2013年11月

2013年11月26日

'13 2歳戦 備忘録(49)

 いつもならばしているG1戦回顧も、今回はUPする気にならず・・・。まあジェンティルドンナは確かに強いんですが、やっぱり牡馬の面々は不甲斐ないな〜と思うしかないわけでありまして。

 ゴールドシップもかなり負け過ぎの印象はありますが、個人的には来年の秋、ぜひ凱旋門賞に挑戦してもらいたいと思います。ジャパンCなんぞには目もくれずに、ね・・・。

 実際、海外のパワフルな馬場のほうが持ち味を発揮できそうですし、それこそジェンティルドンナのように翌春はドバイを目標にしてもいいんじゃないか?と。

 まあその前に今年の有馬記念を勝って連覇するぐらいでないと、陣営としても海外で云々などと強気にはなれないでしょうけども(苦笑)。


11/17 東京5R 2歳新馬(芝1800m)

1着 ビップレボルシオン(母メジロジョーンズのBBLP=7:(7,0,0))

・RRP:128


2着 デンセツ(母自身が同系配合馬)


3着 ヴァルコイネン(母ハイエストホワイトのBBLP=11:(7,2,2)だが・・・)


 マンハッタンカフェ産駒は全般的に地味なタイプばかりなんですが、バリバリの上位人気などにはならないような状況で結構激走してくるケースが目立ちます。

 京都2歳Sでも、やや人気を下げていたアグネスドリームが逃げ粘って2着になっていましたし。

 上記の勝ち馬ビップRの場合、母の迂回血ライン継承度がデジタルパターンになってしまうのが今後において少々懸念される部分ですが、父も母も仔もみな揃って5代アウトブリードという、今どきにしては珍しく近親クロスを持たずスッキリとした血統構成が個人的にはむしろ応援したくなる要素です。

 今後どこまで出世可能かは定かでないですが、頑張って好走を続けていって欲しいですね・・・。


 2着のネオU産駒は10番人気での好走。母のユーオーミーはレイズアネイティヴ系の両親を持つ同系配合馬で、レイズアネイティヴ(3×4)の近親クロスを有しているタイプ。

 デンセツ自身は、父も母もノーザンダンサー経由のライン継承が一切ないので、その部分ではやはり現代の競走馬としては珍しいタイプとなります。

 配合的には大物感に欠ける印象ではあるものの、母方のスピード要素を活かしてマイル前後の距離体系で今後とも持ち味を発揮していけるのではないかと推察します・・・。


 1番人気だった3着馬の母は、あのハシッテホシ〜ノの全姉となる間柄ですね。アグネスタキオンを父に持つわけですが、折角BBLPの値が10以上であっても、ナスルーラ血脈がかなりコテコテ(計7ラインの継承で血量最上位の10.16%)となる部分が懸念される部分。

 まあ、配合相手となるホワイトマズルにはナスルーラ血脈がたった1つしかありませんので、その意味ではある程度懸念材料が相殺される可能性もありますが、今後の留意点としては気性面でうるさいところが露呈しないかどうか?というところ。

 パドックでの異様な発汗とかチャカつきとか(笑)、再度人気になっているケースなどではその辺を注意して観察してみるのも一考かな、と。

 配合的にポテンシャルが高そうなのは察しがつくので、あとはその問題点がどう影響しそうか?でしょうね・・・。

blood_max at 21:46|PermalinkComments(0) 2歳馬 考察 

2013年11月23日

第33回ジャパンカップ 考察

 正直、考察にあまり乗り気のしない今年のジャパンC。参戦してくる外国馬の面々がショボいこともありますが、そもそも既に重賞を何度も勝ち負けしているような馬たちが集うレースですので今更、彼らの血統背景について「ココが凄いゾ〜、云々」などと並べたてるのもナンセンスです。

 それでも、G1戦の考察記事をUPすると通常の3倍のスピードで接近します!、・・・じゃなかった通常の記事の3倍ぐらいの読者閲覧数を記録してしまうので(苦笑)、たとえその多くが冷やかし半分の閲覧だとしても、このブログで何をどう主張するかは一応述べておかないと、と考える次第にて。

