2013年02月

2013年02月26日

'13 3歳戦 備忘録(12)

2/23  中山5R 3歳未勝利(芝2000m)

1着 ライズトゥフェイム(母バラファミーのBBLP=8:(4,2,2))

2着 ネコタイショウ(母パシェンテのBBLP=10:(5,4,1)だが・・・)

3着 マデューロ(ノーザンダンサー4×4)


 普段なら回顧をパスするようなスローの典型といった感のレースではありますが、弥生賞、ひいては皐月賞と同舞台となるところですので一応見ておきます。

 レース展開としてはネコパンチの半弟、ネコタイショウが兄譲りの逃げ?でまずまずの持ち味を発揮。千m通過時は61秒7で、ありきたりのスローという印象は拭えませんけれども。

 今回は開幕週と言っても、昨年12月アタマから今年の年初にかけて中山開催は続きましたので特段、絶好の馬場ということでもないわけで、むしろ傷んだ部分の張り替えやシート養生などの馬場回復に努めた期間という感じでしょうから、時計レベル的にはこんなものだろうと思います。

 昨年12月アタマでの、やはり中山開幕週として同舞台で葉牡丹賞が施行されましたが、これがまた低レベルな一戦で勝ち時計は2分3秒6という程度。

 勝ったトーセンヤマトの次走はまだのようですが、2着以下の面々で次走以降に巻き返す結果となったのはマイネルストラーノ(ホープフルS2着)、ヒラボクディープ(水仙賞1着)などの連対があるぐらいですね。

 年明けでの同舞台、寒竹賞では2分1秒7という時計でしたが、こちらも勝ったマンボネフュー以下の面々が次走以降への好走に結びつけられるレベルではない有様。

 この寒竹賞の勝ち時計よりも更に遅いのが、一週順延となった京成杯で計時された2分2秒3で勝ったフェイムゲームの内容。まあ多少重め残りの馬場だったのは確かですが、重賞としてはやはり物足りない印象。

 そして上記のネコタイショウが逃げ粘った展開で、勝ち馬が計時したのが2分2秒6ですので、未勝利戦レベルとしてはなかなかの内容と捉えるのか、それとも京成杯こそがショボい内容と受け止めるべきか・・・。

 まあ、人によって受け止め方は全く異なってくるだろうと思いますが(苦笑)。


 個人的には勝ったZロブロイ産駒のライズトゥフェイムよりも、兄と似たような脚質でいかにも、という感じのネコタイショウに今後とも、ある程度の注目はやはりしておきたいところですね。

 母のBBLPに(だが・・・)を付記しているとおり、母パシェンテの血統背景においてはネアルコの血量が最上位となるという、このブログでお決まりの懸念材料がありますので(笑)、兄同様に人気薄で一発あるような秘めたるポテンシャルがあっても、それがコンスタントに出ないというか、ムラ駆け的な部分として表出してしまうと思われますが。

 ただ今回のように上手いこと気分良く先行して運べれば、当然BBLP=10に由来する中距離適性は備わっているはずですので、勝ち切れない競馬であっても人気薄の立場で馬券に絡む今回のような走りは今後ともどこかで再現されるケースもあろうかと思います・・・。

 
2/23 阪神11R アーリントンC(芝1600m)

1着 コパノリチャード(母ヒガシリンクスのBBLP=12:(3,5,4))

・RRP:135=124+3+8

2着 カオスモス(考察外)

・RRP:132=122+3+7

3着 レッドアリオン(母エリモピクシーのBBLP=9:(5,1,3))

・RRP:123(レース前に同じ)


 いやあ結局、コパノリチャードが「器の違い」でやっぱり勝ってしまいましたか(苦笑)。事前考察で述べたとおり、このアーリントンCというレースの近年の傾向からすれば、勝つよりも2、3着程度に程よく負けて、更に切磋琢磨するほうが出世の道が開かれる・・・、てな印象が色濃い様相なのですが。

