2009年05月
2009年05月31日
日本ダービー 回顧
不良馬場にまで悪化した状態でのロジユニヴァース＆リーチザクラウンの復活劇。押さえで買っていた馬連が私のＰＡＴ残高を救う形となってくれましたが、心情的には「良馬場での復活」を見たかったというのが本音ですね。
しかし、かつての２強がいくら皐月賞で惨敗していたと言っても、この２頭の馬単が７０００円以上つくとは、ちょっと意外でもありました。
もともと、良馬場でも自分の競馬さえできれば強いはずのこの２頭、馬場状態を問わない内容は、今後の活躍度の大きさを物語るものでしょう。
もっとも、菊花賞で再びこの３強が「良馬場」対決する場合、その着順こそが彼らの力関係を最も正しく反映するものとなるのも確かなはず。
距離適性的には菊花賞で一番不利な感じがするのは当然リーチザクラウンとなりそうですが、夏の上がり馬の台頭も期待しつつ、この３強も順調に夏を越してくれることを望みます。
正直なところ、不良馬場でのパフォーマンスは上位馬たちの地力の高さを証明するものではありますが、「血統的なポテンシャルの真の優劣」を判断するためにはやはり最適とはいえない状況下での内容です。
従って、迂回血ライン数＝母馬のポテンシャルが出走馬中最大の１２という値を持つロジユニヴァースが復活劇を見せてくれたことに対しても、無条件に万歳三唱するわけにいかないことは私自身も自覚しています。
ナカヤマフェスタに関しては馬場状態を問わないタイプとみていましたので、ロジＵ＆リーチと絡め３連複のゲットを目論みましたが、アントニオバローズに先着され私の「儲け」は夢の彼方へと消し去られました（苦笑）。
アントニオバローズは決して軽視したわけではないですが、やはり不良馬場が最大限のパフォーマンスＵＰにつながったと思われますし、この馬に対しても良馬場におけるＧ�祇錣鬚發Π貪抔�てみたいと思います。
プリンシパルＳではケイアイライジンに先着を許したこともありますし、まだ強くなるとしても、血統的な診断はやはり保留ですね。
さて、ダービーも終了してしまいましたので、今後このブログでは次期ＰＯＧに向けて人気しそうな２歳馬たちを重点的に取り上げていこうと思います。
古馬Ｇ�祇錣呂泙逝海�ますが、ディープスカイやウオッカなど古馬の血統的なポテンシャルを今更「迂回血ライン」でどうこう述べることについて何の意味も必要性もないと思いますので、来週以降は２歳馬中心に見ていきます。
私自身はＰＯＧへの参加をを去年から止めています。止めてはいますが、私自身の「血統を見抜く目」を伸ばしていくためには有力馬の事前評価を活字として残していくことが重要と思っているからです。
来年のクラシック戦を賑わせる現２歳馬たちの多くが「母馬の迂回血ライン数が他馬より多め」であることを期待しながら・・・。
実証と検証を繰り返しつつ、異質の血統理論で「競走馬の血統の本質」にこれからも迫っていきたいと思っています。
しかし、かつての２強がいくら皐月賞で惨敗していたと言っても、この２頭の馬単が７０００円以上つくとは、ちょっと意外でもありました。
もともと、良馬場でも自分の競馬さえできれば強いはずのこの２頭、馬場状態を問わない内容は、今後の活躍度の大きさを物語るものでしょう。
もっとも、菊花賞で再びこの３強が「良馬場」対決する場合、その着順こそが彼らの力関係を最も正しく反映するものとなるのも確かなはず。
距離適性的には菊花賞で一番不利な感じがするのは当然リーチザクラウンとなりそうですが、夏の上がり馬の台頭も期待しつつ、この３強も順調に夏を越してくれることを望みます。
正直なところ、不良馬場でのパフォーマンスは上位馬たちの地力の高さを証明するものではありますが、「血統的なポテンシャルの真の優劣」を判断するためにはやはり最適とはいえない状況下での内容です。
従って、迂回血ライン数＝母馬のポテンシャルが出走馬中最大の１２という値を持つロジユニヴァースが復活劇を見せてくれたことに対しても、無条件に万歳三唱するわけにいかないことは私自身も自覚しています。
ナカヤマフェスタに関しては馬場状態を問わないタイプとみていましたので、ロジＵ＆リーチと絡め３連複のゲットを目論みましたが、アントニオバローズに先着され私の「儲け」は夢の彼方へと消し去られました（苦笑）。
アントニオバローズは決して軽視したわけではないですが、やはり不良馬場が最大限のパフォーマンスＵＰにつながったと思われますし、この馬に対しても良馬場におけるＧ�祇錣鬚發Π貪抔�てみたいと思います。
プリンシパルＳではケイアイライジンに先着を許したこともありますし、まだ強くなるとしても、血統的な診断はやはり保留ですね。
さて、ダービーも終了してしまいましたので、今後このブログでは次期ＰＯＧに向けて人気しそうな２歳馬たちを重点的に取り上げていこうと思います。
古馬Ｇ�祇錣呂泙逝海�ますが、ディープスカイやウオッカなど古馬の血統的なポテンシャルを今更「迂回血ライン」でどうこう述べることについて何の意味も必要性もないと思いますので、来週以降は２歳馬中心に見ていきます。
私自身はＰＯＧへの参加をを去年から止めています。止めてはいますが、私自身の「血統を見抜く目」を伸ばしていくためには有力馬の事前評価を活字として残していくことが重要と思っているからです。
来年のクラシック戦を賑わせる現２歳馬たちの多くが「母馬の迂回血ライン数が他馬より多め」であることを期待しながら・・・。
実証と検証を繰り返しつつ、異質の血統理論で「競走馬の血統の本質」にこれからも迫っていきたいと思っています。
2009年05月30日
日本ダービー 迂回血ライン的見解
ダービーでの勝利は３歳牡馬にとって種牡馬としての地位を約束され、「血統のスタンダード」になっていくべき立場を得る、競馬界全体の行く末をも左右するほどの重要な意味を持ちます。
普段、血統を「完全無視」して馬券を買う人も、ダービーぐらいはせめて「意識」はして欲しいですねえ。
さて皐月賞がかなり衝撃の結末であっただけに、二桁着順の「元２強」が巻き返せるのかどうかが、今年の場合は最大の興味ですね。土曜正午の時点でロジユニヴァースは２番人気（単勝７倍台）に支持されており、巻き返せるという期待を持った人は多そうです。
１．ロジユニヴァース（母の迂回血＝１２）
母馬の有する底力血統（ハイペリオンやプリンスキロなどのライン）の総数が多いことは無敗時まで十分に機能していました。と同時に母方にはマキャベリアン経由でヘイローの血があり、その５代内クロスは３×５となり、３×４や４×３の黄金クロスほどの影響力は感じないものの、無視できないものです。
さらに母全体で計１１もの「ネアルコ経由の血のライン」があり、活力に欠ける配合というのは皐月賞前から分かっていたのですが、無敗で来ていた以上は「競走馬としては問題ないレベル」と受け止めていました。
問題はロジＵがもし種牡馬になった場合です。父ネオユニヴァースの持つネアルコラインの総数が３つと少ないことは救いとなりそうですが、母と合計すれば計１４ラインとなり、ネアルコ直系子孫の種牡馬としては、異系色の濃い牝馬かつネアルコ経由の血が少ない牝馬と配合しない限り、成功は難しいでしょう。
ロジユニヴァースがダービーで連対する「復活劇」を見せた場合、その血統の持つ意味合いは上記のように捉えるべきではないでしょうか。それぐらい、現代は「ネアルコの血」が氾濫しているわけですから。
２．アプレザンレーヴ（母の迂回血＝９）
この馬の母が持つネアルコラインの総数も、計１０とやはり多く、底力先祖の総数を上回っています。母レーヴドスカーはネアルコ直仔ナスルーラのラインを計５つ、さらにナスルーラの近親ロイヤルチャージャーを父とするターントゥのラインも２系統、そしてノーザンダンサー経由の血も１つ。
今後、常にＧ�祇錣鮠，蘇蕕韻垢襯織ぅ廚箸泙任呂い�ないのではないかと見られます。父はシンボリクリスエスですが、恐らく２４００ｍはこの馬にとっては長いでしょう。３歳同士ならこなせるとしても、古馬以降にこの距離のＧ�気蚤翔�するタイプとまでは思えませんね。
３．フィフスペトル（母の迂回血＝９）
