2010年09月

2010年09月28日

消えた1番人気馬を追え(その2)

 少し遡りますが・・・、

9/18 中山6R 2歳牝新馬戦(芝1600m)

トーセンミネルバ(母グレースマリヤのBBLP=8)

 新馬のマイル戦にしては千m通過時で60秒を切っており、比較的平均ペースに近い展開で2番手を進んだトーセンミネルバでしたが、あえなく失速。鞍上にはウチパクを配し、確勝を期して臨んだとみられますが、陣営としても10着というのは想定の範囲をかなり超えた惨敗ではないかと思われます。

 半姉にコスモプラチナがいることで人気になっていたのでしょうが、この姉の場合はステイゴールドが父であるからこそ、配合的にはそれなりに上手くいっているとみます。

 その理由として、母父グルームダンサーの2代母、Lady Berryは異系トウルビヨンのクロスを(3×4)の黄金配合で持つタイプ。さらに母の母父アスワンにもネヴァーベンド経由でトウルビヨンの血が1つ存在し、ステイゴールド産駒の活躍条件と思われる配合の要素が散見されるからなんですね。

 一方キングカメハメハの場合も、その母マンファスの母父がトウルビヨン直系のBlakeneyなので、一応配合相手の牝馬にトウルビヨンの影響度が濃ければそれなりに呼応する可能性を持つ種牡馬ですが、これまでのところそういった配合の産駒での特筆すべき活躍はあまり見受けられません。

 問題をトーセンミネルバに絞ると、父キンカメと母グレースマリアとの配合ではノーザンダンサー経由のラインが合計で5つ(クロス位置としては5・5・7×5・5)となり血量でいうところの13.28%を占め、さらにはネアルコ経由の血のライン数は父+母の合計では18ラインとなり、血量は2位でも、あらゆる先祖の中で突出した存在であることを示します。

 私は、キングカメハメハの欠点が「ここにこそ隠されている」と思っています(マイル以上の距離の、芝レースでのオープン級活躍馬を出す場合の欠点です。ダート馬に関しては一切、上記懸案事項による考察の対象外です)。

 今やキンカメは怒涛の勢いでリーディングサイアーTOPの座を突っ走り、破竹の快進撃を見せ、種付け頭数でもディープインパクトさえかすむほどの大人気です。

 けれども過去に何度かこのブログで指摘している通り、芝での活躍馬を出そうという場合においては、配合牝馬自身がノーザンダンサー系か或いはそうでなくても2系統以上でその血を経由しているタイプ、そしてネアルコ経由の血のライン数を10に近いあたりで持っているようなタイプの場合には、キングカメハメハの総合的な良さだけが伝わるわけにはいかなくなる、と感じています。(現状ではアパパネのみが、上記のタイプとしては唯一無二の例外的存在といっても過言ではないです)

 ノーザンダンサー系の影響を過度に伝えそうな牝馬、或いはネアルコ経由の血のラインを多数持っているような牝馬が、キングカメハメハと配合された場合には、このトーセンミネルバのような、「人気と実力が乖離した産駒」たちが、確実にこれからどんどん量産されていくとみます。

 今は正に、生産者の立場からみれば「神様仏様キンカメ様」というものに違いないでしょうが、どんな牝馬と配合させてもそれなりに期待できるだろう、という程度の認識しかない場合には、必ずいずれ手痛いしっぺ返しを食らうことになるのではないか、と個人的には懸念しています。

 「部外者のアンタが何もそこまで心配するこたぁねーよ」、と思われる方が大半でしょうが(苦笑)、一介の素人でしかない私でさえ、TARGETを用いればキンカメ産駒の「出来・不出来」の血統的な傾向をある程度、独自に分析できる時代です。

 生産者の方々が「意図的な配合」というものを日々模索しているのであれば、ぜひ、キンカメ産駒の「出来・不出来」の血統的な要因を探ってみていただきたいものですね。

 「外野からのヤジ」にしか聞こえないかもしれませんけど・・・。

blood_max at 00:12|PermalinkComments(2) 競馬 血統 予想 回顧 

2010年09月26日

神戸新聞杯 回顧

 レース内容は、ダービーの再現かと思うほどの超スロー(千m通過時63秒1)で、春同様究極の上がり勝負でした。さすがに32秒台の突入はなかったものの、連対した2頭は共に上がり3Fを33秒3でまとめ、予測のとおり3着以下とは次元の異なる力量を見せつけました。

 一応、参加した競馬SNSでもローズKを◎にしたまではいいものの、先行するであろうビッグウィークが馬券圏内に残れるほど甘くないのでは?と考えた自分の予想が甘かったですね(苦笑)。