 Dr.コパオーナーは、早くも皐月賞出走に色気を見せている模様ですが、そういう目算であるならばもう少し早い段階で、1800mか2000mのレースを経験させて欲しかったですねえ。

 ビュイック騎手は、勝利ジョッキーインタビューで「今後、成長していけばいずれ中距離もこなせるでしょうが、現時点ではマイルがベストです」ってなことを答えていました。

 ただまあCリチャードは、血統背景的には「BBLP=10以上」として考察可能な母から生まれていますので、このブログとしては基本的に中距離はこなせるというより、中距離こそがベスト、なのです。

 けれども、陣営がそもそも1400m戦から使い出した時点で、まずその使い方自体が既に「懸念材料」となってしまうわけですね。いずれ中距離路線で走らせる「つもりがある」のであれば・・・。

 アーリントンCでの連対から皐月賞に直行、というケースは過去にローレルゲレイロ(皐月賞6着)、ステキシンスケクン(皐月賞12着)、ビッグプラネット(皐月賞13着)、カリプソパンチ(皐月賞18着)などなど、まずもって惨憺たる成績なのがオチ(苦笑)。

 一応、古くはダンツフレームがアーリントンCを勝って皐月賞に直行し2着というのがほぼ唯一の好例かなと。ダンツフレームはその後ダービーも2着、安田記念2着&宝塚記念1着と出世を果たしていますので、そういうレベルの馬でないと結果は出せそうにない、という感じですね。

 個人的には、タニノギムレットのパターン(アーリントンC勝ち〜スプリングS1着〜皐月賞3着〜NHKマイルC1着〜ダービー1着)を、コパノリチャードにも踏襲してもらいたいな、というのが理想。

 といってもダービー直後に故障発生、という部分までは踏襲して欲しくはないですが(苦笑)。

 結局3月にどこかでレースをしておかないと、間隔としては中途半端になるのが問題なんだろうと思います。やはりスプリングSを挟むのがベストでしょう。毎日杯では皐月賞に近すぎますし。

 どのみち、こればかりは陣営の決めることですので外野はどうにも出来ませんが(>_<;)。

 逆に言えば、皐月賞への直行でCリチャードが3着ぐらいに来れれば、過去の名馬たちに肩を並べるだけの強さはあるのかも?ということにもなりますかね・・・。是非、そうだといいのですが。

blood_max at 22:49|PermalinkComments(0) 3歳馬 考察 

2013年02月22日

アーリントンC 考察

 例年の、このアーリントンCというレースは何かこう、やや中途半端な実力の馬でも勝ててしまうような印象が強い3歳重賞ですね。実際、過去の勝ち馬の多くはそれほど出世していく馬は少なく、むしろ2、3着に負けていたような馬がその後にG1戦で好走する事例のほうが目立ちます。

 やや古めのデータではダンツフレーム、タニノギムレットあたりがこのレースを勝ってクラシックでも好走したケースがありましたが、それ以後はそうしたケースは稀で、2006年に2着のロジックがNHKマイルCを勝ったり、2008年では10番人気で3着となったディープスカイがその後NHKマイルC&ダービー制覇と異色とも言える経歴を残したりしています。

 当然、クラシックを展望する馬たちの多くはアーリントンCなどには通常向かわず、翌週に控える弥生賞やそのあとのスプリングSなどをステップとしてクラシック出走を目標にするのがセオリーなわけで、アーリントンCに出走するような馬たちは基本的にNHKマイルCあたりを意識している、と受け止めるのがいいのではないかと思われます・・・。


2/23  阪神11R アーリントンC(芝1600m)

1.タガノエンブレム(母キャッチザゴールドのBBLP=7:(4,0,3))

・RRP:130=128+2

 京成杯を勝ったフェイムゲーム、きさらぎ賞を勝ったタマモベストプレイのいずれも、牝系はロイヤルサッシュを経由し、その牝系にディクタス&ノーザンテーストが絡むという配合の持ち主。