 まず個人的に真っ先に思うことは、単に古馬最強を決める一戦ということだけでなく、まだG1戦を勝っていないような牡馬たちにとっては、ここを勝って種牡馬としての道筋を自ら「勝ち取る」という意味合いのレースでもあります。

 日本ダービーを勝っているエイシンフラッシュや、クラシック2冠馬でグランプリをも制しているゴールドシップ、天皇賞・秋を勝っているトーセンジョーダンなどは、既ににもう「道筋」はつけ終えているわけであり、あとは管理する陣営のプライドというか、ここで無様な競馬は出来ないという面子の問題。

 そういう意味で、牝馬であるヴィルシーナやジェンティルドンナには少々気が引ける物言いですが、「別にここで勝ってもしょうがないよ〜」という感じなんですね、誤解を恐れずに言えば。

 ただ、クラブ馬主の方々に「良い思い」をしてもらうには、生産者の立場からすれば当然そうもいかないわけで、ジェンティルドンナが勝つことでフトコロが潤う各馬主の方々に、次も「我々の生産馬を買ってね」という流れにしたいわけでしょう?

 景気はこのところ持ち直す傾向にあるとは言えども、ひと頃のようにクラブで募集する馬主が思うように簡単には集まらない状況になっているらしく、そこは大手生産牧場にとっても死活問題なんでしょうね・・・。

 まあ大手の思惑は思惑としても、やはりこういった根幹中の根幹距離であるこのレースで勝つべきなのは、やはり「牡馬であるべき」と個人的には強く思います。

 簡単に牝馬に負けているようでは、いくら既に種牡馬の道が開けている面々であっても、なんだ不甲斐ねえなあ、と思うしかないですね・・・。

 

11/24  東京11R ジャパンカップ(芝2400m)

1.ヴィルシーナ(ヘイロー3×4・5)

 エリザベス女王杯でも述べましたが、上記のようにコッテコテなトリプルラインでのヘイローの近親クロスを持つことが、競走馬としてはプラスになっても、今後の「母馬」としてプラスになっていくのかどうか?は未知ですし、そこが個人的には一番の関心事ですね。

 古馬になって以降の、配合のプラス面としては、あくまでもマイル近辺での「バテずに乗り切るスピード」だろうと思います。2400mで楽々と牡馬に勝てるような配合要素ではないでしょうし、それを馬に求めるのも酷かなと。


2.ナカヤマナイト(母父自身がナスルーラ4×3の近親クロスを持つ)

 この馬も前走の考察で触れてますが、母父カコイーシーズが上記のクロスを持つだけでなく、3代母のヒルガオという牝馬も全く同じナスルーラのクロス形態を持っています。

 そういう面で、母のフィジーガールには一風変わった特徴があるね、という印象。ただそれは「大舞台での底力」として常に機能するものではなく、あくまでも中山といった得意なコースでのみ、限定的に作用するもののようでして(苦笑)。


3.アンコイルド(同系配合馬でノーザンダンサー4×4)

 ノーザンダンサー系の両親を持つので当然、そういうタイプとして扱います。父のジャイアンツコーズウェイは欧州において種牡馬として成功しており、個人的にはこのアンコイルドが凱旋門賞に挑戦すると面白いのでは?と思うほどですね。

 ただ、母のTanzaniaも含め、アンコイルド自身の血統背景は率直に言って「ネアルコ3大血脈」のラインをこれでもかと集め過ぎ、の印象です。

 仮に、このままG1戦を勝つことなく引退していくとしても、父の後継としての立場は日本では貴重な存在であり、種牡馬になる可能性が充分にあります。

 まあその場合でも個人的には、ミスプロ系の繁殖牝馬とならそれなりの好相性を示すはずだと感じますが、ネアルコ直系の繁殖牝馬との配合は、あまり成功には結びつかないような印象ですね・・・。