 ダービー連対馬の2頭は別格の存在として、ネオヴァンドームやレーヴドリアンがなす術なくビッグウィークに先着を許した光景は、将来性をそれほど期待していないとはいえども、事前に想定したレベル以下の「暗澹たる体たらく」に映りました。

 まあこれで菊花賞における展開の構図がおぼろげに見えてきましたが、ヤマニンエルブが何が何でも行くタイプ、ビッグウィークは逃げに拘らず番手に控えてもOK、という図式が今のところ一番ありそうな気配ですね。あとは別路線組に昨年のような伏兵がいるのかどうか、というところ。

 菊花賞はザッツザプレンティが勝った年の馬単&3連複を的中させたのがある程度で、個人的にはそれほどいい思い出がないのですが、また時期が近づいたら、自分なりの血統観で再度各馬を考察してみたいと思います。 

 余談ですが、出走馬中、母のBBLPが最低値の3であるハードダダンダンがシンガリ負けを喫したことは、「迂回血ライン」の考察時においてはよくある光景です。

 ハードダダンダンはオッズ的には最低人気ではなかったものの、迂回血ライン的には今回の内容は想定されて然るべき結果でした。

 過去の重賞の結果でもたまにこういう事態が起きています。

 何が言いたいのかというと、やはり競走馬の血統背景には、明確なメッセージが込められているのではないか?ということです。

 「ファラリスの直系子孫が、より優位に子孫を残せるための血統背景とは、母馬の持つ迂回血ライン数=底力継承度合いの強さに他ならない」・・・と。(ただし、強度な近親クロスの優位性を持つタイプは除きます)

 これは私独自の血統研究による、一つの仮説にすぎませんが、これまでにハードダダンダンのようなケースを何頭も見てきている、ということだけは申し上げておきたいと思います。

 まあ、競馬予想においては「最下位になる馬」を的中させても、何の意味もないと言えばまさしくその通りなのですが(苦笑)・・・・。

 血統背景から見たポテンシャルの評価をする上で、淘汰されていってしまうような血統の謎をある程度、“的を射たカタチ”で読み解くことは、迂回血ラインに秘められた可能性を示すものとして、これからもずっと意義のあることだと自負しています。

blood_max at 21:50|PermalinkComments(0) 3歳馬 考察 

2010年09月25日

神戸新聞杯 考察

 昨年の同レース直前にもこのブログにおいて事前考察記事をUP、イコピコを◎にすると述べ、各種馬券の的中が叶いました。

 2年続けてそう上手くいくとは思っていないですが、昨年の考察ポイントから振り返っておきます。

イコピコ(母ガンダーラプソディのBBLP=8)

 迂回血ライン継承度からいえば、このイコピコの母にしても常に芝重賞クラスのタイプを出せる、というほどではありません。それにもかかわらずイコピコを穴馬として抜擢できた理由は、出走馬全体で「母馬のBBLP」において10以上の値となるタイプがいなかったからです。


リーチザクラウン(母クラウンピースのBBLP=5)

セイウンワンダー(母セイウンクノイチのBBLP=6)

アンライバルド(母バレークイーンのBBLP=4)

 と、結果的に2〜4着馬の母の血統背景を見ても、イコピコが当時好走してもおかしくないとした予想は、やはり私としては妥当なものでした。

 もちろん、昨年の皐月賞の結果だけを見れば、“その段階で”世代屈指の力量をアンライバルド以下の上位馬が示したのは確かですが、あの皐月賞は馬場状態を考えればハイペースで、先行馬総崩れとなる中、後続で脚を溜めた馬たちにとって展開がズバリ嵌まっただけ、という見方もできたはずです。

 また、ダービー馬のロジユニヴァース(母アコースティクスのBBLP=12)が出走していなかったことも、夏の上がり馬にとっては好都合で、混戦となりそうな気配に拍車をかけたといえます。

 そして今年はというと、ダービー連対の2頭がきっちりと参戦してくるので、さすがに穴党の私でも「イコピコの再現」ができるだけの「上がり馬」は今年に関してはいないのではないかと予想しています。


1.ビッグウィーク(母タニノジャドールのBBLP=6)

 上がり馬の中では有力視されているようです。この馬はデビュー戦において素質馬とされたトーセンファントムの8着に敗れたのは仕方ないとして、以降未勝利戦で4戦して2着続きとなって、6戦目でようやく勝ち上がりました。

 2400m戦を経験していない面も不安材料で、確かに現状は逃げ先行に有利な阪神の馬場状態だとしても、よほど人気上位馬の「失態」がない限り、掲示板に載るのがやっとではないかと思われますが・・・。