 そしてタガノエンブレムもやはり牝系はロイヤルサッシュ・・・というか母キャッチザゴールドはステイゴールドの全妹となりますので、そう言ったほうが非常に分かりやすい構図、でしょうかね・・・。

 タガノエンブレム自身がもし今回好走するようだと、ステイゴールドの超絶的勢いと共にこの牝系の優秀さが際立つ恰好となりますが、冒頭で考察したようにアーリントンCで勝っても、むしろG1級への出世につながりにくい近年の傾向を鑑みた場合、2、3着程度になったほうがいいのかも?という感じですね(苦笑)。

 個人的に、ウォーエンブレム産駒については同系配合となるタイプではない限り、基本的には常に注目するスタンスを取っていますが、まあ今回はせいぜい連下程度の扱いで。


2.レッドアリオン(母エリモピクシーのBBLP=9:(5,1,3))

・RRP:123

 全兄にリディル、半兄にクラレントがいるのは周知のことと存じます。個人的にこの母エリモピクシーへの印象はやはり、「G1級を産むにはワンパンチ足りない血統」という感じですね。

 マイル以下の芝重賞で、今後ともソコソコ連に絡む活躍は可能でも、皐月賞・ダービーなどの中距離G1戦で勝ち切る、というだけの底力までは無いのではないかと推察します。

 無論今回、少頭数でもありますしマイル戦ですので、勝ち負けに持ち込む好走を見せるとしても何ら不思議ではないでしょう。ただ、繰り返しますがこのアーリントンCで勝ったところで、即クラシック級とはいかないのが近年の大まかな傾向なので(笑)。
  

3.カオスモス(BBLPでの考察外)

・RRP:125=122+3

 昨年のデイリー杯2歳S出走時の事前考察で、既にカオスモスについてはBBLPでの考察から除外するタイプに位置づけていました。

 本来、BBLP(迂回血ライン継承度)での優先考察をしない条件は、「4代以内の近親クロス」を産駒自身が持つか、母自身が持つか、母父自身が持つ、というケースとしています。

 カオスモスはその条件を持たず、本来はBBLPで考察するのがセオリーなのですが、どうも例外的に位置づけたいタイプなんですね(苦笑)。

 母メアリーズガーデンが持つのがノーザンダンサー(3×5)のクロス(血量:15.63%)だけでなく、ヘイルトゥリーズン(5・7×4・6)のクロス(血量:11.72%)も併せ持つ部分が考察の上で懸念される材料の主たるところ。

 結果的にメアリーズGが持つネアルコ経由の血脈は計13ラインと大台を超える値で、個人的にこの背景が将来的に「大物たり得ない」と判断する根拠となります。

 マイネルラヴ産駒というのは総じて早熟で完成に至るのが早く、そういう意味において現時点での完成度は出走馬10頭中で最も高いとする見解があっても、そこについての異論は全くありません。実際、直近の調教内容も抜群の動きのようですし、今回馬券に絡んだとしても全く不思議はないだろうと思います。

 ただこのブログの主眼としては、将来性を現時点の段階でいち早く読み解く、ということにあり、その意味においてカオスモスは今後、マイル以上の芝重賞で常に勝ち負け可能なタイプではなく、基本的に勝ち負けに持ち込める距離適性は、重賞においては1400m以下ではないか、という見解を出しておきたいところなんですね。

 今回もしアーリントンCを勝った場合でも、その見解は変わらない(変えるつもりはない)ということです・・・。


4.ケイアイヴァーゲ(ヘイロー4×4)

・RRP:121

 まあこの馬も実績からして1400mばかりですし将来的にも、いかにも1400m以下でのみ、という印象なのですが、怖いのはこの馬の血統背景というより、最近の武豊騎手の好調ぶりでしょうか(苦笑)。

