2011年12月

2011年12月29日

2歳戦 備忘録(終)

 52回目の記事となる今年の2歳戦の回顧も、今回でひと区切りとなります。引き続き、年明けからは3歳戦の血統考察を随時進めていきますが、回顧の対象レースは基本的に「良馬場での施行」、「芝レース」のみ、距離は「マイル以上」が原則となります。

 2歳時に好走していながら回顧をパスしている馬でも、今後マイル以上の距離および良馬場で施行されたレースで上位好走を果たせば、必然的に検証の対象となっていきますのでご了承下さい・・・。


12/25 阪神3R 2歳未勝利(芝2000m)

1着 カネトシアブニール(母コミラスのBBLP=4:(0,3,1)の凡走パターンだが異系アシスト有りか?)

 母父であるKaldounという種牡馬は迂回血ラインの継承が全く無い(即ちBBLP=0)というタイプで、それ故に後継種牡馬のラインが確立できず、「ファラリスの直系子孫」としては衰退傾向となる宿命を持ちます。(チチカステナンゴが後継として出現したが、この馬の母自身がノーザンダンサー(2×3)という超絶な形態の近親クロスを持つので、産駒の活躍度はそのクロス要素の伝達がプラスに出るかマイナスに出るかで、大きく左右されるはず)

 けれどもこの母父はマンノウォー直系のライン継承が2つ存在し、Aタキオンにとっては異系アシストとして機能する血統背景でもありますので、この異系要素が今後活きてくるのかどうか?がポイントとなるでしょう。

 今回のレース内容としては逃げ馬の千m通過時が64秒ジャストと平々凡々。時計が掛かる傾向だったとみられる馬場を勘案するにしても、走破タイムが2分6秒5ではレベルの高い1戦とは言い難いですね・・・。


2着 ダノンキセキ(母タイキロザリオのBBLP=11だが・・・)

 母父であるスピニングワールドへの考察がやや厄介(苦笑)。この母父自身がノーザンダンサー(2×4)という変則的な近親クロスを持つので、ともすると迂回血ラインの効力を打ち消し、ノーザンダンサーの「威光そのもの」を産駒に伝達させようとする面が強い可能性があります。(全兄グランプリワイルドは芝向きに出なかった)

 それで強くなっていければいいものの、個人的にはクラスが上がった場合の人気サイドでは少々狙いにくいタイプに映りますね。また母Tロザリオ自身の血統背景ではネアルコの血量が12.3%と大台突破となっており、あまり良い影響は与えないものと推察します・・・。


 2番人気でありながら10着に大敗した、

サンライズトゥルー(同系配合馬、母自身がヘイルトゥリーズン3×4の近親配合を持つ)

 母ステファーナ自身がそもそも黄金配合クロスの持ち主であり、一応その奏功次第という感じなのですが、同時にこの母のBBLP=4:(1,3,0)の凡走パターンでもあります。

 母父がリアルシャダイというだけで、無条件に人気してしまうというのは考えもの。この母が産んだ兄・姉ら(上に8頭存在)で芝のOPクラスに出世しているケースは一例もなく、マンカッタンカフェとの配合でも上手くいきませんでした。

 サンライズトゥルーにしてもヘイルtoRのクロス(4×4・5で血量は15.63%)による遺伝要素の偏りが見られ、父ディープの良さが半減してしまうような配合なのではないかと・・・。


12/25 阪神5R 2歳新馬(芝2000m)

1着 ショウナンタケル(全姉妹クロス3×3の近親配合を持つ)

 種牡馬のクロスではなく、アグネスレディー=ヤングサリーという全姉妹による近親クロスが生じる配合。今後にわたってどう奏功していくのかが読みづらい血統背景といえますね(苦笑)。


2着 プランクヴァース(母クイーンソネットのBBLP=6)

