーも人気どおり走れるかに注目ですし、キンカメ×母父サンデーSでトレンド配合となるローズキングダムも、今後に希望が持てそうな気配です。
人気順どおりに決着すれば何の妙味もなさそうですが、穴を開けるとすればどいつなのか?
私もこれから悩みに悩んで、的中を目指したいと思います。いい回顧ができるといいのですが・・・。
(お断りしておきますが、このブログでは◎はコレ、〇ならアレ、▲は・・・などどは言いませんよ。それは皆さんで考えてください。自分自身で悩んで予想するからこそ、的中すれば絶大なる喜びが待っていますので)
2009年11月14日
エリザベス女王杯 考察
明日のエリ女杯考察の前に、今日土曜の2歳戦を取り上げておきます。
東京6R、2歳新馬(芝2000m)では、単勝7番1点、ワイド7−13を1点、3連単6点のうち7−14−13で、3券種を少点数買い(計8点5000円)の投入でいずれの券種も的中、払い戻しは6万円超えができ、明日の資金作りには十分で満足です。
1着 アリゼオ(母スクエアアウェイの迂回血ライン数=13)
2着 ヒルノダムール(母シェアエレガンスの迂回血ライン数=9)
3着 ミカエルビスティ(母オーピーキャットの迂回血ライン数=6)
個人的な血統研究で確信を持っているのは、芝1800m以上となる距離のレースでは、「母馬の持つ迂回血ライン数」が、短距離戦などとは比較にならないほど重要性を増す、ということです。
結果は上記のとおり。今年好調のマンハッタンカフェ産駒を単純に狙うだけでもいいのでしょうが、やはり、血統の本質は、『牝馬が持つ底力ラインの継承度」が大きく左右するのです。1200mや1400mなどの距離ではその本質がかなりボヤけますが、中距離以上でスピードに加えてスタミナを伴う力量を問われた場合は俄然、この本質が浮上してきます。
新馬戦というのは、陣営側にとってさえも「手探り状態」に近いですし、ましてやどんな競馬ができるのか我々には全く未知の段階で、予想をしなければいけません。これは逆に、「血統予想」の強みでもあるわけですね。ラップ理論、タイム指数ランクなどは新馬戦に当てはめようがないし、「調教のデキ不出来」を各自がどう捉えるか?ぐらいしかないはずですから。
皆さんにも、「血統予想の真髄」をここに伝えておきたいと思います。(的中できたからこそ強気な言い方ができるんですけどね)
一方、京王杯2歳Sのほうは事前に、当たりそうな気がしない、と明言させてもらってますので、堂々と不的中宣言します(苦笑)。まあ、3着だった8番人気ツルマルジュピターが距離短縮で狙い目だ、と確信を持てた方は馬券的中させているのでしょう。おめでとうございます。
ただ、ツルマルジュピターの母オマイタはミスワキ産駒で迂回血ライン数は4つ。4着に敗れたダッシャーゴーゴーの母ネガノもやはりミスワキ産駒ですが、その迂回血ライン数は倍の8つ。
ここから言えることは、ツルマルJのほうは今後も1200〜1400m専門、Dゴーゴーは今後マイル中心がベストで場合によっては1800mぐらいまで対応可能、という見立てができるということです。まあ、この見立ての「是々非々」はこの2頭の今後を見続けていくしかないですけどね。
さて、本題のエリザベス女王杯です。昨年はリトルアマポーラの単勝、カワプリとの馬連を的中できましたが、昨年の決着は、
1着 リトルアマポーラ(母リトルハーモニーの迂回血ライン数=10=【6,3,1】)
2着 カワカミプリンセス(母タカノセクレタリーの迂回血ライン数=9=【2,1,6】)
3着 ベッラレイア(母マリスター2の迂回血ライン数=10=【4,3,3】)
牝馬同士といえども、真の底力を問われる展開になった場合、やはり母馬の持つ迂回血ライン数の多さは重要であることが分かります。リトルアマポーラについては3歳牝馬クラシック路線で一貫して狙い続けていました。3歳馬同士では結果が残せなかったのですが、古馬混合戦のG1で結果を残せた事は単に外国人騎手の好騎乗、の一言で片付く問題ではなく、血統的な裏付けがあってこそでした。
リトルアマポーラが牝馬クラシック路線で結果が伴わなかったのは騎手との相性もあります(笑)が、