 昨年の、マイルCSでサダムパテックを◎にしたのは血統考察のみならず、落馬負傷による休養から復帰後、徐々に本来の勝負勘というか、手綱捌きの冴えが往年の状態にやや戻りつつあるように見えたからでもありました。

 そしてこのところの武豊騎手は、人気薄の馬をやたら上位に持ってくる騎乗ぶりが結構目立ちます。特に先週のアメジストS(東京10R・芝2000m)では、不振が続いていたアロマカフェを強気に先行させ、久々に馬券圏内(10番人気2着)に導いたあたりではかなり、「口あんぐりー」でした。

 まあ往年のような完璧な騎乗、というものを彼に求めるつもりはサラサラないですが(笑)、ベテランにして若手のような心境で無心に手綱を捌く、というような真摯な姿勢になっているのだとすれば、人気薄の馬への騎乗でも期待してみたくなりますね・・・。


6.コパノリチャード(母ヒガシリンクスのBBLP=12:(3,5,4))

・RRP:127=124+3

 個人的にはこの馬に最も注目します。まあ前走が圧巻の5馬身差勝利でしたし、今回おそらくカオスモスとの一騎打ちムード全開ってな感じで、人気サイドなのはもちろん承知の上ですが。

 ダイワメジャー産駒の多くは、過去記事でも示したように大抵、ノーザンダンサーの4代内クロスなど持つことで活躍につなげるケースが圧倒的に多く、母自身の持つ迂回血ライン継承度(BBLP)で考察可能なタイプは非常〜に稀です(苦笑)。

 こういう、コパノリチャードのように母のBBLPに着目可能なタイプにもっと出てきてもらいたいですし、先例としてこの馬の今後の出世度合いにも当然注目し続けたいと思います。

 唯一の懸念される経緯としては、陣営が初戦で「1400m」を使ってしまった、という部分です。今後ともマイル路線を中心に見据えていくのならばそれでいいのですが、本質的には2000m前後の距離体系でも充分好勝負可能な血統背景の母から生まれているだけに、マイル路線のみで固定してしまうのいうのは非常に惜しまれるところ。

 まあ、過去20数年程度のあいだに、芝1400m以下をデビュー戦としながらダービーを制覇するに至ったような馬としてはナリタブライアン・タヤスツヨシ・ネオユニヴァースぐらいしかおらず、滅多なことでは中距離芝G1級には至らないのが「短距離戦でデビューした」という経歴の馬です。

 陣営が今後どういう方針で臨んでいくのか不明ですが、コパノリチャードには是非今回2着か3着(勝たなくていいから・笑)になってもらい、NHKマイルC経由でダービー挑戦という、タニノギムレット&ディープスカイ的なシナリオを描いて欲しいところですね・・・。


7.ラブリーデイ(母ポップコーンジャズのBBLP=17:(9,3,5)だが・・・)

・RRP:139=128+5+6

 折角、1800m戦で連勝しながら、重賞とはいえ本質的に向くとは思えない短距離の京王杯2歳Sを使ってしまったあたりが少々、今後の活躍度を読みにくいものにする感じです。

 一応、母のBBLPを提示してはいますが、この母PCジャズの血統背景においても、ネアルコ血脈の過多(計10ライン)が少々懸念されるところ。

 配合相手の種牡馬がキンカメで、ネアルコ直系の種牡馬でないところが多少は救いになるはずも、本質的にマイラータイプではなく中距離路線が最も合うはずですので、マイル戦の今回はどうなのかな?という印象。

 まあこのレースを勝ったところで出世はしにくい?感じですから、この馬も2、3着あたりで無難に運び、後々の出世につなげたほうがいいのかも。


8.レッドジャイヴ(母マンボスルーのBBLP=7:(5,1,1))

・RRP:126

 せっかく新馬戦を快勝しながら、その後につながらないというのはもったいないですね。アグネスタキオン産駒だけに、余計そういう印象が先に来ます。

 正直、重賞挑戦するだけのレベルにないと思われるのですが、少頭数ですし全くチャンスがないかというとそうでもなさそうな・・・。実に微妙ですが(苦笑)、まあ連対までいかなくとも連下なら立ち回り次第で?


