2013年06月

2013年06月29日

'13 2歳新馬戦 注目馬(4)

 明日は3歳重賞のラジオNIKKEI賞が施行されますがハンデ戦ということもあり、正直言って血統的にどうこうという考察意欲があまり湧きません。

 ハンデ戦の割りには人気どころがしっかりと上位に来る傾向にありますし、このレースで馬券になったからといって、全てがその後も重賞級の活躍を続けているかというとそうでもなく、むしろ下位に沈んだような馬たちのほうがその後に出世しているケースも多々あります。

 昨年で言えば4着のメイショウカドマツ(ダイヤモンドS・3着)、5着のクリールカイザー(メトロポリタンS・2着)、6着ダイワマッジョーレ(金鯱賞2着〜京王杯スプリングC・1着)、11着のサンレイレーザー(マイラーズC・2着)などなど・・・。

 つまり、このレースで上位に来ようが下位に沈もうが、以後の出世に関してはその成績が反映しにくい、ということであって、血統面からの事前考察もしにくいし(笑)、その結果を回顧したところで今後の行く末を反映しないんですからあまり意味は無し、ってな印象なんですよね・・・。

 ちなみに昨年の勝ち馬は、

・ファイナルフォーム(母ファイナルデスティネーションのBBLP=11:(10,0,1)だが)

 母の父であるO'Reilly自身はBBLP=10という豊富な「迂回血ライン」を継承する種牡馬ですが、同時にネアルコ経由のライン継承も過多(=計9ラインで血量最上位の14.06%)となる欠点を持ちます。

 更に、この母父以外からのBBLPの加算がほとんどない「デジタルパターン」となるのも、母ファイナルデスティネーション自身の欠点と思われ、人気サイドに支持されるとコケやすい側面を併せ持つのも産駒の特徴。

 実際、ファイナルフォームは順風満帆に出世街道を突き進んでいったかというとそうはならず、富士Sで2着になって以降の4戦は全て、オッズ人気よりも着順を下げる(3番人気12着、2番人気3着、6番人気9着、2番人気5着)という経緯で現在に至っています。

 もちろん、このまま終わる馬だとは思っていませんが、いずれにせよムラな成績が続く傾向は今後もさほど変わらないでしょう。


 一昨年の当レースは、福島競馬場が被災した影響で中山での代替開催なのでコース適性も異なり、回顧してもあまり意味はないですね。そこで2010年の勝ち馬はというと、

・アロマカフェ(母カリーノカフェのBBLP=7:(6,1,0))

 奇しくも、またもやデジタルパターンの母でして(苦笑)。この馬もその後セントライト記念で3着となって以降、不振が長く続いて、結局のところ準オープンを卒業しきれない状況のまま推移しています。

 まあ過去記事で何度も指摘しているとおり、母が持つ血統的な欠点や懸念材料をやさしく、丸〜く包み込み、ある程度は覆い隠してしまうような包容力も相手の種牡馬には必要であり、ディープインパクトやマンハッタンカフェにはその素養が充分にある、ということでもありますけどね・・・。


 さてさてじゃあ今年は・・・、と渋々注目馬を挙げるとすれば、

14.ダービーフィズ(母マンハッタンフィズのBBLP=11:(4,6,1))

 青葉賞での惨敗(12着)は個人的にもかなりショックでした(苦笑)。ほとんど後方ままで、競馬をしていないという印象もあるのですが、ジャンポケ産駒特有の気性面のムラが作用している可能性もかなり・・・。

 せっかく、BBLP=12という値を持ちながらジャンポケが種牡馬としてイマイチなのは、やはりナスルーラ血脈に由来する気性難を伝達し易い部分が産駒の活躍度を左右するからだろうと、半ば諦めています(笑)。



 では本題の2歳戦を。と言っても福島の新馬戦では興味をそそられるような血統背景の馬がおらず、今回は考察見送りの扱いとさせていただきたく候・・・。一応、備忘録記事のほうで馬券になった3頭については回顧するつもりでおります。

 1頭だけ、注目馬というよりも怪しい雰囲気のタイプとして取り上げておくと、

15.トーセンカーネル(母レディアップステージのBBLP=9:(6,0,3)だが・・・)