桜花賞馬レジネッタ(母アスペンリーフの迂回血ライン数=14)
オークス馬トールポピー(母アドマイヤサンデーの迂回血ライン数=10)
秋華賞馬ブラックエンブレム(母ヴァンドノワールの迂回血ライン数=11)
ご覧のように、「負けても仕方ない相手」であり、桜花賞は距離不足、オークスは大外枠発走の不利、秋華賞は後方過ぎる追走(道中15番手)が、それぞれに痛手でした。
さあ今年の場合は、圧倒的人気の3歳馬ブエナビスタの独壇場、となるのでしょうか・・・。
2.メイショウベルーガ(母パパゴの迂回血ライン数=6)
この馬は父&母父がノーザンダンサー系で、いわゆる同系配合馬ですね。土曜の京王杯2歳Sの勝ち馬エイシンアポロンもやはり両親がノーザンダンサー系の同系配合馬でした。当然、こういう配合は「5代内クロス馬」の存在のほうが「主張がデカい」場合が多々ありますので、母馬の迂回血ラインはそれほど意味がない場合が多く、単に、「サンデーS系産駒」があまり得意でない、「一貫して持続力を問われる展開のレース」に滅法強いです。今回その辺を馬券的にどう考えるか?という馬でしょう。
4.ジェルミナル(母オンブルリジェールの迂回血ライン数=13)
私が昨年のリトルアマポーラに最も似ている存在だと思うのは、同じアグネスタキオン産駒のジェルミナルですね。やはり牝馬クラシック3冠では切れ負けする場面が続きましたが、体調面さえ絶好のデキにあるならば「距離延長」でこそ、狙いの立つタイプです。個人的には◎候補ですね。
10.シャラナヤ(母Sharamanticaの迂回血ライン数=不明・・・)
私の研究の最大の欠点は、TARGETで血統検索が出来ない馬の場合には血統ポテンシャルが測れない、ということですね(苦笑)。母父はナシュワンであるというのが分かるだけでは、私の場合結論が出せませんね。仕様がないです、こればっかりは。よって、初の海外への輸送がどうかな?とか、日本の馬場への対応がどうかな?という、極めて普遍的な目線でしか、今回この馬を見れません。
滅多に日本に馬をよこさないアガ・カーン殿下が、ボーナスをかけてここに狙いを定めた以上、ムゲに軽視はできないし、フランスのエリザベス女王杯にあたるオペラ賞を3歳馬の身で制しての参戦です。もし馬券に絡まなかったとしても、馬券を買わずに好走された場合のほうが悔いが残ります。
12.ブロードストリート(母フィラストリートの迂回血ライン数=6)
この馬の場合、迂回血ラインは機能していません。機能しているのは「異系アシスト」です。まず、父アグネスタキオンがサンデー系種牡馬の中では唯一無二の、異系のヘロド系とマンノウォー系を両方とも味方に抱き込んだ種牡馬だということです。タキオンの母父ロイヤルスキーがその2つの異系のクロスを持っているため、アグネスタキオン産駒には「異系アシスト」が伝達されやすくなります。
母フィラストリートは、その父コジーンがマンノウォー経由のラインを2つ、ヘロド系ザテトラーク経由の血を5つ持ちます。さらにフィラストリートの牝系にはヘロド系トウルビヨン経由の血もあり、かなり異系のアシストを伝達可能な繁殖牝馬です。
牝系の古い世代の血なんて、関係ないんじゃない?という方に言いたいのは、ならばなぜ、「在来牝系」などというものの見方で、馬の血統を評価する場合があるのか?と逆に聞きたいですね。
とにかくブロードストリートの血統背景は、迂回血ライン数では語れないタイプなのは確かです。
15番 ミクロコスモス(母ユーアンミーの迂回血ライン数=8)
ネオユニヴァース産駒の場合、配合牝馬の血統的な特性がストレートに出やすいと感じます。ユーアンミーの場合はノーザンダンサーの5代内クロスを持つ母馬なので、それが良いほうにでるか悪いほうに出るかで結果が変わりやすいタイプと思われ、勝ち切れなさが今後もついてまわりそうな感じですね。
16番 ブエナビスタ(母ビワハイジの迂回血ライン数=6)
この馬の場合も何度も以前に言っているとおり、ニジンスキー(4×3)の奇跡の血量がこの上なく寄与しているとしか言いようがない馬ですね(苦笑)。脚質からは2000mがベストの馬だと思っているのですが、レベル的に牡馬並みの力量があったダイワスカーレットクラスの女傑になれるのであれば、今回の2200mという距離は牝馬同士なら全く問題ないのかも。