10.テイエムイナズマ(母クラスターのBBLP=8:(4,3,1)だが・・・)

・RRP:131=123+8

 デイリー杯2歳Sでこの馬を◎にした際は、さすがにマグレ当たりの単勝的中という感じが否めませんでしたが、予想そのものとしては、単純にブラックタイド産駒がディープ産駒に先着すれば痛快だな、という程度の根拠にすぎませんでした(笑)。

 実際、スローとはいえ自ら逃げの展開に持ち込んで押し切ってしまったわけですので、そりゃー痛快そのものでしたが。

 母クラスターは上記のように、(だが・・・)の付いてしまうタイプ。もうお分かりですね・・・。ハイ、その通り。ネアルコの血量が最上位(10.94%)となってしまうのが懸念されるタイプ、なワケであります。

 といってもネアルコ経由のライン継承は僅かに3つのみで、それでいて血量が最上位となるのは、その3つのラインにおけるネアルコの世代位置がかなり近いためにそうなる訳で。この場合、ライン数ではなく血量パーセンテージが懸念事項となります(逆に血量が9%未満の場合、ライン数が10の大台を超えていると問題視)。

 まあこの馬も本質的には向かない距離の京王杯2歳Sを使ってしまったことが、あとあとまで響いてきそうな印象ですね。ただ一応、阪神マイルは経験済みで33秒7の強烈な末脚も披露しているので、スタートで置かれずにまともな位置取り(道中5番手あたり)で追走出来れば、1勝馬程度の面々には先着可能かと(笑)。

blood_max at 23:36|PermalinkComments(0) 3歳馬 考察 

2013年02月17日

'13 3歳戦 備忘録(11)

 毎年、この時期は3歳重賞の無い谷間の週で、個人的には少々もどかしい時期となります(苦笑)。まあ、世間一般ではダートG1のフェブラリーSでそれなりに盛り上がったのでしょうが・・・。

 一応、単勝でグレープブランデーを買いましたが、単勝オッズが7倍を切るようでは妙味があるとは言えず、3連系馬券が不発とあっては儲けといっても微々たる程度でした。

 個人的にはGブランデーを筆頭に世代交代を期待したのですが、まだまだエスポワールCもWアキュートも頑張れる状況のようで、そういう意味ではややがっかりするレース内容。3連系馬券を獲った人にとっては当然、会心の内容だったのでしょうけども(笑)。


 さて本題の3歳戦回顧を。

2/2  東京9R ゆりかもめ賞(芝2400m)

1着 アルヴェロン(母父自身がノーザンダンサー3×4の近親クロスを持つ)

2着 サンバジーリオ(母自身がシアトルスルー4×3の近親クロスを持つ)

3着 マイネルクレイズ(母ロストインラヴのBBLP=13:(11,1,1))


 2月初旬という時期に、日本ダービーと同一の舞台をこなすというか経験することについては、大概の走破時計レベルからしてダービーへの直結性は薄いとしか言いようがないものの、やはり血統傾向としてはスタミナ要求度合いが高めであることは当然でしょうね。上位人気3頭は見事にコケましたが。

 勝ったのはダイワメジャー産駒で個人的に単勝ではちょっと狙い切れなかったのですが、母父のHernando自身はやはりというべきか仏ダービー馬。

 このエルナンド自身が種牡馬となって出した産駒にも、やはり2頭の仏ダービー馬(ホールディングコートとスマラニ)がいます。重視すべきはこの産駒2頭は仏ダービーの施行距離が2100mに短縮される2005年より以前の勝ち馬であるという部分。