 半姉にワイドサファイア、全兄にはヴァーゲンザイルが居ますが、確固たるオープン馬としての成功には至っていませんね。

 この馬自身が逃げて、千m通過は66秒5という超〜激遅な展開であり、2番手追走だったショウナンタケルが最後は交わした、という程度の内容。

 今回の連対馬2頭は、特に今後バリバリと活躍していきそう、という感じではないですね。この1戦の内容を見た限りにおいては、ですが。


 *年内の残りの記事更新については、ディープインパクト2年目産駒たちの再検証シリーズを予定しております・・・。
 

<a href="http://horserace.blogmura.com/keiba_pedigree/"><img src="http://horserace.blogmura.com/keiba_pedigree/img/keiba_pedigree88_31.gif" width="88" height="31" border="0" alt="にほんブログ村 競馬ブログ 血統理論へ" /></a><br /><a href="http://horserace.blogmura.com/keiba_pedigree/">にほんブログ村</a> 

blood_max at 11:40|PermalinkComments(0) 2歳馬 考察 

2歳戦 備忘録(51)

*「迂回血ライン数」のベタな英訳:Bypass-blood Line Point=BLPと略記。迂回血(うかいち)とは、「ファラリスの直系子孫」にとっては特別に作用する、底力伝達要素を持った血(遺伝要素)のことをいう。

 その血を持つハイペリオン・プリンスキロなど主要な5頭の“底力先祖”たちに遡るラインのことを迂回血ラインと呼ぶ。現代において、このラインの総数(BBLP)が10以上となる繁殖牝馬は、10未満のライバルたちよりも優位な存在として、「芝重賞級」となる仔を出すのである・・・。


12/25 中山2R 2歳未勝利(芝1600m)

1着 カフェコンセール(母プリティベティのBLP=14)

 母のBBLPからして、本質的には中距離タイプとなるはずなのですが陣営の使い出しは1400m戦で、ベストな選択ではありませんでした。 

 マイルも最適とは思われませんが、中山に舞台が変わり2歳戦にしては比較的淀みない流れ(逃げ馬の千m通過時:59秒9)のレースだったことで、中距離指向のあるこの馬に向いたと思われます。

 今後は更なる距離延長の舞台での結果を残せればいいものの、陣営が1400m戦を2回使ってしまったことがマイナス要因となりはしないかが、やや懸念されます。次走に注目しておきます・・・。

 1歳上の半兄にトーセンブリッツがいて、戦績は(0−0−0−5)と全く芽の出ないまま登録抹消となってしまいましたが、Tブリッツの場合は父がゼンノロブロイであることにより、ミスプロ(4×4)の近親クロスが生じる配合でした。

 4代以内の近親クロスを産駒自身が持つケース(母自身が持つ場合も同じ)では、母のBBLPではなく近親クロスのほうを優先しての考察とする、という規定を設けているのでカフェコンセールとの単純比較は出来ず、この兄の動向は度外視できるものとなります。
 

2着 コスモグランデール(ノーザンダンサー4×4の近親配合を持つ)

3着 ダークマレイン(Kris4×4の近親j配合を持つ)


 2、3着馬には特に言及するべき特筆事項なし。


 1番人気でシンガリ負けを喫したのがハーツクライ産駒の、

レットイットスノー(リファール4×3の近親配合を持つ)

 1番人気になるような馬がここまで大きく負けるというのは、故障や疾病、もしくは気性難などを露呈したようなケースが多いものですが、敗因については何も確認できていないので言及は避けます。

 今後に立て直してくるとして、いずれにせよ黄金配合による近親クロスが奏功していくか否か?というタイプの馬ですね・・・。

 
12/25 中山4R 2歳新馬(芝1800m)

1着 ミステリーコード(母マジックコードのBLP=11だが・・・)

 若干、気性難要素が懸念される母(ナスルーラの血量が最上位で10.16%)の血統背景ですが、気性面の不安定さが今後とも露呈しないのであれば、かなり期待できるはずのものを持ちます。

 ただ半姉のヌーベルバーグ(父ディープインパクト)の場合は、どうも気性難要素が露呈してしまっているような成績となっていますね。といっても2走前の牝馬限定戦では3着とソコソコの走りを見せていますので、牡牝混合戦ではなく牝馬同士でのレースで使ってみて欲しいところ。

 ミステリーコードについても1戦を見ただけでは何とも判断し難い部分がありますので、その動向をもう少し注視しておく必要はあろうかと思います。


2着 イブニングスカイ(同系配合馬、ヘイルトゥリーズン4×4)