まあ、どれだけ強いのか、見せてもらうだけですし、古馬になって以降の来年も絶対的な存在として君臨できるのならばそれもまた良し、ということにしておきましょう。
東京6R、2歳新馬(芝2000m)では、単勝7番1点、ワイド7−13を1点、3連単6点のうち7−14−13で、3券種を少点数買い(計8点5000円)の投入でいずれの券種も的中、払い戻しは6万円超えができ、明日の資金作りには十分で満足です。
1着 アリゼオ(母スクエアアウェイの迂回血ライン数=13)
2着 ヒルノダムール(母シェアエレガンスの迂回血ライン数=9)
3着 ミカエルビスティ(母オーピーキャットの迂回血ライン数=6)
個人的な血統研究で確信を持っているのは、芝1800m以上となる距離のレースでは、「母馬の持つ迂回血ライン数」が、短距離戦などとは比較にならないほど重要性を増す、ということです。
結果は上記のとおり。今年好調のマンハッタンカフェ産駒を単純に狙うだけでもいいのでしょうが、やはり、血統の本質は、『牝馬が持つ底力ラインの継承度」が大きく左右するのです。1200mや1400mなどの距離ではその本質がかなりボヤけますが、中距離以上でスピードに加えてスタミナを伴う力量を問われた場合は俄然、この本質が浮上してきます。
新馬戦というのは、陣営側にとってさえも「手探り状態」に近いですし、ましてやどんな競馬ができるのか我々には全く未知の段階で、予想をしなければいけません。これは逆に、「血統予想」の強みでもあるわけですね。ラップ理論、タイム指数ランクなどは新馬戦に当てはめようがないし、「調教のデキ不出来」を各自がどう捉えるか?ぐらいしかないはずですから。
皆さんにも、「血統予想の真髄」をここに伝えておきたいと思います。(的中できたからこそ強気な言い方ができるんですけどね)
一方、京王杯2歳Sのほうは事前に、当たりそうな気がしない、と明言させてもらってますので、堂々と不的中宣言します(苦笑)。まあ、3着だった8番人気ツルマルジュピターが距離短縮で狙い目だ、と確信を持てた方は馬券的中させているのでしょう。おめでとうございます。
ただ、ツルマルジュピターの母オマイタはミスワキ産駒で迂回血ライン数は4つ。4着に敗れたダッシャーゴーゴーの母ネガノもやはりミスワキ産駒ですが、その迂回血ライン数は倍の8つ。
ここから言えることは、ツルマルJのほうは今後も1200〜1400m専門、Dゴーゴーは今後マイル中心がベストで場合によっては1800mぐらいまで対応可能、という見立てができるということです。まあ、この見立ての「是々非々」はこの2頭の今後を見続けていくしかないですけどね。
さて、本題のエリザベス女王杯です。昨年はリトルアマポーラの単勝、カワプリとの馬連を的中できましたが、昨年の決着は、
1着 リトルアマポーラ(母リトルハーモニーの迂回血ライン数=10=【6,3,1】)
2着 カワカミプリンセス(母タカノセクレタリーの迂回血ライン数=9=【2,1,6】)
3着 ベッラレイア(母マリスター2の迂回血ライン数=10=【4,3,3】)
牝馬同士といえども、真の底力を問われる展開になった場合、やはり母馬の持つ迂回血ライン数の多さは重要であることが分かります。リトルアマポーラについては3歳牝馬クラシック路線で一貫して狙い続けていました。3歳馬同士では結果が残せなかったのですが、古馬混合戦のG1で結果を残せた事は単に外国人騎手の好騎乗、の一言で片付く問題ではなく、血統的な裏付けがあってこそでした。
リトルアマポーラが牝馬クラシック路線で結果が伴わなかったのは騎手との相性もあります(笑)が、
桜花賞馬レジネッタ(母アスペンリーフの迂回血ライン数=14)
オークス馬トールポピー(母アドマイヤサンデーの迂回血ライン数=10)
秋華賞馬ブラックエンブレム(母ヴァンドノワールの迂回血ライン数=11)
ご覧のように、「負けても仕方ない相手」であり、桜花賞は距離不足、オークスは大外枠発走の不利、秋華賞は後方過ぎる追走(道中15番手)が、それぞれに痛手でした。