 2100mに短縮されて以降の仏ダービー馬というのは、その後の活躍度合いが低下している傾向にあり、2005年以降の仏ダービー馬が種牡馬になっても、以前ほど産駒の活躍はみられませんね・・・。まあ、チチカステナンゴを輸入したことがどうだったのか、個人的には得策ではなかった印象が強いですが。

 エルナンド自身は凱旋門賞2着(1994年)、ジャパンC3着(1995年)の実績を持つので「母父」として語る分には、さもありなんという感じでしょうね。

 ダイワメジャーの場合、産駒自身が大抵ノーザンダンサーの「4代内クロス」を持つことで活躍につなげるケースが大半なのですが、その場合は距離適性がギリギリ2千mまでというタイプが多く、型通りにほぼマイラーという印象ばかりが先に来ます。

 けれども先日のダイヤモンドSで3着に粘ったメイショウカドマツ(同系配合馬)や上記のアルヴェロンのように産駒自身がノーザンダンサーの4代内クロスを持たないような場合、意外と2千mを超える距離延長でも問題なくこなせるケースもあるんだねえ、というのが率直な感想。

 まあ今回の走破時計レベルでは次走以降にどうこうという感じはまだないものの、これで青葉賞あたりでも再度上位争いを演じることが可能なのであれば、中長距離の資質としてはホンモノに近いものを持つ、という判断はしてもいいでしょうね・・・。


 2着馬の母父もエリシオで、当然凱旋門賞馬ですからスタミナそのものは豊富。種牡馬としては結果を出せませんでしたが、ダイヤモンドSに出走し快勝したアドマイヤラクティを含めコスモヘレノス、ファタモルガーナの母父もやはりエリシオですので、走られてみればそうか〜、という感じ(苦笑)。

 サンバジーリオも今年のダービーでどうこうと言うより、いずれ古馬になってステイヤーズSとか、ダイヤモンドSでそれなりの走りを披露するのかもしれませんね・・・。


 3着馬の場合、この見た目(父と母父)の配合で成功しているのは短距離指向となっているショウナンラムジと、「父と母父」が逆になるザラストロあたりで、意外にも中距離以上での成功事例はまだ無いという印象。

 Mクレイズ自身についても今後このような中長距離路線に固執するより、1800m前後の距離でなら好走を続けていけそうな印象も受けますね。

 まあ今回は11番人気という超〜気楽な立場で、柴田大騎手もマイネル軍団の馬への騎乗ではひと味違うものを見せ続けていましたので、個人的にはこの馬と勝ち馬とのワイド馬券(5460円)を的中出来ています、実は(^_^)v。

 柴田大騎手が騎乗するのがM・コスモ軍団の馬の場合、なんかこう、必死さが違うような(苦笑)。軍団総帥のO田さんからもおそらく重宝がられているんでしょうね・・・。

 
 3番人気で4着と微妙〜な負け方をした、

・ヒラボクディープ(母キャットアリのBBLP=6:(4,0,2))

 「父ディープ×母父ストームキャット」の見た目配合は、誰がどう見ても成功している、という判断が可能なワケですが、「迂回血ライン継承度(=BBLP)」で優先考察可能なタイプを判定する場合、「父と母父」のみでの考察から、もう一歩踏み込んだ検証が可能なんですね。

 このヒラボクディープに関しては以前にも記事にしている通り、この母のBBLPでは少なくとも、長距離適性には欠けるだろうと判断します。

 もちろん、配合相手のディープインパクト自身がBBLP=12という種牡馬なので、父のポテンシャルで母の不足分をある程度はカバーするのではないか?という推察も出来なくはないですが、今回の、スタミナ豊富な血統背景の上位3頭たちには微妙に劣ったあたりで、やはりこの距離はベストではないでしょう。