 母の父はアルザオで、もう少し活躍馬を出せそうな印象のレディアップステージだったのですが、半姉のタガノミュルザンヌや全兄のタガノラルフはいずれも1勝馬の身のままで不振傾向。

 タガノラルフは中京2歳Sで2着となりながらも、その後は全く結果を出せていませんしね・・・。

 母レディアップステージ自身の欠点としてはやはり、ネアルコ血脈の過多(=計11ラインの継承)にあるのではないかと思います。

 血量自体は最上位ではないのですが、その場合でも大台の10を超えるライン数というのは、活力の欠如につながってしまうのではないか?との懸念があるんですね。

 まあ、もし今回馬券になるにしても、今後の行く末はかなり?・・・とだけ言っておきます。


6/30  中京5R 2歳新馬(芝1600m)

11.ラインハート(母チェルカのBBLP=18:(9,4,5)だが・・・)

 こちらのレースも、特に注目というタイプは見当たらず、今後とも要注意?とでも言うべきタイプを取り上げておこうかなと(苦笑)。

 まず、「父ステイゴールド×母父クロフネ」となる見た目配合においては過去記事にて何度か言及し、「母父クロフネ」そのものについてはあまり期待出来ないが、ステイゴールドとの配合であればどういうタイプが出てくるのか、とても興味があると常々述べてきました。

 最初の考察対象としてはアイスフォーリスで、オークス3着となったまでは良かったものの、その後は低迷を続けて今に至っています。

 2頭目はグッドレインボー。こちらもエルフィンSで3着となったあたりまではまずまずという感じでしたが、やはりその後は大敗を経験するという経緯。

 クロフネ自身について、牝馬のG1級産駒はそれなりに数を出せているのに、有力な後継種牡馬足りうる牡馬の産駒がフサイチリシャール以降、まったく出てくる気配がないのは、自身の持つ欠点、「ネアルコの血量が最上位」の影響からではないか?と、過去記事にて何度か言及してきました。

 「ま〜た、その話かい?」と思われてしまうかもしれませんが(苦笑)、このブログでは避けて通ることの出来ない問題なのであります、ハイ。

 今回、3頭目の考察対象となるラインハートの母、チェルカ自身もやはりクロフネの欠点をそのまま継承するような形で、ネアルコの血量は最上位(8.2%)、なお且つライン継承は合計12ラインの大台超え。

 せっかく、豊富な迂回血ライン数(=BBLP)の継承がありながら、同時にその効力を大きく阻害する要因をも併せ持ってしまっているのが、この母なんですね・・・。

 それでも、ステイゴールドにとっては、クロフネ自身が内包する「異系トウルビヨンのライン=計3つ」の要素が、ノドから手が出るほど欲しいのも確かかな?と(笑)。

 サンデーサイレンス系種牡馬たちの中で、ステイゴールドほど「異系トウルビヨン」のラインと相性の良いタイプは他にはほとんど見当たらないのも、もはや周知の事実です。(アグネスタキオンも好相性となるはずのタイプでしたが、既にこの世を去ってしまったので・・・)

 要するにここで言いたいことは、クロフネの欠点を承知の上で、その娘とステイゴールドとの配合を数多く検証してみるのも考察の上では大変興味深いなー、ということなんですね。

 というワケで、ラインハートの今後の活躍度や如何に?・・・としておきたいと思います。


 他の出走馬ではアダムスピークの半妹、

8.リラヴァティ(ヘイロー3×4)

 母のシンハリーズはシングスピールの娘ですが、結局どのサンデーS直仔種牡馬と配合しようが、上記の「奇跡の血量」となる近親クロスが必ず生じる配合、ということですね。

 まあ常々、ヘイローの近親クロスなる要素は、「諸刃の剣」的な配合の典型と考えております。上手くいけばG1級になり、下手をすると気性難要素が全面的に災いして大コケし易いタイプになる、というような。

 兄のアダムスピークも正に天国から地獄という感じの、典型例になってしまっています。まあリラヴァティは牝馬なので、牡馬ほどには気性難に左右されにくいかもしれませんが、どうなりますか・・・。

blood_max at 21:50|PermalinkComments(0) 2歳馬 考察 

2013年06月26日

'13 2歳戦 備忘録(5)