2.レッドスパークル(母クリスタルコーラルのBBLP=9)

 一度考察している馬ですが、ニューイングランド産駒にしては上手く昇級してこれたのは母馬の迂回血ラインがそれなりに高めなこともあるかもしれません。

 ただこの馬にはPlaymate(3×4)の黄金配合クロスがあり、このプレイメイトという牝馬自身が迂回血ライン種牡馬のファラモンド、ハイペリオンを先祖に持つことが特長であるにしても、逆に黄金クロスとなることでそれ以外の「雑多なレベルの先祖」の影響も強調される懸念があります。

 近3走の二桁着順は、いずれも後方ままの競馬で、そもそも競馬になっていません。今回、中団あたりにつけて掲示板に載るようなことがあればいいのですが、個人的には、もう一度だけ狙ってみようと思います。


3.ローズキングダム(母ローズバドのBBLP=10)

 個人的には前哨戦といえどもアパパネのようなことはないと思います。まず、馬券になって然るべきでしょうね。実質的に、この出走メンバーの中でTOPの値の母です。

 今や菊花賞のほうが距離的には特殊で、母のBBLPが機能しづらい時代かもしれないので、ここで勝つことの方が血統ポテンシャル評価の場としてはしっくりくるのではないかと感じています。

 2400mは根幹距離の中の根幹距離、ですし。


4.タニノエポレット(母タニノカリスのBBLP=7:(6,0,1)の凡走パターン)

 実際の戦績でも凡走歴が多々あるとおり、父と母の特徴の両面から、人気サイドになっている場合には狙いたくないタイプです。ダンス産駒なので、これからの時期の一発には確かにコワイものがありますが、昨年のような状況ならともかく、今年は「格」的に言って難しいのではないでしょうか。


5.エイシンフラッシュ(母ムーンレディのBBLP=8)

 ダービーの事前考察時にも注目馬として名を挙げましたが、◎にはしきれませんでした。持ち込み牝馬の仔ですから日本土着の血統背景とは当然異質で、父と母の双方が、やはり近年主流のサンデー系にはない「何か」を持っているのだと思われます。

 その意味では迂回血ラインを考察の中心とするには限界を感じさせられてしまうタイプで、今後の血統研究の参考にしていければ良いなと思えるほどです。

 ただ個人的にはこのあとの菊花賞でも好走があるとしても、研究素材としてはあくまでも4歳以降の活躍の仕方に興味がある、ということです。3歳時の活躍だけでは、異系要素が強めなだけに判断が難しいですね。


6.サンディエゴシチー(母ジェニーソングのBBLP=10)

 この馬はヘイロー(3×4)の黄金配合によるクロス要素が戦績にストレートに現れている、典型例でしょうね。ヘイローの持つ早熟性、完成度の早さなどでデビューからしばらくはアドバンテージになっていました。

 今回、復活ともとれる戦績(馬券圏内)の結果が出せるのだとすれば、単に早熟なだけではないゾという、ヘイロー大威張りの血統評価を出さねばならないでしょうが、どうなるでしょうね・・・。


7.マストハブ(母ジョウノカトリーヌのBBLP=9)

 母父サンデーSで、なんとなく穴要素はあるのかなとは思いますが、富良野特別を勝つまで(即ち、ショボい古馬たちを相手に軽ハンデで勝てるまで)の、未勝利勝ち以降でほとんど競馬になっていなかった戦績を見ると、穴で狙いたい感じは失せます(苦笑)。

 洋芝100%から一転、野芝100%になることも、在来牝系ではないだけに余計に懸念材料でしょう。また、平坦巧者なだけ、という可能性も。もし馬券になったら、母の迂回血ラインは極めて有効、なのかもしれませんが・・・。


8.シルクオールディー(母クインオブオールディーのBBLP=4)

 この馬はヘイルトゥリーズン(4×4)の近親クロスが発生する同系配合馬で、母のポイントの低さは同系配合の要素でカバーされている可能性を現時点では否定し切れませんが、個人的にはこの馬も「洋芝優位の馬場でなら」という必要条件が付く感じはします。父がMカフェなので、母の底力不足は補填できるでしょうが、3着づけ程度で押さえに。

 今どき、ノーザンダンサー経由の血を一切持たない部分は、応援したくなる血統背景ではあるのですが。


9.ネオヴァンドーム(母プリンセスカットのBBLP=7)