 特に言及すべき要素なし。


3着 ヒシラガーディア(母デックのBLP=9)

 半兄にマンハッタンスカイ、ウインスカイハイなど。Mスカイは’08年に福島記念(G3)を勝ってはいるものの、その後は芝重賞の常連と呼べる成績かというとそうではなく、オープン特別を連対するのが少々ある程度。

 母デックの血統背景は産駒をOP級に至らせるには十分な感じですが、そこからもうワンパンチ足りなそうな気配が漂いますね・・・。


12/25 中山9R 2歳OP ホープフルS(芝2000m)

1着 アドマイヤブルー(母ジェイズミラクルのBLP=12)

2着 ミヤビアミュレット(同系配合馬、ヘイロー4×4)


 アドマイヤBは5番人気程度の評価でしたが、個人的には迷わず◎にして正解。参加している競馬SNSでも単勝の予想的中が出来ています。

 ただ対抗評価としたサトノプライマシー(母エアピースのBLP=9)がやや期待ハズレでしたが(苦笑)。

 終わってみれば「母父フジキセキ」となるタイプのワンツーでしたが、かたやキンカメ産駒、こなた同系配合馬ということで、似て非なる両者、という感じでもありますね。

 まあこのレースは1〜3番人気の3頭が皆いいところがなかったのですが、1番人気で7着だった、

フェノーメノ(母ディラローシェのBLP=8:(7,1,0)の凡走パターン)

 フェノーメノの母自身はリボー(4×4)の近親クロスを持っています。ということは「母のBBLP」では考察しないタイプのはず、となるのですが、凡走パターン(これについては『ブログ主旨説明・他」のアーカイブ記事を参照)を持つ母馬の場合には、通常より注意深く考察することにしています・・・。

blood_max at 00:23|PermalinkComments(0) 2歳馬 考察 

2011年12月27日

2歳戦 備忘録(50)

12/24 阪神7R 2歳新馬(芝1600m)

1着 ヤマニンファラオ(ノーザンダンサー4×3の近親配合を持つ)

2着 トーセンホマレボシ(母エヴリウィスパーのBBLP=6)

3着 グランプリブラッド(同系配合馬:母シルクプリマドンナのBBLP=4)


 勝ち馬の半兄にはヤマニンウィスカーなどがいますが、オープンへの昇級後は低迷気味。母マダニナのBBLP=6で、「現代の母馬」としてはBBLP=10以上を持つライバルの繁殖牝馬に比較して苦戦を強いられる値となります。

 ただ、父がダイワメジャーに替わったことでノーザンダンサーの「黄金配合」による近親クロスが生じますので、母単体での底力継承度不足はこのクロス効果で補填される可能性があります。しばらくは様子見、といったところ。


 2着馬はトーセンジョーダンの半弟となりますが、ヤマニンファラオのケースとは逆に、Tジョーダンにあったノーザンダンサー(4×3)の黄金配合クロスがTホマレボシにはなくなり、母Eウィスパー自身のBBLPが今後にわたって影響する可能性が大、となります。

 奇しくも、1着馬の母マダニナと2着馬の母EウィスパーがBBLP=6で共通、というのは興味深いですね。

 レース内容としてはマイル戦でありながら逃げ馬の千m通過時は63秒4と極遅の超スロー。当然、終い勝負で連対馬2頭の上がり3Fが最速となる34秒3というものでした。レースレベルそのものでの評価はあまり高くならないように思われます・・・。

 個人的に◎にして注目していたのはキンカメ産駒で7番人気だった、

4着 ハギノクィーン(母エリモセレブのBBLP=15)

 今回は牡牝混合戦でしたが、全部で8頭出走した牝馬たちの中では最先着を果たしています。あまりに超スローだったため、4コーナー7番手では脚を余し加減でしたが、牝馬限定戦の芝1800m戦などであればもう少し進展がありそうに思えます。

 ただし母父がダンスインザダークなので、気性にムラな面が顕著な場合には厄介ですが(苦笑)。次走の内容を見てまた判断してみたいと思います。


12/24 阪神11R ラジオNIKKEI杯2歳S(芝2000m)