6/23  東京5R 2歳新馬(芝1600m)

1着 マイネグラティア(母父自身がターントゥ3×3の近親クロスを持つ)

・RRP:126


2着 ドリームティアラ(母自身がネイティヴダンサー4×4の近親クロスを持つ)


3着 キョウエイダルク(母自身が同系配合馬)


 全出走馬の半数近い7頭が牝馬でしたが、掲示板を占めたのはすべて牝馬たち。なんつーか、この時期のオス馬ってやっぱし仕上がりきらんというか、不甲斐ないというか・・・。

 調教の時計は出ていないものの、ルルーシュの全弟ということで事前考察で取り上げたレッドウォーリアも、2番人気の支持を得ながら9着に敗退。

 レッドーウォーリアについては母父ハイエストオナーの存在が胡散臭い、と少々揶揄気味に評価をしておきましたが(笑)、このままだとやっぱりウサンくさいかも・・・。

 まあもう少し、仕上がるのは先ということにしておきましょうか・・・。


 個人的に◎にしたのは事前考察で「調教内容良し」として取り上げたキョウエイダルクでしたが、勝ったのは同じネオユニヴァース産駒のマイネグラティアで、こちらは取り上げてませんでしたね(>_<;)。

 いつものウマニティの予想登録ではこのネオU産駒2頭をワイドの買い目に入れ、一応はプラス的中しているんですが、片方を記事にしていないようでは大きな顔は出来ませんな・・・。

 
 今回の上位3頭はいずれも何らかの形で近親クロスに頼るタイプで、その意味では今後とも特に注目し続けたいということもないですね。

 個人的には、この上位3頭と時計面でもほとんど遜色なかった、

4着 ベルプラージュ(母ベルフィーチャーのBBLP=14:(7,4,3)だが・・)

 勝ったマイネグラティアとは0.2秒差、大体1馬身程度で、3着のキョウエイダルクともクビ差しかなく馬券的には惜しい内容。

 母自身にナスルーラ血脈過多(計7ライン保持)という確固たる懸念材料があるのが気になる部分ですが、今後ともしばらくは継続的に見守り続けたいと思います・・・。


6/23  阪神1R 2歳未勝利(芝1600m)

1着 スペランデーツァ(母自身がサーアイヴァー3×4の近親クロスを持つ)

・RRP=123


2着 ティーエスハーツ(母バルバラのBBLP=3:(3,0,0))


3着 ピークトラム(考察外)


 連対した2頭は前走芝1400m戦からの距離延長。勝ったスペランデーツァは初戦で8着でしたが、上がり3Fはメンバー最速の34秒7を計時していました。

 そして今回もまたメンバー最速の上がりで34秒6。まあ分かりやすい能力指標なので、今後とも人気を背負うようなレースを続けそうですが、個人的にはマンハッタンカフェの産駒ということで注目していきたいと思います・・・。


 2着馬については、デジタルパターンとなるBBLPの母を持つのが今後の研究対象としては興味深いかも。この馬の兄・姉たちの活躍度はいずれも低く、どうなっていきますかね・・・。


 3着馬の母、タッチザピークはタッチミーノットの半姉にあたる存在ですが、その血統背景にノーザンダンサー経由の「トリプルライン」があるのが確認できますので、このブログのルールにより血統考察の対象から除外します。

 なお、半兄にはクロフネ産駒のタッチザターゲットがいますね。先日のユニコーンSで12番人気という低評価ながら掲示板に載る5着と健闘。

 個人的に、ノーザンダンサーのトリプルラインを持つような繁殖牝馬の産駒は、こうしたダートに向くケースが多いのではないかと考えております。もちろん、芝向きとなるようなタイプがそれなりに居るだろうとしても、です。

 とにかく、こういう血統背景の母を持つタイプの活躍度がどうあれ、個人的には興味の対象から外れるという旨お伝えしておきます・・・。


6/23  阪神5R 2歳新馬(芝1800m)

1着 ピオネロ(母自身が同系配合馬)

