2014年03月

2014年03月31日

毎日杯ほか 回顧

 事前考察しなかった高松宮記念ですが、個人的にはコパノリチャードを本命視していました。ただ、相手関係を間違えてしまい馬券のほうは・・・。(>_<;)

 2年前の高松宮記念では、牝馬ながら優勝したのが、

・カレンチャン(母スプリングチケットのBBLP=10:(3,5,2))

 そして今年の優勝馬、

・コパノリチャード(母ヒガシリンクスのBBLP=12:(3,5,4))


 両馬の場合、「母父トニービン」という見た目の配合要素で共通していることは誰でも確認出来ることですが、このブログで掲げている注目ポイントである「母自身の迂回血ライン継承度(=BBLP)が10以上ある」という部分でも、ズバリ共通していました。

 カレンチャンについて単体考察していた過去記事においても、その母スプリングチケットは、基本的に中距離に対応可能な産駒を出せる「はず」の繁殖牝馬である、と分析していました。

 当然、コパノRの母ヒガシリンクスについての単体評価でも、「中距離対応可能な産駒を出せるはず」という評価をしていた馬です。(母父トニービンだから、などという単純な理由ではない)

 けれども、3歳クラシック出走時においては暴走気味に逃げて制御の利かない気性が災いし、マイル以上の路線ではタメる競馬が出来ず失速〜、という競馬が続きました。

 しかしながら、元々中距離をこなせる「血統的な下地」を備えていたということがBBLPの値からもうかがえる通り、他馬たちが「時計的に苦にする=よりタフさを要求される」ような馬場状態においては、単なるスピード要素のみの血統では通用せず、マイル以上もこなせるポテンシャルこそが今回は活きたのだと判断します。

 普段、このブログでは下級条件などのスプリント戦では一切、迂回血ラインの検証による血統考察をしていませんが、G1戦の舞台ともなれば「話は全く別である」ということを読者の皆様にも認識して頂ければ、私自身が事前考察をしていなくとも、「確か、コパノリチャードの母は10ポイント以上だったな」ということを過去記事で思い出して、独自に馬券の取捨に役立てて頂くことにつながれば幸いです・・・。


3/29 阪神11R 毎日杯(芝1800m)

1着 マイネルフロスト(同系配合馬)

・RRP:140=128+3+9


2着 エイシンブルズアイ(母父自身に異系種牡馬4×4の近親クロス有)

・RRP:137=126+3+8


3着 ステファノス(母の評価は保留・・・)

・RRP:126=123+3(レース前に同じ)


 勝ったマイネルフロストから7着のピークトラムまで、着差は0.3秒以内で収まっており、着順のイメージほどの実力差は無く、ほぼ拮抗したポテンシャルの馬たちだと判断します。

 そういう意味で、格好の「ものさし馬」であるアズマシャトル及びピークトラムに挟まれるカタチでの6着だったパドルウィールについては、今後にもある程度の期待が持てる内容でした。

 事前考察で取り上げたことに後悔はないですね。

 もう1頭の注目馬、アドマイヤヤングについては事前考察で「2勝馬たちが相手では、少々買いかぶり過ぎの恐れはあるが・・・」としていたとおり、やはりちょっとまだ力量不足・経験不足でしたかね・・・。

 こちらはもう少し、時計の掛かる馬場がいいのかも(苦笑〜)。

blood_max at 22:53|PermalinkComments(0) 3歳馬 考察 

2014年03月28日

毎日杯 注目馬

 毎年、このレースの考察には注釈が必要なんですが、「皐月賞参戦への最終切符〜」などと位置付けるような競馬マスコミ・サイトの取り上げ方は、甚だ的外れなものとしか言いようがなく・・・。

 毎日杯の勝ち馬が皐月賞に直行し、上位に好走するような結果を得られたのは、ひとまずテイエムオペラオーの時代まで遡る必要があります。

 確かに、この重賞を勝てば賞金を加算出来て、中2週での皐月賞出走は可能でしょうが、これまでのトライアルで強豪と目される馬たちは既に権利を得て準備万端整えているという状況であり、スプリングS&若葉Sこそが最終切符、と受け止めるのが近年の傾向。

 昨年のキズナのように、あえて皐月賞を「パス」するという決断を伴っている上での毎日杯出走が、陣営の正しい路線選択のあり方と言えましょう。

 さて、当ブログは「近親クロスに頼らない配合」でありながら、クロスをコテコテに持つような馬たちに拮抗した活躍がしていける馬がいるかどうか?というテーマを主軸として、血統考察をおこなっております。

