2012年06月

2012年06月30日

ラジオNIKKEI賞 考察

 正直、この時期の3歳重賞で「何でハンデ戦なわけ?」という感じが以前から拭えないのですが(笑)、まあハンデ戦というだけで「荒れる荒れる」と期待するファンのために、JRAがそうしているのかな、と。

 血統ポテンシャルの出方を正確に読み解くには、ハンデ戦という舞台は本質的に相応しくないんですが、一応今後の出世の仕方を見ていく上でも、何頭かは記事にしておこうと思います・・・。


6.ファイナルフォーム(母ファイナルデスティネーションのBBLP=:11(10,0,1))

 この馬はデビュー戦から4戦連続で1番人気に支持され、2勝2着1回3着1回で馬券絡みとしてはパーフェクト。母のファイナルDが持つBBLPには気になるデジタルパターンが存在しますが、どうなんでしょうね?今回は(苦笑)。

 Fフォームの兄や姉たちは、この母のデジタルパターンに泣かされ、長兄のファイナルスコアーのみダートで5勝を挙げている以外は、皆1勝馬の立場のままとなっています。

 ハーツクライが父となる1つ上の半兄トーセンケイトゥーの、500万条件で伸び悩む姿を見るにつけ、このデジタルパターンの恐ろしさを実感させられてしまいますが、飛ぶ鳥を落とす勢いの父ディープインパクトに替わることで、この母の宿命すらもブッ飛んでしまうのか、そこに興味が集中します・・・。


7.サンレイレーザー(母サンレイククインのBBLP=9:(2,1,6))

 この馬の場合、まずは父ラスカルスズカ自身が持つ、レイズアネイティヴ(4×4)の影響がチト問題で、配合相手の母が持つBBLPの可能性をややボヤけさせるものではないかと。

 父ラスカルS自身は菊花賞3着や天皇賞・春で2着の実績があるものの、G1戦で連対したのはこの1戦のみで、かろうじて種牡馬にさせてもらった?ようなものです。この父自身は中長距離での活躍でしたが、おそらく産駒の傾向としては上記レイズアネイティヴのクロス要因が影響して「短め」になるものと思われます。

 サンレイレーザー自身も芝レースにおいてはマイル実績がこれまでの上限で、過去1800m以上の芝の2レースでは馬券絡みしていないのが少々気掛かりかな?と。今回が試金石でしょう。

 前走の小豆島特別(阪神・芝1600m)での勝利にしても54キロの恩恵がありましたし、2着に負かした古馬リフトザウイングスにしても、その母レンドフェリーチェのBBLP=7:(2,1,4)と伸び悩んでも仕方ないと思われる血統背景の馬でした。(本日土曜の中京10R長久手特別でも3番人気ながら9着に敗れている)

 つまり、ホネのあるメンバーを相手に勝っているワケではない、ということですね、要は・・・。


8.ローレルブレット(母タッソーニーのBBLP=11:(8,1,2))

 この馬についてはは未勝利戦を勝ったあたりから注目し始め、千両賞では5番人気でしたが人気馬2頭を負かし、あとはこのまま順調に出世できそうかな?と見ていました(苦笑)。

 その後の重賞4戦では馬券に絡めることもなく、カベにブチ当たってしまった感じでしたが、距離延長の舞台、プリンシパルSでは7番人気に甘んじながらも2着に突っ込んできて面目躍如(誰が?・・・ワタシです、苦笑)。

 まず、陣営の当初の使い方が問題、という指摘を以前にしています。おそらく「母父がテンビー」というだけのことで、「さしあたって1200mあたりから使ってみっかな」という、安易な妥協策があったのだろうと。

 テンビー(BBLP=8)のイメージが確かに短距離系のそれだとしても、テンビー自身はニジンスキー系カーリアン(BBLP=5)の直仔であり、母方には名馬ミルリーフの存在もある、底力血脈を持った種牡馬です。

 陣営が「適距離ではない」ところからスタートさせてしまったことで、以後のローレルブレットの戦績には悪い影響となって出てしまいました。そこをローレルブレット自身が「オレは短距離馬ではない」と、プリンシパルSで証明してみせたわけですね、遅まきながら(笑)。

 まあ、今後は2000m前後を使い続けて欲しいなと願っていますが、今回のレースで結果を残せないようだと、陣営がまたシビレを切らして1400m戦とかに路線変更してしまうかもしれませんね(>_<;)。

