2014年07月

2014年07月29日

2014 2歳戦回顧(3)

7/26 福島1R 2歳未勝利(芝1800m)

1着 コメート(母ジューンブライドのBLP=12:(6,5,1))

・RRP:125


2着 アキトオリオン(母メイクヒストリーのBLP=16:(4,6,6))


3着 マイネルヘルック(ノーザンダンサー4×4)


 最終週の福島でしたが芝を前週よりも幾分短く刈った所以なのか、全般的に芝コースでは速めのタイムが出ていたように思います。

 そのおかげもあってか、勝ったコメートの走破タイムは1分49秒2でまずまずの内容。まあ馬場の恩恵があったにしても、それなりに評価していいものと受け止めます。

 今回連対した2頭は、いずれも千代田牧場の生産馬ということでしたが、その2頭がどちらも近親クロスに過度に頼る配合ではなく、「母の迂回血ライン継承度=BLP」を優先した考察が可能なタイプでもありました。

 千代田牧場と言えば、生産馬のホエールキャプチャが近年においては最もこの牧場にとっての「孝行娘」でしょう。牧場関係者の皆様も、ホエールキャプチャが重賞の舞台で好走するたびにその活躍を大いに喜んでおられたのではないかと存じます。

 今回連対した2頭が、今後どの程度のレベルまで出世していけるか、これからもこのブログで見守っていきたいと思います。父のほうがいずれもやや期待しづらい種牡馬である分、「母のちから」でなんとか、という感じですけどね(笑)。

 ただし勝ったコメート自身についてもう少し言及しておくと、インブリードとしてはGoofed(5×4)という繁殖牝馬の5代内クロスを配合において有しています。

 通常、このブログでは「4代以内で成立の近親クロス(インブリード)」でない場合、考察対象としては強く認識せずにスルーさせる方針なのが基本ですが、Goofed自身はあのリファールの母ということもあり、こういうケースの場合はスルーというワケにもいかないでしょう。

 ブラックタイド・ディープインパクト兄弟の母父であるアルザオの父がリファールですから、そのリファールを産んだ母をクロスさせた配合を持つコメートにとっても、何らかの影響はあっておかしくないでしょうね・・・。


7/26  中京5R 2歳新馬(芝1600m)

1着 ヒルノマレット(同系配合でミスプロ3×4)

・RRP=126


2着 ウインソワレ(同系配合でヘイロー4×4)


3着 ピンストライプ(ノーザンダンサー4×4)


 このレースはオルフェーヴルの全弟、アッシュゴールドが盲目的に注目されて単勝オッズ1.8倍の支持を集める事態となっていましたが、個人的には静観しました(笑)。

 まあ、兄が兄だけに騒がれてしまう運命にあるのは仕方のないことですが、同じくオルフェーヴルの全弟であるリヤンドファミユが伸び悩んでいる状況でもある中で、いささか過大評価され過ぎの印象も拭えませんね。

 当初は450キロ台の馬体重だったというアッシュゴールドも、調教を重ねるにつれて細化していき、デビュー戦においては426キロにまで落ち込んでいました。

 元々、ステイゴールド産駒は父に似て馬体重が少な目となるタイプは多いにしても、さすがにこの落ち込み具合は若駒にしては懸念材料と受け止めるべきなんでしょうね。

 管理する池江師はレース後のコメントで「現状は体が小さくて非力。これから良くなると思う」といったような事を仰っていたようですが、おそらくデビューさせた以上は、負ける事は想定外だったのではないかと。