 それを踏まえた上での、今回注目しておきたい馬は・・・、


3/29  阪神11R 毎日杯(芝1800m)

5.アドマイヤヤング(母コックニーのBBLP=18:(9,3,6))

・RRP:128

 この馬が勝った新馬戦では、自身が先手を打ってそのまま逃げ切りました。自身の千m通過タイムは63秒1と典型的な超スローの展開だったため、備忘録記事を残すまでの判断には至りませんでしたが。

 2着馬に4馬身差をつけての楽勝ではあったものの、負かした面々のレベルは推して知るべし。今回の対戦相手に互角以上の走破内容を示せるかどうかが、今後へ向けての課題でしょう。

 個人的に、この冠名で有名な大物馬主のKオーナーのことはかなり嫌いなのですが(笑)、この馬自身については純粋に血統背景のみを注目することとなります。

 ともかく、この馬がもし連対を果たすようであれば、イスラボニータ、ロサギガンティアに次ぐフジキセキのラストクロップとしての「逆襲」とも言えるような状況。

 あらためて、極めつけのアウトブリード血統であるフジキセキの「種牡馬としての偉大さ」を再認識させられることにもなろうかと思いますね・・・。


9.パドルウィール(母レストレスハートのBBLP=10:(4,3,3)だが・・・)

・RRP:125

 典型的な「見た目配合」の父クロフネ×母父サンデーSとなるタイプですが、これが牝馬ではなく、牡馬であるというところでの、今後の出世がどうなっていくのか?が最大の焦点でしょう。

 これまで全4戦していずれも3着以内ですが、デビューからの3戦は、お世辞にもハイレベルとは言えない相手との対戦での取りこぼし。

 けれどもこの馬が勝ち上がった4戦目での3着馬・4着馬は、その次走でそれぞれ1着・2着と好走しており、まずまずのレベルの馬を相手にしての勝利とも言え、なお且つ今回の舞台と同じ阪神芝1800m戦でした。

 さすがに今回は2勝馬が計6頭いる中でのレースでもあり、買いかぶり過ぎるのもどうかとは思いますが、こういう舞台で好走するポテンシャルを示せてこそ、「血統」の成せる業ということにもなろうかと。

 まあ、あえなく着外に敗退するような場合、やっぱりクロフネ産駒は「牝馬のみ」の活躍しか期待出来ないのね〜と、これまでの認識をより強固なものにするだけ・・・なのかも(>_<;)。

blood_max at 23:46|PermalinkComments(0) 3歳馬 考察 

2014年03月23日

スプリングS かなりコテコテに回顧

 事前考察で注目馬の筆頭格と位置付けたロサギガンティアは、相手強化・初の中山コースなどの課題をアッサリと克服。直線を向いてからの脚色も抜群で、難なく重賞初制覇と相成りました。

 アジアエクスプレスもさすが2歳チャンプというところを一応は見せたものの、やはり昨年の朝日杯FSはメンバーに恵まれただけの勝利だったのかなあ、との意を強くしました。

 このブログを閲覧して下さる読者の皆様方におかれましては、いまだに「迂回血ラインって、一体何のことなんだろう?」といぶかしく思いながらも、何となく閲覧しているだけ・・・ってな感じの方も少なからずいらっしゃるかもしれませんね(苦笑)。

 詳細は「ブログ主旨説明・他」のカテゴリ記事にて述べておりますので、そちらで疑問点をある程度は解決して頂ければ幸いで〜す、となるのですが、その主旨説明記事を読んでも尚更よく分らん、という方も居たりしてしまうのかな?なんて心配も少々・・・。(>_<;)

 まあ兎に角、このブログで注目していきたい血統背景の馬とは、「近親クロスによる優位性を持たず、アウトブリードもしくはそれにごく近い配合でありながら、強くなっていけそうな馬」たちのことです。

 近親クロス(インブリード)の優位性の定義は、産駒自身、母自身、母父自身のいずれかが「4代以内で成立するインブリード(=クロス)」を持つ場合と、同系配合(この場合はクロス形態は問わない)の扱いとなる場合、としています。(父自身が持つ4代内クロスについては、このブログでは副次的な扱いとなる)