・RRP:128


2着 レッドラヴィータ(母ディクシージャズのBBLP=15:(3,6,6))


3着 カレンヴィットリア(ノーザンダンサー4×4)


 このレース時点でも小雨模様だったたように、良馬場発表であっても少々ノメるような走りづらい馬場であった可能性もかなりあります。

 そのレース内容は馬場状態というより新馬戦特有なものともいえますが、千m通過のタイムは66秒1という超スロー。

 14秒近いラップ連発というのは、いくら若駒であっても競走というよりはキャンターに近いとでも言うべきものでしょう。当然、終いの加速力勝負となり、勝ったピオネロの上がり3Fは33秒4という速さでした(やっぱり良馬場?・・・苦笑)。

 まあどのみち、2戦目以降の「完全な」良馬場でのレース出走時に再判定ということで・・・。



blood_max at 22:30|PermalinkComments(0) 2歳馬 考察 

2013年06月25日

'13 2歳戦 備忘録(4)

 昨日は仕事が遅くなり回顧記事UPの時間が取れず終い・・・。1日空いただけで、終わったレースなんぞへの関心がかなり薄れるような気もしますが(苦笑)、まあ記録としての意味合いもあるので一応残します。

 まず宝塚記念ですが、馬場があーなら結果はそーだろね、ってな、特に感慨も何もない決着。レース後の各騎手のコメントでは総じて馬場の重さを敗因に挙げていたように、良馬場とは名ばかりの状態。

 言うまでもなく、ゴールドシップの持ち味がフルに発揮されたわけで、凱旋門賞に挑戦するなら東京向きの馬などでなく、正にゴールドシップのようなタイプこそが行くべきだろう、というしかない印象。

 ジェンティルドンナも牡馬相手に、必ずしも得意でない馬場状態でよく頑張ったほうだと思いますが、凱旋門賞挑戦となると、今回のような馬場よりも更なるタフさを要求されるのが常ですので、チト暗雲が立ち込めるような気も。

 存分に強さを発揮出来る東京コースでのG1戦こそ、秋の目標にすべきだろうと思うのですが。



6/22  東京1R 2歳未勝利(芝1600m)

1着 ウインイルソーレ(ノーザンダンサー3×4)

 前走の芝1400m(8着)からの2戦目。レース時は重馬場でしたので、単純に重馬場を苦にしなかったことによる変わり身でしょう。3戦目以降、良馬場でのパフォーマンスを再確認する必要があります。


2着 ブラックチョコ(母スイートペルシークのBBLP=12:(3,6,3))

 こちらはデビュー戦(6/9)で3着だったので備忘録記事にて既に1度回顧済みの馬です。前走は芝1800mで良馬場、今回は距離短縮のマイル戦で重馬場。

 条件が変わってもソツなく競馬出来るあたりはかなりセンスが良さそう、ってなところでしょうか。ただ、今後とも惜しい2着・3着などが続くようだと典型的な「勝ち身に遅いタイプ」とのレッテルを貼られかねない場合も。

 今の時期は、牝馬限定戦に出るよりもかえって牡馬相手のほうがいいのかもしれませんね。斤量差はないものの、牡馬の多くが陣営の期待ほど仕上がり切らないケースも多いので。

 まあいずれ勝ち上がるにしても、更なる距離短縮だけはご勘弁を(苦笑)。


3着 エリーフェアリー(母キセキスティールのBBLP=12:(6,3,3))

 こちらはデビュー戦(6/9)の事前考察で取り上げた馬です。「母父フジキセキ」については今後もっと注目度が上がるだろう、父アルデバラン2も母方にダマスカスを持つミスプロ系種牡馬なので意外性のあるタイプとして注目、などと述べました。

 基本的にマイラーだろうと思いますが、とも。

 初戦での注目度は低く、12番人気で8着という内容でしたが、今回、ほぼ適距離と思われる2戦目で着順を上げてきました。

 まあこの馬も、重馬場が奏功しただけかもよ?と言われれば返す言葉もないですが(苦笑)、やはりまずは馬券に絡むような内容も大事。

 読者の皆さんにも、今後の良馬馬でのパフォーマンスにも注目してあげて欲しいですね。せっかく、母自身の迂回血ライン継承度(=BBLP)で考察可能な、今どき貴重〜なタイプですから・・・(笑)。