1着 アダムスピーク(ヘイロー3×4の近親配合を持つ)

2着 ゴールドシップ(母ポイントフラッグのBBLP=7だが(3Tt,3Tw,2)で異系トウルビヨンのアシスト有り)

3着 グランデッツァ(母マルバイユのBBLP=19)

4着 トリップ(母ビーポジティヴのBBLP=13)

5着 ブライトライン(母シェリーズスマイルのBBLP=10)


 参加している競馬SNSのウ○ニティで事前登録した予想ではゴールドシップを◎にしていましたが、アダムスピークに関しては2、3着づけ固定としてしまい不的中でした(苦笑)。

 勝ち馬についてはこのブログで事前考察したように、ヘイローの黄金配合クロスの奏功次第、という印象の馬でしたが、1勝馬の身で重賞連対馬たちを一蹴してしまったので、やはり「黄金配合クロス、恐るべし・・・」というしかなさそうです・・・。

 もっとも、騎手派の皆さんにしてみれば、「ルメールマジック、恐るべし」なのかもしれませんけどね・・・。

 今回は連対した2頭が「特殊事情」のある血統背景ではあったものの、3〜5着馬に関して言えば一応、「母のBBLPの上位順」に入線の運びとなっております。

 トリップについては、過去の2戦がややメンバー的に軽かった故の2勝だったのかなという気もしていたので、1番人気なのは少々懸念していました。

 ブライトラインに関しては事前考察で見立てどおりの好走でした。8番人気というのはやや低すぎる評価であったと思いますね。若干、2000mが長い印象なのは確かですが、1800m戦であれば次走で即勝ち負けできそうな気配濃厚です・・・。


<a href="http://horserace.blogmura.com/keiba_shisuu/">にほんブログ村 指数理論</a> 

blood_max at 21:51|PermalinkComments(0) 2歳馬 考察 

2歳戦 備忘録(49)

12/24 中山3R 2歳未勝利(芝2000m)

1着 アロヒラニ(母ファインセラのBBLP=11)

2着 プレミアムタイム(母タイムトゥダンスのBBLP=6)

3着 ベルウッドホルン(同系配合馬)


 勝ち馬の「母の母」はビワハイジですね、フムフム・・・。全兄の3歳馬ラロメリアが5戦して1勝のままで、やや勝ちあぐねている理由を探さねばなりませんが、母のファインセラが持つニジンスキーの血が、父キンカメの持つニジンスキーの血(アロヒラニから見て6代前)と噛み合わないというか、ズレが大きいのか・・・。

 またファインセラ自身についてはターントゥのライン継承が3つあり、その血量が10%の大台を超えていますので、若干、活力的な低減作用となってしまうのかも。

 ただ、今どきナスルーラ経由のラインを1つも持っていない繁殖牝馬というのも珍しいですね。まあナスルーラにしろロイヤルチャージャー(ターントゥの父)にしろ「4分の3同血」という近親同士となる父祖ですので、スピード要素の追求で子孫繁栄の礎としている部分ではほぼ似通っているのですが。

 アロヒラニも今回スロー競馬での勝利ですので、次走以降も連対していけるかどうか、もう少し様子見しておきたいところです・・・。


12/24 中山5R 2歳新馬(芝1600m)

1着 サウスビクトル(母サラトガヴィーナスのBBLP=10)


 父のサウスヴィグラスは、エンドスウィープ直仔の種牡馬にしては大物感のある産駒を出しづらいというか、まあ実際に出せていないのですが、サウスヴィグラスの母自身がナスルーラ系の両親を持つ同系配合馬であることで、ミスプロ系にも関わらずサクラバクシンオー的な種牡馬になってしまっているものかと(苦笑)。

 こういう短距離指向にシフトしやすい種牡馬の場合、産駒の母方にいくらスタミナの血や底力溢れる先祖たちの存在があっても、1800m以上での距離適性を得にくい傾向が高いのはサクラBO自身が証明しています。

 なので、母サラトガビーナスはBBLP=10で本質的には「中距離指向がある仔を出せる母」のはずなのですが、今のところはスローなマイル戦の内容を見ただけでの判断はつきにくく、次走以降1800m〜2000mの芝レースで連対できたような場合、その時には「有望かも」となるかもしれません。

 
2着 コスモトリス(母自身がノーザンダンサー4×3の近親クロスを持つ)

3着 ラウンドロビン(同系配合馬)

 2、3着馬については特に言及すべき部分なし。


12/24 阪神3R 2歳未勝利(芝1600m)

1着 エアソミュール(母エアラグーンのBBLP=9)

2着 バハドゥール(ノーザンダンサー3×4の近親クロスを持つ)

3着 ミーシャレヴュー(母ネームバリューのBBLP=7だが異系アシスト有りか?)