この馬は父と母で計５つとなるノーザンダンサー経由の血の多さが問題となりそうです。ここまでノーザンダンサーの支配力が強いと、パワー型の要素だけが前面に出て、スピードというより馬力で１２００ｍ戦を制していくようなタイプになっていくのではないでしょうか？マイル戦が最も向くと思われた前走で全くいいところなし。今後はスプリント路線転向に活路があるのみ、と思います。
４．トップカミング（母の迂回血＝７）
異色のサンデー系種牡馬ゴールドアリュールが父。母父はサクラバクシンオー。血統の字面だけならダービーに向きそうな気配は皆無ですね（笑）。
さらに、父も母も２つのノーザンダンサー経由の血を持ち、合計では４つのライン。この馬もノーザンダンサーの支配力が強いパワー型配合で、重馬場なら芝でも好走可能な感じですが、ダート戦ならもっと強い競馬が出来るタイプなのではないでしょうか？
５．マッハヴェロシティ（母の迂回血＝１２）
１２という母の迂回血の多さはロジＵと全く同じですが、この馬の場合、同系配合によるヘイロー３×４の黄金クロスの特徴の方が前面に出てしまうタイプといえそうです。早熟性があり急流ダート的なマイル以下のレースでは無類の強さを発揮すると見られ、父Ｍカフェの勢いに貢献するとしてもそれはダービーの舞台ではなさそうです。
６．ケイアイライジン（母の迂回血＝８）
この馬の母もネアルコラインの総数は計１０。ケイムホーム産駒として今後のサンプルとするにはベストの馬とは思えませんね。
７．ナカヤマフェスタ（母の迂回血＝８）
この馬の母の持つネアルコラインは計６つと比較的少なく、その意味では迂回血の底力が活きる配合なのかもしれません。ただ、ナカヤマフェスタの５代内にはノーザンダンサー自身の血が３つあり、やはりその影響力の方が相当強く出るタイプだと見ます。
サンデー系特有の斬れ勝負に強いというよりは、先行して持続型のパワーを活かす血統の特徴があるはずで、事実、戦績はそのようなものになっています。新馬戦や東スポ杯でも上がり３Ｆは最速ではなく、先行して凌ぎきったものです。また、重めの馬場は未経験ですがパワー型なので恐らくこなせるでしょう。ダービー最大の惑星馬はこの馬でしょうか。
８．ブレイクランアウト（母の迂回血＝９）
この馬もベストはマイル戦と思われましたが前走ＮＨＫマイルＣは強風に負けた？のかいいところなし。ただ、父のスマートストライクは同じミスプロ系のキングカメハメハと異なりノーザンダンサーの影響力が全くない種牡馬で、ノーザンダンサー経由の血を持つ配合牝馬に対しても和合性を高いレベルで保てるタイプです。
けれども肝心の配合相手が両親ともノーザンダンサー系で同系配合となるタイプなので、やや「得意な領域」が狭くなるのかも。それでもフィフスペトルよりは２０００ｍ辺りまで対応可能な感じですし、重めの芝も克服可能なタイプにも思えます。
古馬以降は２４００ｍを主戦場とするタイプではないでしょうが、ダービーに限っては上位進出もあり得る血統と考えます。藤田騎手もこの馬に向くでしょう。
９．ジョーカプチーノ（母の迂回血＝１０）
今年のＧ�祇錣任蓮⇒０貶譴留�回血が二桁となるタイプとして優勝しました。さすがに臨戦過程からは３着が一杯か？と見る向きが多かったですし、私もその一人でした（苦笑）。
もっと母馬のポテンシャルを信用してあげれば良かったかな（皐月賞で裏切られたばかりだったので・・・）。
ファルコンＳを勝っていることからスピード優位で２４００ｍが不安視される面もありそうですが、父も迂回血＝１１のマンハッタンカフェでもありますし、過度に飛ばして逃げたりしない限りは問題ないと考えます。
古馬以降の伸びしろも早熟気味のマッハヴェロシティと異なり十分にあるはずです。
１０．アントニオバローズ（母の迂回血＝６）
今回３頭いるＭカフェの産駒の中では、母馬の底力度は最も低いと思われます。母父はキングマンボだろう？というツッコミを入れてくる方に対して申し上げておきますと、母リトルアローは確かにキングマンボの娘ですが、それ以上にリトルアローは５代内に「ネイティヴダンサーの４×３」という黄金クロスを持つのです。
つまりキングマンボ自身が持つ底力や距離の万能性といったものは、その直系先祖であるネイティヴダンサーの方がクロスで強調されることによって相殺され、その特徴が出にくいものになると思われるのです。
「父と母父」でしか、血統というものを見ようとしない場合、母父はキングマンボなんだから、という視点のみで語ろうとしますが、仮に母父キングマンボが強力に出る配合だとして、皐月賞９着というのは疑問にしかならないですね。
むしろ母方のネイティヴダンサーのクロスがこの馬のマイラー的なスピード資質に大きく貢献していると見れば、これまでの戦績を無理なく受け止めることができます。
１１．セイウンワンダー（母の迂回血＝６）
見た目は同じ配合であるスクリーンヒーローにしても、以前コメントしたとおり母は迂回血＝９（解釈は限りなく１０に近い）で、セイウンワンダーの母セイウンクノイチの持つ底力先祖数は少々劣るものです。
よってこの馬が古馬以降にジャパンカップ（芝）でも勝ち負けになるという見方はできませんね。スクリーンヒーローはさらにノーザンダンサーの５代内クロスがありますが、セイウンワンダーにはそれもありませんし。
在来牝系のフロリースカップ系が良い方に出ているという見方には同意はするとしても、セイウンワンダーの場合５代内に３つのヘイルトゥリーズンの血が存在することのほうがその影響力は大でしょう。
競走馬としては短命ながら、類い稀な「スプリント資質」を見せつけたというヘイルトゥリーズンの血が３つもあれば、スプリントやマイルのＧ�祇錣悩８紊眤腓い帽弩イ垢覯椎柔�は高いですが、古馬以降に２４００ｍ前後のレースの常連となるタイプではないことは、その血統が語っていることなのです。
１２．リーチザクラウン（母の迂回血＝５）
気性的にはロジＵ以上に危うい面を抱えていると思われ、母馬の持つ底力ポテンシャルも低く、スピードの資質のみが唯一の強調材料です。父がスペシャルウィークであることからスタミナ面は多少補えているかもしれませんが、産駒の距離適性というのは大抵の場合、母馬の先祖が持つ適性の方に左右されることが多いので、ナスルーラ経由が５系統と多めの母を持つことは、距離延長がプラスに働くとは思えませんね。
ただ、３歳同士ならこの馬に限らず２４００ｍの距離自体をどうこう言う意味はないと思われるので、とにかく単騎で気分良く道中を進めるかの方がリーチザクラウンにとっての「死活問題」でしょう。今回馬券になったとしても全く驚きませんが、将来的にはマイル〜１８００ｍでの活躍に留まると思われます。
１３．シェーンヴァルト（母の迂回血＝７）
この馬は、私の血統研究上において、「凡走パターン」を持つ母馬から生まれています。そのパターンとは、（母父、母の母父、３代母）に区分けしてそれぞれの迂回血ライン数が（０、０、０）、（０、０、１）、（０，１、０）、（Ｘ、０、０）、（Ｘ、０、１）、（Ｘ、１、０）となるもの（Ｘの値は任意）。
母父の位置に迂回血ライン数がゼロ、というのは言語道断の血統で、中央で結果を残そうという場合まず活躍できない母馬、と言えます（例外の馬がごく僅かに存在）。また、母父の位置にいくら迂回血が多めにあろうとも、その他の２箇所に全く迂回血がない場合には、簡単に人気を裏切るタイプとして分類しています。
該当馬の典型としては、オリエンタルロックの母＝（２、０、０）、ファビラスボーイの母＝（３、０、０）、ドットコムの母＝（５、１、０）などなど。種牡馬が何であろうと関係ないのがこのパターンの信頼性を物語ります。
シェーンヴァルトの場合、（６、０、１）となるので正に凡走パターンの母。デイリー杯をレコード勝ちした馬であっても、私の場合は過信できないタイプに映るのです。皐月賞で４着に来たことから有力馬の１頭に支持されるかもしれませんが、人気薄のほうが買うなら妙味があるタイプでしょう。
１４．ゴールデンチケット（母の迂回血＝９）