 そうならないためにも、ここは馬券に絡む1頭として、今後の出世につなげて欲しいと思っています・・・。


10.アーデント(母自身が同系配合馬)

 この馬の母、グレイトフィーヴァーのBBLP=5:(0,3,2)と算出されるんですが、この母自身はナスルーラ直系の両親を持つ同系配合馬(ナスルーラ5×5)でもあるので、この要素が何らかはプラスに出ているのかな?と思います。同系配合ではない場合には、BBLP=5の母では注目に値しませんので・・・。

 半姉にあたるラフォルジュルネ(父Sウィーク)にしても、関門橋Sを勝ってOP入りしたあとは、10戦連続で馬券圏外で、掲示板に載ったのも僅か2回しかない状況。

 父がディープに替わったことで、「姉の二の舞いにはならんゾ」とアーデント自身が内心奮起しているかどうかは皆目分かりませんが・・・。


15.メイショウカドマツ(同系配合馬)

 この馬はダイワメジャー産駒の特徴に多い、「重賞の場合は1800m以下で」という典型のタイプでしょう。2000mの距離で馬券に絡んだのは全て「非重賞」のレースで、2000m以上の重賞の場合はダメだったわけです。

 今回は重賞ですが1800m戦なので本来なら問題はないでしょう。ただし今回、痛恨の外枠発走なのが大いに問題かもしれませんけどね、逃げ馬タイプとしては。

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blood_max at 21:56|PermalinkComments(0) 3歳馬 考察 

2歳新馬戦 注目馬(5)

*BBLP(Bypass Blood Line Point)とは?

 ・・・「ファラリスの直系子孫」にとって、活力ないし底力要素として効果的に作用する「迂回血」を持った特定の先祖たちに遡るラインを、総数(のべ数)として幾つ持つか?をあらわします。

*「迂回血(うかいち)」の意味、及び「特定の先祖たち」については、過去記事のカテゴリ「ブログ主旨説明・他」にてご参照願います・・・。


7/1 函館5R 2歳新馬(芝1800m)

1.レッドレイヴン(母BBLP=6:(1,3,2))

 この馬の父スマートストライク(BBLP=4)に関しては、今年の安田記念優勝馬ストロングリターンの「母父」としては一定の評価をしていましたが、Sストライクの「直仔」がデビューしてくる際には、それとは全く別次元の目線で見ていく必要がある、と述べております。

 Sストライク自身はG1戦勝ちの産駒を欧米にて既に輩出しており、既に種牡馬としての名声も揺るぎない立場にいるわけですが、そういう立場を考慮しても尚、現代の日本競馬において産駒をデビューさせる場合にはかなり高いハードルが待ち受けている状況です。

 そのハードルとは、表面的にはディープインパクトを筆頭とする「サンデーS系種牡馬軍団」の存在なのですが、それは単にサンデーS系種牡馬たちが皆、「日本の馬場向き」の産駒を多く出すから、だけなのではありません。「ファラリスの直系子孫」としての活躍(系統を存続させる)要因、「迂回血ライン」を豊富に持つことに由来しています。

 ディープのBBLP=12を筆頭に、マンハッタンカフェ(BBLP=11),スペシャルウィーク(BBLP=10)、デュランダル(BBLP=11)などはこのブログで既にお伝えしているとおりです。

 「ミスプロ系の種牡馬とかは、サンデーS系とは全然関係ねえべ?」・・・とお考えのアナタ。

 いえいえ、関係あります。確かにキングカメハメハ(BBLP=11)などはネアルコ直系ではないのですが、ファラリス直仔シックルの直系ですので元々「ファラリスの直系子孫」となる系統であり、同じく迂回血ライン数(BBLP)の影響を着実に反映させているのがミスプロ系なのです。

 そしてキンカメと同じくミスプロ系種牡馬のスマートストライクも、同様の目線で語ることになるわけですね。

 その不利な状況下(あくまでも日本で産駒を送り出す場合の)に置かれたSストライクがサンデーS系種牡馬たちの産駒と同等の競走実績を挙げていくには、配合相手となる繁殖牝馬の持つBBLPに「活路を求める必要性」が生じます。(ただし、4代以内の近親クロスが生じる配合を持つ産駒、及び父母の場合を除く)