 素質馬とされていたトーセンファントムとほとんど同じとみなせる血統背景(母父トニービン、母の母父ノーザンテーストが同じ)でしたし、特に欠点らしい面も感じなかったので、皐月賞では有力視したのですが、見事に凡走。きさらぎ賞勝ち馬があの負け方はないだろう、と当時は憤慨してしまいましたが(笑)、まあ今回のレースで本当はどっちなんだ?という能力評価のズレが修正されることと思います。

 個人的には今回3着あたりになっても全然おかしくないはずだと思っていますが、将来的には「善戦マンタイプ」であろうという評価です。


10.レーヴドリアン(母レーヴドスカーのBBLP=9)

 この馬の母に関してはつい最近も言及、ネアルコ経由の血のライン数が計10(そのうちの過半数、6つが直仔ナスルーラを経由)あることが、「活力を阻害する要因」ではないかと述べました。

 今回の結果がどうなるか分かりませんが、たとえ今回の結果が良くても、上記の懸念材料がなんら払拭されるものではないと判断します。


11.ハードダダンダン(母チーマのBBLP=3:(2,0,1)の凡走パターン)

 未勝利戦の9戦目で勝利。その後に昇級してこれただけでもかなり強運があると思いますが、そのかきつばた賞で上述のシルクオールディー、タニノエポレットを負かしています。

 母の血統背景を見る限り、現代においては相当に不利な底力継承度です。それをBBLP=11のダンスインザダークがかなりカバーしていると考えられますが、正直、春の勢力がまともな状態であれば負けるような相手とは思えませんね。


12.マイネルゴルト(母ダンケベルグのBBLP=6)

 この馬はちょっと血統の特徴が掴みづらい感じで、どちらかというと異系要素が強い面があると思われます。

 母自身の血量最上位は、Blandfordという種牡馬の7.81%で、その経由ライン数は計10です。このブランドフォードというのはイギリスダービー馬マームードの「父の父」であり、サンデーサイレンス自身がそのマームード(4×5)のクロスを持ちますから、サンデー系種牡馬とこの母馬との配合においては、ある程度の役割を担うのかな、という感じですね。

 それほどの出世要因にはならないのではないかと見ていますが。  

blood_max at 22:38|PermalinkComments(0) 3歳馬 考察 

2010年09月22日

2歳戦 次走へのメモ(その16)

9/18 中山2R 2歳牝・未勝利(芝1600m)

1着 デルマドゥルガー(母アドマイヤアイリスのBBLP=7)

2着 フジチャン(母アイドリカのBBLP=6)

3着 ウインジュビリー(母ダイヤモンコビコーのBBLP=5)

4着 マヒナ(母モアムーンライントのBBLP=9)

5着 クリアザウェイ(母リードザウェイのBBLP=19)


 このレースは牝馬限定の未勝利戦で、レベル的にはイマイチなものを感じておりますが、一応見ておきましょう。

 上記5頭の将来性をざっと見渡した場合、適性として1800m〜2000mあたりで最も対応可能と思われるのはマヒナのほうです。

 1〜3着馬に関しては、次走以降もあくまでマイラーとしてどうか?という程度でしょうが、マヒナは次走以降で1800mなどへ延長を試みた場合でも、もう少しやれる可能性があるとみます。

 個人的には2番人気マヒナを◎にしました。今回は完全に脚を余した格好なのは明白で、次走もまた人気でしょうが馬券圏内はほぼ確実であろうと思われます。


 5着のクリアザウェイは、何度もこのブログで考察ポイントになっている「同系配合馬」です。母父がアグネスタキオンとなるわけですが、そのことよりもむしろ、母リードザウェイ自身がネアルコ経由の血のラインが合計10もある部分で、かなり欠点として懸念材料ですね。

 今年の初めに、「迂回血ライン VS ネアルコライン」というタイトルの記事を載せましたが、せっかく多くの「迂回血ライン=底力先祖継承ライン」を得ていても、それをスポイルさせてしまう根本的な問題が、ネアルコ経由の血のラインの多さだ、という内容でした。

 表面的には2000mあたりで十分走れそうな配合に思えるクリアザウェイですが、同系配合でクロスとなるヘイルトゥリーズン(4×5)の要素が強めに出るようだとマイル以下の方が良い可能性も考えられます。

 さらにはネアルコの血の多さが活力を低減させているようだと、そもそも距離がどうだろうと勝ち上がれないまま推移する可能性もなきにしもあらずで、しばらくはその走りに注目しておきたいですね。

 ネアルコ経由のラインが計10以上あるような母でも、すんなりと昇級していけるのであれば、それが「時代の流れ」なのかもしれず、懸念でもなんでもなかった、となるのかも(苦笑)。