 母のBBLP=6程度では、おそらくマイル〜1800mあたりが好走条件の範囲と推察します。陣営がどう考えるか分かりませんが、ヒラボクDの運命は陣営(当然オーナーの意向も)が今後どう判断されるかによってもかなり、左右されていくでしょうね・・・。

blood_max at 21:23|PermalinkComments(0) 3歳馬 考察 

2013年02月14日

'13 3歳戦 備忘録(10)

2/2  東京5R 3歳新馬(芝2000m)

1着 ワープドライブ(母リアリーハッピーのBBLP=13:(8,3,2)だが・・・)

2着 レッドカチューシャ(母デルモニコキャットのBBLP=10:(4,4,2))

3着 シルヴァーグレイス(母シルヴァーカップのBBLP=15:(8,4,5)だが・・・)


 正直、ありきたりもいいところの超スローな一戦(千m通過時63秒6)ゆえに、あくまでも今回の上位馬の面々も次走で「メド」が立つような走りの内容を披露することを条件に、一応取り上げておきます。

 勝ったワープドライブはメンバー最速の上がり3F・33秒5を披露。確かにその切れ味だけならば既に一級品ですが、もう少しレベルの高い展開で披露してこそ、ホンモノと評価すべきでしょう。

 母のリアリーハッピーはネオレボリューション(父ネオユニヴァース)、サトノフローラ(父アグネスタキオン)を産んでおり、そのいずれも2歳当時から注目するタイプに位置づけてきましたが、どうもイマイチ(苦笑)。

 ネオレボリューションはやたら2着が多いタイプで、結局芝では見切りをつけられダートに転向。それでも出世しきれずいつの間にか去勢されて、障害路線へと至るという経緯。

 母のBBLPに、(だが・・・)の表現を付与しているのは、ネアルコの血量が最上位という、このブログで懸念材料の扱いとしている特徴を持つタイプだからですね。

 タキオン産駒のサトノフローラも、関屋記念3着になった当時は「これでそろそろメドが立ったか?」と思わせましたが、なんのどうして、その後は自己条件で全く馬券に絡めない有様(苦笑)。

 やはりこの、母自身が持つ懸念材料が迂回血ラインの有効性を低減・無効化しているように思えてならず、半弟のワープドライブの今後に対しても、新馬戦を勝ったぐらいでヌカ喜びは出来んゾ、と感じる次第。


 個人的に、むしろ今後に注目したいのは2着のレッドカチューシャですね。過去記事のディープ産駒特集で、「父ディープ×母父ストームキャット」となるタイプについては勝ち上がり率が異様に高いことを注目点としていましたが、このRカチューシャもそう遠くない時期に勝ち上がれるでしょう。

 半兄のレッドシェリフ、全兄のジョングルールがイマイチ勝ち切れない競馬を続けていることが少々気掛かりですが、中距離路線においてはどこかで力量を発揮する機会もあろうかと思います。

 妹のRカチューシャも、オークスあたりに駒を進めることが出来るようであれば期待したいですね。まあその為には3月、4月と勝ち上がっていく必要がありますが・・・。


 3着馬の母も、やはり懸念材料となるネアルコのライン継承過多(血量は10.16%、継承ライン数は計12)があるため、BBLPの効力が機能しない恐れが。まあまずは勝ち上がることが先決ですね、この馬も。

blood_max at 21:36|PermalinkComments(0) 3歳馬 考察 

2013年02月13日

'13 3歳戦 備忘録(9)

2/9  東京11R クイーンC(芝1600m)

1着 ウキヨノカゼ(母父自身がノーザンダンサー3×3の近親クロスを持つ)

・RRP:141=126+7+8

2着 スイートサルサ(母自身がHabitat 3×4の近親クロスを持つ)

・RRP:130=123+7

3着 イリュミナンス(母スキッフルのBBLP=7:(3,3,1))

・RRP:126(レース前に同じ)

3着同着 ジーニマジック(ノーザンダンサー4×4)

・RRP:123(レース前に同じ)