 レッドレイヴン自身に目線を戻しますと、直近の美浦坂路での調教内容はなかなか優秀で、終い2Fで11秒台のラップを連続で刻んでいます。これはこの時期の2歳新馬には珍しい位の計時なので、おそらくこの調教内容であれば人気サイドになると思われます。

 ただ個人的な見解では、芝向きだとしても1800mは少々レッドレイヴンにとって長いかも?という印象ですね。その根拠としては当然、父と母が持つBBLPの双方の値を勘案しての推察となります。

 けれども、この時期にこれだけの坂路調教の動きが可能なら、仕上がりの早さそのもので他のメンバーを凌駕してしまうケースも考えられます。なので今回勝つ可能性もあるかもしれませんが、その場合でも、本質的には「マイル以下が血統的な適性に見合う距離」だろうという見解は変わりませんね。

 まずはどんな初戦の内容となるか、楽しみにしたいと思います・・・。


4.マイネルジェイド(同系配合馬)

 この馬は母のBBLPで考察するタイプに該当しないのですが、今年の2歳新馬戦は例年以上にステイゴールド産駒がやたらと上位争いをしているので、この馬も一応(苦笑)。

 Mジェイド自身には、今どき珍しい異系種牡馬のクロス、サンクタス(4×5)のクロスがあります。通常は考慮しないクロス形態なのですが、サンクタス(その父ディクタス)は「ファラリス直系」ではなく全くの異系となる存在なので、4代以内という通常のくくりには拘らず、5代以内程度のクロスでも(異系であるがゆえの)影響力があると推察したいと思います。

 まあそれ以前に、ヘイルトゥリーズン直系の両親を持つ同系配合馬と端的に見なしたほうがいいのかもしれませんが・・・。


7.ダブルファンタジー(母ガーデンローズのBBLP=11:(3,4,4))

 この馬についてはまず父系から。父のジャイアントレッカー(BBLP=15)は競走馬としてはカナダG3戦(8.5F)を勝利した程度の実績で、正直種牡馬になれるほどの活躍は出来ていないのですが、おそらくその父ジャイアンツコーズウェイ(BBLP=12)の直仔たちの活躍&繁栄にあやかっての輸入だろうと思われます。

 ジャイアントレッカー自身の配合そのものでは、父のGコーズウェイがかなりネアルコ血脈をコテコテに結集させている背景なのに対し、母のホームレッカー自身がネアルコ経由の血脈をおそらく1つも持っていないという、現代の繁殖牝馬としてはかなり異色で稀有とも言える存在。

 しかもこの、ホームレッカーの母方にはプロミスドランド(サンデーSの母父の父)の血脈がありますので、Gレッカーと配合する繁殖牝馬の血統背景にサンデーサイレンスの血が存在すれば、おそらく呼応する確率はかなり高くなると思われます。

 Wファンタジーの場合、母の母父がサンデーSですので呼応するタイプに該当します。まあ、かといって必ず活躍するタイプになれるかどうかは分かりませんので、初戦の走りがどうか?にとりあえず注目かなと。


7/1 中京5R 2歳新馬(芝1600m)

1.ヒシパール(母ユーコーバンベールのBBLP=10:(5,1,4))

 上の姉2頭がどちらも未勝利に終わっているので、何か不具合でもありそうな母馬なのかな?と勘ぐりたくなりますが、おそらくはナスルーラ血脈がやや多い(計5ラインの継承で血量最上位)のがやや、懸念材料なのかも。

 まあそれ以前におそらく、「母の父がアフリート」というすこぶる表面的な要素だけで、管理する厩舎が「ダートで」としてしまい、それで活躍できないとなると「見込みなし」で終わってしまったんでしょう。上の姉たちは。

 けれども今回は父がディープインパクトに替わりますので、さすがにこれまでの姉たちのように「不当な扱い」は受けずに、ちゃんと芝で使ってもらえそうですね(苦笑)。まあ初戦の内容が大事ですけども。


4.メイショウアカフジ(ノーザンダンサー4・5×4の近親クロスを持つ)