地方ダート重賞１着からの挑戦ですが、データ的にこれは不利なはずですね。ただ母父サンデーＳでもあるし、全くのノーマークだと激走されてしまいそうで厄介な存在です（苦笑）。
ただ母アグネスショコラ自身も短距離でしかいい所がなく、かつ５００万下をダート短距離でやっと脱出、ほどなく引退・・・。
アグネスショコラの祖母Ski Goggleはロイヤルスキーの直仔で、トウルビヨン２系統に加え、ハイペリオンのライン２つ有するので潜在的な底力には貢献できそうですが、キンカメがノーザンダンサーのパワーのみをを強調しがちなタイプであるだけに、今後もダート路線が活躍の場となりそうですね。
１５．アーリーロブスト（母の迂回血＝１１）
母のポイントは高めなものの、父ＢＧフェローの限界も感じさせる近走の内容です。テン乗りとなる三浦騎手に魅力がないわけではないですが、この馬もヘイロー３×５のクロスがあり、将来的にダート転向が成功への最短ルートかも。
１６．トライアンフマーチ（母の迂回血＝５）
この馬の母も凡走パターン＝（５、０、０）となるのですが、皐月賞２着馬ですし今度は人気気味の立場が必至。ダービーで再度馬券になったとしても、私はこの馬の今後はあまり期待しないほうが良いと思っています。やはり人気薄になった場合の方が狙い目ですかね。
１７．アイアンルック（母の迂回血＝９）
強風で大型馬に有利に働いたと見られるＮＨＫマイルＣでまさかの敗退。不利を受けたとのことですが、位置取りが後ろ過ぎたことも一因でしょう。ただ、２０００ｍ以上の距離がダメなタイプには思えませんし、かえってマイルの忙しい距離より延長の今回の方が末脚を活かせるのかもしれませんね。
１８．アンライバルド（母の迂回血＝４）
凡走パターンの母バレークイーン＝（３、１、０）が２頭目のダービー馬を出すのか？大いに注目されます。
ただ凡走パターンを持つとはいっても、そもそもバレークイーンは２０年近い母馬のキャリアを持つ馬です。これ自体が驚異的。まあ１６年前の初仔フサイチコンコルドがダービー馬になったからこそでしょうが、その後の産駒はサンデーサイレンスが何回も相手になりながら全くの不振。ボーンキングにしても古馬以降は全くいいところがありませんでした。
バレークイーンとサンデーサイレンスとでは必ず５代内にアルマームードのクロス（４×５）が生じ、能力以前に気性面で課題が出やすい産駒が多かったといえそうですが、父がネオユニヴァースに替わり、バレークイーンの母系にあるセントサイモンの２系統と、ネオユニヴァースの母系にある複数のセントサイモン経由の血が上手く呼応する配合なのかもしれません。
１９世紀終盤の競馬界を席巻したセントサイモンの血が、現代の「過度のネアルコ主導型配合」に警鐘を鳴らす存在として再度そのポテンシャルを発動させ、「血の偏りを問う」局面に到達したのであれば、アンライバルドの２冠達成も重要な示唆を含んでいる、と考えられなくもありません。
まあ、年に１度の競馬の祭典、まずはレースを存分に楽しむことにしましょう。
普段、血統を「完全無視」して馬券を買う人も、ダービーぐらいはせめて「意識」はして欲しいですねえ。
さて皐月賞がかなり衝撃の結末であっただけに、二桁着順の「元２強」が巻き返せるのかどうかが、今年の場合は最大の興味ですね。土曜正午の時点でロジユニヴァースは２番人気（単勝７倍台）に支持されており、巻き返せるという期待を持った人は多そうです。
１．ロジユニヴァース（母の迂回血＝１２）
母馬の有する底力血統（ハイペリオンやプリンスキロなどのライン）の総数が多いことは無敗時まで十分に機能していました。と同時に母方にはマキャベリアン経由でヘイローの血があり、その５代内クロスは３×５となり、３×４や４×３の黄金クロスほどの影響力は感じないものの、無視できないものです。
さらに母全体で計１１もの「ネアルコ経由の血のライン」があり、活力に欠ける配合というのは皐月賞前から分かっていたのですが、無敗で来ていた以上は「競走馬としては問題ないレベル」と受け止めていました。
問題はロジＵがもし種牡馬になった場合です。父ネオユニヴァースの持つネアルコラインの総数が３つと少ないことは救いとなりそうですが、母と合計すれば計１４ラインとなり、ネアルコ直系子孫の種牡馬としては、異系色の濃い牝馬かつネアルコ経由の血が少ない牝馬と配合しない限り、成功は難しいでしょう。
ロジユニヴァースがダービーで連対する「復活劇」を見せた場合、その血統の持つ意味合いは上記のように捉えるべきではないでしょうか。それぐらい、現代は「ネアルコの血」が氾濫しているわけですから。
２．アプレザンレーヴ（母の迂回血＝９）
この馬の母が持つネアルコラインの総数も、計１０とやはり多く、底力先祖の総数を上回っています。母レーヴドスカーはネアルコ直仔ナスルーラのラインを計５つ、さらにナスルーラの近親ロイヤルチャージャーを父とするターントゥのラインも２系統、そしてノーザンダンサー経由の血も１つ。
今後、常にＧ�祇錣鮠，蘇蕕韻垢襯織ぅ廚箸泙任呂い�ないのではないかと見られます。父はシンボリクリスエスですが、恐らく２４００ｍはこの馬にとっては長いでしょう。３歳同士ならこなせるとしても、古馬以降にこの距離のＧ�気蚤翔�するタイプとまでは思えませんね。
３．フィフスペトル（母の迂回血＝９）
この馬は父と母で計５つとなるノーザンダンサー経由の血の多さが問題となりそうです。ここまでノーザンダンサーの支配力が強いと、パワー型の要素だけが前面に出て、スピードというより馬力で１２００ｍ戦を制していくようなタイプになっていくのではないでしょうか？マイル戦が最も向くと思われた前走で全くいいところなし。今後はスプリント路線転向に活路があるのみ、と思います。
４．トップカミング（母の迂回血＝７）
異色のサンデー系種牡馬ゴールドアリュールが父。母父はサクラバクシンオー。血統の字面だけならダービーに向きそうな気配は皆無ですね（笑）。
さらに、父も母も２つのノーザンダンサー経由の血を持ち、合計では４つのライン。この馬もノーザンダンサーの支配力が強いパワー型配合で、重馬場なら芝でも好走可能な感じですが、ダート戦ならもっと強い競馬が出来るタイプなのではないでしょうか？
５．マッハヴェロシティ（母の迂回血＝１２）
１２という母の迂回血の多さはロジＵと全く同じですが、この馬の場合、同系配合によるヘイロー３×４の黄金クロスの特徴の方が前面に出てしまうタイプといえそうです。早熟性があり急流ダート的なマイル以下のレースでは無類の強さを発揮すると見られ、父Ｍカフェの勢いに貢献するとしてもそれはダービーの舞台ではなさそうです。
６．ケイアイライジン（母の迂回血＝８）
この馬の母もネアルコラインの総数は計１０。ケイムホーム産駒として今後のサンプルとするにはベストの馬とは思えませんね。
７．ナカヤマフェスタ（母の迂回血＝８）
この馬の母の持つネアルコラインは計６つと比較的少なく、その意味では迂回血の底力が活きる配合なのかもしれません。ただ、ナカヤマフェスタの５代内にはノーザンダンサー自身の血が３つあり、やはりその影響力の方が相当強く出るタイプだと見ます。
サンデー系特有の斬れ勝負に強いというよりは、先行して持続型のパワーを活かす血統の特徴があるはずで、事実、戦績はそのようなものになっています。新馬戦や東スポ杯でも上がり３Ｆは最速ではなく、先行して凌ぎきったものです。また、重めの馬場は未経験ですがパワー型なので恐らくこなせるでしょう。ダービー最大の惑星馬はこの馬でしょうか。
８．ブレイクランアウト（母の迂回血＝９）
この馬もベストはマイル戦と思われましたが前走ＮＨＫマイルＣは強風に負けた？のかいいところなし。ただ、父のスマートストライクは同じミスプロ系のキングカメハメハと異なりノーザンダンサーの影響力が全くない種牡馬で、ノーザンダンサー経由の血を持つ配合牝馬に対しても和合性を高いレベルで保てるタイプです。
けれども肝心の配合相手が両親ともノーザンダンサー系で同系配合となるタイプなので、やや「得意な領域」が狭くなるのかも。それでもフィフスペトルよりは２０００ｍ辺りまで対応可能な感じですし、重めの芝も克服可能なタイプにも思えます。