4.エイシンフラッシュ(母ムーンレディはBBLPの考察対象外)

 この馬が2歳当時、母自身の迂回血ライン継承度(BBLP)を算出して考察していた経緯がありますが、やはり、ファラリス直系の子孫ではない父系を持つ繁殖牝馬の扱いは、それだと上手く説明出来ないことが徐々に判ってきました(苦笑)。

 通常の血統考察では、種牡馬にしろ繁殖牝馬にしろ「ファラリス直系子孫」であることを前提にしてBBLPを算出しております。

 そもそもにおいて非ファラリス直系であるドイツ血統などの異系ラインを無理矢理、迂回血ラインで包括的に説明するようなこと自体が無謀だったんでしょうね・・・。(>_<;)

 ただ、エイシンフラッシュ自身はファラリス直仔のシックルを祖とするミスプロ直系の馬ですので、晴れて種牡馬になった暁にはいずれ、「種牡馬 単体考察」のカテゴリ記事に登場させようと思います・・・。


5.トーセンジョーダン(ノーザンダンサー4×3)

 この馬も、アブラの乗り切った5歳時に天皇賞・秋を制しているのでジャンポケの後継として、今後のサイアーライン発展を託される立場となります。

 失礼ながらはっきり申し上げて、もうさっさと引退させて養生し、種牡馬の準備をさせてあげたほうが良かったんじゃないかな?と思うほかないですし、このあたりは個人馬主特有の「エゴ」でしょう。

 もうちょっと賞金を稼いでくれない?という感じで(苦笑)。


6.アドマイヤラクティ(母自身がノーザンダンサー3×4の近親クロスを持つ)

 ハーツクライ産駒の大物というのは結局、母自身がこういったコテコテなノーザンダンサー血脈を有していないと出て来ないのかな?という印象。

 ウインバリアシオンなどもそうですし、たまには「違うタイプの母」でハーツクライ産駒の大物を検証してみたいもんですな。

 母父エリシオは単体考察すると、BBLP=10として算出可能な種牡馬です。その父フェアリーキングのBBLP=3に、母Heliceの持つBBLP=7を加算して得られる値ですね。

 マイナー迂回血を1つ含めてのものですが、母の方からより豊富な迂回血ラインを継承することにより、スタミナ面を含めての充分な底力要素を得ているのがエリシオの持つプラス要素としての「一側面」です。

 エリシオのマイナス面は、サダムパテックの考察でも指摘したようにエリシオ自身の血量最上位がネアルコになってしまっている部分ですね。

 まあ、アドマイヤラクティの母アドマイヤテレサ自身は上記の近親クロスを持つことで、その「血の威光」のほうを強く主張しているので、ネアルコの要素は幾分、後ろに控える感じなんでしょうけども・・・。

 舞台設定としては申し分のないはずのAラクティですが、果たして自らここで「種牡馬になるための道筋」をつけられるのかどうか、その走りには注目ですね・・・。


7.ジェンティルドンナ(リファール4×4)

 マイルCSを軽々と勝ってしまったトーセンラーも、リファール(4×4)の近親クロスを持つタイプのディープ産駒でした。

 まあそれ以前の問題として、母のドナブリーニ自身がノーザンダンサー系の両親を持つ同系配合馬であり、且つノーザンダンサー(4×3)のクロスで「コテコテに武装」している母(苦笑)。

 まあ過去300年の配合セオリーをベタに踏襲する、サラブレッドの鑑ですな・・・。

 競走馬として強く成れたことには一目置くとして、個人的にはやはりこの馬が母としても将来、「芝重賞級の仔」をビシバシと産んでいけるのかどうか?に尽きますね。

 「当然でしょう」と思っている人ビトのほうが、圧倒的に多いのでしょうが。


9.デニムアンドルビー(母自身がヌレイエフ4×2の近親クロスを持つ)