 いよいよ、メイショウサムソンとその産駒について言及できる日を迎えましたか・・・。随分待たされたような気がしますが(苦笑)。

 Mサムソンは、個人的には非常に好きなタイプでした。ちょうど、「迂回血ライン」の研究を独自にスタートさせた時期と重なる頃に、ダービー馬となっていました。

 まあ、Mサムソン自身はノーザンダンサー(3×4)の黄金配合クロスを持ち、且つ同系配合馬となるタイプで、本質的に母のBBLPで考察するのが妥当ではないタイプだったのですが、その当時は血統背景はともかく、実直というかその武骨なまでの走りのスタイルに魅了されたものでした。

 まあ、主戦騎手が石橋(守)→武豊になったあたりから、「馬主の特権とはいえ理不尽な事をするもんだなあ」と思わされ、それ以降は応援する気が失せていきましたが(苦笑)。

 さて、そういう思い出のある馬が父になった、ということですかね・・・。ただ、好きなタイプの競走馬ではありましたが、種牡馬として活躍していけるかどうかは、別次元の問題としてシビアな目線で語りたいと思います。

 おそらく、活躍できる産駒はかなり限られるでしょう。今回登場するメイショウアカフジの母は、ラインクラフトを産んだマストビーラヴドなので、おそらく人気の一角にはなると思いますが。

 そもそも、Mサムソン自身がコテコテなノーザンダンサー血脈の「血の威光」で走ったタイプですので、相手の繁殖牝馬に含まれるノーザンダンサー経由のラインとは、強固に呼応するタイプが多いと思われます。

 型どおりに、ノーザンダンサー血脈が機能していけば当然それなりの活躍馬になっていくケースもあるでしょうが、反作用としての「重さ、鈍重さ」などのマイナス面が表出するようだと、「芝馬として重賞級になるタイプ」は多くないのではないかと感じます。

 まあこのMアカフジも含め、Mサムソンの初年度産駒については興味深く見つめていきたいと思います・・・。
 

 *福島も中京も、またしてもここで取り上げない馬たちが上位を独占するかもしれませんが(笑)、その場合はレース回顧にて、どういうタイプなのかに適宜言及したいと思います・・・。

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blood_max at 19:43|PermalinkComments(0) 2歳馬 考察 

2012年06月26日

'12 2歳戦 備忘録(3)

6/23 福島5R 2歳新馬(芝1800m)

1着 マイネルホウオウ(母テンザンローズのBBLP=6:(5,1,0))

2着 ポップアップハート(母ポップチャートのBBLP=12:(5,4,3))

3着 ザラストロ(母自身がノーザンダンサー4×5・4の近親クロスを持つ)


 事前考察では、「ノーマークの馬(事前考察しない馬)に上位に来られるかもしれない」と述べておきましたが、まさしくその通りの上位決着。ただ、メンバー全体のレベルはやや疑問、という印象は消えませんね。

 まあ、注目馬としたベルウッドテラスが1番人気に支持されるような評判の馬だとは、前日段階では全く分かりませんでした。てっきりウチパク騎乗のクレバーユニバースが1番人気かなと推察してましたので・・・。

 ベルウッドテラスに関しては、「懸念材料も有りか?」という旨を述べておいたとおり、掲示板にも載れなかったことについては全く想定の範囲内です。むしろ1番人気に支持されていたことのほうが驚きだったので、新馬戦によくありがちな買いかぶられパターン、という感じでしょうか・・・。

 ベルウッドテラスは母方の血統背景からしてダート向きになる可能性もかなりあるので、2戦目の芝レースでも成績の向上がないようだと黄信号でしょうかね、芝馬としては。


 さて、勝ち馬マイネルホウオウは育成施設の充実&早期仕上げのノウハウだけならS台系列とも拮抗していると言えるM・M軍団の馬ですね。

 ただ正直、今後出世街道をばく進していきそうな血統背景には見えないのですが(苦笑)、母のデジタルパターンで今後の成績がどう推移していくか、随時見守っていきたいと思います。一応、ポイントとしては牝系が戦前に輸入された古い繁殖牝馬(ヘレンサーフ:1903年生まれ)に遡るという、いわゆる在来牝系ですね。

 ローカル競馬場の場合は福島に限らず、こうした在来牝系を持つタイプが不人気でありながら台頭してくるケースがよく散見されます。まあ、2戦目の内容に何か光るモノがあれば、見方を変える必要はあるかもしれません。

 父のスズカフェニックスについては短距離戦ならともかく、いきなり1800mの芝レースで勝ち馬を出してくるとは、なかなか幸先の良い感じがしますが、スズカF自身は母方にノーザンダンサーの強いクロス(母自身が2×3で持つ)があり、おそらくこの要素が隔世的に産駒に作用する面はありそうです。