 そもそもまだ非力だというのなら、何でデビューを急ぐ必要があったんでしょうね・・・。


 今回、個人的にこの新馬戦の馬券を買うことは控えましたが、事前にTARGETでチェックしていた坂路調教データで、気付いていたことがありましたので載せておきます。

 個人的にチェックしている坂路調教の内容で、特に重視するのは「12秒5以内」というラップを計時した箇所がどの程度あるのか?ということです。

 ラップの計時については、おおむね直近3週以内の坂路調教を全てチェックし、12秒5以内のラップが計時された箇所が「のべ数」として幾つあるかを見ていきます。

 今回の上位3頭について坂路調教ラップの出方を見てみますと、

・ヒルノマレット:「12秒1」「12秒3」「12秒0」「12秒5」で、のべ4回の計時。

・ウインソワレ:「12秒4」「12秒5」「12秒4」で、のべ3回の計時。

・ピンストライプ:「12秒5」「12秒2」「12秒5」で、のべ3回の計時。


 9番人気5着の、

・グァンチャーレ:「12秒1」「12秒1」「12秒1」で、のべ3回の計時。


 1番人気6着の、

・アッシュゴールド:「12秒5」「12秒5」で、同一日の2回の計時。

 2番人気7着の、

・ネオスターダム:「12秒4」で、1回のみの計時。


 もちろん坂路調教の内容だけで必ずどうこうと決めつけるつもりはなく、当然コース追いの調教で水準以上の速い時計での追い切りなどがあれば、それがトラックマンの高評価となって競馬新聞の紙面に載るケースもあるんでしょう。

 けれども今回に関しては、栗東坂路での調教内容(ラップの出方)を見ただけで、ある程度の仕上がり具合がTARGETのデータのみで事前に把握可能だったことが分かるんですね。

 このブログは「血統考察ブログ」なので、あまり強調すべき事象ではないのかもしれませんが(苦笑)。

 とは言えやはり調教というのは、ポテンシャルの一端を示す上での判断材料として無視できないわけで、能力の出方が未知の段階の若駒たちに対しては今後とも、常に注視していきたい要素だと思います・・・。

blood_max at 23:57|PermalinkComments(0) 2歳馬 考察 

2014年07月21日

2014 2歳戦回顧(2)

7/20  函館5R 2歳新馬(芝1800m)

1着 スワーヴジョージ(母ギーニョのBLP=14:(4,3,7))

・RRP:128


2着 コスモアルマク(ヘイロー4×4)


3着 ヤマチョウタンゴ(ノーザンダンサー4×4)


 今年の新種牡馬となる、ハービンジャーの初年度産駒が新馬戦で勝ち上がりましたので取り上げておきます。

 このレースでの勝ち時計は1分51秒4と函館の2歳戦にしてはなかなかの内容でしたが、前日の同距離となる2歳未勝利戦ではマイネルサクセサーが1分51秒ジャストの2歳レコードを樹立したあとだったので、少々それには劣るものとなっています。

 まあ土曜の未勝利戦は道中のペースが千m通過時で61秒4、日曜のそれが同じく61秒9という展開の差もありましたから、ペースの差がほぼそのまま勝ち時計の差になっただけ、とも言えそうですが。

 スワーヴジョージの母ギーニョはトゥザヴィクトリーやサイレントディールの全妹ということで、世間一般で言うところの良血一族に名を連ねる繁殖牝馬。

 ただ、これまでにギーニョが産んでいる2頭の仔はいずれもシンボリクリスエスとの配合となっており、ヘイルトゥリーズン(4×4)の近親クロスが必然として生じてしまうタイプでした。

 長兄のロンギングエースは芝2戦で結果が出ずにダート転向。なんとか2勝していますがダートレースにおいても低迷中。次兄のアルピニストは今年3月にダート戦でデビューし3着になっていますが、その後休養に入り2戦目のメドが立っていない模様。

 そんな半兄たちを尻目に、父がハービンジャーに替わっての産駒がいきなり芝の新馬戦で颯爽と勝ち上がるわけですが、ハービンジャーが凄いというよりも、いかに半兄たちの見た目配合「父シンボリクリスエス×母父サンデーサイレンス」の基本要素が、生産界の思ったほどの「ウハウハ配合」になっていかないものであるかという、悲しい現実として受け止めざるを得ませんね、個人的には・・・。

 このことは、先日にディープ産駒の同系配合タイプについての記事の中でも述べたばかりなので、ここではあまり字数を割かないようにしておきますが。

 兎に角、個人的にはハービンジャーに対する期待よりも、母ギーニョの持つ迂回血ライン継承度である14という値が、今後ともストレートにスワーヴジョージの順調な出世に結びついていくかどうか?に注目したいと思います。