 4代以内で成立のクロス要素が、産駒自身、母自身、母父自身それぞれの血統背景に見当たらない場合に初めて、「迂回血ライン継承度(=BBLP)」での考察要素が「優位になる」との判断をするわけです。

 今回のスプリングSの結果検証で、考察の意味を掴んでいただきたいと思います・・・。


3/23 中山11R 第63回スプリングS(芝1800m)

1着 ロサギガンティア(母ターフローズのBBLP=10:(4,6,0))

・RRP:135=123+3+9


2着 アジアエクスプレス(母自身が同系配合馬)

・RRP:146=124+3+(8+3)+8


3着 クラリティシチー(母タイキクラリティのBBLP=17:(9,2,6))

・RRP:128(レース前に同じ)


 勝ったロサG自身は「5代アウトブリード」で、母のターフローズもまた然り、です。ロサGの母父、Big ShuffleについてはPolynesian(5×5)のインブリードはありますが、「4代以内で成立」のクロス形態ではないので不問、という扱いとなります。

 無論、こういった(5×5)などのクロス要素について、全く無視してもよい、と言うつもりはありません。あくまでも優先して捉えるべきほどの重要性はさほど強くない、という意味です。

 こういう段階を経て、ロサG自身について「母自身の持つBBLP」が、10以上あるかどうか?が、このブログにおいては重要な指標となります。

 但し母のBBLPが10未満の場合には、配合相手の種牡馬が持つBBLPが10以上あるかどうか?という検証をおこなう場合も稀にありますが。

 ターフローズ自身の「5代血統表」をTARGETなどで表示すると、父ビッグシャッフル以前のそれぞれの先祖と、母Turfquelle以前のそれぞれの先祖がどう構成されているか、が確認出来ます。

・ビッグシャッフル自身のBBLP=4と算出(シックル×2+ハイペリオン×2=計4)。

・Turfquelle自身の父と母で、更に分割すると、

 その父ShaadiのBBLP=6と算出(シックル×2+ハイペリオン×2+ファラモンド×1+プリンスキロ×1=計6)
 その母TheklaのBBLP=0(迂回血ライン種牡馬の介入がゼロ)

 この作業過程(『母父、母の母父、3代母』それぞれが持つ迂回血ライン継承度のチェック)を経て、上記のように「母ターフローズのBBLP=10:(4,6,0)」というように3分割表示します。

 どうして3分割するのかというと、ターフローズの血統背景における底力継承要因のどの部分がウエイトとして重要か?が、ひと目で判別できるようにするためです。

 ターフローズの場合、母父のビッグシャッフルよりも母の母父シャーディのほうが、よりウエイトの高い役割を果たしているのではないか?と、このブログでは受け止めることになります・・・。


 さて、2着馬のアジアエクスプレスですが、今回負けた相手のロサギガンティアでさえも、世代最上位の存在というわけではないので、更なる距離延長の皐月賞においてはより苦しい戦いになるのではないか?と個人的には感じる次第。

 かと言って、NHKマイルCを目標に切り替えてもミッキーアイルという超〜強敵が待ち構えている以上、やはりここはマギレの生じやすい中山芝2000mの皐月賞で勝負、ということになりそうですね。

 父のヘニーヒューズについては、いずれ詳細な単体考察の記事をまとめたいと思いますが、基本的に異系配合の要素が強く、奥が深そうな印象。

 ストームキャットの直系種牡馬ではありますが、サンデーS系で言うところのリアルインパクトのような母方の特徴を持っています。

 種牡馬としてはおそらく、同じ父ヘネシーが出したヨハネスブルグなど問題にしないぐらいの、幅広い活躍が見込めるのではないかと思います。

 ただアジアエクスプレスの場合、母のRunning Bobcats自身がナスルーラ直系の両親を持つことで上記のように「同系配合馬」の扱いとなるので、スピードの資質の強調が濃すぎるんですね。

 それ故、今回の1800mあたりはギリギリこなせても、2000mともなると中距離ベストの馬たちの後塵を拝することになるのではないか?との推察をするわけです。

 逆に、皐月賞でもアジアEが上位に食い込むような走りを再度見せつけるようであれば、父ヘニーヒューズへの評価がますます高まることになるのかも?、という感じでしょうかね・・・。