 まあこういう特異な要素を内包する種牡馬は、BBLPを算出する意味が薄れるので迂回血ラインの継承度においては考察外のタイプとなる父としておきますが・・・。


 2着馬ポップアップハートの母はポップロックの半妹にあたるポップチャートで、自身の競走成績はイマイチでしたが繁殖牝馬としてはそれなりに期待できるはずの値を持ちます。今回は超スローの流れを後方の位置取りからメンバー最速の上がり(35秒5)で進出も、勝ち馬にはタイム差なしで痛恨のクビ差2着。

 まあ、いわゆる強い内容の競馬をしたのは2着馬のほう、なんて見方が可能ですが、個人的にも勝ち馬よりこの2着馬のほうが今後それなりに出世していけそうに思えます。2戦目以降の内容に注目ですね。父ジャンポケの気性難(ムラ駆け的な)が出てくるようだとツラいですが(苦笑)。


 3着馬ザラストロには半姉にプレノタート(父ジャンポケ)などが居ます。父はホワイトマズルに替わるものの、母父ダンスインザダークがこれまた気性難伝達の権化的な存在(笑)。

 ザラストロ自身にはリファール(3×5)の5代内クロスも生じますが、考察対象としてはチト微妙なクロス形態。それなりに出世していけるんであれば、このクロスの存在も出世要因の一つにはなるのかもしれませんが。何にせよ母父ダンスなのでそもそも狙いづらいですな、今後とも(苦笑)。


 もう一つ事前考察で個人的に気になる存在、としたのがファンタスティックライト産駒で共に黄金配合クロスを持つ2頭、オリバーバローズ(ヘイロー4×3)とマイネルガブリエル(ニジンスキー3×4)の対決でしたが、とりあえずこのレースにおいてはヘイローに軍配?となるオリバーBの6着、Mガブリエルの12着という内容。

 どっちもこの先開花しない可能性を残しますが(笑)、久々にもう1頭ぐらいは出世するファンタスティックライト産駒を見てみたいもんですね・・・。
 

6/24 阪神5R 2歳新馬(芝1800m)

1着 ウェーブオーキッド(母自身がアルマームード4×4の近親クロスを持つ)

2着 マズルファイヤー(母ササファイヤーのBBLP=9:(3,2,4))

3着 フジノストロング(母メガクライトのBBLP=11:(7,3,1))


 事前考察においては、ウォーエンブレム産駒が登場した場合にはとにかく注目する、と述べましたが早速勝利という内容。まあ、逃げたゴーソッキューの千m通過時のタイムが64秒5という典型的な超スロー競馬で、2番手追走から早めに前を捕らえての内容で、次走につながるかどうかは微妙な部分を残しますが。

 1〜3着馬はお決まりの社台&ノーザンF生産馬での決着で、マイネル軍団ともども、現時点では血統ポテンシャルがどうこうというより、他の追随を許さない育成施設の充実、早期仕上げのノウハウがバッチリ、という感じがなきにもあらずです(苦笑)。

 2着、3着馬に関しては父同士でのポテンシャル差(ホワイトマズルのBBLP=11,アルデバランのBBLP=7)を勘案する必要がありますが、フジノストロングの場合、普通にマイルに距離短縮すればそう遠くない時期に勝ち上がりそうな感じでしょうか。芝適性は問題なさそうですし。 


 3番人気で5着のブライダルドレスは事前考察の評価どおり、やはり3番人気に支持されるだけのポテンシャルは1800m戦では発揮できないでしょう。こちらもマイル以下に活路を見出すべきかと思います・・・。

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blood_max at 23:05|PermalinkComments(0) 2歳馬 考察 

2012年06月23日

2歳新馬戦 注目馬(4)

 世間一般では宝塚記念の話題で持ちきりでしょうが、このブログは終始一貫して2歳馬&3歳馬たちの「これから」を推察することに主眼を置くブログです。あしからずでございます・・・。

 まあ一応、2つ前の記事にて注目馬とした面々については、宣言どおり当日も馬券に組み入れます。◎候補はやはりショウナンマイティでほぼ決まりかなと。この馬自身はアレッジド(4×3)の黄金配合クロスがあり、そもそも母自身のBBLP(迂回血ライン数)の奏功を優先するタイプではありません。