 「父と母父」という見た目の要素だけで、血統考察が簡単に済ませられるものならば、D&ルビーが強くなっていかないほうがおかしい、となるわけです。

 何せ、現状においてサイアーランキング1位2位の座を占める両者の基本配合ですからね・・・。

 まあ実際には、「父と母父」だけで簡単に考察が済んでしまう馬などというものは存在しません。馬券の取捨として、いかに簡略化した視点がたまには有効だとしても、です。

 競走馬としての今のこの牝馬の状況を打開するには、乗り替わりは必然でしょうね。ウチパクがゴールドシップに乗るのが当然のことだとしても。

 そもそも、「オンナゴールドシップ」と化してしまいかねないような様相でしたから(苦笑)。

 まあ斤量の恩恵を受けて、どれだけやれるのかは見ものでしょう。秋4戦目で上昇度には乏しいだろうことには多少目を瞑っても。


11.ルルーシュ(母ダンスーズデトワールのBBLP=12:(2,5,5)だが・・・)

 このブログ的には、母自身の迂回血ライン継承度を優先して考察可能なこのルルーシュに、最も期待をかけたいのが正直なところ。

 ただ、レーヴドスカーを考察した件でも述べたように、この「母父」には良い印象を持てませんね(笑)。

 ハイエストオナーという存在自体が、個人的には「懸念材料のカタマリ」と言っても過言ではないほどの扱いですから。

 まあ過去記事で散々検証しているので、ハイエストオナーにまつわる「不都合な真実」にはもう言及しないでおきます。

 たまには、管理する藤沢和師のG1戦勝利に喜ぶお姿も見たいので、「とにかく頑張ってくれい」というほかありませんね・・・。


12.ゴールドシップ(母ポイントフラッグはBBLPの考察対象外)

 エイシンフラッシュの考察事例に倣えば、母のポイントフラッグ自身は異系トウルビヨン直系の父を持つ繁殖牝馬であることからして、やはり統一させた見解に集約していくべきかなと。

 過去記事にて、やはり無理矢理にこの母をBBLP=7:(3Tt,3Tw,1)として考察してきた経緯があったことは確かです。(Tの頭文字はトウルビヨンの意で小文字tはトリプル、小文字wは2つの、という意味)

 ただ、異系トウルビヨン直系の牝馬であること自体、配合相手のステイゴールドにとって「ストレートに呼応するアシスト要素」であることに関しては、これまでも一貫した主張なのでそちらを強調するのみ、ですね。

 高速馬場での斬れ味勝負になってしまうと、モロさを露呈するのは明白ですが、オルフェーヴルのいない今回、やはり種牡馬の地位を当確させている立場として、それに見合う横綱相撲をとってもらいたいところ。

 ルルーシュがこの馬に負けるのであれば、「そりゃ、しゃあない」と納得出来ますから・・・。


16、ヒットザターゲット(母ラティールのBBLP=9:(3,3,3))

 これまで、過去記事でこの馬を考察していた際、母父タマモクロスのBBLP=5として間違ったまま記憶していた関係で、シックルのラインを除外しても母のBBLP=10だとしていた件に関して、ご記憶の読者の方々がおられましたらこの馬を借りてお詫び申し上げます。m(_ _)m

 ただ、母ラティール自身を「単体考察」した場合にはBBLP=11:(4,3,4)として検証可能なのは間違いありません。(シックル経由のラインを含めた場合の)

 何より、このブログにおける検証の一貫として、キングカメハメハが「好相性」を示す繁殖牝馬というのは、実はノーザンダンサー系のラインを色濃く持つようなタイプよりも、むしろ上記のラティールのように、ほとんどノーザンダンサーのラインを強調しないようなタイプのほうが「芝重賞級」の産駒を出せていることを改めて主張しておきたいですね。

 ロードカナロア、アパパネ両馬の「母の父系」は、例外的にノーザンダンサー直系なのですが、そういうタイプの繁殖牝馬を相手に、キンカメが「芝重賞級」を出せたケースは他には全くありません。