 1、2着に関しては「よくある配合」、という扱いでもいいかと(苦笑)。むしろ血統的には3着馬のAタキオン産駒のほうに特記事項があると言えます。

 過去記事で再三述べてきましたように、Aタキオンはステイゴールド以上に異系トウルビヨン(ヘロド系)のアシスト効果が高く、また更には別の異系、マンノウォーからのアシスト効果も顕著に得られるタイプです。

 3着馬の母父は正にそのケース。オナー&グローリーはマンノウォー直系となる種牡馬で、かつトウルビヨンのライン継承も3つあるという、非常にオトクな種牡馬ですね(タキオンにとっては、ですが)。

 ミーシャレヴューは牡馬相手の2戦しかしていませんが、牝馬限定のマイル戦などで今後活躍の芽が出てくるようだと面白い存在ですね。


12/24 阪神5R 2歳未勝利(芝1800m)

1着 ベールドインパクト(母ヴァイオレットラブのBBLP=8:(7,0,1)の凡走パターン)

2着 シルクキングリー(母ステイトリースターはニアークティック4×4の近親クロスを持つ)


 ディープ産駒のワンツーフィニッシュでした。既に過去記事で考察済みの勝ち馬はコイウタの半弟で、ムラのある血統背景の母ではありますが1発を秘めているのは主に異系トウルビヨン直系ドクターデヴィアスの活力面によるものでしょう。

 ただ今回も典型的なスロー競馬でしたし、負かした面々に母のBBLP=10以上となるタイプが見つかりませんので、相手関係としてはかなり楽であったと思われます。昇級後の走りの内容をもう一度チェックしておく必要があるでしょう。個人的には人気薄の立場でこその馬で、人気サイドでは過信禁物の血統背景であると受け止めています・・・。


 *ラジオN杯2歳Sの回顧まで至りませんでしたが、明日火曜の夜には必ず記事をUPします。


 m(_ _)m  おかげ様で、このブログの認知度も徐々にではありますが上がってまいりました。

 今後ともよろしくお願いいたします。

<a href="http://horserace.blogmura.com/keiba_pedigree/">にほんブログ村 血統理論</a> 

blood_max at 00:17|PermalinkComments(0) 2歳馬 考察 

2011年12月24日

有馬記念 展望

 例年にも増しての豪華メンバー。G1馬たちがこれだけ一堂に会するレースというのも有馬記念ならでは、でしょうね。

 これだけの馬たちに対し、今更血統の良し悪しがどうこう、などという事自体ナンセンスではあるのですが、昨年のこのブログでの考察では、過去に穴を演出したアメリカンボスの血統背景(父キングマンボ、および黄金配合クロスの持ち主)を引き合いに出して、「黄金配合クロス」の持ち主を特集したところ、ヌレイエフ(4×3)の黄金配合クロスを持つキングマンボ直系のトゥザグローリーが14番人気で3着に激走。

 自分で考察しておきながら、「え”ーっ、ホントに来ちゃったの!」という感じでした。(^^)v

 1、2着馬はお約束の上位人気馬2頭でしたが、その2頭にしてもそれぞれ黄金配合クロスの持ち主。そして本格化する前のトーセンジョーダン(ノーザンダンサーの黄金配合クロス有り)にしても、押し出されての逃げの展開はキツい状況でしたが5着に粘りこんでいました。