 期せずして、2着ブラックチョコの母もBBLP=12となるタイプ。それぞれ3分割表示した場合の迂回血ライン分布は少し異なっていますが、これは、「キーとなる存在」としての特定の先祖が持つBBLPの値の重要度が、決して「母父」だけではない、ということでもあるのです。

 今回は、近親クロスが「奇跡の血量」となっているタイプが「目の上のタンコブ」で1着になっちゃいましたが(>_<;)。


 *23日施行分の新馬戦回顧記事につきましては、また次回の更新と致します・・・。m(_ _)m

blood_max at 22:19|PermalinkComments(0) 2歳馬 考察 

2013年06月22日

'13 2歳新馬戦 注目馬(3)+宝塚チョイ考

 オルフェーヴルの回避で少々興醒め感もある今年の宝塚記念ですが、基本的に4強だろうと3強だろうと順当な人気どおりの決着なら、ハナから馬券妙味など薄いとしか言えない様相。

 まあ、3強の一角を崩す馬が居るか?というよりも、3強の内どれかが勝手にコケるとすればどいつだ?というアプローチになろうかと思います。

 個人的には重め馬場なら真っ先にジェンティルドンナを切ろうかと思ったのですが、レース当日はどうやら良馬場に回復の模様で、切れ味を削がれるようなシーンは取りあえず無さそうな感じですね。

 ただ、56キロを背負うのは初めてで、なお且つ牡馬との斤量差も国内ではこれまでで最少となるので、突き抜けるようなパフォーマンスを期待するのはいかがなものかな?という気も。

 3強で決まってしまえば仕方ないというスタンスをとりつつ、ダメ元で狙ってみたいのはヒットザターゲットあたり、ですかね・・・。

 同じくダメ元で大逃げを打つと思われるシルポートを行かせて、離れた2番手で追走という形をとってもらうのが理想。近走同様に後ろから行ったって、3強に敵うはずもありませんしね・・・。

 宝塚記念というレースは、まあ一足早い夏祭りみたいなもんで、馬券的に大儲けしようなどと目論むレースでもなければ、血統的にこれが狙い目なんて考察をするようなレースでもなし(苦笑)。

 血統考察を期待した読者の方々には申し訳ないですが、そういう類いのレースではないですね・・・。


 んでもって本題に。

6/23  東京5R 2歳新馬(芝1600m)

1.ベルプラージュ(母ベルフィーチャーのBBLP=14:(7,4,3)だが・・・)

 調教内容はまずまずで、12秒5を切るラップもチラホラ。仕上がっているほうだろうと思われます。血統的に気になるのはミスプロ(3×5)のクロスの影響がどの程度か?という部分と、母のベルフィーチャー自身が持つナスルーラ血脈が少し多過ぎ(計7ライン)かも?という部分。

 ベルプラージュ自身の持つミスプロ(3×5)のクロスについては、「4代以内で成立するクロス」ではないので血量で15.63%であっても、かねてより4代以内クロスの有効性のほうを重視するスタンスです。

 この辺は異論もあろうかと存じますが、血量の値だけが全てではないと考えております・・・。

 ただ、影響が全くないとも言えないので、母自身のBBLPに(だが・・・)の表現を加えて様子見、の位置付け。まあ個人的にはナスルーラ血脈過多のほうが多少ネガティヴなものに映りますが。


4.キネオダンサー(母自身がリヴァーマン4×3の近親クロスを持つ)

 調教では12秒5以内のラップが出ていないので注目馬の条件から外れるものの、一応ディープ産駒ということで取り上げておきます。

 母であるオールアイキャンセイイズワウ自身が上記の近親クロスを持つのが特徴ですが、むしろネアルコ経由のライン継承が合計11と、大台を超えているのが少々懸念される部分。

 まあ、配合相手のディープ自身がネアルコ経由のラインを僅か3つしか持たず、配合牝馬の持つ血統的な欠点を柔軟に緩和・減退化させるのが種牡馬として凄い部分でもあるんですが・・・。