 ヒットザTの全妹となる現2歳に、ヴァイセフラウという馬が存在します。まだデビューに至っていませんが、デビューしてくればこの妹についても注目していくべきだと考えます。

 兄に似て、「晩成傾向で平坦巧者」かもしれませんが(苦笑)。


 ◎はコレ、対抗はアレ、連下はソレ、などというような「印の提示」をしない内容にもかかわらず、当ブログにお立ち寄り下さいまして誠に有難うございます。m(_ _)m

 当ブログに対しては他の競馬ブログとは全く違う印象を持たれるかもしれませんが(笑)、血統に興味を持たれていらっしゃるアマチュアの皆様におかれましては、同じ立場として、「プロとは異なる目線」で血統考察を共有していくことが出来れば本望です。

 今後とも興味を持ち続けて頂けるよう、記事更新に勤しんでまいりたいと存じます・・・。 

blood_max at 19:27|PermalinkComments(0) 競馬 血統 予想 回顧 

2013年11月20日

'13 2歳戦 備忘録(48)

 スロー競馬が蔓延する、このところの2歳戦。回顧をパスするレースが続出しておりますが、これまで考察に至っていない面々でも今後に中身を伴ったレース内容で馬券圏内に来るのであれば、いずれ取り上げることになりますのでどうぞご了承のほどを・・・。


11/17  東京3R 2歳牝・未勝利(芝1800m)

1着 ティックルゴールド(母自身がノーザンダンサー4×4の近親クロスを持つ)

・RRP:125


2着 フライングスキップ(母フライングカラーズのBBLP=5:(4,1,0))


3着 サンマルホウセキ(母キミホウセキのBBLP=11:(4,4,3)だが・・・)


 このレースも取り立ててハイレベルな内容ではないでしょうが、個人的に注目していたステイゴールド産駒の牝馬が勝ったので取り上げておきます。

 まず、ステイゴールドは「牡馬」の産駒たちで芝重賞級となるのは枚挙に暇がないと言えるものの、「牝馬」での芝重賞級となると、途端にめっきり少なくなってしまうことにお気付きの方もいらっしゃるのではないかと思います。

 かつて、過去記事でステイゴールド自身の牝系であるロイヤルサッシュの系統が、かなり活力を失ってきつつあることを指摘しました。

 何より、ステイゴールドの全妹となるレクレドールが4勝をマークして芝重賞級となった以外の、残りの弟・妹たちは全部で14頭も存在したのに、そちらにはただの1頭も芝重賞級となれたものは居ません。(強いて挙げればメルヴェイユドールが3勝して準OPにまで上がっていましたが、重賞では3着)

 末弟となったZロブロイ産駒のケントリューズにおいても、全く活躍の芽がないままに競走馬としての生活を終えてしまっています。

 しかしながら、ステイゴールド自身はディープインパクトさえをも脅かすような実力のある産駒を続々と出してきており、種牡馬としてはまさに絶好調〜という状況で推移し、牝系の凋落ぶりとの対比においてもそこが実に興味深いことなんですね。

 つまり、ステイゴールド産駒の「牝馬」があまり活躍しにくい状況なのは、実はロイヤルサッシュ牝系の活力低下と密接に繋がっているのではないか?という推察も可能なのではないかなー、と。

 そういった中、あえて牝馬のステイゴールド産駒であるティックルゴールドに個人的に注目していたのはどうしてか?というと、その母父がフレンチデピュティだから、ですね。

 フレンチデピュティというのは、「母方に異系トウルビヨン経由のラインを2つ持つ」、という種牡馬です。当然、この母方の遺伝要素はX染色体をとおして「娘へ」と継承されますので、ティックルゴールドの母ティックルピンクには、かなりの確率でトウルビヨンの遺伝形質を濃い目に伝承している可能性が推察されます。

 つまり、同じ「父ステイゴールド×母父フレンチデピュティ」となる見た目配合でも、牡馬の産駒ではなく、牝馬の産駒のほうにより注目すべきなのでは?と直感した次第なので、デビュー前の段階でティックルゴールドに目をつけて検証することにした、というわけです。