 けれどもこの、異系要素を根本的に活力剤とするクロス(何より、リボー系のアレッジド自身が、別の異系ウォーアドミラル3×4の黄金配合クロスを持つ種牡馬でもある)は非常に興味深いものです。ノーザンダンサーの血ばかりにコテコテに頼るケースとは違い、全くもって「異能」という表現がピタリときます。

 父のマンハッタンカフェ同様、ノーザンダンサー経由の血脈に「過度に頼っていない」にもかかわらずG1級の強さを発揮することにこそ、最大の「血統的な価値」があるのであり、もしいずれMカフェの後継種牡馬となることが可能であれば、他のサンデーS系種牡馬たちには無いこの「血統背景の強み」を活かし、独自に発展していくサイアーラインを築けるのではないか・・・。

 そんな期待をも、ショウナンマイティには持つことが出来るんですね。でもまあ、あまりに過度の期待を持つと、落胆を大きくするだけかもしれませんけどね・・・(苦笑)。


 さて、本題は2歳馬たちの「これから」を独自の血統考察目線「迂回血ライン」にて見つめること、でした。

6/24 阪神5R 2歳新馬(芝1800m)

1.フジノストロング(母メガクライトのBBLP=11:(7,3,1))

 母父が「サンデーSの後継種牡馬」となる場合、全体的に見てもこれまでさほど目立った活躍度の産駒は出てきていません。まあ何しろ、これだけサンデーS系種牡馬の血脈が蔓延してしまうと、パパサンデーほどの威力に欠けるとしてもある意味では「道理」なのかもしれませんが。

 一応、この馬の母メガクライトに関しては、特に欠点となる配合要素はないと思われます。強いて挙げるとすればこの母自身が持つアルマームード(5×5)のクロス要素で、プラスに奏功すればスピード豊かで勝負根性抜群、マイナスに作用するのであれば過去記事で何度も言及している、「制御不能の気性難」かなと。

 一方、父のアルデバラン(BBLP=7)については、自身がスプリンターとしての活躍が中心だった分、やはり産駒への伝達要素も中距離向きというよりマイル以下に向くスピード要素の伝達が主体かもしれませんね。ただスピード要素があっても芝向きに出ない恐れもあるので、初戦の走りが芝向きに出ているかどうか、そこがまず今後への見極めのポイントなのかも。


2.ブライダルドレス(母マサコチャンのBBLP=6:(4,2,0))

 母のマサコチャンは、もうかれこれ5年連続でクロフネの相手をさせられています(苦笑)。別においらんじゃないのでそういう表現はマズいかもしれませんが、もう一度美酒を味わいたい(全姉ベストクルーズのファンタジーS2着、阪神JF3着などの実績)、という願望が生産牧場サイドにありあり。

 しかしながら、そのベストクルーズにしても準OPになんとか出世してこれたまではいいのですが、おそらくこの配合は基本的に「マイル以下でなら」という感じでしょう。どう頑張っても。

 1つ上となる全姉、マーチャンテイマーもこちらの予想したとおり、芝での出世は見込めずにダートに転向して活路を見出そうかという状況。

 ブライダルドレスが仮に芝向きに出た場合でも、活躍出来る距離はおそらく1400m前後が中心になろうかと思います。今回の1800mはやや長いですね。まあ、他のメンバーよりも仕上がりでアドバンテージがある場合、この時期ならばこなせる可能性もありますが、将来的にはどうかな・・・、と。


4.ウインアルカディア(母ヒンギスのBBLP=17:(11,5,1))

 2010年前後までにおいては、「芝重賞級の仔を産む母のBBLP=10以上」というザックリとした基準ポイントを提示してまいりましたが、2015年あたりになる頃には、「母のBBLP=15以上が望ましい」なーんて時代になっているのかもしれません。

 当然のことながら、「BBLP=10〜12、13あたりの値を持つ母馬」がこれから増えてくるようであれば、それらを更に凌駕する値を持つ繁殖牝馬の台頭が「予見」されるからです。

 時代の移り変わりに応じて、血統背景の見方も変えていく必要があります。ただ、このウインアルカディアにしても母父はマンハッタンカフェなんですが、そのことがかえってある意味「足かせ」になるような場合も今後なきにしもあらず、ですね。