 世間一般では、ハービンジャーハービンジャー〜としか、騒ぎ立てないんでしょうが(苦笑)。

 このブログにおいて、他の既存の血統論と一番異なる部分は、種牡馬のイメージばかり優先で産駒を見たり、語ろうとしないことです。

 常に、「繁殖牝馬」が優先です。

 今回のように、半兄2頭がヘイルトゥリーズン(4×4)に影響される配合となったあとに、別の種牡馬との配合で近親クロス(4代以内で成立の)が生じない配合となり、母自身の持つBLP(=迂回血ライン継承度)が優先考察可能なケースとなった場合、個人的にはその種牡馬が何であれ、母自身の血統背景を重要視します。

 補足ですが、個人的にはハービンジャーという種牡馬に対してはほとんど、期待していません(笑)。おそらく、チチカステナンゴやコンデュイットと似たような産駒実績になっていくのではないかと推察しております。

 であればこそ、BLPで優先考察が「可能な」配合のケースに限って、上記のようなスワーヴジョージなどのタイプに対してのみ、出世度合いを今後とも注目していきたい、ということですね・・・。 

blood_max at 22:54|PermalinkComments(0) 2歳馬 考察 

2014年07月17日

同系配合のディープ産駒 検証(本文)

 序文に引き続きまして、ここからは具体的に個々の事例を見ていこうと思います。

 まず、ディープインパクトの初年度産駒たちは現在6歳になっていますが、同系配合と位置付けられるタイプはたったの3頭しかおらず、牡馬はその内の1頭のみ。

・アドマイヤコリン(母シルクプリマドンナ)

 この馬の母父はブライアンズタイムとなるので、当然アドマイヤコリン自身にはヘイルトゥリーズン(4×4)の近親クロスが生じる配合となります。

 6歳になった現時点で2勝しているのみで、昨年9月の野分特別に出走後は長期休養となったまま推移。復帰のメドは立っていないのか詳細は定かでないですが、いずれにしろ状況的には厳しい立場ですね・・・。


 現在5歳となる2年目産駒の同系配合となるタイプでは前回取り上げたニューダイナスティが現在5勝を挙げ、先日の七夕賞でようやく自身初となる芝の重賞での連対を果たしているのが目立つところ。

 そのNダイナスティ自身、今後の重賞参戦でも上位に連続好走するだけの立ち位置に辿り着いたのかどうか、ローカルではなく中央4場での走破内容を見極めておきたいですね。

 芝の重賞クラスの馬として本格化したのか、ただ単に小回り巧者・平坦巧者なだけなのか・・・。

 その他の5歳馬ではアドマイヤコリンの全弟となるグランプリブラッドも5勝していますが、3勝目以降はダートに転向してからの勝ち星であり、このブログにおける考察対象からは外れます。


 現4歳馬に目を向けると、やはり母父ブライアンズタイムとなるマイネルストラーノ(母マイネソーサリス)が3歳時に2勝しましたがその後は勝ちあぐねる内容のまま推移。

 他には母の父系がヘイルトゥリーズンを介さない、異色の同系配合馬となるタイプとなるのがアドマイヤオウジャですが、デビューから2連勝を飾ったもののそれ以後は鳴かず飛ばずで2勝馬のまま。

 アドマイヤオウジャの場合はターントゥ(5×5)のクロス要素がそれなりに機能するかどうかという感じですが、ここまでの経緯を見る限りでは特にプラスに奏功するようなものでもなさそうですね、やはり・・・。


 現3歳のディープ産駒では、ヤマノウィザード(母父リアルシャダイ)がデビューから2連勝し、青葉賞でも3着とまずまずの実績を残していますが、今後の動向としては菊花賞に出られるだけの存在感を示せるかどうかがポイントとなりそうな気配。

 やはりこのヤマノウィザード自身にはヘイルトゥリーズン(4×4)の近親クロス要素が必然として生じる配合のため、これがプラスに奏功するものとなるのかどうかが今後の活躍度に影響しそうですね。

 あとはオリハルコンが母父シルヴァーホークなのでやはりヘイルトゥリーズン(4×4)が生じるタイプの同系配合馬となりますが、人気先行気味で詰めの甘さを露呈。大崩れもしていないにせよ、2400m前後の距離体系はやや不得手な感じで、1800m前後の距離において今後どうなるか?という印象。