 昨年まで、POGはもう一切やらない、という決心をしつつ2歳馬たちの血統をこのブログで考察&検証してきましたが、実は今年になって、常々会員として参加している競馬SNSのウマニティにおいて、独自ルールでのPOGを開催します!ということになってしまい・・・。

 会員各自が所有するウマニティポイントを「資金」とみなして、注目の2歳馬たちを指名・入札し落札出来れば仮想オーナーに・・・という本格的なシステムだったので、ついに5年ぶりぐらいでPOGに参加することに。
 
 現状、残念ながらランキング上位にはほど遠い状況ですが(笑)、一応、指名馬のゼウスバローズとティックルゴールドが勝ち上がってくれたことで、何とかそれなりの体裁は整えられたかな?という感じにて・・・。 
 

 ただ、ティックルゴールドに対する基本的な考察スタンスとしては、上記のように母ティックルピンク自身が持つノーザンダンサー(4×4)の近親クロスを優先させるのは通常のパターンと一緒です。

 あくまで、隠し味のスパイス的な遺伝要素としての「異系トウルビヨン」の資質継承が、ティックルゴールドの出世に奏功するかな?という視点で見守っていきたいと思います・・・。

blood_max at 21:47|PermalinkComments(0) 2歳馬 考察 

2013年11月18日

東スポ杯2歳S 回顧

 重賞なので通常の2歳戦備忘録とは別途に回顧しておきます。


11/16  東京11R 東スポ杯2歳S(芝1800m)

1着 イスラボニータ(母イスラコジーンのBBLP=6:(2,1,3)だが異系アシスト有り)

・RRP:147=126+7+5+9


2着 プレイアンドリアル(ノーザンダンサー4×4)

RRP:135=124+3+8(ダート勝ち上がりの為、初期値は減算措置)


3着 クラリティシチー(母タイキクラリティのBBLP=17:(9,2,6))


 時計としてはレコード決着でしたが、このレースに先立つ2歳未勝利戦(第4R・芝2000m)でも勝ち馬ベルキャニオンが2歳レコードを記録しているので、単純にJRAの「仕込み」による高速馬場であり、マスコミと同じようにチヤホヤして取り上げるべきことでもないでしょう。

 もちろん勝ったイスラボニータについては、いちょうSを勝った段階で既に完成度の高さでは同世代で群を抜いており、当方としてもここまでとは思っておらず、舌を巻いたほどでした。

 ご存知のとおりこの勝利により、フジキセキ産駒は16年連続で重賞制覇を成し遂げ、ノーザンテーストと並んでいた15年連続の記録を伸ばして単独での記録保持種牡馬となりました。

 この記録を破れる可能性のある種牡馬はおそらく、ディープインパクト以外には考えられないでしょうが、フジキセキの凄さはやはり、アウトブリード配合の優位性を如何なく発揮し、そもそも自身が頑健でありタフに種牡馬生活をこなしてきたという部分に尽きます。

 果たしてディープインパクトにここまでの「タフさ」が備わっているかどうか・・・。あの偉大なるサンデーサイレンスでさえも、まだまだこれからという年齢であの世へ旅立ってしまいましたからね・・・。

 まあその辺りの比較はともかく、上記のレース実績ポイント(RRP)でも示されているように、デビューから4戦して連を外さないままにこの重賞を勝ってしまったことで、既に11月の段階でポイント的には過去の「G1級」の名馬たちに肩を並べようかという150に迫る値。

 このブログで提示しているRRPは、150ポイントに到達する時点で「G1級」との判断をしていますので、イスラボニータがその領域への到達するのも時間の問題、でしょうね・・・。

 もちろん、フジキセキ産駒という基本的な観点から、ダービーなどの距離で果たしてどうか?という懸念がないわけではありません。今年の3歳馬で言えばタマモベストプレイがまさしくそういう懸念を払拭出来なかった典型的な例でしたし。