 最後に、3着に踏みとどまったクラリティシチーですが、事前考察でも述べたようにこの馬も当然、迂回血ライン継承度で注目していきたいタイプの1頭でした。

 決して、「母父がスペシャルウィークだから・・・」などという安直な目線での注目ではありません(笑)。

 ただまあ、希望としては2着を死守する走りを見せてもらいたかったですけどもね・・・。個人的にはもっとスタミナを強化する調教を陣営に課してもらって、2000m前後で安定した活躍がしていけるよう、今後とも成長していってもらいたいと願っています・・・。

blood_max at 18:58|PermalinkComments(0) 3歳馬 考察 

2014年03月22日

第63回スプリングS 考察

 若葉Sで注目したサウンズオブアースは残念ながら皐月賞出走権を逃す3着という内容。前付けしてよく踏ん張っているほうだとは思いますが、完敗と言わざるをえませんね・・・。

 2千mという距離適性に関しては、2着のウインフルブルームも少々微妙な印象。皐月賞では割り引いて考えたいと思います。

 細かい回顧は週明けに。


3/23 中山11R スプリングS(芝1800m)

1.サクラエール(母父自身にナスルーラ4×4の近親クロス有)

・RRP:127=124+3

 見た目の配合の印象は非常に地味な感じ。父ケイムホームはクラシックで云々という種牡馬には少々足りないですし、母父サクラホクトオーも現代においてはかなりレアな立場。

 今後とも1400m〜マイルあたりの路線ならソコソコの活躍が見込める感じはするものの、G1級のレベルとまでにはいかないでしょうね。

 ただ、現状は底を見せていませんし、同世代同士の対戦の今は掲示板にギリギリ載る程度の走りは当然あっても。


2.ロサギガンティア(母ターフローズのBBLP=10:(4,6,0))

・RRP:126=123+3

 個人的には注目馬の筆頭格となるのがこの馬です。まあ同じフジキセキ産駒でも、イスラボニータとは「強くなる秘密」となる配合の要素がかなり異なっているタイプですね。

 勝ち上がった前走のレースでは事前考察記事にて唯一の注目馬として単体考察し、完勝の形となったあとの回顧記事でも色々と述べているとおりで、兎に角、「近親クロスに頼らずに」強くなっていける可能性を秘めています。

 ただイスラボニータと同様、フジキセキ産駒の多くがブチあたる壁である、「2千m以上の芝重賞でどうか?」という部分についてはやはり、不安が全く無いわけではありません。

 まあその前に、おそらく適距離であろう今回の1800m戦で世代上位のポテンシャルを披露しないことには皐月賞でどうこうと言う話に進まないので、今回のレース内容にまずは注目ということで。


3.ベルキャニオン(母自身が同系配合馬)

・RRP:135=127+8

 この配合のきょうだい達については、「もういいよ」という感じですね、血統考察の観点からは・・・。誰が見ても「走る可能性大」となることが判明していますし。

 ただ、個人的に疑問なのは、母クロウキャニオンが産む仔はすべて、今後ともK子オーナーで独り占めする気でいるんでしょうかね〜?ということです。

 潤沢な資金を持つのでしょうから、何をどうしようと勝手ですが、この兄弟だけでなく、ほかの繁殖牝馬が産んだ別のきょうだいなども、しつこく独り占めして買い漁る傾向をこの大物オーナーは見せています。

 ビジネスライクに徹しての「当然の行動」なのかもしれませんが、あまりにエゲツない(苦笑)。

 もう少し、他の様々な配合に「血統の可能性」を感じて、自ら海外の名血を導入してくるなどの、「日本の競馬界」を多方面にわたり背負っていくような姿勢を見せてほしいものです。

 それが十分可能な立場に、K子オーナーは立っていらっしゃると思う次第ですので、ね・・・。


4、アジアエクスプレス(母自身が同系配合馬)

・RRP:138=124+3+(8+3)

 通常、ダートでの勝利ポイントは減算措置を講じることにしているのですが、初芝となった初重賞(しかもG1戦)において、いきなり勝ってしまうんですから減算するだなんて失礼でしょうね(笑)。

 この馬が勝った朝日杯FSは、例年のレースレベルと比較してどうだったのか?という問いに対する答えは非常に難しいものがありますが、個人的には、マイルもこなせるスピードタイプにとっては「向いた」レースで、中距離タイプには少々忙しい競馬だったのかな、と。