古馬以降は２４００ｍを主戦場とするタイプではないでしょうが、ダービーに限っては上位進出もあり得る血統と考えます。藤田騎手もこの馬に向くでしょう。
９．ジョーカプチーノ（母の迂回血＝１０）
今年のＧ�祇錣任蓮⇒０貶譴留�回血が二桁となるタイプとして優勝しました。さすがに臨戦過程からは３着が一杯か？と見る向きが多かったですし、私もその一人でした（苦笑）。
もっと母馬のポテンシャルを信用してあげれば良かったかな（皐月賞で裏切られたばかりだったので・・・）。
ファルコンＳを勝っていることからスピード優位で２４００ｍが不安視される面もありそうですが、父も迂回血＝１１のマンハッタンカフェでもありますし、過度に飛ばして逃げたりしない限りは問題ないと考えます。
古馬以降の伸びしろも早熟気味のマッハヴェロシティと異なり十分にあるはずです。
１０．アントニオバローズ（母の迂回血＝６）
今回３頭いるＭカフェの産駒の中では、母馬の底力度は最も低いと思われます。母父はキングマンボだろう？というツッコミを入れてくる方に対して申し上げておきますと、母リトルアローは確かにキングマンボの娘ですが、それ以上にリトルアローは５代内に「ネイティヴダンサーの４×３」という黄金クロスを持つのです。
つまりキングマンボ自身が持つ底力や距離の万能性といったものは、その直系先祖であるネイティヴダンサーの方がクロスで強調されることによって相殺され、その特徴が出にくいものになると思われるのです。
「父と母父」でしか、血統というものを見ようとしない場合、母父はキングマンボなんだから、という視点のみで語ろうとしますが、仮に母父キングマンボが強力に出る配合だとして、皐月賞９着というのは疑問にしかならないですね。
むしろ母方のネイティヴダンサーのクロスがこの馬のマイラー的なスピード資質に大きく貢献していると見れば、これまでの戦績を無理なく受け止めることができます。
１１．セイウンワンダー（母の迂回血＝６）
見た目は同じ配合であるスクリーンヒーローにしても、以前コメントしたとおり母は迂回血＝９（解釈は限りなく１０に近い）で、セイウンワンダーの母セイウンクノイチの持つ底力先祖数は少々劣るものです。
よってこの馬が古馬以降にジャパンカップ（芝）でも勝ち負けになるという見方はできませんね。スクリーンヒーローはさらにノーザンダンサーの５代内クロスがありますが、セイウンワンダーにはそれもありませんし。
在来牝系のフロリースカップ系が良い方に出ているという見方には同意はするとしても、セイウンワンダーの場合５代内に３つのヘイルトゥリーズンの血が存在することのほうがその影響力は大でしょう。
競走馬としては短命ながら、類い稀な「スプリント資質」を見せつけたというヘイルトゥリーズンの血が３つもあれば、スプリントやマイルのＧ�祇錣悩８紊眤腓い帽弩イ垢覯椎柔�は高いですが、古馬以降に２４００ｍ前後のレースの常連となるタイプではないことは、その血統が語っていることなのです。
１２．リーチザクラウン（母の迂回血＝５）
気性的にはロジＵ以上に危うい面を抱えていると思われ、母馬の持つ底力ポテンシャルも低く、スピードの資質のみが唯一の強調材料です。父がスペシャルウィークであることからスタミナ面は多少補えているかもしれませんが、産駒の距離適性というのは大抵の場合、母馬の先祖が持つ適性の方に左右されることが多いので、ナスルーラ経由が５系統と多めの母を持つことは、距離延長がプラスに働くとは思えませんね。
ただ、３歳同士ならこの馬に限らず２４００ｍの距離自体をどうこう言う意味はないと思われるので、とにかく単騎で気分良く道中を進めるかの方がリーチザクラウンにとっての「死活問題」でしょう。今回馬券になったとしても全く驚きませんが、将来的にはマイル〜１８００ｍでの活躍に留まると思われます。
１３．シェーンヴァルト（母の迂回血＝７）
この馬は、私の血統研究上において、「凡走パターン」を持つ母馬から生まれています。そのパターンとは、（母父、母の母父、３代母）に区分けしてそれぞれの迂回血ライン数が（０、０、０）、（０、０、１）、（０，１、０）、（Ｘ、０、０）、（Ｘ、０、１）、（Ｘ、１、０）となるもの（Ｘの値は任意）。
母父の位置に迂回血ライン数がゼロ、というのは言語道断の血統で、中央で結果を残そうという場合まず活躍できない母馬、と言えます（例外の馬がごく僅かに存在）。また、母父の位置にいくら迂回血が多めにあろうとも、その他の２箇所に全く迂回血がない場合には、簡単に人気を裏切るタイプとして分類しています。
該当馬の典型としては、オリエンタルロックの母＝（２、０、０）、ファビラスボーイの母＝（３、０、０）、ドットコムの母＝（５、１、０）などなど。種牡馬が何であろうと関係ないのがこのパターンの信頼性を物語ります。
シェーンヴァルトの場合、（６、０、１）となるので正に凡走パターンの母。デイリー杯をレコード勝ちした馬であっても、私の場合は過信できないタイプに映るのです。皐月賞で４着に来たことから有力馬の１頭に支持されるかもしれませんが、人気薄のほうが買うなら妙味があるタイプでしょう。
１４．ゴールデンチケット（母の迂回血＝９）
地方ダート重賞１着からの挑戦ですが、データ的にこれは不利なはずですね。ただ母父サンデーＳでもあるし、全くのノーマークだと激走されてしまいそうで厄介な存在です（苦笑）。
ただ母アグネスショコラ自身も短距離でしかいい所がなく、かつ５００万下をダート短距離でやっと脱出、ほどなく引退・・・。
アグネスショコラの祖母Ski Goggleはロイヤルスキーの直仔で、トウルビヨン２系統に加え、ハイペリオンのライン２つ有するので潜在的な底力には貢献できそうですが、キンカメがノーザンダンサーのパワーのみをを強調しがちなタイプであるだけに、今後もダート路線が活躍の場となりそうですね。
１５．アーリーロブスト（母の迂回血＝１１）
母のポイントは高めなものの、父ＢＧフェローの限界も感じさせる近走の内容です。テン乗りとなる三浦騎手に魅力がないわけではないですが、この馬もヘイロー３×５のクロスがあり、将来的にダート転向が成功への最短ルートかも。
１６．トライアンフマーチ（母の迂回血＝５）
この馬の母も凡走パターン＝（５、０、０）となるのですが、皐月賞２着馬ですし今度は人気気味の立場が必至。ダービーで再度馬券になったとしても、私はこの馬の今後はあまり期待しないほうが良いと思っています。やはり人気薄になった場合の方が狙い目ですかね。
１７．アイアンルック（母の迂回血＝９）
強風で大型馬に有利に働いたと見られるＮＨＫマイルＣでまさかの敗退。不利を受けたとのことですが、位置取りが後ろ過ぎたことも一因でしょう。ただ、２０００ｍ以上の距離がダメなタイプには思えませんし、かえってマイルの忙しい距離より延長の今回の方が末脚を活かせるのかもしれませんね。
１８．アンライバルド（母の迂回血＝４）
凡走パターンの母バレークイーン＝（３、１、０）が２頭目のダービー馬を出すのか？大いに注目されます。
ただ凡走パターンを持つとはいっても、そもそもバレークイーンは２０年近い母馬のキャリアを持つ馬です。これ自体が驚異的。まあ１６年前の初仔フサイチコンコルドがダービー馬になったからこそでしょうが、その後の産駒はサンデーサイレンスが何回も相手になりながら全くの不振。ボーンキングにしても古馬以降は全くいいところがありませんでした。
バレークイーンとサンデーサイレンスとでは必ず５代内にアルマームードのクロス（４×５）が生じ、能力以前に気性面で課題が出やすい産駒が多かったといえそうですが、父がネオユニヴァースに替わり、バレークイーンの母系にあるセントサイモンの２系統と、ネオユニヴァースの母系にある複数のセントサイモン経由の血が上手く呼応する配合なのかもしれません。
１９世紀終盤の競馬界を席巻したセントサイモンの血が、現代の「過度のネアルコ主導型配合」に警鐘を鳴らす存在として再度そのポテンシャルを発動させ、「血の偏りを問う」局面に到達したのであれば、アンライバルドの２冠達成も重要な示唆を含んでいる、と考えられなくもありません。