 3歳牝馬ではホクラニミサが母父ブライアンズタイムなので同系配合と位置づけますが、これもやや人気先行型で推移するも相手強化となるレースにおいては今ひとつ勝負弱い印象が強いです。


 まあこうして見ていくと、そもそもサンプル数としても少数派であり、あまり断定的な目線になることは禁物だとも言えるんでしょうが、どうしても「ディープ産駒」という肯定的な目線が先に立ってそれぞれの人気を押し上げてしまい、実際のポテンシャルとはやや乖離した評価になりがちであることが傾向として強い、と言えるのは確かでしょうね・・・。


 そして今年デビューの2歳ディープ産駒ですが、上記のアドマイヤオウジャの全弟となるアドマイヤロワが先週の新馬戦(7/13  中京5R)に1番人気で颯爽と登場するも、特に見せ場も無いまま7着に敗退という結末。

 馬主ご本人が過剰に期待しての大量投票?で不動の1番人気になっていたのかもしれませんが、そもそも全兄が大して出世しないまま推移しているにしては、この弟に対する過大評価には首をヒネらざるを得ませんね。

 
 今後デビューしてくる予定の馬では、個人的にはジェネラルゴシップ(牡 栗東・平田厩舎)という2歳馬に注目してみます。(社台F生産)

 この馬の母父はダイナフォーマーですが母はゴシップガールという繁殖牝馬で、この母にとっては初仔となるのがジェネラルゴシップです。

 母父で見ればニューダイナスティと同じ、となるわけですがNダイナスティの母ダイナズクラブの血統背景にはミスプロ系のラインが無いのに対し、ゴシップガールの血統背景にはミスプロ系のライン(母の母父キングマンボ)があるのいうのが大きな違いで、それなりに興味が持てるんですね。

 Nダイナスティと似たような成績になっていくのか、それとも大物ぶりを発揮していくのか・・・。

 いずれにしても、ヘイルトゥリーズン(4×4)の「自己主張」なんぞが強過ぎないほうが、このタイプの成功へのカギなのではないかと感じているんですが、どうなっていくでしょうね・・・。

blood_max at 22:49|PermalinkComments(0) 競馬 血統 予想 回顧 

2014年07月16日

同系配合のディープ産駒 検証(序文)

 さてさて、記事の更新がかなり滞ってしまいました。毎日、こちらへ閲覧しに来て頂いている読者の皆様におかれましてはご期待に添えず申し訳なく存じます・・・。

 正直、このところの2歳新馬戦も取り上げるに足る内容とは思えず、あえて回顧を見送っております。世間一般的には評判馬ないし素質馬とされる馬も若干登場しているようですが、キッスパシオンの仔となるキッスアフィニティが先週の新馬戦で2番人気に支持されながら9着に惨敗するなど、いかにも良血という目線だけでの人気先行が裏目に出がちな典型例でした。

 そんな中では今年もディープ産駒の2歳馬はおおむね出足好調となっているようですが、特にディープ産駒の中でも異質な様相を見せる「同系配合」となるタイプについて検証しておきたいと思います。

 このブログで言うところの同系配合というカテゴライズは、大別して「両親がノーザンダンサー系」、「両親がナスルーラ系」、「両親がロイヤルチャージャー系」、「両親がネイティヴダンサー系」となる場合の4つのケースが該当します。

 この4タイプはいずれも「ファラリスの直系」でありつつ、それぞれファラリス以後の「4大父系」として発展してきた現在に至る時代背景においての、父も母も同じ父系の場合に「同系配合」と位置付けることにしています。

 まあ、大体この4大父系さえ見ておけば基本的にOKなわけで、他の異系(ファラリス直系以外)についてはほとんど、同系配合となる事例は考察の機会すらなかなか無い、というような状況と言っていいでしょう。

 当然、今回の場合の「同系配合となるディープ産駒」とは、母の父系がロイヤルチャージャー系として大別可能なタイプであることを意味します。

 先週の七夕賞では、同系配合にカテゴライズされるディープ産駒のニューダイナスティが10番人気の低評価ながらも2着に好走していました。

 競馬予想TV!にも出演されている血統予想家のK谷T正氏も、「福島コースは通常の(主流血統の)ディープ産駒にとっては不得意なコースなんですが、“主流っぽくない特徴”を持つニューダイナスティなら買えるんじゃないスか」ときっちり指摘されてましたね。