11.トライアゲイン(母自身がミスプロ2×3の近親クロスを持つ)

 母のシェープアップ自身は上記の超絶クロスに加え、ノーザンダンサー(4×4)のクロスも併せ持ちます。まあ調教で12秒5以内のラップを2度計時しているので取り上げましたが、個人的には注目すべき血統とは別段、思っておりません(笑)。あしからず・・・。


13.キョウエイダルク(母自身が同系配合馬)

 母のデアリングシスターはデアリングハート(府中牝馬Sで2勝など)の半妹ですね。と言っても両親がノーザンダンサー系で、且つノーザンダンサー(3×3)のキツめなクロスを持つので姉と同列には語れませんが。

 娘のキョウエイダルク自身は12秒4、11秒9のラップを計時しているので仕上がりに関しては及第点以上でしょう。まあ血統的に将来性がどうとかは、現段階ではあまり見えづらいものがありますが(苦笑)。


15.レッドウォーリア(母ダンスーズエトワールのBBLP=12:(2,5,5)だが・・・)

 全兄にルルーシュが居るので取り上げましたが、直近の調教では12秒5以内のラップは1度もないですね。まあ藤沢和厩舎の管理馬ということで当然上位人気にはなるでしょうが。

 個人的にこの母の血統を見つめてきて感じるのは、どうも母父ハイエストオナーの血統背景が胡散臭い(笑)。この母父自身がナスルーラ直系の両親を持つ同系配合馬なので、BBLPでの考察が適用しにくい印象なんですよね・・・。

 全兄ルルーシュはアルゼンチン共和国杯を昨年勝ち、今年も目黒記念で2着と、長めの距離の重賞でまずまずの成績ですが、G1級と成るには一歩も二歩も足らんな、という印象も。

 これでジャパンCあたりをズバッと勝つようであればベタ褒めしたいところなんですが。

 ハイエストオナー自身の血統背景にナスルーラ血脈の影響が濃過ぎる(血量最上位の18.75%)という部分で、せっかくの母自身のBBLPに少々悪さをしている?という感じで・・・。

 ちなみに、1歳上の半姉ガムザッティはハーツクライ産駒で、リファール(4×4)を優先考察するタイプとなりますので全くもって参考外、ですね。


16.メイショウカイモン(ノーザンダンサー4×4)

 上記のクロスは正確には(4・5×4)というものですが、何度も言っているように4代内で成立の、という条件のもとに考察しております。

 メイショウサムソンは初年度産駒から全般的にズブさ全開、という印象。素軽い身のこなしというイメージも皆無で(苦笑)、初戦から狙えるというタイプはまず見当たらず・・・。

 まあそれでも、3歳の面々はボチボチ好走し始めているという感じでもあり、単純に晩成傾向なんでしょうね。緩やかに力をつけていく、という感じで。

 メイショウカイモン自身は12秒5を切るラップを2度計時しているので一応取り上げた次第ですが、今後とも重め馬場とか洋芝とか、パワーの必要な馬場でならどうにか、という印象程度ですかね・・・。


6/23  阪神5R 2歳新馬(芝1800m)

1.ヴァンクウィッシュ(母アランセラのBBLP=10:(6,4,0)だが・・・)

 半兄にサブジェクト(札幌2歳S2着)などが居たものの、全般的に2勝以内にとどまっている兄弟ばかり。母自身のBBLPに(だが・・)を付加したのは、アランセラの血統背景におけるネアルコの血量が最上位(11.13%)となってしまう部分が懸念材料だから、ですね。

 まあ相手のマンハッタンカフェ自身がネアルコ血脈を3つしか持たず、その意味ではディープインパクトなどと同様に配合牝馬のそうした欠点を柔軟に受け止める長所は幾らかあろうかと思いますが。


3.レッドラヴィータ(母ディクシージャズのBBLP=15:(3,6,6))

 兄姉で芝重賞級の活躍が出来ているのはレッドデイヴィスぐらいですが、それもセン馬となった上での成績だけに、チト参考にしづらいのも確か。

 ダイワメジャー産駒のヒカルエリントンの場合はノーザンダンサー(4×4)のクロスを優先考察せざるをえませんしね・・・。

 最近のスペシャルウィーク産駒はズブめなタイプが増えてきて、ダート向きのタイプが多い傾向にありますが、やや重たい配合に思えるレッドラヴィータについても、どう成長していけるか長い目で見守っていこうと思います。