まあ、年に１度の競馬の祭典、まずはレースを存分に楽しむことにしましょう。
2009年05月24日
オークス 出走各馬分析
日曜の関東地方の空模様は、午後にはほぼ確実に降雨という予報が出ており馬場の悪化は避けられない見込みです。それでもブエナビスタが能力の違いで押し切ってしまうのかもしれませんが、人気薄の台頭も当然考えられる状況となりそうですね。
馬券の参考になるかどうかの自信はありませんが（苦笑）、迂回血ライン的視点による「母馬の特徴」からオークスのみならず今後の路線がどのようなものになるのか、各馬を検証したいと思います。
１．マイティスルー（母の迂回血＝５）
ボールドルーラー（５×５）のクロスを有しますが良馬場ではサンデー系種牡馬の産駒たちに斬れ負けするような感じですね。母父はシアトルスルーですが、この母父以外からの迂回血ライン継承が足りず、計５ポイントのみ。
本質的にはダートのマイル戦あたりが最も向くように思いますが、悪化した馬場なら芝でもパワーを活かせそうな気はします。
３．レッドディザイア（母の迂回血＝８）
母方には２つのノーザンダンサー経由の血（カーリアンとサドラーズウェルズ）があり、さらにヘイルトゥリーズンのクロスもあるため、重厚というより、過度のネアルコ依存度が見受けられる配合を持ちます。
このようなタイプは母としての迂回血が多くても少なくてもあまり関係なく、ネアルコ依存度の高さが良い方に出るか悪い方に出るかの２つに１つ。
父の勢いからも良い方に出ていると見るべきでしょうが、この馬が母馬となった場合、今度はそのネアルコ依存度が産駒に裏目に出る可能性が高いでしょう。
４．ヴィーヴァヴォドカ（母の迂回血＝７）
重め馬場の走りは未知ですが、こなせそうな感じはしてきますね。逃げ気味の先行脚質も、馬場が悪化した場合には味方しそうですが、失速も大いにあり得るかと（笑）。将来的には非根幹距離の１４００ｍや１８００ｍの芝レースが活躍の舞台となるのではないでしょうか。
ビバ！ウオッカ！！という意味の馬名は先週のウオッカ完勝とリンク？し、この馬の激走も暗示するのかも？？（ベタすぎ？）
５．ダノンベルベール（母の迂回血＝７）
父タキオンは異系トウルビヨン＆マンノウォーをそれぞれ２系統ずづロイヤルスキーから受け継ぎ、サンデー系種牡馬の中では「３大父祖」の血統ポテンシャルのどれかを際立たせることが最も可能な種牡馬で、それが昨年来までの実績に結びついているといえます。
ただ今年に入って、迂回血ライン＝１１であるマンハッタンカフェの台頭にあい、元々の迂回血＝７のアグネスタキオンにとっては正念場を迎える事態に至りました。現に３歳牡馬のタキオン産駒は今年不作と言える状況ですし、あとはこのオークスでどうなるかというところですね。
ダノンベルベールは母にトウルビヨン経由のラインが１つありますが異系アシストとしては恐らく不十分でしょう。母の迂回血ライン＝底力先祖数が計７つというのも、父との値を合算した場合やはり不十分です。重馬場経験がないためその走りも未知ですが、重馬場を克服すれば或いは台頭の可能性も？
７．ブエナビスタ（母の迂回血ライン＝６）
何度か言及してきましたが、この馬の場合も母自身の迂回血はほとんど関係せず、ニジンスキー（４×３）のクロスが最良の形で顕現した非常に稀有な馬として扱わせていただきます（苦笑）。
恐らく、もしブエナビスタに全弟もしくは全妹が今後誕生したとしても、ここまでの馬に至る確率は非常に低いでしょう。（クローンでもない限りは。禁句？）
あとは馬場が悪化した場合のレーザービーム的な「斬れ」がどうなるかだけですかね。ノメるような馬場に馬自身が戸惑う可能性はゼロではないはずですので・・・。それでもあっさり勝つのなら、あとはウオッカ＆ダイスカのように古馬となっても牡馬を蹴散らす走りのレベルに至るかどうか、ですね。
８．ディアジーナ（母の迂回血ライン＝８）
直系父祖がトウルビヨンで、なおかつディアジーナの血統背景にはノーザンダンサー経由の血のラインが一切皆無。このような血統背景でもクラシックＧ�気陵�力馬となるわけですから、競走馬の生産に携わる方々にももう少し、「ノーザンダンサーの血脈に“過度に”頼らない馬作り」を目指してもらいたいものです。
ヴィクトリアマイルを完勝したウオッカも、ナスルーラ経由の血が多めとはいえノーザンダンサー経由の血が一切ない血統背景であの強さを発揮できるのです。そしてディアジーナも「母馬としての可能性ならウオッカ以上の価値」、とまで言ってしまってもいいのではないかと思えるほどですね。
１２．ダイアナバローズ（母の迂回血＝８）
能力的にはまだ全開しきれていないのがこの馬ではないかと思います。母チッキーズディスコ自身が持つミルリーフ（２×３）の強烈なクロスが、もしかして全開に至れば今後大化けする可能性もあるのかな、という気も。
１３．ブロードストリート（母の迂回血＝６）
この馬も母の迂回血ラインはそう高くはないですが、母自身が異系マンノウォー＆トウルビヨンのラインを両方持ち、同じ特徴を持つＡタキオンとの相性はかなり良いと思われます。あとは重め馬場の克服がやはりカギとなりそうです。
１４．ジェルミナル（母の迂回血＝１３）
現３歳馬の中では牡牝併せてもトップクラスの母の迂回血の高さがこの馬の特徴で、これまで勝ちきれない感じでしたが距離延長に最も対応可能なタキオン産駒がこのジェルミナルと言っていいでしょう。
迂回血が１０以上と高い値の母を持つ場合、マイル前後の距離では持ち味を十分に発揮できないことも多く、リトルアマポーラ（母の迂回血＝１０）のようにやや長めの距離になって台頭するタイプが多いのです。
ただジェルミナル自身が重馬場に対応できるかどうかはまた別問題で、その点はネックですが他の有力馬にも同じことは言えますので、なんとか克服してもらいたいと願っています。
１５．ハシッテホシーノ（母の迂回血＝４）
男馬相手に不良馬場の東京芝２４００ｍを勝っていることをどう評価すべきなのかが意見の分かれるところでしょう。もし良馬場で勝っていた場合、その勝利は素直に評価できますが不良馬場での勝利となると、牡馬より２キロ軽い斤量が非常に有利に働いた可能性も否定しきれず、今回もし良馬場ならばやや斬れ負けするタイプだろうと考えていました。
ただオークスも重〜不良馬場となった場合、一度こなしている強みがあるだけに逆に評価は上がります。斤量の恩恵は牝馬同士でもあり無くなりますが、馬が馬場に戸惑うことはないはずなので台頭の余地が出てきますね。
１６．ワイドサファイア（母の迂回血＝６）
タキオンと配合する牝馬としてはやはり迂回血が不十分な母を持つので、体質の弱さ云々を言われていますが、体質が強化されたとしてもさほどの伸びしろを持たないタイプだと思われます。
母には異系マンノウォーのラインが１つあるので、異系アシストが発生する可能性を持つタイプではありますが、今後もＧ�気鮠，蘇蕕韻垢襪泙任梁減澆砲呂覆蠕擇譴覆い噺�ています。
１７．デリキットピース（母の迂回血＝６）
ホワイトマズル×母父サンデーＳの「見た目配合」となるため、２連勝していることもあり連下扱いの人気にはなるのでしょう。父ホワイトマズルが迂回血ライン＝１１となる種牡馬であることは既に言及していますが、系統は違えども迂回血ライン＝１１のマンハッタンカフェと同じ値であることはやはり、強調すべき部分ですね。
ホワイトマズルの種牡馬としての芝Ｇ�擬太咾禄淑�なので、あとは配合相手の母馬次第、というところですが、母デリキットの持つ値は６とやや低め。とはいえトウルビヨンの血のラインを１つ経由しており、ホワイトマズル自身もトウルビヨン経由が１つあるため、相性は良いはずですし、何より母デリキット自身にノーザンダンサー経由の血がない、というのが好感が持てます。
重馬場対応も血統的にはこなせそうな感じなので、その走りには注目してみたいですね。
１８．サクラローズマリー（母の迂回血＝４）
良馬場であれば恐らく台頭の余地はないだろうと考えていましたが、もし重〜不良馬場になった場合には、中京の芝２０００ｍの不良馬場を勝っているだけに軽視できない存在といえそうです。将来的にオープンクラスへの昇級も危うい感じの馬ですが、距離適性そのものは２５００ｍ前後までこなせそうな感じで、下級条件の札幌２６００ｍなどではハマるかも？ですね。