 ただ、配合としては事前考察で示しておいたとおり、フジキセキ産駒にとって有効な異系アシストと成り得るインリアリティ(4×5)のクロスを有するという点では、タマモBPには無い特徴がイスラボニータには有るということもあるので、今後の活躍度合いがどうなっていくか、非常に楽しみですね・・・。


 さて、個人的には事前考察で「注目馬の筆頭格」と述べておいたとおり、クラリティシチーを◎として単勝などのゲットを期待しましたが、イスラボニータとのワイド馬券1点が的中するのみにとどまりました(苦笑)。

 まあ終いの切れに関しては前走のいちょうSでも披露しており、今回のレースでも上がり3F最速で33秒3の豪脚を発揮・・・したまでは良かったのですが、先行馬に有利な展開(千m通過59秒6のスロー)で4コーナー10番手あたりというのでは、差し届かずとなっても仕方ありませんね・・・。

 差し馬全般に言えることですが、位置取りとしてもう少し前(道中7,8番手あたり)につけておいて、同じような上がりの脚が使えるかどうか?です。

 もう少し、その辺りでの進展がないと単なる勝ち身に遅い追い込み馬になってしまうだけなので、クラリティシチーにももう一段階のパワーアップを期待します。


 そしてそして・・・、事前考察で一番の興味深いポイントに挙げていたこととは、勝ち馬の出世度合いについてではなく、近5年の当レース「2着馬」につきまとう、“出世しきれないジンクス”についてでしたね・・・。

 事前考察では、よく分からん馬なので「静観の構えで」としたプレイアンドリアルが、そのジンクスを今後しばらくの間、「身に纏う」ことになってしまいました。

 まあ、あくまで「近5年の東スポ杯2歳Sの2着馬」たちが、このレース以降の重賞で「1頭も勝っていませんよ〜」というだけのことなのですが、プレイアンドリアルが果たしてそのジンクスを軽々と「打破」していけるかどうか?

 俄然、興味の対象として急浮上しちゃいましたね(笑)。

 M軍団の総帥として、また天下一の相馬眼の持ち主として、「コスモバルク以上の器」とO田総帥ご自身がベタ褒めする逸材であるプレイアンドリアル。

 アッサリと今後の重賞路線で連対していってしまうのか、そのレースぶりをとくと拝見させて頂きたく候・・・。 

blood_max at 21:24|PermalinkComments(0) 的中記事コレクション | 2歳馬 考察

2013年11月17日

マイルCS 回顧

 日付が変わらぬうちに、G1戦については軽く回顧を。

 事前考察で述べたように、トーセンラーについては勝たれたら仕方がないというスタンスで、あえて3着付け固定に徹しました。

 まあ、そもそも穴党の身としては今回のように1〜3番人気の馬で決まるような馬券など眼中にないので、どのみち当てようがありませんでしたが(苦笑)。

 トーセンラーについては散々、いきなりのマイルはどうか?などとプロ予想家の方々も喧々諤々の様相でしたが(笑)、終わってみれば元々マイル路線主体の面々とは、素材としての「器」が違った、ということなんでしょうね・・・。

 まあジェンティルドンナがもしここに出ていたら、トーセンラーも勝てていたかどうか怪しいもんですが。


 個人的に期待を表明し◎としたコパノリチャードは、思ったように後続を引き離せず、逃げの手としては中途半端なものになってしまいました。

 ただ、千m通過は58秒3なので、これ以上飛ばすのも春の競馬の二の舞いですし、要は2番手・3番手の馬たちに執拗に食い下がられつつ推移して、息を入れる暇もないまま直線を迎えてしまったという感じでしたね。

 それでもバテずに4着に踏みとどまっていますし、古馬相手に現状で出せるポテンシャルは出し切っていると思えるので内容にはほぼ満足出来るものでした。

 コパノRには来年以降も、マイル路線で主役級の活躍がしていけるよう願っています・・・。

blood_max at 23:57|PermalinkComments(0) 競馬 血統 予想 回顧