 私自身も元々、ニューダイナスティに関しては「同系配合馬」という位置づけにして観察・検証してきていましたので、K谷氏の見解にはすんなり同調出来ました。

 まあ、馬券としてはMラクリマとのワイドが当たったのみで、K谷氏本命のメイショウナルトを個人的には嫌ったのがアダとなり、全然儲かることは出来なかったのですが(苦笑)。

 ニューダイナスティの母の父はロベルト直仔ダイナフォーマーで、Nダイナスティ自身にはヘイルトゥリーズン(4×4)の近親クロスが生じることとなる典型的な同系配合パターンの血統背景です。

 この4代内クロスが生じるパターンの同系配合は、他には「父シンボリクリスエス×母父サンデーサイレンス」の見た目配合となる場合でも同様であり、どちらかというと期待に添えない「不成功配合」・・でしょうな(笑)。

 ただ、何をもって成功か不成功か?を問われた場合、「芝の重賞級」がバンバン出やすい配合か否か?という問題に対しての、今のところの答えが不成功、というしかない状況と言えるわけです。

 おそらく、当の生産地においても、「父Sクリスエス×母父サンデーS」の基本配合は、活躍馬がバンバン出てウハウハな配合になるんじゃないか?と期待されていたフシがあります。

 しかし、どうも数頭の成功事例がチラホラあった程度で、マイルから1800mあたりは良くても、2000mを超える距離となると上のクラスへ行くほど不振傾向が目立つ・・・といった感じの昨今の状況でして。

 過去記事でも述べていますが、ヘイルトゥリーズン(4×4)の「自己主張」というものは、おそらくSクリスエスの良さも、サンデーSの良さもそれぞれに半減させてしまい、Htoリーズン自身の良し悪しの強調が産駒に表面化しやすいのではないか?という推察をこのブログではしてきました。

 そんなワケで、「まともな配合」のディープ産駒は福島の小回りコースが不得手でも、「まともでない」配合と言えるニューダイナスティならば、主流の逆を行くタイプなのだから福島で好走しても云々、という考察が今回の場合は可能だったのかな、と。

 ただまあ、ニューダイナスティのみならず、同系配合となる特徴を持つディープ産駒たちは総じて、「期待よりも走れていない」というような傾向にあるのは確かでしょう。ディープ産駒にしては、という意味においてですね。

 今日のところはこの辺で・・・。

blood_max at 23:12|PermalinkComments(0) 競馬 血統 予想 回顧 

2014年07月07日

ラジオNIKKEI賞 回顧

 事前考察で注目馬とした2頭は、またしても戦歴に2着・3着という2文字を重ねてしまいましたね・・・。クラリティシチーもウインフェニックスも、そうしたズブい面があることは否めない旨を述べておきましたが、そのまんまの決着と相成り候・・・。(>_<;)

 それでもまあ、7番人気の低評価を覆したウインフェニックスに関しては、個人的には合格点の走りと判断しておきます。

 同じ勝負服の、同じクラブ所有馬であるウインマーレライを今回は勝たせることにしよう、なあんて密約?がクラブ内の秘密会議であったのかもしれませんね(苦笑)。

 ってな冗談はさておき、事前考察でも述べておきましたが、この重賞を勝ったからといって、さほど今後の飛躍にはつながっていかないという近年の勝ち馬の傾向もあるわけで、秋以降においてウインマーレライの活躍度がどうなっていくのか、じっくりと観察を続けさせてもらうことにしましょうか・・・。、

7/6 福島11R ラジオNIKKKEI賞(芝1800m)

1着 ウインマーレライ(母コスモチューロのBLP=7:(6,1,0))

・RRP:137=125+3+9


2着 クラリティシチー(母タイキクラリティのBLP=17:(9,2,6))

・RRP:139=128+3+8


3着 ウインフェニックス(母シャインプレジャーのBLP=17:(11,2,4))

・RRP=128=125+3(レース前に同じ)