馬券の参考になるかどうかの自信はありませんが（苦笑）、迂回血ライン的視点による「母馬の特徴」からオークスのみならず今後の路線がどのようなものになるのか、各馬を検証したいと思います。
１．マイティスルー（母の迂回血＝５）
ボールドルーラー（５×５）のクロスを有しますが良馬場ではサンデー系種牡馬の産駒たちに斬れ負けするような感じですね。母父はシアトルスルーですが、この母父以外からの迂回血ライン継承が足りず、計５ポイントのみ。
本質的にはダートのマイル戦あたりが最も向くように思いますが、悪化した馬場なら芝でもパワーを活かせそうな気はします。
３．レッドディザイア（母の迂回血＝８）
母方には２つのノーザンダンサー経由の血（カーリアンとサドラーズウェルズ）があり、さらにヘイルトゥリーズンのクロスもあるため、重厚というより、過度のネアルコ依存度が見受けられる配合を持ちます。
このようなタイプは母としての迂回血が多くても少なくてもあまり関係なく、ネアルコ依存度の高さが良い方に出るか悪い方に出るかの２つに１つ。
父の勢いからも良い方に出ていると見るべきでしょうが、この馬が母馬となった場合、今度はそのネアルコ依存度が産駒に裏目に出る可能性が高いでしょう。
４．ヴィーヴァヴォドカ（母の迂回血＝７）
重め馬場の走りは未知ですが、こなせそうな感じはしてきますね。逃げ気味の先行脚質も、馬場が悪化した場合には味方しそうですが、失速も大いにあり得るかと（笑）。将来的には非根幹距離の１４００ｍや１８００ｍの芝レースが活躍の舞台となるのではないでしょうか。
ビバ！ウオッカ！！という意味の馬名は先週のウオッカ完勝とリンク？し、この馬の激走も暗示するのかも？？（ベタすぎ？）
５．ダノンベルベール（母の迂回血＝７）
父タキオンは異系トウルビヨン＆マンノウォーをそれぞれ２系統ずづロイヤルスキーから受け継ぎ、サンデー系種牡馬の中では「３大父祖」の血統ポテンシャルのどれかを際立たせることが最も可能な種牡馬で、それが昨年来までの実績に結びついているといえます。
ただ今年に入って、迂回血ライン＝１１であるマンハッタンカフェの台頭にあい、元々の迂回血＝７のアグネスタキオンにとっては正念場を迎える事態に至りました。現に３歳牡馬のタキオン産駒は今年不作と言える状況ですし、あとはこのオークスでどうなるかというところですね。
ダノンベルベールは母にトウルビヨン経由のラインが１つありますが異系アシストとしては恐らく不十分でしょう。母の迂回血ライン＝底力先祖数が計７つというのも、父との値を合算した場合やはり不十分です。重馬場経験がないためその走りも未知ですが、重馬場を克服すれば或いは台頭の可能性も？
７．ブエナビスタ（母の迂回血ライン＝６）
何度か言及してきましたが、この馬の場合も母自身の迂回血はほとんど関係せず、ニジンスキー（４×３）のクロスが最良の形で顕現した非常に稀有な馬として扱わせていただきます（苦笑）。
恐らく、もしブエナビスタに全弟もしくは全妹が今後誕生したとしても、ここまでの馬に至る確率は非常に低いでしょう。（クローンでもない限りは。禁句？）
あとは馬場が悪化した場合のレーザービーム的な「斬れ」がどうなるかだけですかね。ノメるような馬場に馬自身が戸惑う可能性はゼロではないはずですので・・・。それでもあっさり勝つのなら、あとはウオッカ＆ダイスカのように古馬となっても牡馬を蹴散らす走りのレベルに至るかどうか、ですね。
８．ディアジーナ（母の迂回血ライン＝８）
直系父祖がトウルビヨンで、なおかつディアジーナの血統背景にはノーザンダンサー経由の血のラインが一切皆無。このような血統背景でもクラシックＧ�気陵�力馬となるわけですから、競走馬の生産に携わる方々にももう少し、「ノーザンダンサーの血脈に“過度に”頼らない馬作り」を目指してもらいたいものです。
ヴィクトリアマイルを完勝したウオッカも、ナスルーラ経由の血が多めとはいえノーザンダンサー経由の血が一切ない血統背景であの強さを発揮できるのです。そしてディアジーナも「母馬としての可能性ならウオッカ以上の価値」、とまで言ってしまってもいいのではないかと思えるほどですね。
１２．ダイアナバローズ（母の迂回血＝８）
能力的にはまだ全開しきれていないのがこの馬ではないかと思います。母チッキーズディスコ自身が持つミルリーフ（２×３）の強烈なクロスが、もしかして全開に至れば今後大化けする可能性もあるのかな、という気も。
１３．ブロードストリート（母の迂回血＝６）
この馬も母の迂回血ラインはそう高くはないですが、母自身が異系マンノウォー＆トウルビヨンのラインを両方持ち、同じ特徴を持つＡタキオンとの相性はかなり良いと思われます。あとは重め馬場の克服がやはりカギとなりそうです。
１４．ジェルミナル（母の迂回血＝１３）
現３歳馬の中では牡牝併せてもトップクラスの母の迂回血の高さがこの馬の特徴で、これまで勝ちきれない感じでしたが距離延長に最も対応可能なタキオン産駒がこのジェルミナルと言っていいでしょう。
迂回血が１０以上と高い値の母を持つ場合、マイル前後の距離では持ち味を十分に発揮できないことも多く、リトルアマポーラ（母の迂回血＝１０）のようにやや長めの距離になって台頭するタイプが多いのです。
ただジェルミナル自身が重馬場に対応できるかどうかはまた別問題で、その点はネックですが他の有力馬にも同じことは言えますので、なんとか克服してもらいたいと願っています。
１５．ハシッテホシーノ（母の迂回血＝４）
男馬相手に不良馬場の東京芝２４００ｍを勝っていることをどう評価すべきなのかが意見の分かれるところでしょう。もし良馬場で勝っていた場合、その勝利は素直に評価できますが不良馬場での勝利となると、牡馬より２キロ軽い斤量が非常に有利に働いた可能性も否定しきれず、今回もし良馬場ならばやや斬れ負けするタイプだろうと考えていました。
ただオークスも重〜不良馬場となった場合、一度こなしている強みがあるだけに逆に評価は上がります。斤量の恩恵は牝馬同士でもあり無くなりますが、馬が馬場に戸惑うことはないはずなので台頭の余地が出てきますね。
１６．ワイドサファイア（母の迂回血＝６）
タキオンと配合する牝馬としてはやはり迂回血が不十分な母を持つので、体質の弱さ云々を言われていますが、体質が強化されたとしてもさほどの伸びしろを持たないタイプだと思われます。
母には異系マンノウォーのラインが１つあるので、異系アシストが発生する可能性を持つタイプではありますが、今後もＧ�気鮠，蘇蕕韻垢襪泙任梁減澆砲呂覆蠕擇譴覆い噺�ています。
１７．デリキットピース（母の迂回血＝６）
ホワイトマズル×母父サンデーＳの「見た目配合」となるため、２連勝していることもあり連下扱いの人気にはなるのでしょう。父ホワイトマズルが迂回血ライン＝１１となる種牡馬であることは既に言及していますが、系統は違えども迂回血ライン＝１１のマンハッタンカフェと同じ値であることはやはり、強調すべき部分ですね。
ホワイトマズルの種牡馬としての芝Ｇ�擬太咾禄淑�なので、あとは配合相手の母馬次第、というところですが、母デリキットの持つ値は６とやや低め。とはいえトウルビヨンの血のラインを１つ経由しており、ホワイトマズル自身もトウルビヨン経由が１つあるため、相性は良いはずですし、何より母デリキット自身にノーザンダンサー経由の血がない、というのが好感が持てます。
重馬場対応も血統的にはこなせそうな感じなので、その走りには注目してみたいですね。
１８．サクラローズマリー（母の迂回血＝４）
良馬場であれば恐らく台頭の余地はないだろうと考えていましたが、もし重〜不良馬場になった場合には、中京の芝２０００ｍの不良馬場を勝っているだけに軽視できない存在といえそうです。将来的にオープンクラスへの昇級も危うい感じの馬ですが、距離適性そのものは２５００ｍ前後までこなせそうな感じで、下級条件の札幌２６００ｍなどではハマるかも？ですね。
2009年05月04日
天皇賞・春 回顧