6.カレンヴィットリア(ノーザンダンサー(4×4)

 配合の見た目「父と母父」でも、上記クロスにおいても良くある配合、の1頭。一応、母方にはエラマナムーの血があり、これはホワイトマズルの母父でもありますので、スタミナの核のようなものは備わっているという印象は持てます。

 あとはノーザンダンサーのクロスそのものがでしゃばり過ぎなければ、良い方向性もあるかなと。

blood_max at 16:25|PermalinkComments(0) 2歳馬 考察 

2013年06月17日

'13 2歳戦 備忘録(3)

6/16  東京5R 2歳新馬(芝1600m)

 まず今回の結果についてですが重馬場だったということで、以前から述べているとおり、血統ポテンシャルの出方については「次走以降の、良馬場での内容」を再度検証してから判定する、というスタンスを常にとっております。

 まあレース時点では回復途上の、「やや重」に移行する少し前の段階という感じの馬場状態ではありましたが、上位に来た馬も、下位に沈んだ馬も、今回に関しては共に額面どおりには受け取らないでおきます・・・。

 
1着 リターンラルク(母父自身がハイペリオン4×3の近親クロスを持つ)

・RRP:126

 この馬の母リターンキャストはノーザンダンサー系の両親を持つ同系配合馬で、ノーザンダンサー(2×4)のキツめな近親クロスも持っています。

 母父ノーザンテースト自身の持つクロス要素に加え、母自身がコテコテで、二重三重の意味でBBLP(=迂回血ライン継承度)での考察が出来ないタイプ(笑)。

 この時期にもう勝ち上がるようなディープ産駒はむしろ珍しい部類という印象ですが、半兄や半姉に芝重賞級の活躍実績が皆無だけに、今後の伸びしろがどの程度なのか、じっくり見極めたいところ・・・。


2着 ウインフェニックス(母シャインプレジャーのBBLP=16:(10,4,2))

 直線に向いて馬群を割ってグイっと伸びてきた時には一瞬、勝ち切ってしまうか?という感じの勢いでしたが、そこから内ラチ沿いへ一気にモタれてしまい、わざわざ一番馬場の悪い部分を走ることになって最後は勝ち馬に差されるという内容。

 内ラチへ一気にササるという大失態がなければ、おそらく勝ち切っていただろうと思われます(まるで、凱旋門賞でのオルフェーヴルのような負け方だし・・・笑)。

 ただ、馬場状態を苦にしなかったのは確かでも、今後の良馬場で今回見せたような伸び脚が披露出来るのかどうか、やはり次走以降に判定は持ち越し、ですね。

 次走が良馬場で、芝のマイル〜1800m戦においてすんなり勝てるようであれば母のBBLP=16はダテではない、との判断を下すことになりますが。

 くれぐれも陣営が、「次は1400mで使ってみようか」などということになりませぬよう・・・。(>_<;)


3着 デルカイザー(母シェリールのBBLP=6:(4,1,1))

 事前考察でも述べましたが、まあ今後ともマイラーとしてどうか?という感じですね、いかにも・・・。ただ、やはり重い馬場を今回は苦にしなかっただけかもしれず、今後とも良馬場でも勝ちあぐねる状態が続くようだと、ダート転向などがチラつくでしょうけども。

 現状、可もなく不可もなく、というところ・・・。


 *個人的に期待してみたフジキセキ産駒のオベリスクは12着と惨敗してしまいましたが、今回の敗因が距離なのか、重馬場なのか、もう少し見極めたいですね。インリアリティのクロス要素がダート向きに出ている可能性もありますし・・・。

 いずれにせよ、他の大敗した面々も馬場状態に対応し切れなかっただけかもしれませんので、それぞれの2戦目の内容がどうなるか、もう少し長い目で見てあげましょうかね・・・。 

blood_max at 22:01|PermalinkComments(0) 2歳馬 考察