 マツリダゴッホ産駒に関しては今回のウインマーレライを筆頭に、母の父がミスプロ系の場合だと勝ち上がり度がそれなりにUPする傾向が強い印象ですね。

 今年の2歳新馬で勝っているクールホタルビ(母父ヘクタープロテクター)、3歳馬ではききょうS勝ちのウインスプラッシュ(母父フォーティナイナー)、登録抹消になったものの新馬勝ちしていたマイネルギャルソン(母父マイネルラヴ)、一昨日に未勝利勝ちしたブリッツカイザー(母父ヘクタープロテクター)などなど。

 まあ、ヤケに短距離での勝ち上がりが目立つんですが(苦笑)。

 そもそも、マツリダゴッホの母であるペイパーレインはナスルーラ(4×4)の近親クロスを持っています。一方、大種牡馬となって一大父系を築いたミスタープロスペクターは、母の父がナスルーラ直仔のナシュアです。

 その辺りに、何らかの和合性の良さが潜んでいると思われますが、逆にマツリダゴッホの特徴と言うより、ナスルーラ及びミスプロ系に由来するスピード要素のみが産駒に強く出てしまい、スプリント向きのタイプが出やすい・・・のかも。

 ただ、マツリダゴッホの種牡馬としての印象は、生産地においては当初の期待ほどには活躍度が高くないというものになりつつあったんじゃないでしょうか。

 ようやく、重賞勝ち第一号のウインマーレライが出て、幾分は評価を取り戻せたかもしれませんが、他の産駒からも重賞級が育ってこないようだと、血で血を洗うサンデーS後継種牡馬同士による勢力抗争から徐々に居場所を失っていってしまうような事態も少々・・・。


 さて、父への印象はこのくらいとして、Wマーレライの母が持つBLPの3分割表示は、このブログで一貫して懸念材料としてきた「デジタルパターン」で示される特徴があります。

 このパターンはブログ開設当初に「凡走パターン」と名付けていたものですが、誤解を生む恐れがあるので表現としてはデジタルパターンに改め、「人気サイドに推された場合にコケやすいパターン」と定義して検証をおこなってきました。

 今回のレースではWマーレライは5番人気だったので、微妙〜に人気サイドではなかったというべきところかなと(笑)。

 一方、馬券圏内に来て欲しいとの支持を集めたという意味で、1〜3番人気までの馬を「人気サイドの馬」と定義すれば、今回はピオネロが2番人気に支持されるも8着に惨敗。

・ピオネロ(母クルソラは同系配合馬だが、そのBLP=7:(6,0,1))

 この馬に関しては、上記の定義が発動してしまったケース、として検証記録に加えることとなります。

 「事前考察で何も言わなかったじゃないか!」と、お怒りの読者がおられるかもしれません。

 ですが、私はピオネロに関して、今年の京成杯に出走してきた時の事前考察で、ちゃんとその事に言及しておきました。

 その当時の記事の一部を以下に再掲すると、

 *母クルソラ自身はナスルーラ直系の両親を持つタイプということで、かなりスピードの資質を前面に押し出すような特徴の持ち主でもあるのですが、気になるのはクルソラのBLP=7:(6,0,1)でデジタルパターンの迂回血ライン分布となってしまうところ。

 出だしはスムーズに見えて、周囲の馬のレベルが上がってくると人気でコケやすい傾向にあるのがデジタルパターンのBLPを持つ母の産駒の大きな特徴なので、その辺が今後表出するかどうかも要チェックですね・・・。
(以上、抜粋終わり)
 
 と、過去記事において述べてありました。(当時はまだBBLPと表記してましたが、笑)

 その記事を読んでいたか、今回その記事の内容を思い出してチェックした読者の方なら、「ピオネロはもしかしてヤバいかも?」と、買い目の検討に何らかの対策が打てたかもしれません・・・。


 まあ、このブログで語る内容をハナから「マユツバもの」としてしか受け止められないのであれば、それはそれで一向に構わないのですが、多少なりとも、このブログの考察の数々を「検証に値するだけのものはある」と感じて頂いているような読者の皆様には、有効に活用してもらえる部分も少しはあろうかと思います。

 明確に言えることは、1頭の馬に対して、その場限りのみの評価など絶対に成り立たない、ということです。可能な限り、継続的に幾つものレース結果の検証を続けていく、ということですね・・・。

blood_max at 23:11|PermalinkComments(0) 的中記事コレクション | 3歳馬 考察