 実際、いいところのなかったプレイアンドリアルは京成杯で巻き返し、サトノロブロイなども距離延長となった自己条件のレースでは勝利を収めています。

 反面、距離伸びて微妙〜、という感じのウインフルブルームや、ファルコンSで2番人気ながら6着に敗れ去ったショウナンアチーヴに「先着しただけ」という印象も否めないアジアエクスプレスが、今後とも1800m以上の芝重賞でも世代上位なのか?が今回試されるということですね。

 まあ陣営が一番、その辺を心得ているようで、ダメならNHKマイルCへ、という本音ものぞかせているわけですが・・・。


5.モーリス(母自身が同系配合馬)

・RRP:126=124+2

 私がもしこの馬のオーナーだったら、早々に中距離路線には見切りをつけて、ファルコンSに出走させていただろうなと思うしかないんですが、中距離に未練タラタラの陣営の決断が、今回吉と出ますかどうか・・・。

 父のスクリーンヒーローも同系配合馬となる血統背景ですので、そういった同じ特徴の父と母での配合というのは個人的には「距離適性の幅を狭め、伸びシロの余裕を少なくさせる」・・・だけなのではないか?という印象しか持てないですね。

 まあ今回のメンバー相手に馬券に絡めるようであれば、ギャフンと言うしかありませんけども(笑)。


6.ミッキーデータ(母自身にレイズアネイティヴ4×4の近親クロス有)

・RRP:130

 全兄にアーカイヴ&トーセンジャスティスの2頭が居ますが、いずれも成功しているとは言い難い状況。ディープインパクトとの配合では、母データ自身の持つクロス要素がスピード主体に傾き過ぎるのかも。

 こういうタイプこそ、サトノルパンなどのように1400m以下の路線に転向させてみるというのも、1つの手ではなかろうかと思いますが、まあそれも陣営の判断することなので・・・。


7.ダノンアンビシャス(母レンドフェリーチェのBBLP=7:(2,1,4))

・RRP:130

 新馬戦で人気に応えてすんなり勝ち上がっているものの、その後に低迷続きとなるのはこのきょうだいに特有の傾向で、母のBBLPの要素が影響しているものと思われます。

 母が産んだ初仔にはハーツクライとの配合でリフトザウィングスが出ましたが、東スポ杯2歳Sで2着の実績がその後において全く反映せず、1勝馬の身のまま昇級を果たせずに低迷。

 全姉の2頭、モルトフェリーチェにソリーソアンジェロに至っては、勝ち上がることすらないまま登録抹消の憂き目に遭ってしまっています。

 このように、破竹の勢いで活躍馬を出し続けるディープインパクトと言えども、相性の良くない繁殖牝馬というのが少なからず、居るものなんだな〜という認識は必要でしょうね・・・。


8.ウインマーレライ(母コスモチューロのBBLP=7:(6,1,0))

・RRP:128=125+3

 ごく早い段階の新馬戦では、マツリダゴッホ産駒の勝ち上がりがかなり目立ちましたが、徐々にレベルの高い種牡馬の産駒の勢いに拮抗出来ない状況が顕著な傾向となっていきました。

 要するに、早熟傾向にはあるが成長力に乏しい、という全体的な印象度なのがヨハネスブルグあたりとも共通する部分でしょうね。

 加えて、この馬の母コスモチューロは上記で示すとおり「デジタルパターンのBBLP」を持ってしまっている関係で、このブログでは懸念材料となる要素を持つタイプ、と判定することになります。

 まあ、半姉のマイネヒメル(父ロージズインメイ)も、人気薄で勝つような傾向が強いので、自己条件を順次突破していくような段階では、「穴馬としての妙味」があるタイプという位置付けで捉えるのがよろしいかと。



10.クラリティシチー(母タイキクラリティのBBLP=17:(9,2,6))

・RRP:128

 全5戦してどれも3着以内と堅実で、馬主にとっては孝行息子には違いないんでしょうが、BBLPの値が高めな母の産駒にありがちな、「成長曲線が緩く、ズブい」という傾向なのも確かかな、と(苦笑)。

 内に秘めた底力要素そのものは、かなりのものがあるはずなんですが、馬体の成長が追い付いて来ないという感じなんですよね。

 まあ、3歳時あたりは伸び悩むような感じでも、古馬になって開花する場合も少なからずある(ヒットザターゲットなどが典型例)ので、長〜い目で見てあげようかな、なんてね・・・。

 ただ今回は、「近親クロスに頼らないタイプ」として、ロサギガンティアと同様に個人的には注目します。オッズ人気以上に走れるとしても何ら、驚くことにはなりません・・・。