 その意味でも、サンプル的な存在として動向を見守ろうと思います。


同日中山5R 2歳新馬(牝)(芝1600m)

1着 コスモバタフライ(母ブルーレインボウのBBLP=16)

2着 ツインエンジェルズ(母マウンテンエンジェルのBBLP=6)

3着 フレンチカクタス(母ブラッシュウィズテキーラのBBLP=9)


 こちらも牝馬限定の新馬戦で、やはりレベル的にはさほどの内容ではないと思われますが、8番人気で母のBBLPの値がかなり高いコスモバタフライが直線ゴボウ抜きで勝利。

 父の菊花賞勝利時のような勝ち方といっては大袈裟でしょうかね。個人的に◎にしたのは同系配合馬で7番人気ナンヨーハマナス(母ミズホのBBLP=10)でしたが、直線に向いてそのまま押し切るかなと思っていたら馬群に飲み込まれ6着。今思えば中途半端な逃げ方でしたか。

 勝ったコスモバタフライの母はニジンスキー(2×4)という度の強いクロスを持っているので、16という値の迂回血ラインが機能しているかどうか判断が難しいタイプでした。

 7番人気を狙ったらコケて、8番人気が来てしまうとはかなりトホホな予想結果ですし、素直にBBLPが高い母の産駒を狙うべし、の教訓がまたしても活かされず、このレース後しばらくはかなり深〜い衝撃、でした(苦笑)。

 ただ、コスモバタフライにしてももう少し次走の内容を見ておきたいですね。トントン拍子に出世、とはいかないような気もしておりますので。


 1番人気10着のトーセンミネルバは、例のシリーズにて。



blood_max at 22:00|PermalinkComments(0) 2歳馬 考察 

2010年09月21日

2歳戦 次走へのメモ(その15)

9/18 札幌2歳未勝利(芝1800m)

1着 マイネルヴァルム(母ダイイチサザンのBBLP=10)

2着 マイネクイーン(母ファストルックのBBLP=5)

4着 ジャックバローズ(母ダイイチボタンのBBLP=11)


 このレースで◎にしたのはジャックバローズでした。まあレース内容としては超スローでの“行ったモン勝ち”の典型で、勝ち馬の逃げが上手くハマったという程度でしょう。

 3着Aバートンについては既に考察済みでここでは省きます。1着馬と4着馬の母の冠名が同じことから分かるように、この両頭は近親関係にあるんですね。

 Mヴァルムの方は全姉サマーフィオーレ(3歳・未勝利)、半姉サマーメサイア(4歳・父Aデジタル、既抹消)の2頭が不振でしたが、Mヴァルム自身はヘイロー(4×3)の黄金クロスが機能している可能性大ですね。

 一応母DサザンのBBLPは提示していますが、母仔2代続けての同系配合馬となるので、ほぼ関係ないと判断します。


 ◎にしたジャックバローズはスローの前残り競馬に屈したカタチですが、それほど悲観するものではないでしょう。上がり3Fは最速ですし。2代母が、勝ち馬とも同じダイイチリカーで、母父としてサンデーSからティンバーカントリーに替わっている部分が異なります。

 Jバローズにはヘイローのクロスはなく、ヘイルトゥリーズン(4×5)のクロスがあり、場合によってはティンバーカントリー由来のスタミナを削ぐ懸念がありそうで、2000mでもOKか、マイルのほうがいいのか見極めが難しいタイプです。芝でダメなら即ダート転向の恐れも(苦笑)。


 2着のAタキオン産駒は、母がバックパサー(3×4)と、レイズアネイティヴ(3×4)の、Wの黄金配合を併せ持つタイプで、BBLPが5という値にしては今回連対できているのも、おそらくこのクロス要因がとりあえず良い方向に出ているのかもしれませんね。

 ただこういう、少々欲張りともいえる配合の特長を母が持っていると、将来性は逆に読みにくくなりますね。バックパサーのクロスが効果的ならある程度の距離までこなせるでしょうし、レイズアネイティヴのスピード要素が強調されていくようだと、古馬以降はマイラーあたりに収束するかもしれませんので。


 3番人気で5着だったディーエスコンドル(母エスワンスペクターのBBLP=4)は、中距離では能力開花しない懸念があります。

 母がミスプロ(3×4)の黄金配合を持っているからで、スピード要素の凝縮のみが濃ければ、距離短縮のほうが好結果につながるだろうと思えるからですね。次走でマイル以下に短縮すればそれなりに面白いかも。



blood_max at 23:51|PermalinkComments(0) 2歳馬 考察