 当然、まだまだMカフェ自身の産駒が出続ける状況であり、そこへ、「母父Mカフェ」となる他系統の種牡馬の産駒が出てくると、「自分の血を持つもの同士」での血の潰し合いがスタートするわけです。

 母父としての成功は、一方で「他系統の種牡馬を活気づかせる」というトラウマでもあるわけですね。サンデーS後継種牡馬たちの多くにとって、その活躍を邪魔する最大のライバルが「母父サンデーS」であることと同様に・・・。

 まあ、ディープインパクトだけが、「母父サンデーS?オレの産駒にとっては関係ねーな」と言う感じですけども(笑)。
 

5.ウェーブオーキッド(母自身がアルマームード4×4の近親クロスを持つ)

 ウォーエンブレム産駒については、これまでの記事で述べてきたように「登場してくるだけでも貴重」な存在なので、多少なりとも血統背景にある欠点と思しきものには目を瞑ってでも、その活躍度には期待してみたい、という視点で見つめてきました。

 この馬の最大の特徴としては、父からも母からも、「ノーザンダンサー経由のラインを一切継承していない」ことです。現代において、ノーザンダンサー経由の血脈を「コテコテに継承する」ことで強くなっていくタイプはそれこそ「掃いて捨てるほど居る」という状況なので、もしウェーブオーキッドがそういった面々を片っ端からナデ切りしていくような強さを発揮すれば、それこそ万歳三唱の雨あられをプレゼントすべきでしょう。

 まあ実際には、なかなかそういう状況にはなっていかないでしょうけどね(苦笑)。

 「ノーザンダンサーの血脈をコテコテに継承して何が悪い?」、「それで強くなっていけるんなら、それが今の血統のトレンドなのサ」・・・。ハイハイ、仰るとおりでございましょう。

 反論する気もございません(笑)。

 別に反論するとかどうとかではなく、兎に角、「どうにかしてノーザンダンサーのコテコテ度に頼らずに、G1級になっていくヤツは居ないモンかな?」という、ほのかな願望が心の底にあるだけのことでして、ね・・・。

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blood_max at 21:55|PermalinkComments(0) 2歳馬 考察 

2012年06月22日

2歳新馬戦 注目馬(3)

6/23 福島5R 2歳新馬(芝1800m)

13.ベルウッドテラス(母リリーポンドのBBLP=18:(9,5,4)だが・・・)

 リリーポンドの父、グランドスラムの存在がそれなりに大きいことは確かですが、それ以外の血脈からもバランス良く迂回血ラインが継承されており、パッと見は期待出来そうなものの、懸念材料も少しアリで(苦笑)。

 リリーポンド自身の血統背景にはナスルーラ血脈が計7ライン継承され、それだけでも既に「懸念」の二文字がチラつきますが、そのうちボールドルーラー(5+5×5)というクロス形態でのトリプルラインの存在がかなり・・・(>_<)。

 この要素が仮にプラスに奏功するとしても型どおりの一本調子な脚質になり、芝向きだとしてもモロ短距離指向となるか、母父のイメージのまんまにダート指向に帰結する恐れも大かな、と(笑)。

 まあ、初戦の内容に見どころ(芝適性)があれば今後とも追っかけてみようかな、という程度ですが・・・。現段階では。


 あとはファンタスティックライト産駒でありながら血統背景としては全く異なるタイプの2頭、オリバーバローズ(ヘイロー4×3)とマイネルガブリエル(ニジンスキー3×4)の、黄金配合クロスを持つ者同士としての「どっちが強くなっていけるんでしょう対決」も、個人的には少々興味の的かなと。(共倒れの可能性もありそうですが、笑)


 人気サイドにはおそらく、ウチパク騎乗のクレバーユニバースあたりになるのかもしれませんが、「母父エルコンドルパサー」の場合、ECパサー自身が持つノーザンダンサー(4×3)の黄金配合クロスの影響度がかなり大きく、母メルヴェイユーズの持つBBLPでの考察は控えたいと思います・・・。


 などと言いつつ正直、低調なメンバー構成という印象で、今回の出走メンバー全体を見渡してみても今後に期待出来そうな感じの血統背景の馬が他には見当たりませんし、仮に全くノーマークだった馬に勝たれてしまった場合でも、レベルとしては特に好印象に残らないかもしれませんけどね・・・。

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blood_max at 23:46|PermalinkComments(0) 2歳馬 考察