11.マイネルアウラート(ノーザンテースト4×4)

・RRP:129=126+3

 母父トウカイテイオーは「異系トウルビヨン直系」となる種牡馬なので、メジロマックイーンと同様にステイゴールドにとっては相性が良く、「異系アシスト」が得られるタイプという判定をしたいものの・・・、

 上記のとおりMアウラート自身には上記の4代内クロスがあり、更に母のマイネシャンゼリゼ自身もノーザンダンサー(4×4)の近親クロスを有するタイプでもあって、ノーザンダンサー経由の「コテコテ度合い」のほうがトウルビヨンのアシスト効果を有名無実化しかねないかも、という印象も。

 やや低迷した時期があったのも、そんな印象を強くしてしまいますね。ロサンギガンティアが勝ったレースでは3着だったので、ロサGより上に見ることはないとして、実績に見られるとおり意外とマイル路線が向いているのかもしれませんね、ステイG産駒にしては・・・。



12.ネオヴァロン(ノーザンダンサー4×4)

・RRP:125

 よくある「見た目配合」の1頭ですが、変わり身という意味ではあまり期待しづらいものがありますね。ジャンポケ産駒が上記の4代内クロスを持つことで出世につなげるケースは数多くあるものの、ダメな場合はとことんダメでしょう(笑)。

 3代母のウィルプリンセス自身がナスルーラ系の両親を持つ同系配合馬で、且つナスルーラ(3×4)の強調材料を持っている部分が、ネオヴァロンにとっての気性面での「マイナス要因」なのかも・・・。


13.シベリアンタイガー(同系配合馬)

・RRP:125

 小倉の未勝利戦で勝ち上がったようなタイプが、3歳クラシック路線で台頭してくるケースというのは個人的にも印象がほとんど無いように認識しております。

 まあ、過去の事例をくまなく調べれば、「小倉未勝利戦勝ち」というタイプがクラシックで馬券になったケース(トーセンホマレボシぐらいか?)というのがあるのかもしれませんが、くまなく調べるのが面倒なので軽視、の一言で。



14.クインズハリジャン(母自身が同系配合馬)

・RRP:127=121+6

 昨年の京王杯2歳Sがお世辞にもハイレベルとは言えない内容とメンバー構成だったことは、ファルコンSで7着敗退のカラダレジェンドの内容を見ても分かりそうなところ。

 それでいて1400m実績のみのこの馬が芝の王道たる中距離路線の重賞に挑戦というのは、少々無謀な感じもしてきますね・・・。


15.ナスノアオバ(母自身がリファール3×4の近親クロスを持つ)

・RRP:130=127+3

 前走で良血モンドシャルナの出世を阻んだ以上、この馬には出世していかねばならない義務?がある・・・なあんてことは、私自身は微塵も感じませんが、世間一般の目線はそうかも(笑)。

 ネオユニヴァースの母方にはセントサイモン系の影響が濃いめに継承されていますが、ナスノアオバの母ナスノフィオナの血統背景においても、セントサイモン直系の最大勢力、リボー系の継承が色濃く反映されていますから、そういう意味での「相性の良さ」はあるかもしれませんね。

 ただ、ナスノフィオナ自身は上記の「奇跡の血量クロス」を持つので、どの要素がどう奏功しているかの判別が非常にしにくい印象なのも確かでして。

 重め馬場のダービーとかに出走してくるのであれば、狙ってみて面白い配合のようには感じますが。

blood_max at 20:21|PermalinkComments(0) 的中記事コレクション | 3歳馬 考察

2014年03月21日

フラワーC 回顧 & 若葉S 注目馬

 フラワーCではいかにも中山向きといった感のゼンノロブロイ産駒2頭が連対。走られてみればやっぱりそうか〜、なんて思ってみてもあとの祭りですな(>_<;)。

 勝ったバウンスシャッセは桜花賞に目もくれず、皐月賞に参戦するとのこと。当然、賞金不足の牡馬が抽選に望みをかける出走枠そのものが減ることになり、例年に無いパターンでアオリを食らうケースもあろうかと思います。

 同着2着の2頭、マイネグレヴィルとパシフィックギャルも桜花賞には向かわず、あえてオークス直行との意向のようで、今年は少々、イリーガルな事態と言えそうですね・・・。


3/21 中山11R 第28回フラワーC(芝1800m)