Ｇ・Ｗの最中、このブログを読んで頂いている方々には感謝申し上げます。一体どれだけの方が、このブログの中身について「肯定的な目線」で読んで下さっているのか皆目見当もつかない私ですが、これからも「異端血統論」を展開させていく所存ですので、興味を持たれた方はどうぞよろしくお願い致します。
２００７年３連複、２００８年３連単を連続的中できていたので今年も、と意気込んでの予想でしたが、１〜３番人気の馬全てが馬券圏外に去ることまではさすがに想定しきれませんでした。
２着アルナスラインに関しては、レース中落鉄があったとのことですが、もしそれがなければマイネルキッツに抜かれることはなかったでしょう。
最内をピッタリと走れたことに加え、前が詰まるような不利もなかったマイネルキッツには強運がついてまわったのでしょうね。栗東に早めに入厩していたことも結果的にその１つでしょうし。
そもそも今回の事前検証および展望で、マイネルキッツは取り上げませんでした。
以前記した内容に、ダンシングブレーヴとホワイトマズルに関する系統の「迂回血ライン的特徴」を取り上げ、その際にチーフズクラウン〜チーフベアハートの親仔を引き合いに出して「ダメな例」という位置づけをしていました。
チーフズクラウンの種牡馬実績を超えるような名種牡馬に、チーフベアハートがなることはないだろうと・・・。
マイネルキッツが天皇賞を勝った直後ですが、この考え方は今も揺らぐことはありません。
マイネルキッツが今後も芝Ｇ�祇鐇�でいかに好成績を挙げようとも、チーフベアハート産駒の芝Ｇ�鞠呂�もう１頭、２頭と出てこない限りは・・・。
種牡馬戦国時代に突入していることは昨年後半あたりからもう明らかだと感じていますので、今までの芝Ｇ�擬太咾任笋篶瑤蟲ぬ�だった種牡馬でも台頭できる余地が幾分出てきた、というサインとして受け止めています。
私の展開する血統論はそもそも正統派のそれとは真逆で、種牡馬の力量を「父と母父」という形で捉え産駒の特徴を論ずることをしていません。
このブログを始める意図として、今までの血統的常識・正論と同じものを言っていたのでは意味がないと宣言したのは、自分の理論が絶対正しいというのではなく、「全く違った視点で血統を見ても面白いのではないか」というアウトサイダー的精神からです。
予想のプロたちの放つ「真っ当な見解」が、レース前・レース後も判で押したようなものにしか感じ取れない私は、一介の素人にすぎなくても、彼らに挑戦するつもりで今後もこのブログを展開させていきたいと思います。
２００７年の天皇賞・春で対抗に指名した１１番人気エリモエクスパイアの持つ「迂回血ライン」の特徴と、今年１２番人気で激走して勝ったマイネルキッツの持つ「迂回血ライン」の特徴は、正に「真逆」なもの。
マイネルキッツの母タカラカンナの持つ迂回血ライン数は４つで、そのうちサッカーボーイ経由が３つです。しかもその３つというのはノーザンテーストの持つ迂回血がそのまま移行しての値。
通常の正統派血統論では、ディクタスの系統はタフで消耗戦に強く、底力の裏付けもあるなどといわれています。
しかし、迂回血ラインの「理論」においては、ファイントップ〜ディクタスのラインは確かにファラリス系とはルーツの若干異なる父系で独自のものを持っている系統ではあるものの、父系として存続していくための「迂回血ライン＝底力ライン」の継承がない父系だったのです。
サッカーボーイの代になってようやく、ノーザンテースト経由による迂回血ライン３つを得たことによって、種牡馬として息の長い活躍がここまでできるに至りましたが、肝心の「サッカーボーイ直系の種牡馬」は１頭もいません。
タカラカンナに話を戻せば、現代においてはやや古めの時代の先祖たちを背景に持つ母馬です。これは先日皐月賞を勝ったアンライバルドの母バレークイーンとも共通する要素で、奇しくも「迂回血ライン数＝４」というのも同じです。
これが意味するものは何か・・・？
昨年は桜花賞、天皇賞・春、ダービー、秋華賞、ジャパンカップ（芝）と、母馬が１０以上の迂回血ライン数を持つタイプが優勝もしくは連対しました。
短距離戦である高松宮杯はそもそも迂回血ライン理論の対象外なので考察に入れないにしても、今年のＧ�祇錣呂海譴泙韮隠旭幣紊涼佑留�回血ライン数を持つ母馬の産駒の優勝はゼロ。
もしこの傾向がダービー、そしてジャパンカップまでも続くようなら、私個人としては「明らかに異変」として受け止めることになります。
新世代の母馬たちは、古い世代の母馬たちを超えて然るべき繁殖牝馬としての能力を失いつつある・・・。
そんな「口あんぐりー」な見解を実感する日が来なければいいのですが。
２００７年３連複、２００８年３連単を連続的中できていたので今年も、と意気込んでの予想でしたが、１〜３番人気の馬全てが馬券圏外に去ることまではさすがに想定しきれませんでした。
２着アルナスラインに関しては、レース中落鉄があったとのことですが、もしそれがなければマイネルキッツに抜かれることはなかったでしょう。
最内をピッタリと走れたことに加え、前が詰まるような不利もなかったマイネルキッツには強運がついてまわったのでしょうね。栗東に早めに入厩していたことも結果的にその１つでしょうし。
そもそも今回の事前検証および展望で、マイネルキッツは取り上げませんでした。
以前記した内容に、ダンシングブレーヴとホワイトマズルに関する系統の「迂回血ライン的特徴」を取り上げ、その際にチーフズクラウン〜チーフベアハートの親仔を引き合いに出して「ダメな例」という位置づけをしていました。
チーフズクラウンの種牡馬実績を超えるような名種牡馬に、チーフベアハートがなることはないだろうと・・・。
マイネルキッツが天皇賞を勝った直後ですが、この考え方は今も揺らぐことはありません。
マイネルキッツが今後も芝Ｇ�祇鐇�でいかに好成績を挙げようとも、チーフベアハート産駒の芝Ｇ�鞠呂�もう１頭、２頭と出てこない限りは・・・。
種牡馬戦国時代に突入していることは昨年後半あたりからもう明らかだと感じていますので、今までの芝Ｇ�擬太咾任笋篶瑤蟲ぬ�だった種牡馬でも台頭できる余地が幾分出てきた、というサインとして受け止めています。
私の展開する血統論はそもそも正統派のそれとは真逆で、種牡馬の力量を「父と母父」という形で捉え産駒の特徴を論ずることをしていません。
このブログを始める意図として、今までの血統的常識・正論と同じものを言っていたのでは意味がないと宣言したのは、自分の理論が絶対正しいというのではなく、「全く違った視点で血統を見ても面白いのではないか」というアウトサイダー的精神からです。
予想のプロたちの放つ「真っ当な見解」が、レース前・レース後も判で押したようなものにしか感じ取れない私は、一介の素人にすぎなくても、彼らに挑戦するつもりで今後もこのブログを展開させていきたいと思います。
２００７年の天皇賞・春で対抗に指名した１１番人気エリモエクスパイアの持つ「迂回血ライン」の特徴と、今年１２番人気で激走して勝ったマイネルキッツの持つ「迂回血ライン」の特徴は、正に「真逆」なもの。
マイネルキッツの母タカラカンナの持つ迂回血ライン数は４つで、そのうちサッカーボーイ経由が３つです。しかもその３つというのはノーザンテーストの持つ迂回血がそのまま移行しての値。
通常の正統派血統論では、ディクタスの系統はタフで消耗戦に強く、底力の裏付けもあるなどといわれています。
しかし、迂回血ラインの「理論」においては、ファイントップ〜ディクタスのラインは確かにファラリス系とはルーツの若干異なる父系で独自のものを持っている系統ではあるものの、父系として存続していくための「迂回血ライン＝底力ライン」の継承がない父系だったのです。
サッカーボーイの代になってようやく、ノーザンテースト経由による迂回血ライン３つを得たことによって、種牡馬として息の長い活躍がここまでできるに至りましたが、肝心の「サッカーボーイ直系の種牡馬」は１頭もいません。
タカラカンナに話を戻せば、現代においてはやや古めの時代の先祖たちを背景に持つ母馬です。これは先日皐月賞を勝ったアンライバルドの母バレークイーンとも共通する要素で、奇しくも「迂回血ライン数＝４」というのも同じです。