 個人的にはスイートサルサ◎、そして事前考察では穴馬に指名したジーニマジックが好走したものの、ウキヨノカゼはアタマで買えず少々悔やまれる内容で、ワイド馬券のみの的中。

 スイートサルサは直線を向いて2度ほど不利を被っており、この不利がなければ勝っていたのはこの馬、と回顧する予想プロも数名いらっしゃいました。

 個人的にもそこが痛恨の内容ですが、まあ大まかにはポテンシャルの見極めでのハズレはなかったと自負します。無論、桜花賞ではスイートサルサがウキヨノカゼを逆転することは十分可能でしょう。そこにまた焦点を持っていきたいところですね・・・。

 1番人気で9着に敗れたコレクターアイテムについては、事前考察で「モロさを内包する配合の持ち主」と評していた部分はやはり、的を射ていたと考えます。

 確かに破壊力のある母の血統背景でもあるのですが、1番人気を背負うような立場での信頼感は薄い感じですね。調子の維持が難しい牝馬とは言えども、さすがに今回は負け過ぎの内容でしょうね・・・。


2/10  東京11R 共同通信杯(芝1800m)

1着 メイケイペガスター(同系配合馬)

・RRP:135=126+9

2着 ゴッドフリート(ヘイロー4×3)

・RRP:142=128+3+(3)+8

3着 マイネルストラーノ(同系配合馬)

・RRP:125(レース前に同じ)


 きさらぎ賞に続き、このレースもフジキセキ産駒の勝利、ですか・・・。何かこう、この事実だけでもクラシック前哨戦の様相が例年のそれとはかな〜り異質(ていうか小粒)な印象を持ちます。

 奇しくも、レース実績指数(RRP)においてもきさらぎ賞勝ちのTBプレイと今回のMPスターが135で同一に並んでいます。

 この135という値も、例年よりはかなり低い値。昨年で言えば、ゴールドシップは共同通信杯を勝った段階で既にRRP:159という超絶の値をマーク。2着になったディープブリランテでも145をマークし、その後のスプリングSで更に154にまでポイント加算を重ねていました。

 確かに、今年のMPスターの走破時計は1分46秒0という破格のものなのですが、事ここに至るまでの実績という部分では、昨年の連対馬2頭に比しても遥かに及ばない内容となっています。

 今年の場合、本質的に中距離血統のはずの馬たちに確固たる実績を持つものが皆無という状況で、これにより本質的にはマイラータイプのコディーノやタマモベストプレイ、そして今回のメイケイペガスターあたりの台頭が目立つ状況となっているのではないかと思います。

 まあ、本質的に中距離タイプの面々が不作な場合、必然としてそれらよりも高めのレベルにあるマイラータイプたちが、その年のクラシック3冠で上位に来てしまうというようなケースは、あっても不思議ではないでしょうね。毎年そういう感じだとかなり困った事態ですが(苦笑)。

 今年の中距離タイプって、不作というか凶作に近いかも?なんてね・・・。


 2着になったゴッドフリートは、レース実績では勝ち馬を凌駕していますが2000mに不安ありとして、陣営は今後NHKマイルC路線に目標を定めた模様です。まあ、その方針が正解でしょう。

 同じマイラータイプでも一段高いレベルの面々が今年は皐月賞〜ダービー路線を牛耳り、ちょっと足りない面々が今年は型どおりマイル路線での台頭を目指す、という様相なのかもしれませんね・・・。

 個人的に期待したクロスボウは出遅れもいいところ(苦笑)。前が止まらない高速馬場で、スタートからほどなくして10馬身程度も離されているようでは、まったく競馬にもならんでしょう。

 まあ、勝ち馬のMPスターも過去に11着なんていう大敗を喫してますから、クロスボウ陣営もそれを見習って(苦笑)、今回の結果に発奮して巻き返す姿勢を見せてもらいたいものですね・・・。

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