さあ今年の場合は、圧倒的人気の3歳馬ブエナビスタの独壇場、となるのでしょうか・・・。
2.メイショウベルーガ(母パパゴの迂回血ライン数=6)
この馬は父&母父がノーザンダンサー系で、いわゆる同系配合馬ですね。土曜の京王杯2歳Sの勝ち馬エイシンアポロンもやはり両親がノーザンダンサー系の同系配合馬でした。当然、こういう配合は「5代内クロス馬」の存在のほうが「主張がデカい」場合が多々ありますので、母馬の迂回血ラインはそれほど意味がない場合が多く、単に、「サンデーS系産駒」があまり得意でない、「一貫して持続力を問われる展開のレース」に滅法強いです。今回その辺を馬券的にどう考えるか?という馬でしょう。
4.ジェルミナル(母オンブルリジェールの迂回血ライン数=13)
私が昨年のリトルアマポーラに最も似ている存在だと思うのは、同じアグネスタキオン産駒のジェルミナルですね。やはり牝馬クラシック3冠では切れ負けする場面が続きましたが、体調面さえ絶好のデキにあるならば「距離延長」でこそ、狙いの立つタイプです。個人的には◎候補ですね。
10.シャラナヤ(母Sharamanticaの迂回血ライン数=不明・・・)
私の研究の最大の欠点は、TARGETで血統検索が出来ない馬の場合には血統ポテンシャルが測れない、ということですね(苦笑)。母父はナシュワンであるというのが分かるだけでは、私の場合結論が出せませんね。仕様がないです、こればっかりは。よって、初の海外への輸送がどうかな?とか、日本の馬場への対応がどうかな?という、極めて普遍的な目線でしか、今回この馬を見れません。
滅多に日本に馬をよこさないアガ・カーン殿下が、ボーナスをかけてここに狙いを定めた以上、ムゲに軽視はできないし、フランスのエリザベス女王杯にあたるオペラ賞を3歳馬の身で制しての参戦です。もし馬券に絡まなかったとしても、馬券を買わずに好走された場合のほうが悔いが残ります。
12.ブロードストリート(母フィラストリートの迂回血ライン数=6)
この馬の場合、迂回血ラインは機能していません。機能しているのは「異系アシスト」です。まず、父アグネスタキオンがサンデー系種牡馬の中では唯一無二の、異系のヘロド系とマンノウォー系を両方とも味方に抱き込んだ種牡馬だということです。タキオンの母父ロイヤルスキーがその2つの異系のクロスを持っているため、アグネスタキオン産駒には「異系アシスト」が伝達されやすくなります。
母フィラストリートは、その父コジーンがマンノウォー経由のラインを2つ、ヘロド系ザテトラーク経由の血を5つ持ちます。さらにフィラストリートの牝系にはヘロド系トウルビヨン経由の血もあり、かなり異系のアシストを伝達可能な繁殖牝馬です。
牝系の古い世代の血なんて、関係ないんじゃない?という方に言いたいのは、ならばなぜ、「在来牝系」などというものの見方で、馬の血統を評価する場合があるのか?と逆に聞きたいですね。
とにかくブロードストリートの血統背景は、迂回血ライン数では語れないタイプなのは確かです。
15番 ミクロコスモス(母ユーアンミーの迂回血ライン数=8)
ネオユニヴァース産駒の場合、配合牝馬の血統的な特性がストレートに出やすいと感じます。ユーアンミーの場合はノーザンダンサーの5代内クロスを持つ母馬なので、それが良いほうにでるか悪いほうに出るかで結果が変わりやすいタイプと思われ、勝ち切れなさが今後もついてまわりそうな感じですね。
16番 ブエナビスタ(母ビワハイジの迂回血ライン数=6)
この馬の場合も何度も以前に言っているとおり、ニジンスキー(4×3)の奇跡の血量がこの上なく寄与しているとしか言いようがない馬ですね(苦笑)。脚質からは2000mがベストの馬だと思っているのですが、レベル的に牡馬並みの力量があったダイワスカーレットクラスの女傑になれるのであれば、今回の2200mという距離は牝馬同士なら全く問題ないのかも。
まあ、どれだけ強いのか、見せてもらうだけですし、古馬になって以降の来年も絶対的な存在として君臨できるのならばそれもまた良し、ということにしておきましょう。