これが意味するものは何か・・・？
昨年は桜花賞、天皇賞・春、ダービー、秋華賞、ジャパンカップ（芝）と、母馬が１０以上の迂回血ライン数を持つタイプが優勝もしくは連対しました。
短距離戦である高松宮杯はそもそも迂回血ライン理論の対象外なので考察に入れないにしても、今年のＧ�祇錣呂海譴泙韮隠旭幣紊涼佑留�回血ライン数を持つ母馬の産駒の優勝はゼロ。
もしこの傾向がダービー、そしてジャパンカップまでも続くようなら、私個人としては「明らかに異変」として受け止めることになります。
新世代の母馬たちは、古い世代の母馬たちを超えて然るべき繁殖牝馬としての能力を失いつつある・・・。
そんな「口あんぐりー」な見解を実感する日が来なければいいのですが。
2009年05月03日
天皇賞・春 展望
土曜の青葉賞ではマッハヴェロシティ（母マイミッシェルの迂回血ライン数＝１２）が７番人気でダービー出走権を確保。
ヘイロー３×４のクロスを持ち、かなりムラ駆けの傾向を醸し出している血統背景の馬で本番につながるかどうか微妙なところですが、母馬の迂回血が高いのでダービー当日の走りにも注目しようと思います。
さて、天皇賞も近づいてまいりました。今回はジャガーメイルの可能性も探ってみます。
ジャガーメイル（母ハヤベニコマチの迂回血ライン数＝７）
母馬の迂回血としては、サンデーサイレンス経由の４つ＋ノーザンテースト経由の３つによる、計７つで、３代母の両親からは全く底力先祖の継承ラインがなく、芝の中長距離Ｇ�祇錣如崗，蘇蕕院廚垢襪砲郎０譴弔淵織ぅ廚噺�ます。
前走の香港ヴァーズで３着という実績は評価すべきなのかどうか、私個人としてはこのＧ�汽譟璽垢亮村租�なレベルが測りかねるので、正直分かりません。
あくまでも日本国内における、「芝Ｇ�擬太咫廚鮑８紊匹�積み上げていけるかどうかでしょう。ジャンポケ産駒にしては好走・凡走を激しく繰り返すような不安定な面はなさそうですが、どうでしょうね〜。
昨年のアルゼンチン共和国杯でこの馬に先着を許した、
アルナスライン（母エラティスの迂回血ライン数＝６）
アルナスラインを今回本命視している方にとっては、この「やや低めの値」をどう感じていただけるでしょうか。
「そうかやっぱりな」と思うか、「いや菊花賞２着馬だぜ。今回は“復活”するから迂回血ラインなんてインチキ血統論だっ」、と思われるのか・・・。
私個人としては、菊花賞２着以前から迂回血が低めなのは分かっていましたので、古馬となってから苦戦する傾向が高まるのではないか？と思いつつこの馬を“監視”してきました（笑）。
ただ基本的には、この馬は京都の平坦コースが一番合うのではないかと思われますので、Ｇ�気箸覆詆饌罎任修譴鯣�揮できるかどうかですかねえ。
ホクトスルタン（母ダイイチアピールの迂回血ライン数＝１０）
迂回血ライン数で言えば合格ラインの母馬なのですが、同時に母ダイイチアピールは「ヘイルトゥリーズン３×４の黄金クロス」を持つので、その影響のほうが強めに出てしまう可能性が高いと思われます。
つまり、スプリンター色が強かったといわれるヘイルトゥリーズンの血統が強く影響していれば、ホクトスルタンにとっては父メジロマックイーンの持つ長距離適性を阻害する要因となっても不思議ではない血統構成とも考えられるのです。
ホクトスルタンがもし天皇賞・春を制すれば父系４代に亘る偉業、となりますが、この母馬の血統背景がどう影響するか、見どころですね。
メジロマックイーンが母父となるドリームジャーニーについては、産経大阪杯の前にかなり字数を割いて見解を述べましたので、ここではもう触れないでおきましょう。
最後に、
ネヴァブション（母パールネックレースの迂回血ライン数＝７）
この馬も母の迂回血が示すとおり、Ｇ�祇錣箸覆襪氾喘爾貌鷏綯綵腓砲覆辰討靴泙Δ茲Δ福�一筋縄ではいかない微妙なレベルの母馬から産まれています。
「晩成型で、今はもう力をつけた」という解釈ができるのかもしれませんが、今回のメンバーとの対戦成績ではかなり分が悪いので、逆転できるほどの成長力が本当にあったのか、すぐに答えが出ますね。
最近のＪＲＡの「馬場対策」として、芝の刈り込みを以前のように極端に短くせず、良馬場でも力の要る馬場の傾向になってきていると思われます。
以前は「速い時計決着をやたら演出」し、故障馬の続出を招いた近年のレース傾向を反省？しているのかも・・・。
どういう結末が待っているのでしょうか。名勝負と呼べるような結末を今年も期待したいところです。
ヘイロー３×４のクロスを持ち、かなりムラ駆けの傾向を醸し出している血統背景の馬で本番につながるかどうか微妙なところですが、母馬の迂回血が高いのでダービー当日の走りにも注目しようと思います。
さて、天皇賞も近づいてまいりました。今回はジャガーメイルの可能性も探ってみます。
ジャガーメイル（母ハヤベニコマチの迂回血ライン数＝７）
母馬の迂回血としては、サンデーサイレンス経由の４つ＋ノーザンテースト経由の３つによる、計７つで、３代母の両親からは全く底力先祖の継承ラインがなく、芝の中長距離Ｇ�祇錣如崗，蘇蕕院廚垢襪砲郎０譴弔淵織ぅ廚噺�ます。
前走の香港ヴァーズで３着という実績は評価すべきなのかどうか、私個人としてはこのＧ�汽譟璽垢亮村租�なレベルが測りかねるので、正直分かりません。
あくまでも日本国内における、「芝Ｇ�擬太咫廚鮑８紊匹�積み上げていけるかどうかでしょう。ジャンポケ産駒にしては好走・凡走を激しく繰り返すような不安定な面はなさそうですが、どうでしょうね〜。
昨年のアルゼンチン共和国杯でこの馬に先着を許した、
アルナスライン（母エラティスの迂回血ライン数＝６）
アルナスラインを今回本命視している方にとっては、この「やや低めの値」をどう感じていただけるでしょうか。
「そうかやっぱりな」と思うか、「いや菊花賞２着馬だぜ。今回は“復活”するから迂回血ラインなんてインチキ血統論だっ」、と思われるのか・・・。
私個人としては、菊花賞２着以前から迂回血が低めなのは分かっていましたので、古馬となってから苦戦する傾向が高まるのではないか？と思いつつこの馬を“監視”してきました（笑）。
ただ基本的には、この馬は京都の平坦コースが一番合うのではないかと思われますので、Ｇ�気箸覆詆饌罎任修譴鯣�揮できるかどうかですかねえ。
ホクトスルタン（母ダイイチアピールの迂回血ライン数＝１０）
迂回血ライン数で言えば合格ラインの母馬なのですが、同時に母ダイイチアピールは「ヘイルトゥリーズン３×４の黄金クロス」を持つので、その影響のほうが強めに出てしまう可能性が高いと思われます。
つまり、スプリンター色が強かったといわれるヘイルトゥリーズンの血統が強く影響していれば、ホクトスルタンにとっては父メジロマックイーンの持つ長距離適性を阻害する要因となっても不思議ではない血統構成とも考えられるのです。
ホクトスルタンがもし天皇賞・春を制すれば父系４代に亘る偉業、となりますが、この母馬の血統背景がどう影響するか、見どころですね。
メジロマックイーンが母父となるドリームジャーニーについては、産経大阪杯の前にかなり字数を割いて見解を述べましたので、ここではもう触れないでおきましょう。
最後に、
ネヴァブション（母パールネックレースの迂回血ライン数＝７）
この馬も母の迂回血が示すとおり、Ｇ�祇錣箸覆襪氾喘爾貌鷏綯綵腓砲覆辰討靴泙Δ茲Δ福�一筋縄ではいかない微妙なレベルの母馬から産まれています。
「晩成型で、今はもう力をつけた」という解釈ができるのかもしれませんが、今回のメンバーとの対戦成績ではかなり分が悪いので、逆転できるほどの成長力が本当にあったのか、すぐに答えが出ますね。
最近のＪＲＡの「馬場対策」として、芝の刈り込みを以前のように極端に短くせず、良馬場でも力の要る馬場の傾向になってきていると思われます。
以前は「速い時計決着をやたら演出」し、故障馬の続出を招いた近年のレース傾向を反省？しているのかも・・・。
どういう結末が待っているのでしょうか。名勝負と呼べるような結末を今年も期待したいところです。