 まあ今年も同じ考察をしたところで、なあんも面白くもないので(苦笑)、やはり3歳馬でクラシック3冠を達成したオルフェーヴルに注目せざるをえないでしょう。

 しかし、この馬も前日段階で1番人気。◎にするのは誰でも簡単ですが穴党を自認するサガで、たとえ無謀であっても何とか別の馬の台頭に期待したいところ。

 そこで、同じ3歳馬でオルフェーヴルを負かした経験を持つレッドデイビスに白羽の矢を立てます。

13.レッドデイビス(母ディクシージャズのBBLP=15)

 この馬は激しい気性が懸念され、デビュー前に去勢されセン馬となってしまいましたが、種牡馬になる道は閉ざされても、素質の高さは相当買われていたからこその措置、とも言えます。

 そして陣営の期待に違わず、体質の安定と共に素質の片鱗を見せ始め、シンザン記念では本格化する前のオルフェーヴル相手だったとはいえ1馬身半の差をつけての完勝。

 配合的な見た目で言えば、「父Aタキオン×母父トニービン」であり、この見た目で皐月賞馬のキャプテントゥーレが出ているので「にわか血統ファン」であっても分かりやすいのは確かでした(苦笑)。

 しかし、通常の血統理論などを信奉しているだけでは「それが限界」で、本当の意味での血統考察がその先にまったく進みません。

 迂回血ラインでは、「父と母父」中心の血統考察では終わらせないのが特徴です。

キャプテントゥーレ(母エアトゥーレのBBLP=8)

 確かにこの馬も世代最初の1冠目である皐月賞を勝てたのですが、当日の馬場はある程度回復していたとはいうものの、前日の土曜はかなりの降雨で馬場状態は最悪となっていました。

 その馬場状態を察し、鞍上の川田騎手の好判断でまんまとマイペースの逃げに持ち込み勝利したわけです。けれどもそれ以降、骨折があった事も大きいですが古馬になって以降の走りには、G1級というだけの実績は残してこれませんでした。

 このCトゥーレに比較して、レッドデイビスの母方の奥に潜む「底力度」の容量は、間違いなく高いものです。

 まず、「母の母父」はディキシーランドバンド(BBLP=6)。ノーザンダンサーの直仔、という種牡馬でBBLP=6というのは他にまず見当たりません。

 アルザオ(ディープインパクトの母父)もBBLP=6の種牡馬ですが、ノーザンダンサーから数えて2世代目なので同一視はできないものとなります。

 更にレッドデイビスにとっての3代母の父がアレッジド(BBLP=4)。この血はマンハッタンカフェの母方にも存在する、底力度に溢れる先祖です。

 とかく、血統というのは「父と母父」の要素のみで済まされがちですが、迂回血ラインの有効性というものに着目すると、これまでの“従来型固定観念”に基づく血統理論などとは全く異なった視点での血統考察が可能となります。

 と、ここまで述べてきましたが、やはり3歳馬の身であるので、古馬G1馬たちの威風堂々とした趣に圧倒され、ちょっと精神的にビビッてしまうのではないか?という懸念はなきにしもあらず、なんですよね・・・(笑)。

 これはオルフェーヴルについても言えることです。

 サラブレッドというのは本来「群れ」=集団で行動し、統率のとれた中で互いの力関係を見極め、年齢差であるとか体格差であるとかの微妙な空気を察知し、また年長の馬たちの威圧感を受けると恐れをなして、ヤンチャに喧嘩を挑むなどという無謀な行動は本能的に取らないという、非常に賢い動物なのです。

 まあ、そんな学術的なものをツラツラと言ってみたところで、「強いのはオレ」と、オルフェーヴルがすんなり古馬たちを一蹴してしまうのかもしれませんが(苦笑)。

 ともかく、個人的にはレッドデイビスの走りに期待し、オルフェーヴルともどもこれからずっと頑張って欲しいな、という願望を込めてみた次第にて・・・。


<a href="http://horserace.blogmura.com/keiba_pedigree/"><img src="http://horserace.blogmura.com/keiba_pedigree/img/keiba_pedigree88_31.gif" width="88" height="31" border="0" alt="にほんブログ村 競馬ブログ 血統理論へ" /></a><br /><a href="http://horserace.blogmura.com/keiba_pedigree/">にほんブログ村</a> 

blood_max at 14:11|PermalinkComments(0) 競馬 血統 予想 回顧