1着 バウンスシャッセ(母リッチダンサーのBBLP=8:(5,2,1))

・RRP:140=128+3+9


2着 マイネグレヴィル(同系配合馬)

・RRP:144=128+8+8


2着(同着) パシフィックギャル(ミスプロ4×4)

・RRP:143=128+7+8


 勝ち馬はこれが重賞初制覇で、2着馬の2頭は共に2度目の重賞2着となる結果。上記のレース実績ポイントにおいては、着順との逆転現象が起きていますが、あくまでも過去の実績通りに獲得したポイント値を加算しているだけですので、「どちらが強いor弱い」の尺度を求めるものではありません。念のため。

 まあ今回の上位3頭それぞれの陣営も、ハープスター以下の王道路線組の強さは重々承知しているわけで、あくまでマイルG1戦と中距離G1戦における「向き不向き」を勘案しての、次走をどうするかの決断なんだろうと。

 ただ、桜花賞候補がどれだけ強力だろうと、そこにあえて挑む他の陣営の気概とか、心意気のようなものを見せる姿勢に欠ける状況というのは、競馬ファンとしては少々寂しい感じですね。

 ビジネスライクに徹するとなれば、折角出走権を得た桜花賞であっても掲示板程度に善戦するだけじゃ嫌だ〜、ということなんでしょうかね、陣営にとっては・・・。


 事前考察で個人的に注目した2頭はあえなく着外に敗退。残念ながらそれが今の実力ということではありますが、東京や京都外回りなどのコース替わりでの巻き返しがあるか、今後とも見守っていこうと思います・・・。


 では引き続き、若葉Sの注目馬を。

3/22 阪神11R 若葉S(芝2000m)

2.サウンズオブアース(母ファーストバイオリンのBBLP=11:(6,1,4)だが・・・)

・RRP:127

 先日にようやく、未勝利を脱出。馬主サンが著名な人物だけに、デビュー前からそれなりに注目を浴びていた模様ですが、個人的には馬主が誰だとか、競馬マスコミがどう扱うとかに関係なく、「母自身のBBLP」で優先考察可能な、「近親クロスに頼らない配合を持つ」ようなタイプを常に着目することにしております。

 この馬が1番人気の立場の2戦目で負けた相手はサトノロブロイ(9番人気)で、ミスプロ(4×4)のクロスを持ちZロブロイ産駒の活躍傾向によく見られる配合パターンの馬でした。

 その時の備忘録記事で、「いずれサトノロブロイとの再戦の機会がやってくるといいのだが・・・」と記述しました。Sロブロイは弥生賞で7着に敗退してしまったので、サウンズオブアースがもし今回出走権を得るとしても皐月賞で再戦の可能性は低くなりましたが、また対戦する機会も出てくるでしょう。

 さて、SOアースの母父はディキシーランドバンドですが、この種牡馬についてはかなり以前、2010年の札幌記念の事前考察記事で注目馬としたアクシオン(7番人気3着)の母父として、かなり詳細に検証していたかと思います。(アクシオンは2011年の札幌記念でも2着)

 ノーザンダンサー直仔という立場で、BBLP=6という値を得ているのはディキシーランドバンドぐらいのものであり、ハイペリオンを主体とした底力継承度という意味では群を抜く要素を持つタイプでした。

 ディープインパクトの母父、アルザオもBBLP=6を持つノーザンダンサー系種牡馬ですが、アルザオはリファールの直仔であり、そこがDランドバンドとの大きな相違点となります。

 まあ端的に言って、世間一般における血統評価の目線でも、Dランドバンドは「母父として優秀」という意見・見解が大勢を占めていることと思います。

 ですがこのブログでは、一体何を根拠として「母父として優秀なのか」を、明確に主張するのが重要だと考えます。そのために用いているのが「迂回血ライン継承度(=BBLP)]の考察手法です。

 などとツラツラ言ってみたものの、母のファーストバイオリン自身には「ネアルコの血量が最上位」となる懸念材料の要素も、残念ながら持ってしまっています(苦笑)。

 今後、サウンズオブアースが勝ち続けていってくれれば何も言うことはないのですが、もし微妙に負ける競馬を続けて出世にかなり手間取ってしまうようなら、「母の持つ、隠された懸念材料」が作用しているとの判断を下すことになりますね・・・。




blood_max at 22:27|PermalinkComments(0) 3歳馬 考察